育児コラム『男子育休に入る』がおもしろい!育児は8割幸せで2割は激辛スパイス

『男子育休に入る』は、8週間の育児休業を取得した34歳の男性が日々の育児を通して思ったことや感じたことがつづられた家電アスキー、森田 諒(34)さんの『育休コラム』です。
男性が育休を取ることの良さや、反対に育児をする中で感じる辛さについて見てみましょう。

育児男子が思う育児の良さって何?

皆さん、日本の男性育休取得率ってご存知ですか? 
なんと、男性の育児休暇取得率は2.65%(2015年)になります(※1)。実は1996年に調査を開始して以来、過去最高の取得率なんです!過去最高なのにわずか2.65%ですよ?見ての通り、男性の育休取得率って未だ水準が低いままです。2017年5月25日には、「育児休業取得状況の公表」を政府が発表したばかりです。※関連記事はこちら
 
そんな中、育休を取得した森田さんですが、育児に対して様々な思いを『男子育休に入る』で語っています。実際に育休を取って良かったことはどんなところなんでしょうか?
 

夫婦2人で育児をするため育児レベルの差が発生しない

育児を男女平等にできるのが最大の良さです。家庭は従業員2名が主に運営する非営利団体です。「赤ちゃんがうんこ・おしっこをして泣いていたらおむつを替える」「赤ちゃんが眠れなくて泣いていたら抱っこをする」「赤ちゃんがお腹をすかせて泣いていたらミルクをあげる」という業務のOJT研修を2人で受けたことで、運用が安定するようになりました。

出典:家電アスキー

 

家事育児がなぜきついと言われるのかを体感できる

家事・育児に必要となる気力・体力・時間のリソース配分がわかるのも良さです。1人で料理・洗濯・掃除すべてをこなすワンオペ家事はできることが限られます。赤ちゃんを抱っこしながらだと、手が足りなくなって足や口を手として使うようになります。背・肩・腰・腕もすべて痛くなります。いろいろ無理が出ます。お互いに無理さを体験することで、家事ができていないときにもそりゃそうだよね感が生まれ、いさかいを回避できるようになります。

個人的には家事・育児は仕事よりキツいと思います。起きてから寝るまで土日も休まずはたらきつづけると考えるとブラックです。お母さんのことを思うと感謝の念にたえません。

出典:家電アスキー

 

わが子の僅かな新生児期を一緒に過ごせる

赤ちゃんが赤ちゃんでいられるわずかな時間、流れ星のように消えていってしまう新生児期をじっくり体験できるのもすばらしい良さです。タコのようすにぐにゃぐにゃの体を両腕に抱いてソファに腰かけ、カーテンごしに入ってくる風を感じられます。

出典:家電アスキー

反対に育休の辛さってどんなところ?

金銭的に余裕がなくなる

お金が増えずにひたすら減るという状況が想像以上にきついです。
休業している2ヵ月間は無給になるため、出産祝いを除けば貯金をくずして生活することになります。育児休業給付金で給与の67%が給付されますが、給付金は基本2ヵ月単位で振り込まれるため、わたしの育休中は無関係でした。出産育児一時金や出産手当金も産休明けに支給されるため、妻の産休にあわせて育休を取ったわたしたちにはやはり無関係です。結局、家賃・生活費・育児費用などを含めると合計70~80万円が2ヵ月間で消費されました。育休頭金です。赤ちゃん周りのこまごました出費が驚きの金額になりました。

出典:家電アスキー

 

妻が攻撃的になったのが相当きつい

初期には箸が転がっても怒る時期がありました。何をしても、何を言っても、何も言わず黙っていても怒られます。地獄めいていると思いましたか。正解です。

具体的には、

・育児方法(おむつ替え、抱っこ、お風呂、等)
・言い方(「あれやった?」「あれどこ?」等)

などについて怒られる、あるいはきつく当たられます。これは妻に悪気があるわけではなく、モードの切り替わりによるものです。これは妻に悪気があるわけではなく、モードの切り替わりによるものです。 まあいずれすべては笑い話になるという話も聞きますので、夫婦でメンタルをきたえるトレーニングだと思うといいのではないでしょうか。

出典:家電アスキー

 

外出の機会が減り、何とも言えない孤独感に襲われる

家事育児をしていて外出の機会が減り、社会的なつながりがなくなってくると、自分の嫌いな部分と鏡のように向き合いつづける時間が増えます。わたしはこれが一番きつかったです。最近では1人で育児をすることをあらわす「密室育児」なんて怖い言葉もあるそうですね。おそろしいことに的確な表現だと思いました。
妻と24時間顔をつきあわせて過ごすこともめったにないですよね。わたしは内省的な人間で、前述のように妻とぶつかるたびに自己嫌悪を深める負のスパイラルに入ってしまいました。育児は基本的に孤独です。赤ちゃんはめちゃかわいいのですが、まだ言葉も使えず、コミュニケーションがとれているかどうかもわかりません。夕方、ぐしゃぐしゃの洗濯物を前に、理由もわからず泣いている赤ちゃんを抱っこしていると、気持ちが太陽とともに沈んでいきます。 救いになったのは本当に困ったとき両親が助けてくれたことでした。

出典:家電アスキー

どんなに辛い事があろうとやっぱり赤ちゃんが可愛くて仕方ない!

『男子育休に入る』いかがでしたか?森田さんの四苦八苦する姿が想像できますよね。女性と違い、育児相談できる男性はおそらく少ないでしょうから想像以上に大変だったのではないでしょうか?そんな育休生活を経て、森田さんはこのように語っています。
 

育休はそれでもいいものです。辛いことをはるかに凌ぐ良さがあるからです。負のエネルギーを最終的に帳消しにしてしまう赤ちゃんの力は本当にすごいものですよ。育休は自分の弱さを見つめなおして親になるための修行の場所で、家族は修行をサポートしてくれる大切なパートナーです。赤ちゃんが人生のスタートを切るのと同時に、わたしも親としてのスタートを切った気がします。赤ちゃんと一緒に泣きながら前に進んでいきたい気持ちです。

出典:家電アスキー

 
日本の男性育児休業率が上がり、男女平等の子育てをするチャンスが増えることで育児に対する考え方や捉え方の違いがイコールに近づくのではないでしょうか?今後の政府による対策に期待です。

出典:
厚生労働省が発表した平成27年度雇用均等基本調査(※1)

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