【医師監修】女性や男性もなる更年期障害の症状・原因とは?今すぐできる予防法と緩和法を知ろう

【医師監修】女性や男性もなる更年期障害の症状・原因とは?今すぐできる予防法と緩和法を知ろう

森智恵子 先生

「顔がほてる」「汗がとまらない」「イライラする」更年期生涯のこんな症状が現れていませんか?更年期障害の主な症状や、原因、症状の緩和方法について、解説します。

「これって更年期障害?」その症状は?

女性は閉経を迎えると、女性ホルモンのバランスが大きく変化し、体にもそれまでとは違う様々な症状が現れます。

閉経は、45歳を過ぎた頃に訪れ、体に多くの違和感を感じるようになります。「周りの人は涼しそうにしているのに、私は汗をかくほどに暑い…」「ささいなことで、なぜかイライラしてしまう…」など。

また、ストレスの多い現代女性は、ホルモンバランスが崩れてしまうことで、若年性更年期障害といって20代や30代でも、更年期障害と似たような症状が出現することがあります。
「これって更年期障害なの?」と不安になる前に、生理周期が2~3ヶ月おきという方や、何ヶ月も無い方は自分の体調の変化に気がついたら、早く婦人科へ行くようにしましょう。

暑がり(ほてり、のぼせ)、汗

更年期障害の代表的な症状のひとつに「のぼせ」や「ほてり」があります。「ホットフラッシュ」とも呼ばれており、自分の意思とは関係なく、首から上や上半身が突然カーッと熱くなり、大量の汗をかいてしまうことがあります。
自律神経のバランスが乱れ暴走してしまうため、発汗コントロールができなくなることが原因です。

頭痛

更年期障害により、「頭痛」があらわれることがあります。もともと頭痛を起こしやすい人は、より頭痛が悪化することもあります。
自律神経の乱れにより、低血圧から血流が悪くなるため、脳へ十分な血液が供給されなくなります。その結果、脳が酸素不足になり頭痛を感じることがあるともいわれています。

イライラ、怒りっぽい、うつっぽい?

前後や排卵時期にイライラすることがあった人も多いでしょう。ホルモンの変化は、女性の感情の起伏と密接な関係にあるため、閉経によりホルモンバランスが崩れると、同じように感情のコントロールが難しくなります。

イライラしてしまうこともあれば、小さなことで不安になってしまったり、気持ちが落ち込んだり、感情の起伏が激しくなり、うつ病や感情障害と似た症状が出てくることもあります。

他には?

  • 胸の痛み(乳房の痛み)
  • 脈が速い
  • 胃痛
  • 胃もたれ
  • 息苦しい
  • 朝の動悸
  • 不眠
  • めまい、ふらつき
  • むくみ
  • 肥満(太りやすい)
  • 肩こり
  • 手足のしびれ
  • 月経周期異常
  • 不正出血
  • など、さまざまな症状が表れます。

この症状「いつからいつまで」続くの?

更年期障害のつらい症状は、閉経の10年前後続くといわれています。日本人女性の閉経平均年齢は50歳なので、45歳〜55歳頃まで続くと考えられます。
もちろん個人差があるため、40代前半から始まる人もいれば、60歳くらいまで続くひともいるでしょう。まれに更年期症状が出ない人や、軽い人もいます。

更年期障害の原因は?

「急に顔がほてり、汗をかいてしまう」「頭痛や肩こりがひどい」「イライラがとまらない」など、更年期障害になると様々な症状に気づくでしょう。
女性が閉経を迎えるとなることがあるという「更年期障害」について、そのメカニズムを知りましょう。

更年期障害と密接な「エストロゲンとは?」

女性の体は、女性ホルモンの影響を多大に受けて、生涯を通じて変化していきます。その女性ホルモンの1つ「エストロゲン」が、更年期障害やそのさまざまな症状の原因となるのです。

初経を迎える頃になると、脳は卵胞刺激ホルモンを分泌し、卵巣へ信号をだして、卵巣でエストロゲンが産生されるようになります。10代になると、エストロゲンの量は急激に増えて、女性らしい体をつくってくれます。乳房が膨らみはじめたり、性器の成熟を促したりしてくれます。その他にも、精神的な安定をもたらしてくれたり、骨や血管を強く保つために必要なホルモンです。
 

更年期障害のメカニズム

女性の心と体にとって、エストロゲンはとても重要な働きをしてくれていますが、20代後半から30代半ばの間に、エストロゲンの分泌量はピークを迎えます。その後、30代後半から40代後半にかけて卵巣機能が低下しはじめ、それに伴いエストロゲンの量も減少してしまいます。

