ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

テレビや映画、webコンテンツなど、ものを作る現場では役割に応じてさまざまな職種の人が働いています。その現場で責任者として全体の指揮を取るのが「ディレクター」という仕事です。「○○ディレクター」と名のつく職業はいくつか存在しますが、「ディレクター」のみ表記される際はテレビ業界のディレクターを指す場合が一般的です。今回は、責任者として現場に携わるディレクターに必要なスキルや、気になる年収について紹介します。

ディレクターとは

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

制作全体の指揮官であり責任者

ディレクターは「監督」や「指揮官」といった意味をもちます。プロデューサーが決めた予算やテーマを現場レベルに落とし込み、作品を完成へと導きます。さまざまな職種の人が集い、ひとつの作品を作り上げていく制作現場で、関わるスタッフ達をまとめて引っぱっていく指揮官の役割を担います。

現場の責任者として全体を把握しスタッフに指示を出す立場のため、業界知識や経験が求められる職業です。

ディレクターとプロデューサーとの違い

混同されてしまうことのある「ディレクター」と「プロデューサー」ですが、立場や業務内容が異なる全く別の職業です。違いは下記のとおりです。

  • ディレクター:現場責任者
  • プロデューサー:プロジェクト全体の統括者

プロデューサーが統括するプロジェクトのスタッフの一人として、ディレクターは位置します。

プロデューサーはプロジェクトの予算や企画の取り決め、出演者・スタッフのキャスティングやギャラ交渉を行います。これらを元にディレクターは制作現場の指揮を取り、現場責任者としてひとつの作品を作り上げていきます。

「ディレクター」と名のつく職業5つ!

「○○ディレクター」と名のつく職業がいくつか存在します。そのなかでも代表的な職業について5つご紹介します。

  • テレビ・映像ディレクター

テレビ番組や映像作品の制作現場で働くディレクターです。「ディレクター」のみ表記される際にパッと思いつく職業といえば、テレビ制作現場のディレクターではないでしょうか。一般的に認識されることから、代表的なディレクター職と言えるでしょう。しかし一口に映像作品といっても、そのジャンルはさまざまです。テレビ番組、アニメ、CM、最近ではYouTube動画を専門としたディレクター職も存在します。どの作品ジャンルに関してもテレビ・映像ディレクターは制作現場においての責任者であり、進行指揮官の役割を担います。

  • webディレクター

webの制作現場で働くディレクターです。webコンテンツの企画や編集、各スタッフへの指示出しはもちろんのこと、外部のクライアントから制作の委託を受けている場合はその橋渡しの役割も担います。webに関する知識が広く求められる職業です。

  • クリエイティブディレクター

広告やPRイベント業界で働くディレクターです。広告代理店や出版社、PRイベントの制作・企画会社、企業の広報などが活躍の場となります。商品やサービスをユーザーに効果的に届けるための企画から、広告の制作、PRイベントの遂行までを統括する職業です。

  • ゲームディレクター

ゲーム制作の現場で働くディレクターです。ゲームの企画立案から始まり、各スタッフの取りまとめ、全体の進行統括と、開発の現場監督の役割を担います。

  • イベントディレクター

イベント業界で働くディレクターです。さまざまなイベントを企画から実施まで統括します。イベントの内容は多種多様で、展示会、PRイベント、商品発表会、講演会やセミナーなどが代表的です。クライアントがイベントに求めるものを理解した上で企画を行い、準備から当日の段取りまで全てを監督する役割を担います。

英語・ディレクターの役職ってなに?

