バーテンダーになるために資格は必要?気になる給料や求められる技術を徹底解説!

バーテンダーと聞くと、お洒落なバーでお酒を作るためにシェイカーを振る姿を想像する人が多いのではないでしょうか。そのスマートな立ち振る舞いに憧れを抱いたことがある人もいると思います。近年では、女性の活躍も見られる職業の一つです。気になる年収や必要な資格はあるのでしょうか。バーテンダーの仕事内容から求められる技術まで、詳しくお話します。

バーテンダーってどんな仕事?

バーテンダーになるために資格は必要?給料や求められる技術を徹底解説!

お酒を提供する

バーテンダーの仕事内容は、主にお酒を作ることです。基本的にはカクテルをシェイカーで作ることが多いですが、状況に合わせてさまざまなお酒を提供します。

  • お客様の要望に合ったカクテルを提供する

お客様はバーテンダーが作るお酒を楽しみに、いろんなオーダーをするでしょう。何百種類のお酒やソフトドリンク、素材を組み合わせ、たくさんの組み合わせの中からお客様の好みに合ったお酒を作ることが必要です。

基本のベースとなるお酒に、副材料となる素材を合わせて提供します。お酒を作るだけとはいえ、分量や合わせ方が少しでも違うと味に変化が出てしまうので、とても難しい作業といえます。

  • 新しいカクテルを生み出す

すでに存在する何千種類ものレシピを覚えるだけでなく、自らが工夫や努力を重ねて、オリジナルのレシピを作り出すのも仕事の一つです。これこそが、バーテンダーのやりがいと思う人も多いでしょう。多くのテイスティングを重ね、自らが納得した一杯が出来上がった喜びは計り知れません。

お客様に快適な時間を提供する

ただお酒を出すことだけが、バーテンダーの仕事ではありません。バーに来てくださったお客様に気持ちよく過ごしてもらうのも重要な役割です。来店するお客様は十人十色です。一般教養はもちろん、幅広い知識や雑学、コミュニケーション力が求められます。また、ゆっくりお酒を嗜みたい、話を聞いてほしいなど、バーに来る目的も異なります。気配りや配慮ができることも必要です。

バーの管理

店内の清掃や雰囲気づくりもバーテンダーの仕事です。清潔な空間や落ち着く環境は、飲食店では一番大切な要素になります。

仕込みや準備、片付け

お酒だけでなく、軽食を提供するバーもあります。そのようなバーで就職をした際には、軽い食事をする程度の料理を作らなければなりません。また、お酒に使うフルーツをカットしたり、お酒の残量確認や、食材の発注なども並行して行います。

バーテンダーになるにはどうすればいい?

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バーテンダー養成スクールへ通う

  • ホテル・飲食サービス業界の専門学校で学ぶ

ホテル・飲食サービス業界の専門学校には、バーテンダーを養成するための専攻やコースを設置しているところがあります。洋酒の知識やカクテルの作り方など、バーテンダーの基本から学ぶことができます。プロのバーテンダーに教えてもらえるため、実習が充実しているのも特色です。また、バーテンダーとしての知識だけでなく、フードビジネスで必要になるサービス全般の知識やホテルのマナーなど、幅広く学べます。

  • 民間のスクールや講座で学ぶ

10日間から3ヶ月で、バーテンダーに必要な基本知識やマナーを学べる民間スクールや講座などもあります。夜間講座も行なっているので、ライフスタイルに合わせて通うこともできます。

アルバイトをして現場を知る

バーテンダー業界に限ったことではありませんが、実際に現場で働き、技術や知識を磨いていくことがとても重要です。バーテンダーは特別な資格が必要な職種ではないため、経験がものをいうことも多いでしょう。

資格を取っておくと便利!

資格がいらないとはいえ、持っておくと役に立つことは間違いありません。自分の技術を確認したり、転職時に自分をアピールするために取得しているバーテンダーもいます。

主な資格として、2つご紹介します。

バーテンダー呼称・技能認定試験
日本バーテンダー協会(N.B.A.)が主催する試験です。合格率も比較的高めになっています。
受験資格
N.B.A.正会員の受験資格はアルコール飲料を取り扱う飲食・サービス業に従事し、満20歳以上の者。
試験項目
学科試験 学科試験 学科試験 「改訂 NBA新オフィシャル・カクテルブック」(柴田書店)より酒類問題を出題 20問 100点満点 試験時間1時間(30分経過後退出可能)
学科試験の合格点数は、検定試験委員会が合格点数を決定する。
試験日
2017年11月12日(日)

※N.B.A.会員は衛生講習会受講証明書を受験日に持参する事。
受験料
N.B.A.会員:5,400円  非会員:21,600円

N.B.A.会員:5,400円  非会員:10,800円合格認定料

認定書・認定バッジを配布
合格発表
協会ホームページにて2017年11月30日(木)、機関誌「バーテンダー」1月号(2017年12月25日発行)にて発表。

引用:一般社団法人日本バーテンダー協会

 

  • インターナショナル・バーテンダー呼称・技能認定試験

バーテンダー呼称・技能認定試験の上位資格となっています。こちらは、N.B.A.会員限定、協会在籍は3年以上、実務経験は7年以上という受験資格があります。

その他にも、バーテンダーに関連する資格として、一般社団法人日本ホテルバーメンズ協会(HBA)主催の「HBAカクテルアドバイザー」、「HBAビバレッジアドバイザー」、「HBAバーテンダー」、ビア&スピリッツアドバイザー協会(BSA)主催の「スピリッツアドバイザー」などがあります。

バーテンダーの求人は?未経験でも大丈夫?

