ネットワークエンジニアはネットワーク環境・構築・運用・保守を手掛ける仕事!そのやりがいと苦労とは

「ネットワークエンジニア」という職業を知っていますか?IT関連に詳しい人でしたら知っているでしょう。しかし、一般の人でネットワークエンジニアがどんな仕事をしているのか知っている人は少ないのではないでしょうか。今回はネットワークエンジニアに焦点を当てて、仕事内容や活躍する場所はどんなところかなど、詳しく解説していきます。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアの仕事

ネットワークエンジニアの仕事内容は、「ネットワーク設計」「ネットワーク構築」「ネットワーク監視・運用」に分けられます。これらの仕事を別々の担当者が行う場合と、全て一人で行う場合があります。

  • ネットワーク構築
  • ネットワークシステムの詳細設計を行うため、ネットにおけるセキュリティやサーバー、各種OSなどに関して幅広い知識を持っていることが重要です。顧客の依頼でネットワークを設計するときには、要求に応えることはもちろん、プロジェクトを推進する能力を必要とします。

  • ネットワーク構築
  • ネットワークエンジニアは、ネットワーク構築という設計書を元に回線の設置などをする仕事も行います。この仕事は、トラブルや無駄なコストを避けるため、最新の製品や技術、機器の設置などに関する知識を持っていることが重要です。

  • ネットワーク監視・運用
  • ネットワークシステム構築後の維持管理を行うために、監視・運用を行います。ネットワーク構築後、もしもトラブルが起きてしまったら、どの部分に原因があるのかを突き止めるため、全体をしっかり見られる視野と幅広い知識を持っていなければなりません。

ネットワークエンジニアの年収

ネットワークエンジニアの平均年収は、約300~600万円程度となっています。経験を積んでいけば収入を伸ばせる可能性がある仕事ですので、年収を上げるために難しい資格を取得する人もいます。

ネットワークエンジニアに必要な適性

  • 好奇心や探究心が強い
  • この仕事をするためには、やはりITに関することが好きだということが大切です。好奇心や探究心が強く、疑問を持ったらとことん突き詰めて考えて理解を深めようとする人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えます。

  • 人と接することが苦ではない
  • ネットワークエンジニアに大切なことは、人と接することが苦ではないことです。仕事をしていく中で、他のエンジニアと打ち合わせをしたり、顧客に提案をすることがあります。コミュニケーションをとることは仕事を上手く進めるために大切なことです。技術や知識だけではなく、人とうまく接することができる人は仕事をスムーズに進めることができます。

  • 変化を受け入れて対応できる
  • IT業界は日々絶えず進歩しています。データベースやOS、プログラミング言語などのさまざまな分野で新しい技術が出てきます。仕事の種類によっては、一度覚えた知識や技術をずっと使って仕事をしますが、IT業界はそうはいきません。どんどん新しいことを覚えていかなければならないため、その変化に対応する必要があります。自分から情報を集めて学んでいくことが好きな人は、ネットワークエンジニアに向いているでしょう。

ネットワークエンジニアになるには

ネットワークエンジニアに必要なスキル

  • ネットワーク機器の知識
  • ネットワークエンジニアは色々な機器を接続するため、それぞれの機器に対する知識を持っていなければなりません。インターネットに関する専門的な知識を持っていることは重要です。

  • ITに対する知識と情報収集力
  • IT業界は日々進化しています。絶えずアンテナを張って、新しい情報を収集して取り入れる力が必要です。また、最新の機器などについての情報を押さえておかなければなりません。常に新情報を持っていることで、セキュリティ強化やコスト削減という提案もできるのです。

  • コミュニケーション能力
  • ネットワークエンジニアの仕事は顧客の要望をヒアリングして、最適なネットワークシステムを設計することがです。そのためには、コミュニケーション能力が重要です。顧客との信頼関係を築くことでよりよい仕事ができるのです。

