着付け師の仕事内容ってどんなもの?取得しておくと有利な資格情報とその魅力について

七五三に入学式に卒業式、そして結婚式など、節目の行事に活躍する華やかな着物たち。厳かで美しい着物に身を包むことに、憧れや特別な意識がある方も多いのではないでしょうか。でも、自分で着るのはとても難しいですよね。そんなときに頼りになるのが着付け師です。今回は、着付け師という職業について詳しく紹介していきます。

着物美人の仕立て役!着付け師の仕事内容って?

着付け師になるには?収入やあると有利な資格について解説

はやく、美しく、正確に着物を着付ける

着付け師といえばやはり、和装の着付けです。名前の通り、着物の着付けをするという仕事内容ですが、これがとても大変なのです。できるかぎり短い時間で美しく仕上げる、依頼者に似合う着物や小物を組み合わせるなど、技術的な仕事であることはもちろんですが、着付け師のもとにくる依頼は、特別な日を大切に過ごしたいと思っている人たちからのもの。お客さんの思いに応えられる仕事をしなくてはいけません。依頼者がこれからどこにどういう立場で行くのかなどのTPOに加えて、依頼者の雰囲気や好みに合わせた着付けをすることが求められます。

メイク・ヘアアレンジをすることも

ヘアメイクは美容師さんと連携して行う方も多いですが、自分ですべてをこなす着付け師もいます。全体の雰囲気を見てまとまったコーディネートができるため、着付け師として強みになります。

着付け師の収入や生活が知りたい!

着付け師になるには?収入やあると有利な資格について解説

給料と待遇

1人あたりの着付け料は2,000円〜10,000円ほどで、平均年収は依220万円〜280万円程度です。ベテランクラスになると340万円〜460万円程度、本を出したりメディアに取り上げられるような有名な着付け師には600万円〜1,000万円以上の収入があるとされています。

着付け師の働き方にはさまざまな形態があります。着物の販売店で着付けを行う場合、ほとんどはパートかアルバイトとして雇われます。着付けスタッフとして、卒業式や成人式などがある繁忙期にのみ依頼をこなす人もいます。

また、写真館や美容院、呉服屋や結婚式場で正社員として雇用された場合、着付けの他に撮影の補助やヘアメイクも担当することがあります。着付け教室を開き、講師として授業をする人や、和装担当としてスタイリスト事務所に所属している人もいます。呉服店や展示会で和装のアドバイザーとなったり、テレビ、雑誌、舞台などメディアで和装をするモデルの着物や小物を用意することもあります。

デザインを学んでいたり、理美容師の資格があったりと、全身のコーディネートができるような勉強をしていると、仕事の幅が広がるようです。

勤務日・勤務時間はいつ?

美容院などで正社員として雇用されている場合はフルタイムで働きます。着付けは午前中に行われることがほとんどで、早い時間から依頼されることも多く、早朝の出勤となることも少なくありません。

着付けの依頼は日曜日や祝日に集中するため、一般的に休日とされている日に勤務し、平日が休日になるようです。これはパートやアルバイト、スタッフとして働く場合も同様です。

繁忙期というと成人式の印象も強いですが、成人式は1、2日程度で終わってしまうものの、入学式、卒業式、七五三などは学校や家庭、地域によって開催日がバラバラのため、忙しい時期が長引きます。

着付け師という仕事の魅力

着付け師になるには?収入やあると有利な資格について解説

顧客と直接やりとりできる

依頼者に直接働きかける仕事なので、反応をその場でもらうことができます。自分の仕事で依頼者が美しくなり喜ぶ姿を間近で見ることができますし、その反対に、依頼者がイメージと違うと思っていたとしても、どうすれば納得してもらえるかその場で適切な対応が取れるでしょう。相手がどんなことを望んでいるか、どのように思っているかを読み取れる観察力や、それらを共有するコミュニケーション能力が必要な仕事とも言えるでしょう。