バーテンダーは上記にも書いたとおり、実際に現場で働き、技術や知識を磨いていくことが重要です。しかし、未経験だからといって採用されないわけではありません。未経験者歓迎で求人を出しているところもあります。未経験者はこれからの伸びしろに期待されているため、挑戦してみてもいいでしょう。

バーテンダーに求められる技術とは

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豊富なお酒・カクテルの知識

  • カクテル作りに欠かせないお酒全般の知識

さまざまなお酒や素材を合わせて作るカクテルには、それぞれの合わせ方やスタイルがあります。お酒だけでも何百種類とあり、お酒の知識や味はもちろん、レシピやカクテルの特徴、分量も覚えなければなりません。

カクテル作りの基本となる主なお酒を見ていきたいと思います。

  • ―基本の「ベース」―

カクテルにおいて、基本となるお酒を「ベース」と呼びます。その中でも、これから紹介する4つはとても有名で4大スピリッツ(蒸留酒)と呼ばれています。

・ジン

麦芽・トウモロコシ・ジャガイモなどを材料とし、ネズの実やボタニカルといった薬草成分を加えて蒸留することでつくられるお酒です。無色透明なのが特徴で、クセが弱く、どんな人でも飲みやすいお酒になっています。ジンベースのカクテルは、「ジン・トニック」「ギブソン」「マティーニ」「ブルームーン」「シンガポールスリング」などがあります。

・ウォッカ

大麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀物を原材料として作られる蒸留酒です。蒸留したお酒を白樺の炭でろ過して作ります。独特の清涼感があり、比較的口当たりが良いことが特徴です。そのため、多くの種類のカクテルに利用されています。ウォッカベースのカクテルとしては、「ソルティ・ドッグ」「モスコミュール」「ウォッカ・トニック」「スクリュー・ドライバー」などが有名です。

・ラム

ラムは、サトウキビから作られるお酒で、西インド諸島が原産と言われています。独特の甘みがあり、カラメルに似た風味を持つことで知られています。一口にラムと言ってもその種類は多く、黒色のダークラムや無色透明のホワイトラムなどがあります。ラムをベースとしたカクテルで知名度が高いのが「モヒート」です。他にも、「XYZ」「ダイキリ」などがあります。

・テキーラ

18世紀半ば頃に登場したお酒で、メキシコが原産地となっています。多肉植物であるアガベ(リュウゼツラン)の搾り汁を発酵させ、さらに蒸留させることによって作られています。メキシコで作られたテキーラのみが「テキーラ」と名乗ることができます。これは規定で定められており、テキーラがベースとなるカクテルとしては「テキーラ・サンライズ」「マルガリータ」「テキーラ・トニック」などが有名です。

  • ベースとともに使われる副材料の知識

トニックウォーターなどの炭酸水や、ミルク、オレンジジュースなど、カクテルを作る際にベースのお酒と一緒に使われる素材のことを副材料と呼びます。

飲み物だけでなく、アイスやシロップ、ミントなども副材料と呼ばれ、カクテルにより深みを出すために必要不可欠な素材であると言えます。

カクテルを作る技術

カクテルは大きく2つに分類され、少量で足の付いたグラスで提供されるカクテルを「ショートカクテル」、長めのグラスで提供されるカクテルを「ロングカクテル」と言います。

  • 感覚で分量通りに作る技術

膨大な数のカクテルが存在するということは、それだけの数のレシピがあるということです。そのレシピを覚え、迅速かつ的確にお客様に提供できるようになることが求められます。最初のうちは分量を覚えることで大変かもしれませんが、経験を積んでいくうちに感覚を掴み、お酒の分量や手順を覚えていけるようになるでしょう。

  • カクテルを作る技術

カクテルの技法は主に4つあります。

・シェーク

バーテンダーといえばシェークする姿が想像できるのではないでしょうか。ショートカクテルを作るときにシェークという技法が使われます。氷、ベース、副材料をシェーカーに入れて振ることで混ぜ合わせます。材料を混ぜ合わせるだけでなく、氷で冷やすこと、気泡を一緒に混ぜることも行います。気泡を混ぜることで、おしゃれな色合いを演出したり、まろやかな仕上がりになります。

・ビルド

主にロングカクテルを作るときに使われる技法で、氷、ベース、副材料を入れてかき混ぜる技法です。

・ステア

ステアとは、軽くかき混ぜることを言います。シェークとは対照的にシャープでドライな風味になるのが特徴です。ゆっくりかき混ぜるため、混ざりやすい材料を使用するときにこの技法を利用します。

