お笑い芸人になって成功したい!養成所や給料のことや芸人ならではのやりがいについて

テレビやイベントなどで、漫才やコントを披露しているお笑い芸人。無料イベントや劇場で見ることができるので、比較的身近な存在に感じることができます。人々に笑顔を届ける素敵な仕事ですが、お笑い芸人として成功している人はほんの一握りです。この仕事に就くためにはどうしたらいいのか、平均年収はどのくらいなのか、魅力あるお笑い芸人という職業について詳しくお話します。

お笑い芸人とは

お笑い芸人になって成功したい!養成所や給料・芸人ならではのやりがいについて

お笑い芸人と一口にいっても、実はさまざまなタイプがあります。「漫才師」「コント師」「ピン芸人」「漫談師」「落語家」「ものまね芸人」など、その種類は多岐にわたります。

お笑い芸人の仕事内容って?

お笑い芸人の仕事内容は「人を笑わせること」です。ギャグ・コント・漫才・トーク・ものまね・体を張った企画ものなど、さまざまなことをしながら見ている人を楽しませます。自分はどの分野でなにをやりたいかをしっかり見極めることが重要です。

バラエティー番組やお笑いライブの仕事をもらうためには、オーディションを受けなければなりません。自分が得意とする分野のネタを披露し、合格して初めて仕事につながります。しかし、どれだけネタを練って練習を重ねても、芸を披露するのは一発勝負です。どんな状況でも笑いを取らなければならないという面では厳しい仕事ともいえるでしょう。

  • 仕事は大きく分けて3つ!
  1. 営業
  2. 大学の文化祭やパーティーなどの余興で芸を披露する仕事です。若手芸人の頃や、1本の仕事の単価が安い時代にはこのような仕事が主流となります。

  3. メディア
  4. テレビや雑誌などに出演し、漫才やコント、トークをしたりとたくさんの人に知ってもらう機会につながる仕事です。お笑い芸人の仕事というと、このイメージが強いのではないでしょうか。

  5. 寄席
  6. 漫才や手品・芝居を劇場で行う仕事です。劇場はお客さんとの距離が近いため、反応を直に感じることができます。また、お客さんの年齢層や性別、ウケの様子などを見て、臨機応変にネタを変える能力も求められます。

1日の仕事の流れを知ろう!

お笑い芸人といっても、多くのテレビ・ラジオ番組に出演する人から、アルバイトをしながら下積み生活を送っている人、営業を中心に仕事をしている人まで、その生活形態はさまざまです。活動する場所や活動内容も仕事によって変わってくるので、お笑い芸人の決まったスケジュールというものはありません。

一例として、あるお笑い芸人の1日は下記のとおりです。

時間仕事の流れ
9:00―ネタ打ち合わせ―
事務所で相方と今日のライブのネタ合わせ。
マネージャーと1日のスケジュール確認。
11:00
―Aライブ出演―
所属事務所が開催するライブに出演。
スタッフや関係者に挨拶し、10分間で持ちネタを披露。
13:00
―大学の文化祭―
大学の文化祭で開催されるお笑いトークライブに出演。早めに入り、立ち位置や段取りを確認。昼食を済ませ、ネタ合わせを行う。30分間のトークライブも無事終了。
15:00
―テレビ収録―
テレビ局に移動し、バラエティ番組の収録。着替え、メイク、挨拶を終え、リハーサルをしたら本番へ。
17:00
―ネタ稽古・取材―
事務所に向かい、新しいネタの打ち合わせ。そのあと雑誌の取材を受ける。
19:00
―Bライブ出演―
劇場に移動し、所属事務所のライブに本日2回目の出演。新しいネタを披露する。
20:00
―打ち合わせ―
事務所に戻り、関係者との打ち合わせを行う。マネージャーと今後のスケジュールを再確認。

お笑い芸人になるにはどうしたらいいの?

