パラリーガルの資格取得は難易度高めって本当?通信講座も利用してスキルアップを目指そう

パラリーガルという仕事を聞いたことがありますか?最近は弁護士事務所を題材にしたテレビドラマなどで、パラリーガルの存在が知られるようになりました。しかし、パラリーガルになるためには資格が必要なのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。今回はパラリーガルの資格について知っていきましょう。

パラリーガルとはどんな仕事?

パラリーガルは法律事務と呼ばれることもあり、法律事務所で弁護士の下で法務に関わる事務の業務を行います。弁護士のスケジュール管理や調整、裁判所への書類提出、クライアントとの連絡、応接や秘書のような業務仕事の他に、法律事務を兼任するところがほとんどです。

法律事務とは、判例や法令などを検索する、戸籍などの書類の取り寄せ、弁護士が作成した文書にミスがないか確認する、裁判所へ提出する文書の作成などの業務です。しかし、パラリーガルの仕事内容に関しては事務所の方針によって大きく異なり、法律事務をほとんどパラリーガルに任せるところと、弁護士が大半を行うところがあります。

パラリーガルとして働くためには資格取得が必要?

パラリーガルとして働くために必要な国家資格は存在していません。しかし、パラリーガルの仕事内容はビジネスマナーをはじめ、パソコンスキルから専門的な文書の作成などの知識が必要な仕事です。

そのために、民間の法律事務員としての認定制度やパラリーガルの資格認定制度が存在し、パラリーガルとしての知識を証明するためのものになっています。パラリーガルとして法律事務所で働くことはできますが、就職や転職する時に認定試験を受けて実力を証明するものを取得しておくと有利になる可能性があります。

【日本弁護士連合会】事務職員研修の充実と能力認定制度

事務職員研修の充実と能力認定制度の概要

以前、日本弁護士連合会の認定試験を受験するためには、法律事務所などで「2年以上の実務経験」があり、能力認定研修を受けないといけませんでした。しかし、2014年から変更になり、法律事務職員の能力認定制度の研修は2年以上の実務経験がなくても、法律事務所で働く事務員または企業などで弁護士の事務を補佐する職員であれば、全ての事務職員が何度でも受講できるようになりました。以前から実施している新人向けの初級研修3科目と合わせて3種類の研修を実施することに変更になったのです。

  1. 初級研修
  2. 法律事務員としての基礎知識と心構えについて学ぶ研修で、法律事務職員になって1年目の人が受講するような内容になっています。

  3. 基本研修
  4. 法律実務全般の重要な事柄を抑えた内容の研修になり、内容は法律事務職員になって2年目から5年目くらいの人が理解できるものです。

  5. 応用研修
  6. 特殊な分野や少し難易度が高くなった内容の研修を行います。

事務職員研修の充実と能力認定制度の難易度

 受験者数合格者数合格率
第1回2,132名1,556名73.0%
第2回1,143名651名57.0%
第3回844名469名55.6%

参照:日本弁護士連合会

【日本リーガルアシスタント協会】パラリーガル認定資格制度

パラリーガル認定資格の概要

年に1度、日本弁護士連合会では法律事務所や企業などで働いている法律事務職員へ能力の向上を促すことを目的に、能力認定試験を行なっています。この試験を受けることができるのは、「出願する時に、法律事務所で働いている事務職員、公務所または企業などの団体で弁護士の事務補助をしている者」です。

試験内容は、国内の民事・家事等の法的な手続きに関した専門的な知識を計るもので、経験5年程度の職員を対象にした内容になっています。この試験に合格すると、民間資格であるパラリーガルの資格を認定されます。

パラリーガル認定資格はレベル別に設定されている

レベルに応じて、初級の「エレメンタリー・パラリーガル」、中級の「インターメディエイト・パラリーガル」、上級の「アドバンスド・パラリーガル」の3つの段階に分けられていて、自分の実力に合わせて試験を受けることができます。