・ブレンド

フローズンカクテルを作るときに使われる技術で、ブレンダー(ミキサー)の中にクラッシュアイスや、イチゴ、バナナなどのフルーツを入れてかき混ぜます。これにより、シャーベット状のフローズンカクテルが完成します。

英語でのコミュニケーション力

近年、日本に来る外国人は増加傾向にあります。そのため、バーに外国のお客様が来店することも多くなっているでしょう。そこで求められるのが、外国のお客様ともコミュニケーションを取れる能力です。絶対に英語を喋れないといけないということはありませんが、英語を話せるという能力はとても強みになります。

日本バーテンダー協会(N.B.A)とは

一般社団法人日本バーテンダー協会(N.B.A)は、バーテンダーの人格の陶冶と技術の練磨を目的とした団体で、「出会いと感動の中での自己啓発」を基本理念としています。その歴史は古く、昭和4年に設立しました。

毎年「全国バーテンダー技能競技大会」を開催しており、これは世界中で認知されている有名なバーテンダーのコンテストです。また、上で説明した資格制度を運営しているのもこの日本バーテンダー協会です。

女性でもバーテンダーになれる?

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女性バーテンダーの現状

  • アルバイトバーテンダーの男女比率は5:5

一昔前のバーというと、ウイスキーなどの強いお酒を嗜む男性憩いの場というイメージがありましたが、最近では女性客がバーに通うことも当たり前になってきました。時代とともに、女性バーテンダーの活躍も目立ってきました。男性女性どちらとも、バーテンダーという職種に魅力を感じているというのが現状です。

女性バーテンダーならではのメリット

  • 安心感を与えられ、女性客が入りやすい

バーというと少し格式が高そうな印象を持つ女性のお客様も多いと思います。しかし、女性バーテンダーがいることにより、優しく朗らかな雰囲気を作り出すことができます。女性客が一人でも入りやすい空気感を生むことができます。また、男性からしても女性バーテンダーがいることで、ほっと癒される気持ちになることもあるでしょう。

  • 会話が盛り上がる

女性はコミュニケーションをとるのが上手で、気の利く一言や優しい対応などが、会話をより楽しく場を和ませるものにします。また、女性のお客様には共感できる話題を、男性のお客様には女性視点の意見なども提供できます。女性ならではのテクニック、世界観で会話が弾むきっかけが生まれるでしょう。

バーテンダーに向いているのはこんな人!

  • お酒が好きな人

カクテルを作ったりお酒を提供したりと、アルコールを使うことが大前提にあるバーテンダー。お酒が好きではない、苦手といった人でもバーテンダーになることはできますが、お酒が好きな人はよりこの職業を楽しむことができるでしょう。さまざまな種類のお酒を飲んで味を覚えたり、他のバーに行っていろんな種類のカクテルを飲んでみたり、大好きなお酒を学びながらの仕事はきっと楽しいでしょう。

  • 工夫、研究するのが好きな人

バーテンダーは想像力が大事な仕事です。お酒の種類は膨大で、レシピや組み合わせは無限にあるといわれています。定番のレシピを覚えることはもちろん、自分なりのアイデアや組み合わせでオリジナルのカクテルを作ることも仕事の一つです。新しいものを作り出すために努力を惜しまない人、研究や試行錯誤をするのが好きな人にはぴったりの仕事です。

  • 話好き、人好きな人

バーテンダーはお客様がいてこその職業です。単に話題を振ったり話を聞くだけでなく、お客様が何を求めているのかを察しながら接客をしなければなりません。また、会話をしたがっているのか、一人でゆっくり落ち着いてお酒を飲みたいのか、といったことを感じ取ることも必要です。

気になるバーテンダーの給料・年収の実態!

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バーテンダーの平均年収

  • 相場は約300~400万円

バーで働くとなった場合、普通の飲食店と同じくらいの給料と考えるとよいでしょう。月給に換算すると、約16~22万円が相場になっています。年齢が上がったり、役職に就いたりすることで、給料は上がっていきます。しかし、バー業界でトップクラスの役目となっても、年収500万円を超えることが難しいといわれています。

  • 勤務するお店によってさまざま

バーといっても、その営業形態はさまざまです。例えば、ホテルのバーでの給料はホテルの給料水準に応じて変化します。個人経営のバーでも、その店舗によって給料の相場が異なります。また、独立してバーを開業すると、より多くの年収を望めることになるでしょう。中には成功して1,000万円を稼ぐバーテンダーもいます。

自分だけの強みを生かして、バーテンダーを目指してみよう

バーテンダーになるために資格は必要?給料や求められる技術を徹底解説!

バーに限らず飲食業界の競争は年々激化し、低価格化が進んでいます。その中で、自分なりの強みや独創性がある人が重宝されるようになるでしょう。

また、近年では女性バーテンダーのニーズも増加しています。女性の社会進出を背景に、バーに通う女性が増えたことや女性ならではの接客への強みがあることがきっかけとなっています。

未経験からでも始められるバーテンダー。その夢に向かって一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。きっとたくさんの出会いと素敵なドラマが待っているはずです。

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