ネットワークエンジニアが活躍する場所

  • ネットワークシステムの会社
  • ネットワークエンジニアとして働く場合、ネットワークシステムの会社で働く人が多く、顧客のニーズに合わせてネットワーク構築などを行います。サーバー運用に欠かせない各種設定、トラブルへの対応などが主な仕事になります。

  • 一般企業のシステム課
  • IT関連会社でなくても、コンピューターを使用する会社でシステム管理の仕事を任される場合もあります。今はどの会社でもITを活用し、その存在が必須となっています。そのため、エンジニアを会社で雇用して管理させる会社も多く存在します。

大学でネットワークについて学ぶ

大学でネットワークに関する勉強をするためには、情報学部や情報工学コースなど、情報ネットワーク関連の勉強ができる学科がある学校で学びます。大学の特徴としては、研究に力を入れている所で、ネットワークの基礎から最先端の情報技術や知識に関して幅広く勉強することができます。また、先を見据えて大学の4年間の間にIT関連の資格を取得しておくと就職の時に有利になることがあります。

専門学校でネットワークについて学ぶ

専門学校でも、ITやコンピュータ関連の学科を設けているところがたくさんあります。専門学校では、資格取得を目的としたカリキュラムを多く取り入れていて、就職した時のことを考えた学び方ができます。就職実績がある学校では、学校からIT関連会社を紹介してもらえるところもあるため、ネットワークエンジニアとして早く社会で働きたい人は専門学校を選ぶ方法もあります。

ネットワークエンジニアとして働く

ネットワークエンジニアに必要な資格はあるの?

ネットワークエンジニアとして働くために、持っていなければならない資格はありません。しかし、知識と技術を持っていることの証明になる資格は持っていることで、就職や転職の時に有利になる可能性があります。また、資格を持っていることで手当がつく会社もありますし、昇進のために資格取得が条件付けられている会社もあります。

  • シスコ技術者認定(Cisco Systems社)
  • IT業界の中では、認知度が高いネットワークエンジニアとしての資格です。初級レベルを取得すると、その上の段階にある受験資格が取得できる仕組みになっています。一番難しいとされるCCIEは、ネットワーク系の資格の中では取得するのが難しく、持っていると最も評価されるものです。以下、初級の資格から順にご紹介します。

    ■CCENT
    ネットワークエンジニアとしての初級レベルで、この資格を取得しないと上の級の資格を受験できません。

    ■CCNA
    基礎レベルの資格になります。ネットワークエンジニアとしての登竜門の資格と言われていて、転職する時にこの資格を持っていることを条件とする会社もあります。レベルとしては、先輩に指示をしてもらいながら作業ができるくらいのレベルです。

    ■CCNP
    基礎よりもレベルアップした作業ができる人が取得できる資格です。先輩からの指示をもらわなくても1人で作業ができるレベルになります。

    ■CCIE
    国際的にも通用するシスコ技術者認定の最上位資格です。この資格を持っていると、海外でも一流のネットワークエンジニアと認められます。

  • ネットワークスペシャリスト試験
  • 国内のネットワーク関連試験の中では最難関のもので、国家資格「情報技術者試験」の1区分として実施されています。日本では、国家資格であるこの資格はCCNA以上の評価を得ることもあります。この資格よりも易しい資格には、「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」があります。

ネットワークエンジニアの求人

ネットワークエンジニアは人材不足だと言われており、需要は安定しています。未経験の人でも働くことはできますが、就職・転職を有利にするためにCCNAなどの資格があると就職先の選択肢が広がります。ネットワークエンジニアには設計や構築の仕事、運用・保守という仕事と必要な知識はそれぞれ異なります。

未経験からネットワークエンジニアになるためには、会社で教育を受けられることが重要になってきます。もちろん自分自身でも勉強することはもちろん、現場で経験しながら教育を受けられる環境である会社で働けることがスキルアップにつながります。会社を選ぶときに、研修などの教育に力を入れているかどうかポイントにしてみるといいでしょう。

ネットワークエンジニアとして働くための志望動機

ネットワークエンジニアになりたい、と目指す人は「ITは今や社会に欠かせないものになっている。そのITに関わる仕事がしたい」という理由を挙げる人が多いでしょう。ここで気をつけるべきことは、ネットワークエンジニアの仕事といっても内容は色々だということです。ネットワークエンジニアの仕事を充分に理解して、なぜIT関連の仕事の中で「ネットワークエンジニア」なのかを、面接の際にしっかり伝えることができるようにしておきましょう。

ネットワークエンジニアは未経験でもなれる?