エレメンタリー・パラリーガル(初級)

試験を受けるための条件は、「1年以上法律事務所で勤務している実績があること」または「エレメンタリー・パラリーガル認定資格講座を修了していること」です。
講義内容は、初心者を対象としているので法律を学んだことがない人に分かりやすいものになっています。普段仕事で使用する基本的な法律用語・専門用語を学び、パラリーガルとして働くために必要な民法・民事訴訟法・刑事訴訟法などの基礎知識をしっかり学びます。

また、事務処理を学ぶ中で民事訴訟法・刑事訴訟法を学びながら関連付けて処理の仕方を理解できるような内容になっているので、裁判手続きの流れとパラリーガルが行なう事務処理の関連性、位置づけも理解しやすくなっています。この講義はこのように、未経験者から初心者までは無理なくマスターすることができる内容になっています。

インターメディエイト・パラリーガル(中級)

試験を受けるための条件は、「1年以上法律事務所で勤務している実績があること」または「エレメンタリー・パラリーガルの資格を有していて、インターメディエイト・パラリーガル認定資格講座を修了している」ことです。

講義内容は、一般民事事件に関する基本的な部分は、一通りの知識がある新人事務職員が理解できるくらいのレベルのものです。中級の講座では、法律事務所が取り扱うことが多い、相続(調停・審判)・成年後見・離婚などの家事事件について、事務手続きの流れを詳しく学びます。

それぞれの案件によって、必要な書類を取り寄せて裁判所へ提出する書類の作成の仕方を学びます。自己破産手続きについては、申立に必要なさまざまな書類を集めて一人で陳述書・財産目録を作成できるようになるまでを講座で学びます。

アドバンスド・パラリーガル(上級)

試験を受けるための条件として、「インターメディエイト・パラリーガルの資格を持っていて、アドバンスド・パラリーガル認定資格講座を修了していること」です。
講座の内容は、中級の講座で学んだ民事保全・民事執行の基礎知識を基にして、強制執行の申立書の作成方法や供託金の計算方法などを、演習問題を通してしっかり身につけます。

また、交通事故に関する実務処理について、交通事故の自賠責保険と任意保険の違いで逸失利益の計算ができるようになるよう、演習問題を解きながら学んでいきます。そして、個人再生手続や破産関税事件の手続きに関して、申立書の作成方法の他の全ての手続きを一人でできるようになるよう講座で学びます。この上級コースは、さまざなま事務手続きを一人で処理できるようになって、パラリーガルとして弁護士のサポートを完璧にできるようになる法律事務のスペシャリストを目指します。

パラリーガルの資格は通信講座でも取れる?

パラリーガルを目指す人向けのスクールは数が少ないものの存在します。スクールではパラリーガルの業務はどんなものか、法律に関する基本的な知識などを学ぶことができます。スクールのなかには、スクールを卒業後に法律事務所などに就職するためのインターンシップ制度や求人情報を提供するところがあります。

また、履歴書の書き方や面接の対策などのサポートをしてくれるスクールもあります。スクールが行なっている通信講座で学ぶことができるところもありますので、パラリーガルを目指す人はスクールの通信講座を利用するのも良いのではないでしょうか。

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パラリーガルの将来性

パラリーガルとして働くために必要な国家資格はありませんが、パラリーガルの仕事は職場にもよりますが、法律に関する書類の作成など専門的な知識を要するところもあります。法律事務の手続きは簡単なものではなく、経験や様々な業務に関わることで学ぶことがたくさんあります。パラリーガルとして働きながら、弁護士を目指す人や司法書士や行政書士の資格取得を目指す人もいます。

パラリーガルとして働く人はその経験が自己のスキルアップに役立つでしょう。法律職へのステップアップにも重要な経験となるはずです。パラリーガルの仕事は今後も法律事務所の戦力として必要な職業となります。パラリーガルとしてスキルアップするためにも、資格取得をめざしてみましょう。

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