誰かの大切な節目に関わることができる

普段から和装を嗜む人もいますが、多くの人にとって和装をするのは人生の節目や大切な行事があるときでしょう。着付け師の元にはそうした人から依頼が届きます。行事が依頼者にとって良いものになるかどうかの一端が、着付け師の腕にかかっているのです。着付け師は多くの人の人生を盛り上げることのできる、やりがいのある職業と言えます。

自らの技術とセンスを活かせる

自分の磨き上げた技術とセンスがそのまま結果となる仕事です。人間関係、運やタイミング、環境なども関係してくるような仕事と比べると、ひたすら自分の腕が頼りです。常に向上心があり、努力家な方に向いているでしょう。

和装の伝統を受け継いでいける

和装は日本の大切な伝統文化です。しかし、現在の日本では洋装が一般的で、着付けをできる人が少なくなっています。大事な文化をこの先も引き継いでいくために、着付け師という職業はとても重要になるでしょう。

着付け師になるにはどうすればいい?

着付け師になるには?収入やあると有利な資格について解説

講座を受講する

まず、着付け師が開いている着付け教室など、着付けについて教えてくれる場所で適切な勉強をします。大手の教室から市民講座、着付け師個人が自宅で開く講座など、さまざまな学び場があり、通う期間や受講料もそれぞれ異なります。また、受講する場合は着物を一式用意しなくてはならないため、あらかじめ準備が必要です。

資格を取得する

着付けを仕事にするために必要な資格は特にありませんが、先ほども書いたように、資格があると仕事の幅が広がります。

  • 着付け技能検定
  • 着付けの技能を公証する、厚生労働省が認可している国家資格になります。着付け師として教室を開いたり、講師として働きたい場合には、この資格が必要です。合格すると着付け技能士として承認されます。1級と2級があり、1級には5年、2級には2年の実務経験が必須です。

  • きもの文化検定
  • 着物への理解と親しみを深めることを目的とした検定で、着物の文化や歴史についてが出題されます。4、5級から受講可能です。取得していることで着物に携わる人としての信頼を得ることができます。受験せずとも、テキストなどは読んでおくと良いでしょう。

  • きもの免許
  • ハクビ総合学院で取得できる、文部科学省承認団体である財団法人民族衣装普及協会が推薦し、京都きもの芸術文化協会が発行する資格です。4、5級から受験でき、4級に認定されると国際文化教育協会発行の「きもの国際免許」を取得可能、1級、3級合格時には学院の看板が授与され、自宅で着付け教室を開くことができます。

  • その他学院で取得できる資格・認定証
  • 以上の4資格以外にもたくさんの資格があります。それぞれの資格をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

・着付け師

長沼静きもの学院で取得することができる日本和装教育協会認定の資格

・着付講師認定証

花京都きもの学院などで取得できる認定証

・着物着付け講師

彩華文化学院で取得することができる全日本きもの振興会の資格

・プロ着付け修了証

美保姿きもの学院で取得できる全日本着装コンサルタント協会の資格

着付け教室には流派がありますが、一般的に「師範免許」「教授」と名付けられた資格は他装が可能なレベルとされています。

他にも、メイクアップアーティストや理美容免許などの資格があると、トータルコーディネートができると見なされ、仕事が広がります。

知識と経験が必要

資格を取得することは自分の技能や知識を証明する上で大切なことですが、やはり実務を積むことが重要です。資格取得のために通った教室の先生から仕事を紹介してもらったり、写真館などに就職し、アシスタントとしてプロの現場で先輩の技術や教えを学ぶことで仕事内容や技術を体得していきます。

着付け師に興味のある人へ

着付け師になるには?収入やあると有利な資格について解説

着付け師は確かな技術とセンスの他に、細やかな心配り、礼儀正しさと親しみやすさ、そして体力が必要な職業です。そういった努力の上に信頼が成り立ち、誰かの特別な日を一層特別にすることのできる仕事でもあります。着物が好きな方、誰かの喜ぶ顔が見たい方にはとてもおすすめです。

あなたもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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