お笑い芸人になって成功したい!養成所や給料・芸人ならではのやりがいについて

芸人養成所に入る

お笑い芸人になりたいと思ったら、まずは芸人養成所に入るのが一般的です。ほとんどの芸人養成所は芸能事務所が運営しています。

発声練習やキャラクター論、トーク技術など、お笑いの基礎知識から学ぶことができ、有名芸人が講師となって教えてくれることもあるそうです。また、全国各地からお笑い芸人を目指して面白い人が集まってくるので、相方を見つけたり、他の人の芸を見て刺激を受けることができます。

ただ、養成所は費用がかかります。相場としては大体30~60万円と言われています。

芸能事務所が運営している養成所をいくつか紹介します。

  • NSC(吉本興業)

吉本興業が運営するNSCスクールは、お笑い業界の中で最大手と言われ、一番有名なところでしょう。東京、大阪、福岡、沖縄の4つの場所にスクールを持ち、入学者も最大規模を誇ります。卒業後は、基本的によしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属することになりますが、他の事務所に移籍する芸人も多くいます。大阪1期生のダウンタウンをはじめ、雨上がり決死隊やナインティナインなどが著名な卒業生です。

  • スクールJCA(人力車)

人力車が運営するスクールJCAは、近年勢力を伸ばしている養成所です。特に、キングオブコントで活躍している芸人が多くいます。卒業生では、アンジャッシュやドランクドラゴン、北陽などが有名です。

  • 松竹芸能タレントスク-ル(松竹芸能)

昔から知名度の高い事務所の1つである松竹芸能が運営する養成所です。芸人コース以外にも、女優・俳優コースや子役コースなど、さまざまなコースが設置されています。学費が30万(大阪)、35万(東京)と、他のスクールに比べて違うため、入る際には事前に調べておきましょう。

  • 太田プロエンタテイメント学院(太田プロ)

こちらも歴史が古いお笑い事務所です。1980年代にはビートたけしや山田邦子、片岡鶴太郎といった当時のテレビ業界に必要不可欠だったタレントを多く抱えていました。このことより「泣く子も黙る太田プロ」と称されていました。

  • ホリプロ笑売塾(ホリプロコム)

2002年に設立された養成所で、他の事務所よりは比較的歴史は浅いほうですが、運営する事務所は大手です。さまぁ~ずやつぶやきシローなど、ホリプロ所属のプロ芸人が講師を行う授業もあるそうです。

事務所に入る

養成所に入らず、直接事務所のオーディションを受けてみるという方法もあります。事務所の人の目に留まれば、そのまま事務所に所属することができるのです。しかし、お笑いのセンスや高い技術力が求められるので、難関といえるでしょう。

弟子入りする

近年ではほとんどなくなりましたが、落語家や漫談家の世界では未だに子弟制度が根強く残っているところもあります。師匠に直談判に行き、弟子にしてもらうのが一般的な方法です。付き人として憧れの師匠のそばで技を磨くことができる一方、師匠の身の回りの世話など、芸に関係のないこともしなければなりません。弟子入りする際は、最後までしっかりやり通せるか、よく考えて決めたほうがいいでしょう。

自力でオーディションを受ける

事務所に所属していなくても、お笑い芸人として活動することができます。「M-1グランプリ」や「キングオブコント」などのオーディションは、事務所に所属していなくても応募できるのです。しかし、ミニライブなどは事務所が運営していることがほとんどで、事務所に所属している芸人に比べて、圧倒的にチャンスは少ないといえるでしょう。

不安定な芸能界!気になるお笑い芸人の給料

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お笑いで生計を立てられるのは一握り

お笑い芸人は、とても夢のある仕事です。成功すれば、普通の仕事をしていたら考えられないような額を稼ぐこともできます。しかし、同時にとても不安定でハイリスクな職業ともいえます。養成所から出てすぐ売れっ子になったなんていう話もありますが、一般的には3~5年、またはそれ以上、アルバイトをしながらの下積み時代を経験することがほとんどです。そして、いくら下積み時代を送っても、芽が出ない芸人も多くいます。また、ブレイクして一時的にオファーが増えた芸人でも、少しすると一気に仕事がなくなってしまうこともあります。

売れない期間は年収数百円~数千円

ブレイクし、仕事が入ってくるまでは、アルバイト・ネタ作り・ネタ見せ・オーディションの日々が続きます。テレビやライブのオーディションに合格するためのネタ作りは必要不可欠です。何度か舞台などの仕事をしたとしても、若手芸人の1本当たりのギャラはとても少なくお小遣い程度です。さらに、給料制なのか歩合制なのかにもよりますが、事務所に所属している場合は、手取りの給料がさらに少なくなります。お笑い芸人としての給料が十分でない時代は、アルバイトをしながら生計を立てる人がほとんどです。接客業でお客さんの人間観察をしてエピソードを見つけたりすることで、ネタの材料にも繋がることもあります。どんな時でも、お笑い芸人としての自覚を持つことが大切です。