ディレクターは英語表記で「director」です。直訳すると下記のような意味があります。

指導者・指揮者・管理者・長官・局長・重役・取締役・理事・(高校などの)校長・主事
【引用:weblio

ディレクターは役職に表すと「取締役」ということになります。「代表取締役」や「常務取締役」などは聞き覚えがある役職ではないでしょうか。また、「director」には「(特定のグループの)長」という意味もあります。このことから「部長」の役職においてもディレクターが用いられます。

ディレクターの仕事内容

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

制作物の編集・企画

制作物の完成度に直に関わってくる、編集・企画を行うのもディレクターの大切な仕事のひとつです。プロデューサーが定めたテーマや予算、キャスティングを元に、どの様な作品を作るかの詳細を企画します。脚本や演出など、制作現場における全ての指揮官であるプロデューサー。実際に撮影を行うスタジオやロケ地のリサーチなど、事前準備も企画に含まれます。

全体のスケジュール管理

定められた納期までに作品を完成させるために、全体のスケジュール管理をすることもディレクターの仕事です。各フェーズに分けてスケジュールを作成するのが一般的となっています。そのスケジュールを元に、滞りなく進んでいるか常に全体を見渡し指揮をします。

チーム内スタッフへの指示出し

それぞれ異なる役割を担うチーム内のスタッフに、適宜指示を出します。スケジュールに関することであったり、クオリティ面であったり、その内容はさまざまです。自身の企画した内容に沿った良い作品を作るために、チームを引率するのがディレクターの役割です。指示出しとともに、チームスタッフのモチベーションを保つこともディレクターの大切な仕事と言えるでしょう。

ディレクターズカットとは?

プロジェクトの最終決定権は、ディレクターでなくプロデューサーにあります。そのため、企画や演出がプロデューサー判断によってカットされることも起こり得ます。それを不本意に思うディレクターが、カットされた部分や他に置き換えられたシーンも含めて再編集しリリースするバージョンのことを「ディレクターズ・カット」と言います。

ディレクターになるには?

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

業界の基本知識を学ぶ

ディレクターは制作現場の責任者であり、全体の指揮官です。そのため、全体的な業界知識が必要不可欠になります。大学や専門学校でマスコミ学を専攻したり、自ら作りたいと思う制作分野について学ぶ他、映像や音響技術について習得するといいでしょう。

また、映像作品制作において有効といわれる「映像音響処理技術者資格認定試験」という資格もあります。この資格を習得しておくことも、現場に出る前にできることのひとつです。

アシスタントからディレクターを目指す

放送局や番組制作会社に就職をし、アシスタントディレクター(AD)として経験を積んだ後に、ディレクターに昇格することが一般的です。アシスタントディレクターの仕事はディレクター業務の補佐であり、これが下積みの経験となります。期間はテレビ局や制作会社によって異なりますが、5年ほどのアシスタント業務を経てディレクターに昇格するケースが多いようです。

未経験歓迎企業へ就職をする

未経験者をいきなりディレクターとして採用する企業はほとんどありませんが、アシスタントディレクターを未経験から募集している企業は一定数あります。そこでアシスタント経験を積みディレクターへと昇格することが、未経験からディレクターを目指す道と言えるでしょう。

ディレクターに必要なスキル・向いている人は?

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

視野が広く、全体感の把握が得意

ディレクターは常に全体を見渡し、作品を完成へと導く指揮官です。そのため、視野が広くさまざまなことに気付くことができ、局所的ではなく全体的な状況の把握することが必要となります。普段からよく気が付く人、チームをまとめるのが得意な人に向いている仕事と言えるでしょう。

臨機応変な対応ができる

ディレクターの仕事にマニュアルはほとんど存在しません。制作現場では同時進行で複数の仕事が進み、時と場合により発生する問題もさまざまです。その場での臨機応変な判断が、ディレクターに委ねられることも少なくないでしょう。その時に適切な判断をし、全体の進行を管理するスキルが求められます。

的確な指示が出せる

全体感を自らが把握するだけではなく、人に分かりやすく伝えることもディレクターに必要なスキルのひとつです。制作現場をチームとして機能させ滞りなく進行させるためには、ディレクターによる的確な指示が不可欠です。適切なタイミングで分かりやすい指示を出すことが、現場をスムーズに運び良い作品の完成へと結びつけます。

