臨床検査技師の求人が少なくなっているって本当?なるために通う大学や気になる年収について

健康診断や定期健診へ行った事がある人は、血液検査や尿検査をやったことがあると思います。採取した血液や尿を調べて異常はないか判断するのです。この検査に関わる人のことを「臨床検査技師」と言います。今回はこの臨床検査技師の仕事や国家試験について詳しく解説していきます。

臨床検査技師の仕事を知ろう

臨床検査技師の仕事内容

臨床検査技師の仕事は、医師の指示を受けてさまざまな検査を行い、患者さんの身体の状態を調べる仕事です。医師が診察する時に、患者さんのケガや病気の状態を知る検査のことを「臨床検査」と言います。患者さんの状態を知るためには、問診と共に欠かせないものがこの臨床検査です。この検査は患者さんが自覚症状がでていない病気を見つけることもできるもので、この検査の結果をもとに医師は治療を行います。

臨床検査には大きく分けて「検体検査」と「生理機能検査」に分けられます。検体検査は、患者さんから摂取したもの(血液、尿、便など)を調べる検査のことを言います。また、病理検査という手術等で採取した細胞や組織に異常がないかを調べる検査も行います。「生理機能検査」は、脳波や心電図、エコー検査などの患者さん本人の身体の機能や生理的反応を調べる検査のことです。

臨床検査技師の給料 平均年収とは

臨床検査技師の給料は、厚生労働省による平成28年賃金構造基本統計調査によると、平均月収が約32万円で、平均年収は約475万円です。臨床検査技師は病院以外でも製薬会社や医療機器メーカーなどの活躍の場がありますが、年収は規模が大きいところのほうが高い傾向があります。

臨床検査技師の休日

勤務する病院によってですが、病院で働く臨床検査技師の場合は日勤で病院の休診日とその他に1日を他のスタッフと交代で休みを取る場合がほとんどです。しかし、病棟がある病院の場合は看護師のように夜勤がある病院もあります。シフト制で日勤と夜勤を行い、休日は他のスタッフとの兼ね合いで取るようになります。臨床検査技師の仕事は定時に終わることは少なく、定時過ぎても検査業務を行うことがよくあります。

臨床検査技師になるためには

高校卒業後臨床検査技師の養成学校で学んで卒業する

  • 3年制の短期大学・専門学校
  • 臨床検査技師になるための短期大学、専門学校で学び卒業すると臨床検査技師国家試験を受験することができます。専門学校では就職支援に力を入れているところが多く、臨床検査技師になるための勉強を実習を含めてしっかり学ぶことができます。大学よりも1年早く卒業できて社会人になれるので、早く社会で働きたい人は短大や専門学校を選ぶといいのではないでしょうか。

  • 4年制の大学
  • 臨床検査技師の勉強をしてどのような仕事をするのかによりますが、企業や医療機関によっては大学卒業以上の学歴を必要とするところがあります。専門学校や短大よりも1年多く学べるので、より幅広く学ぶことができるのは大学の特徴でもあります。また、大学卒業の学歴があることで今後のスキルアップや転職の際に選択肢が広がります。

臨床検査技師の国家試験を受験する

臨床検査技師の国家試験受験資格を得るためには、4年制大学か3年制の短期大学または3年制か4年制の専門学校で指定された課程を修了する必要があります。また、獣医学部、薬学部、理学部などで臨床検査関連の科目単位を取得した場合と、医学・歯学を卒業することで受験資格が取得できます。試験は年に1回毎年2月に行われています。

臨床検査技師の国家試験の難易度

平成28年度に実施された臨床検査技師の国家試験の合格率は、新卒が89.9%で、既卒が28.5%でした。臨床検査技師の国家試験の合格率は毎年70%ほどですが、国家試験に向けて力を入れている学校選びが合格のポイントになってきます。

臨床検査技師に向いている人はどんな人?

  • 探究心がある人
  • 医学の世界は日々進歩しています。医療に携わる人は毎日が勉強です。学生のときだけでなく、病院などに就職してからも研修や勉強会に参加して新しい知識や技術を学ぶ必要があります。臨床検査技師が扱う機器はどんどん新しいものが出てきます。新しいことを学びたい、知らないことを知りたいという探究心を持っている人は臨床検査技師に向いているといえるでしょう。

  • 手先が器用な人
  • 臨床検査で使用する機器は進化していますが、まだ人間の手を必要とするところが多くあります。臨床検査は正確に行わなければなりません。少しのミスで大きな問題になってしまう場合があり、そのためには臨床検査技師には正確な操作をすることが重要です。手先が器用で丁寧な仕事ができる人に向いているでしょう。

  • 人とのコミュニケーションが苦ではない
  • 勤務する場所によりますが、検査をするときに患者さんと接することがあるため、患者さんと会話をすることがあります。病院で検査を受ける患者さんは不安でいっぱいで、心細い思いでいるため、少しでも気持ちを和らげるために声がけをすることも大切な仕事なのです。また、病院内では他のスタッフとのコミュニケーションも重要です。

臨床検査技師が活躍する場所

臨床検査技師が働くところ

  • 大学附属病院・総合病院
  • 検査施設が充実しているのは、大学附属病院や総合病院です。最新機器を使って検査でき、日々の医療や技術の進歩に触れることができます。大学附属病院・総合病院では医療チームの一員として働き、医師の指示で臨床検査を行います。

