消費生活アドバイザーは消費者と企業のパイプ役!必須資格や試験・おすすめ過去問テキスト

消費者と会社をつなぐパイプ役としての役割が期待される消費生活アドバイザーは、注目度もニーズも高い職業です。しかし実際にどんな職業なのかは、よく知られていません。そこで消費生活アドバイザーの仕事内容や資格取得のための学習方法、試験内容、資格取得後について、ご説明します。

消費生活アドバイザーとは?どこで、どんな仕事をするの?

消費生活アドバイザーの仕事内容

私たちはさまざまな商品やサービスを購入して、それらを消費する消費者として生活しています。私たち消費者が商品やサービスに対して、あるいはそれらを提供する会社に対して意見や苦情を言いたいときの窓口となるのが消費生活アドバイザーです。

消費生活アドバイザーは商品やサービスに対する問い合わせに対応したり、苦情を受け付けたりします。消費者の声として寄せられる改善点や問題提起、要望のアイデア・意見をまとめ、会社に届ける役割も担っています。

消費生活アドバイザーが活躍できる就職場所は?

一般の会社と公的機関のどちらにも消費生活アドバイザーが活躍できる場所があり、就職先は多岐にわたっています。

一般の会社ではお客様窓口などの消費者対応をする部署などで、問い合わせに答えたり、クレームに対応したりします。また新しい商品やサービスの開発やすでにある商品やサービスのモデルチェンジのさいに、より良いものとするために消費者から寄せられた意見をまとめて反映させるのも消費生活アドバイザーの仕事です。

公的機関では各都道府県や各市町村町に設置されている消費生活センターが主な就職先になり、苦情や相談の受付窓口として働きます。

なりたいと思ったら?消費生活アドバイザー資格の概要

消費生活アドバイザー資格の取得方法

消費生活アドバイザーとして働くためには、消費者生活アドバイザー資格を取得する必要があります。消費生活アドバイザー資格は内閣総理大臣および経済産業大臣の事業認定資格で、一般財団法人日本産業協会により資格が与えられます。

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また2016年から消費生活アドバイザー試験に合格すると消費生活アドバイザー資格が与えられると同時に、消費生活相談員の資格も与えられるようになりました。この制度変更により消費生活アドバイザーは消費生活相談員としても働くことができるようになり、活躍の場が広がりました。

消費生活アドバイザー資格者の求人・給料事情

消費生活アドバイザー資格者が就職を希望する場合、就職活動についてバックアップを受けることができます。消費生活アドバイザー人材簿に名前を載せることで、消費生活アドバイザー資格者の採用を希望している会社がに紹介会するという形で、スムーズで十分なマッチングの就職ができるようになっています。

消費生活アドバイザー資格者の就職率は7割程度と高く、消費生活アドバイザー資格に対するニーズや期待度の高さを知ることができるでしょう。

給料は会社の規定によって決まるので一概に言うことはできませんが、資格手当が支給されることによる支給額アップが期待されます。

ずばり難易度・合格率・合格ラインはどれぐらい?

消費生活アドバイザー資格試験と他の資格試験との難易度の比較

消費生活アドバイザー資格に似ている資格として消費生活コンサルタント資格、販売士資格があります。消費生活コンサルタント資格は財団法人日本消費者協会の消費生活コンサルタント養成講座を受講すると与えられる資格で、約2ヶ月の講座を受けることで取得することができます。

販売士資格は日本商工会議所による資格制度で、1級から3級までがあります。2級・3級の合格率は5割程度で、受験者の約半分が合格している比較的に難易度の低い資格です。しかし1級の合格率は1割程度と低く、超難関資格と言えます。

消費生活アドバイザー資格試験の合格率・合格ラインは?

消費生活アドバイザー資格試験の合格率は20%程度とされています。平成29年度試験についての1次試験の受験者数2,125人に対する合格者数は665人で、合格率は31.3%になっています。前年の平成28年度試験は受験者数2,223人、合格率32.5%でした。2次試験は1次試験免除者213人を含めた受験者数が861人で合格者数が516人、合格率は56.6%でした。

1次試験受験者に1次試験免除者を加えた受験者総数は2,338人、対する最終合格者数は516人で、最終合格率は22.1%となっています。前年度の平成28年度の最終合格率は22.0%となっています。

合格ラインについては1次試験は平均正解率63.8%以上、2次試験は論文試験がAからEまでの5段階評価でC以上、面接試験は誠実・円満・機密保持などに資質があるうえで面接員の総合評価がAからCまでの3段階評価でB以上と発表されています。

独学で消費生活アドバイザーに挑戦!資格試験に役立つテキスト&過去問題集

テキスト

消費生活アドバイザー資格試験に独学で挑戦する人の多くが、日本産業協会の「試験対策テキスト」を使用しています。「消費者問題 行政知識」、「法律知識」、「経済一般と経済統計の知識 企業経営の一般知識 金融の知識」、「地球環境問題・エネルギー需給 生活知識Ⅰ」、「生活知識Ⅱ」全5冊で、価格は1冊3,500円(消費税込み)、5冊セット15,000円(消費税込み)です。