アイディアが豊か

視聴者に「面白い」と感じてもらうためには、企画段階のアイディアが大切ということは言うまでもありません。また現場での制作が始まってからも、「この人にこれをお願いしたらもっと面白くなりそう」など、常にアイディアを出せる人も重宝されることでしょう。

さまざまな人との関わりを楽しめる

現場のスタッフをはじめ、出演者やプロデューサーとのやりとり、ロケ地や取材先の人など、プロデューサーはさまざまな人と関わりを持つこととなります。時には人同士の折り合いがつかなく、問題が生じることもあるでしょう。そんなときも上手く仲裁ができたり、チームワークを保ったりと、人付き合いのスキルもプロデューサーには必要です。

ディレクターの働き方・年収

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

企業に就職したディレクターの年収

賃金統計基本調査(厚生労働省発表)の結果を参考にし平均年収をまとめた「平均年収.jp」によると、女性のディレクター平均年収は448.2万円で、平均月収は28.0万円です。全国の働く女性の平均年収を上回り、年収面からもやりがいのある職業と言えるでしょう。
引用:平均年収.jp

ただし、企業に就職したディレクターの場合、テレビ局や番組制作会社など勤め先によってその年収は大きく異なります。

一般的には、番組制作会社よりもテレビ局の方が年収が高く、さらにテレビ局内でもキー局だとその年収はもっと高くなる傾向があります。より高収入を得たい人は、キー局に就職しディレクターを目指す選択肢が懸命です。

フリーランスのディレクターの働き方と年収

企業でのディレクター経験を経て、フリーランスとして独立するディレクターも少なくなありません。経験や視聴率の獲得実績により、なかには年収1,000万円以上のフリーディレクターもいます。とはいえ、企業勤めと異なり固定給が定められていないフリーランスにおいては、所得も全て自分次第となります。激務と言われることの多いディレクター業界で、自分のペースで仕事を続けたい人におすすめの働き方と言えそうです。

よく目にする”ディレクター”と名のつくアイテム、その理由は?

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

ディレクターズスーツ

「ディレクターズスーツ」とは、黒のジャケットとコールズボンを組み合わせたスーツのことを言います。(コールズボンとは、黒とグレーのストライプ柄のズボン)昼に行われる結婚式の準礼装として扱われるスーツです。

「ディレクターズスーツ」にディレクターと名のつく由来は、欧米でディレクター(英語のdirectorは取締役・管理者・指導者などを意味します)の執務服であったこととされているようです。それが日本で商品化され、名称が定着したと言われています。

ディレクターズチェア

「ディレクターズチェア」とは、キャンプやアウトドアシーンでよく目にする、折りたたみ式の椅子のことを言います。木材のフレームを使用しキャンバス地が張られたものが正式とされていますが、アウトドア用にアルミなどを使用し軽量化されたものも普及しています。

「ディレクターズチェア」の名前の由来は、職業であるディレクターと言われています。ロケや撮影現場でディレクターが、椅子に座り指示を飛ばしている姿を、見たことがある人も少なくないのではないでしょうか? 移動が多く、持ち運びの利便性からディレクターがよく使用しており、そう名付けられたそうです。

現場の責任者としてバリバリ働くディレクター

ディレクターは制作現場の責任者!必要なスキルや気になる年収は?

制作現場の責任者として、全体の指揮を取るのがディレクターの仕事です。業界知識を広く保有していることはもちろんのこと、常に現場全体にアンテナを張り続ける視野の広さに、たくさんのスタッフを束ねるリーダーシップが必須になります。また、激務と言われる職場環境や、責任の大きさから決して容易な仕事ではないでしょう。

しかし、それと同時にチームでもの作りができる達成感や、あなたの「作りたい」を直に表現できるディレクターという仕事はやりがいも大きいはずです。現代では番組制作もテレビからインターネット配信まで多岐に渡り、ますますディレクターの活躍の場が広がっていくことでしょう。数々の番組を世に送り出しそれを人々が目にすることを想像すると、より夢が広がりますね。

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