ネットワークエンジニアとして働く場合、未経験から働くことは可能です。もちろん、自分でネットワークやIT関連の知識や技術を身につける努力は必要です。未経験でも採用してくれる会社は、意欲的に学ぶ姿勢を持っている人を採用します。

フリーランスとして働く

フリーランスのネットワークエンジニアとして働くために、持っていなければならない資格はありませんが、フリーランスで働くためにはクライアントの信用を得られるよう、確かな技術と知識を持っておかなければなりません。

その証として、ネットワークエンジニアに関する資格を取得しておくことが重要になるでしょう。どの世界でも、実力がなければ仕事を続けてもらうことができません。フリーランスになる前に、会社で色々な現場の仕事をこなし経験を積むことが必要です。経験を積むことでさまざまなトラブルに対応する力がついていくのです。

ネットワークエンジニアのやりがいと苦労

ネットワークエンジニアのやりがい

  • トラブルの原因を見つけられたとき
  • ネットワークエンジニアの仕事は、見えないところで起きているトラブルを推測して原因を究明することです。そのため、どうしてそうなったのか状況を全体に見て分析し、原因の可能性を絞り込んで特定するという作業をします。時には時間がかかるその作業を行なうこともあり、トラブルの原因を見つけられて解決できた時、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

  • ネットワークが無事に繋がったとき
  • 普段私たちはパソコンなどを、当たり前のように使用していますが、ネットワークの構築や設定には大規模なものほど、大変な作業です。ネットワーク構築が無事に成功し、繋がった時の喜びはネットワークエンジニアの大きなやりがいになります。

  • 海外とも繋がることができる
  • ネットワークエンジニアの仕事は海外とのやりとりも多く、連携して作業を行うことがあります。意思疎通が難しいこともありますが、作業が終わった時、成功した時の喜びはひとしおです。様々な国籍の人たちと通じることができ、海外とも繋がれるのは楽しくもあり、ネットワークエンジニアとして働く魅力の一つでもあります。

ネットワークエンジニアの苦労とは

  • ITの世界は変わり続ける
  • ITの世界は常に変わり続けています。常に最先端の技術や知識を身につける必要があります。ITの世界は知識を一度身につけたらその知識をずっと使い続けるのではなく、新しいことに対応し続ける努力が必要なのです。

  • 急なトラブルに対応が必要なことも
  • ネットワークエンジニアは、経験が浅い場合はシステムの保守作業や監視を任されます。もしも構築したネットワークにトラブルが起きたら、すぐに対応しなければなりません。そして、保守作業は深夜に行うことがほとんどなので、夜勤が続く場合があります。夜勤が多くなると、生活が不規則になってしまうため辛いと感じることがあるでしょう。

  • 残業が多い会社もある
  • 会社によっては、残業や休日出勤が多くなるところがあります。IT業界で活躍するエンジニアは忙しくなりがちで、中には身体を壊してしまう人もいます。しかし、IT業界で働く人が皆そうだというわけではありません。働き方改革で労働時間を見直す会社やフレックスタイム制度を取り入れて、社員が働きやすい環境を作ろうと努力している企業も多くあります。

ネットワークエンジニアの将来性

ネットワークエンジニアの仕事内容は、クラウド時代の影響を受けてだんだん変わってきています。クラウド化で運用、保守という作業は減っていっているのが現状です。今度もクラウド化はどんどん加速していき、それに伴いクラウドに精通した時代のニーズに合わせたネットワークエンジニアが今後は活躍していくでしょう。ITの世界は日々進化しています。その進化についていき、新しい知識もどんどん取り入れていくことも重要です。

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