トップクラスの芸人は年収数千万~数億円

お笑い芸人として長くブレイクし、ファンも増えてくると、その分オファーやテレビ・舞台1本当たりのギャラも増えてきます。また、有名になってくると、CMに出演したりレギュラー番組を持ったりすることもあり、さらに給料は増加します。

ここで、日刊大衆による独自取材をもとに作成された「2017年芸能人長者番付トップ10」に、ランクインした芸人を見ていきましょう。

第9位 明石家さんま 6億円

第6位 内村光良 7億3500万円

第4位 松本人志 7億8000万円

第4位 太田光 7億8000万円

第3位 有吉弘行 8億4000万円

第1位 ビートたけし 13億円

(引用:https://manesto.com/3578

女性でもやっていけるの?女芸人の現状

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女芸人にしかできない役割

10年前まで、お笑いは男社会と言われていました。しかし近年、多くの女芸人が数々のメディアに出演し活躍しています。その影響から、2017年には「女芸人No.1決定戦 THE W」が開催されました。女芸人の需要がここ数年で高まってきているのです。

では、なぜ女芸人が注目されているのでしょうか。まず一つ挙げられることは、癒しキャラがウケていることがあります。男芸人の大きな声で畳みかけるような迫力のある芸風とは全く異なる、天然ボケが混じりながらも柔らかい印象を与える芸風が、新鮮で癒されると笑いにつながるのです。また、女あるあるネタや恋愛ネタなど、女性の視点から見たエピソードを笑いに変えることができるのも女芸人の特徴です。さらには、渡辺直美やブルゾンちえみなど、個性的なファッションアイコンとしての地位を高めている芸人もいます。

女芸人の将来性

近年は、女芸人の注目度が高くなっています。さらに、母体数の増加により、女芸人の芸風はこれからもっと多岐に渡ると考えられます。より自由な芸風で女芸人として活躍できる環境が整ってくるのではないでしょうか。

お笑い芸人の適正は?

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お笑い芸人に向いている人

  • 空気が読める人

お笑い芸人は、まずは自分のネタを作ることが重要です。しかし、舞台やバラエティ番組などでは、お客さんや他の芸人たちと一緒にその場を盛り上げていかなければなりません。そのため、今はどんなツッコミが必要か、今は自分が喋るときなのか、どんなテンションで喋ったらウケるかなど、その場の空気を読む力が必要です。お客さんの反応やその時の状況によって、臨機応変に対応する力が大切になります。

  • ハングリー精神のある人

お笑い芸人はとても夢のある職業ですが、一般的にはとても不安定で高リスクな職業です。下積み時代が長く、なかなか思い通りに仕事が来ないことも多いでしょう。そのような時に、「いつか絶対売れてやる!」といったような野心がモチベーションを保つのに非常に大切になります。また、仮に売れたとしても、お笑いをひたすら突き詰め続けていく根性も必要です。

  • お笑いが好きな人

とても厳しい世界ですが、結局はお笑いを心の底から愛している人が売れる世界であるとも言われています。お笑い芸人としての生活は、困難や苦労が多く、時には挫折しそうになることもあるでしょう。そんな時でも、お笑いを好きでいつづけられるというのは、この業界を生き抜いていく強みになるはずです。

お笑い芸人のやりがい

お笑い芸人にとって、何よりも嬉しいのはお客さんが笑ってくれること、楽しんでくれることです。なかなか売れなかったりネタが評価されなくても、自分のネタでお客さんが笑ってくれる姿を想像するだけで活力が湧いてくるでしょう。お笑い芸人とは他人に夢を与えることができ、さらに自分も充実感を得ることのできる素敵な職業です。

お笑い芸人の将来性

お笑い芸人になって成功したい!養成所や給料・芸人ならではのやりがいについて

テレビや舞台で私たちに笑いを届けてくれるお笑い芸人。彼らのニーズはこれからも消えることはないでしょう。給料面では不安定かもしれませんが、人々に笑顔と夢を与えられる魅力ある仕事です。お笑いが好きな人、誰かを楽しませるのが好きな人にはぴったりの職業といえるでしょう。

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