  • 一般診療所
  • 入院施設がない小規模の診療所で働く場合もあります。医師の指示により、臨床検査を行いますが、臨床検査技師の人数が少ないため一人がこなす仕事が多くなる場合があります。

  • 健診センター
  • 健康診断を行う施設で働く臨床検査技師もいます。病院とは違って予防医療を目的にした重要な役割を担っている医療施設です。その中で臨床検査技師は健診項目にある検査を行い病気があったら早期に見つける働きをします。

  • 臨床検査センター
  • 臨床検査技師の多くはこの臨床検査センターで働きます。小さな病院やクリニックは検査設備がないため、病院でとった尿や血液などを臨床検査センターへ送り検査してもらうのです。

  • 血液センター
  • 臨床検査技師は、血液検査と品質管理を行います。健康な供血者から採血した血液を保存して、必要に応じて医療機関へ供給するのが血液センターです。血小板を製剤する仕事も行います。

  • 医療機器メーカー
  • 臨床検査技師は医療現場で医療機器を使っていた経験や、持っている専門的な知識を生かしてアプリケーションスペシャリストとして医療機器メーカーで働くことがあります。アプリケーションスペシャリストとは、営業のサポートをする人のことで医療機器を使用してもらうよう、病院に製品の説明やデモンストレーションを行います。営業のようにセールスをするわけではなりません。

臨床検査技師の求人はあるの?

医療の世界では医師や看護師は常に不足しているのが現状ですが、臨床検査技師のような医療系資格保有者の求人は狭き門です。臨床検査技師の就職先としては病院が一般的ですが、医療機器の発達により人の手をかけなくてもよい部分が増え、病院では必要とする人員が減ってきています。大きな病院でも新規採用人数は年々減っていて、中小規模の病院では新規募集がないという場合もあるほど求人が少ないのが現実です。

欠員が出て募集をかけても、少ない採用枠に大勢の応募があるため、採用されるのが難しいでしょう。病院以外の就職先として、医療機器メーカーや製薬会社があります。この場合は採用条件として、大学・大学院卒の学歴が必要な場合が多いため、病院以外の就職を希望する場合は大学を卒業しておくのをおすすめします。

臨床検査技師のやりがいと苦労

臨床検査技師のやりがいとは

  • 人の命を救うことができる
  • 臨床検査技師は検査に関しては誰よりも知識や技術があり、医療の現場には欠かすことができない存在です。検査で病気を見つけることができ、臨床検査技師の仕事が人の命を救うことに繋がるのは大きなやりがいに繋がります。臨床検査技師が病気を治した患者さんと会うことはあまりないですが、患者さんが元気になったと医師から聞いた時などは喜びを感じることができるのです。

  • 自己を成長させられる
  • 医療の現場は実際に働いてみると、思っても見なかったことが起こります。検査の数が多く時間までに終えることができなかったり、はじめは手際や手順が悪くて時間がかかることもあります。しかし、検査の回数をこなしていくうちに、自分なりにコツをつかめるようになり短時間で終えることができるようになるでしょう。

    淡々と検査をこなすだけではなく、どのようにしたらスムーズに行うことができるのかコストをかけないですむか、考えながら仕事をこなしていくのは楽しいことでもあります。思うようにできた時にはやりがいを感じることができ、それは自分自身の成長にもつながります。

臨床検査技師の苦労はどんなこと?

  • 医療現場はハードである
  • 臨床検査技師だけではなく、医師や看護師など医療の現場は肉体的にも精神的にもハードです。そして1日の仕事がたくさんあって、時間が足りないということが日常茶飯事です。病院に来る患者さんの数は予想できるものではありませんし、緊急検査に対応しなければならないこともよくあるのです。

    臨床検査技師の世界では、残業が多くなり夜中までになることも珍しいことではありません。時には医師の希望で手術室に入って検査を行うこともあります。このように、仕事量が多くハードな現場で働くので大変だと感じることも多いでしょう。

  • 新しい知識や技術を学び続ける
  • 医療は日々進歩しています。新しい治療法や検査方法にも対応していかなければならないのが医療の世界です。最新機器の正しく使いこなさなければいけないのも大変なことです。病院に導入する機器のことも臨床検査技師が検討するので、臨床検査技師になってからも毎日が勉強です。それは大変なことではありますが、やりがいに繋がることでもあるでしょう。

  • 仕事中は孤独
  • 病院によりますが、臨床検査技師の仕事は人と接することが少ない職場もあります。患者さんとの会話もなく、1日中機械を操作することが続くこともあるのです。人とコミュニケーションを取るのが好きな人は苦痛に感じてしまうこともあるでしょう。

臨床検査技師の今後

国家資格である臨床検査技師ですが、今後ますます活躍するためには関連資格である「診療放射線技師」や「細胞検査士」の資格を取得して強みを得る人も増えてきています。予防医学に注目が集まる中、定期的ながん検診などを人々が積極的に受診するためにも臨床検査技師は重要な役割を担っています。

また、最近は動物医療に力を入れている検査センターも多くなってきています。ペットを家族の一員と考える人たちが増える中で、ペットが病気になった時に原因を突き止めて治してあげたいと願う飼い主さんが多くなってきています。動物へも病気の時だけではなく、予防治療として定期的な健康診断を受けるように促している動物病院は多く、動物医療への臨床検査は可能性が広がっています。

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