テキストとしては東京教育情報センターの「消費生活アドバイザー試験合格への基本マスター」もあり、日本産業協会のものと両方を使う、という人も多数います。

過去問題集

過去問題集は産業能率大学の「徹底解説 消費生活アドバイザー試験過去問題集」しかなく、消費生活アドバイザー資格試験受験者にとって過去問題集と言えば産業能率大学のものになります。1次試験と2次試験に過去に出題された問題とその解説のほかに正解するポイント、重要用語集、関連年表、合格者の体験記などが掲載されています。

参考書

参考書として多くの人が使用しているのが国民生活センターの「くらしの豆知識」、消費者庁の「ハンドブック消費者」です。「くらしの豆知識」に書かれている情報は、すべての科目で役に立ちます。2次試験の論文対策の勉強にも使うことができます。毎年9月に発売されるので、1次試験の学習には前年のものを購入して使用します。

「ハンドブック消費者」はテキストに出てくる用語を調べる辞書として使うことができます。消費者基本法や消費者基本計画、消費者契約法といった消費生活アドバイザーに密接に関係する法律が全文、掲載されています。
また、時事問題対策として自由国民社の「現代用語の基礎知識」、国民生活センターの月刊誌「国民生活」、消費者庁の「消費者白書」もよく使われます。

消費生活アドバイザー資格試験講座の勉強時間や受講料は?

消費生活アドバイザー資格試験のための講座

通学講座

独学や通信講座で学習している人向けに、試験対策スターティング講座や試験対策ゼミ、重点科目特別講座、科目別講座、2次試験論文対策講座、時事問題対策講座、得点力アップ特訓講座、1次試験直前対策講座、1次模擬試験、2次試験対策講座、論文の書き方講座、2次模擬試験といった講座が産業能率大学によって開講されています。

通信講座

通信講座も産業能率大学が開講しており、日本産業協会のテキストを使用し出題率も高い傾向にあるとことから、消費生活アドバイザーを目指す多くの人に受講されています。在籍期間(受講期間)は12ヶ月となっていますが、もっと短期間で学習を終了させる人のほうが多い傾向にあります。

学習内容に小論文が含まれている総合コースと小論文が含まれていない基礎コースがあり、どちらのコースでもテキストはスマホやタブレットで見ることができ、添削はWebで提出することができます。2017年4月開講のものでテキスト6冊、スタディ・ガイダンス1冊、添削11回の総合コースは34,560円、テキスト5冊、スタディ・ガイダンス1冊、添削10回の基礎コースの受講料は30,240円で、どちらの講座も教育訓練給付制度の対象になっています。

消費生活アドバイザー資格試験の日程・会場

消費生活アドバイザー資格試験は年1回、第1次試験と第2次試験に分けて実施されます。第1次試験は択一形式で出題される試験で、消費者問題、消費者のための行政・法律知識、消費者のための経済知識、生活基礎知識の知識が問われます。

第1次試験に合格すると進むことができ第2次試験では、論文試験と面接試験が行われます。論文試験では第1次試験の出題内容となっている消費者問題、消費者のための行政・法律知識、消費者のための経済知識について、論文を作成します。

第1次試験は毎年10月初旬に実施され、約1ヶ月後の11月初旬に第2次試験に進むことができる合格者が発表されます。札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇で試験が行われます。

第2次試験は11月下旬に行われ、翌年2月に最終合格者が発表されます。試験地は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡です。

消費生活アドバイザー資格試験の合否は、どうやって知る?

消費生活アドバイザー資格試験に合格すると日経新聞や地方新聞などに名前が載り、また日本産業協会のホームページでも合格者名が発表されます。消費生活アドバイザー資格試験の合格者には、第2次試験合格通知書が交付され、郵送されます。

また消費生活アドバイザー資格証が交付され、この消費生活アドバイザー資格証1枚で消費生活アドバイザー資格と消費生活相談員の両方の資格を持っていることを証明することができます。

失効に要注意!消費生活アドバイザー資格の更新方法

消費生活アドバイザー資格には有効期間があり、5年間を過ぎると失効します。更新するためには有効期間中に4講座以上の更新研修を受ける必要があります。

試験合格後の消費生活アドバイザー資格の活かし方

消費生活アドバイザー資格試験合格後は一般の会社や公的機関に就職する以外にも、フリーランスとして働くこともできます。第三者の中立な立場の意見が必要とされる場合に、外部者としてアドバイスしたり、問題が起きている場合に仲介をしたりします。また消費者向けの講座で講師を務めたり、雑誌の原稿や本を執筆したりする仕事で活躍することもできるでしょう。

法律をはじめとして消費生活アドバイザーの仕事に関連する物事は頻繁に変わるので、どのような形で活躍するにしても常に世の中の動きに注意するようにしましょう。

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