心の安定を保つ働きのあるエストロゲンが減少してしまうため、精神的に不安定になったり、ホルモンバランスが乱れることで自律神経の乱れが生じ、ほてりやのぼせ、頭痛が表れるようになってしまいます。

卵巣機能の低下エストロゲンの急激な減少ホルモンバランスの乱れ自律神経の乱れ

これらの体の変化により、おこる多くの不調が更年期障害と呼ばれます。

男性でもなる?!男の更年期障害

「更年期生涯」イコール女性特有の病気だとイメージする人が多いですが、実は男性にも「LOH症候群(late onset hypogonadism syndrome)」と呼ばれる更年期障害があります。

男性の場合は、「エストロゲン」ではなく、「テストステロン」という男性ホルモンが、影響しています。
男性にとってテストステロンは、女性にとってのエストロゲンのように、とても重要な働きをしてくれているホルモンです。やる気を起こさせ、前向きな気持ちにさせ、精神的な安定を保ち、また男性らしい体をつくってくれるのです。

テストステロンの分泌量は20代でピークを迎えて、30代後半に差し掛かる頃には、減少していきます。すると、集中力の低下や、無気力、不眠、性力低下、イライラなどの症状を感じるようになります。ホルモンバランスの乱れにより、これらの症状があらわれるため、男性の更年期障害と呼ばれています。

前述したように、更年期障害の様々な不快な症状は、ホルモンバランスの乱れにより、引き起こされているものですが、ホルモンバランスの乱れは、年齢だけが原因ではありません。
現代女性は、社会進出が進み仕事をする人も多くなりました。不規則な生活になったり、体や心に大きな負担を抱えていることもあります。他にも、無理なダイエットや、偏った食生活も影響しています。すると、卵巣の働きが低下し、ホルモンバランスが乱れ、更年期障害と同じような症状が表れてしまうのです。

更年期障害の予防法、症状緩和法

更年期障害による不快な症状を予防し、緩和すれば、カラダとココロをより健康な状態に近づけることが出来るでしょう。
予防・緩和に効果が期待できる方法をいくつかご紹介します。

アロマセラピー

アロマセラピーによる、病気の治療や予防、症状の緩和には紀元前から行われてきました。鼻から入ったアロマの香りは、嗅覚から大脳辺縁系や、視床下部に伝わり、自律神経のバランスを整えます。脳を直接刺激するため、とても効果的です。

アロマキャンドルやアロマランプなどを使って香りを部屋に広げて楽しみましょう。また外出先では、ハンカチや下着などに、アロマを数滴染み込ませて、一日を快適に過ごすこともできます。

<更年期障害に効果のあるアロマ>

  • イランイラン:鎮静と興奮のバランスをとる
  • サイプレス:免疫力を高め、老廃物を排除する
  • ラベンダー:感情のバランスをとり、心を落ち着かせる
  • フランキンセンス:呼吸を深め、胸部の緊張を解く。鎮静鎮痛作用がある
  • ペパーミント:活気と元気を与えてくれる。コミュニケーション力を与えてくれる
  • ゼラニウム:血行を促し、抗炎症作用に優れる。皮膚の不調を改善する
  • 注意 妊娠中はこれらのアロマは使用しないでください。/span>

甘酒

「飲む点滴」と言われる甘酒は、更年期障害にも効果的です。酵母を使って発酵させているお酒で、ブドウ糖やアミノ酸、ビタミンなどの栄養素がたっぷりと含まれています。
1日1カップ程度の量を継続して飲むことをおすすめします。

漢方

東洋医学に用いられてきた漢方は、弱っている臓器や衰えた機能の改善など、病気の根本から見直し体質を変えて体に不調が現れないようにするために処方されます。すぐに効果がでることは少ないですが、自然由来の生薬を調合して作られているため、副作用も少なく安心です。

<更年期障害に効果のある漢方>

  • 田七人参:自律神経の乱れ女を改善してくれる
  • 高麗人参:自律神経の乱れを改善してくれる
  • 当帰芍薬散:月経による不調不全の改善に使用される。血行不良を改善する
  • 加味逍遥散:イライラやストレスなどを和らげる

サプリ

サプリメントは、年齢と共に体内から減少しがちな成分を補ってくれたり、日常的に食事から摂取することが難しい栄養素などを補うために使用されます。

<更年期障害に効果のあるサプリの成分>

  • プラセンタ、大豆イソフラボン、高麗人参:女性ホルモンの調整

予防・緩和できるアロマやサプリなどを有効的に使いながら、更年期障害とうまく付き合っていきましょう。

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