子どもだけじゃない!大人や妊婦も気を付けたいおたふく風邪の症状や感染経路、治療、予防方法について

子どもの病気というイメージが強いおたふく風邪。実際患者の多くが子どもです。しかし、子どもだけでなく大人もおたふく風邪にかかります。そして大人がかかったときは重症になるケースがあるので要注意です。では一体どうしておたふく風邪にかかるのか、子どもと大人ではどう違うのか、予防接種は受けた方が良いのか、などの疑問を解いていきましょう。

おたふく風邪の感染源・経路 ~いつ・どこで感染するの?


なぜ、おたふく風邪は子どもがかかりやすいのでしょうか?感染源や経路から見てみましょう。

流行時期はある?

おたふく風邪は冬~春に流行し、夏に落ち着くという傾向がありました。これはおたふく風邪の免疫を持たない子どもたちが入園や入学を経て感染・発症し、夏休みに入り落ち着く、ということでした。しかし近年では1年を通して季節に関係なくおたふく風邪にかかる傾向にあります。

どこで?どうやって?何歳が多い?

感染場所・経路

おたふく風邪のウイルス(ムンプウイルス)は感染者の唾液中に排出され、飛沫感染か接触感染により伝播されます。感染者とのおしゃべりや咳・くしゃみで飛散した唾からムンプウイルスを吸入したり、感染者の唾液のついた手、手すりなどの物を介して感染します。飛沫が届く範囲は1mほどなので、離れていれば飛沫感染しないのですが、子ども達はそうはいきません。園や小学校で毎日のように頭をくっつけ合わせて遊んでいますよね。他にも、口に入れた手でおもちゃを触ったり、その手で友達にお菓子を分けてあげたり。そうしているうちに接触感染してしまいます。

感染力

感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間と長めです。この期間から感染力があるため、感染者も気付かないうちに他人におたふく風邪をうつしてしまいます。そして、おたふく風邪のウイルスは感染力は強いですが、ウイルス自体はそれほど強くないため、感染しても発症しない不顕性感染者が30%ほどいます。この不顕性感染者も感染源となります。2歳未満の感染のほとんどはこの不顕性感染です。

年齢

密度が高い場所で集団で過ごす時間が長い、園児や小学生が感染しやすくなります。年齢では、4歳が最も多く、3~6歳が患者の60%を占めます。0歳は少ないです。母親から免疫力を受け継いでいるため発症が少ないという可能性があります。10歳以上は患者全体の割合としては少ないものの、10歳以上の患者数が近年では増加傾向にあります。

大人も感染するの?

大人も感染します。ですが、おたふく風邪は1回感染してしまえば免疫がつき、2回目の感染をすることはまずありません。おたふく風邪にかかった記憶がなく、実は過去に感染しても発症しなかった場合も、免疫がついているので今後もかかることはありません。このように年齢が上がるにつれて患者数は減っていくので「大人はかからない」といったイメージになるのでしょう。ご自分が過去に感染したか分からない、予防接種を受けたか分からない方は、おたふく風邪に対する免疫を持っているかどうかを調べる抗体検査をすると良いでしょう。

注意したいのは、大人がおたふく風邪を発症した場合は、子どもの場合よりも重症になる傾向があるという点です。

おたふく風邪の症状


おたふく風邪は、おたふく面のように顔が腫れる様子から、通称おたふく風邪と呼ばれています。正式名は「流行性耳下腺炎」という、感染症です。おたふく風邪は感染力が強いため、学校保健安全法の学校感染症(第二種)に指定されています。再登校の基準は「耳下腺や顎下腺などの症状が出てから5日以上経過し、且つ医師により治癒が認められた場合(感染の恐れがないと判断された場合)」であり、それまでは、出席停止の対象となります。赤ちゃん・子どもの症状と大人の症状をそれぞれ見てみましょう。

赤ちゃん・子どもの症状

2~3週間の潜伏期間の後、以下の症状が現れます。

子供の場合

  • 12~24時間(初期症状)
  • 筋肉痛・倦怠感・食欲不振・悪寒・頭痛・発熱などいわゆる風邪のような症状が現れます。

  • 24~72時間(おたふく風邪の特徴的な症状)
  • 噛んだり飲み込んだりする時に耳下部分に痛みを感じる・しばしば39.5~40度の高熱・耳下腺部を圧すと強い痛みがあるなど、耳下腺炎の症状が現れます。

  • 2、3日目(耳下腺の腫れがピーク)
  • 耳周りや耳下の部分~顎の下まで腫れます。左右両側が同じように腫れる場合もあれば、片側一方だけ腫れる場合もあります。片側一方だけ腫れた場合も免疫はちゃんとつきます。腫れは1~2週間で治まります。「頬が腫れる」と聞くことが多いと思いますが、実際には耳下腺、顎下腺、舌下腺が炎症をおこし、腫れるのは耳まわりや耳下・顎下部分です。

症状には個人差があり、耳下腺炎の症状が出ない場合もあります。

赤ちゃんの場合

0歳のおたふく風邪の患者数はとても少ないです。母親から免疫力を受け継いでいるため発症が少ないという可能性があります。0歳児では6か月以降の発症が比較的多いです。

  • 2歳未満の乳幼児の場合
  • 2歳未満の子どもは、症状の出ない不顕性感染も多いです。乳児の場合は、言葉を話せないため、顎のあたりを触れてみましょう。痛がるような反応があれば、耳下腺や顎下腺が腫れている可能性があります。また、普段の顔と比べてなんとなく腫れぼったい、飲食したがらないなどがあれば、おたふく風邪かもしれません。

こんな時はすぐに再受診!

 
一般的におたふく風邪は軽症で、予後が良好な感染症といわれています。しかし、髄膜炎や難聴などの合併症がありますので、おたふく風邪の一般的な症状を目安に、しっかりと経過観察し、お子さんの容体によっては早めに再受診する必要があります。

脳炎

脳に炎症が起きる病気です。通常では脳に病原体が侵入することはほとんどありません。しかし、おたふく風邪に罹ることにより免疫力が低下することが原因で、脳に病原体が侵入してしまうことがあります。意識がもうろうとしている・痙攣が起こるなどの症状が出現した場合は、速やかに受診しましょう。後遺症として、発達障害やてんかんが残る場合があります。

髄膜炎

発熱が3日以上続く、又は再発熱、ひどい吐き気、頭を痛がる、うなじ部分が固く張る、乳幼児の場合は不機嫌が持続するなどの症状がある場合は髄膜炎の可能性が高いので早めに再受診しましょう。治療が遅れることで後遺症が残る場合もあるので注意が必要です。
しかし、おたふく風邪による髄膜炎は無菌性であることが多く、比較的予後が良好で1~2週間で自然治癒すると言われています。まれに症状によっては入院して加療が必要なこともあります。

難聴(ムンプス難聴)

おたふく風邪のウイルス(ムンプス)は、音を感じる神経を破壊することがあります。おたふく風邪による難聴は、数百人に1人とも、15,000人に1人とも言われ、正確な数は把握されていないようです。幼児の場合に怖いのは、本人が難聴である自覚がないままに手遅れになり聴覚を失うことがあるというところです。おたふく風邪の治癒後、随分経過して難聴に気付く例が多いことから、おたふく風邪にかかったら、耳の聞こえに注意しておくことが難聴の早期発見につながります。

膵炎

嘔吐やひどい腹痛などの症状が現れます。この症状は、膵炎によってたんぱく質を溶かす物質が全身にめぐり、各臓器にダメージを与えます。重症化し生命を脅かす危険性もあるため、このような症状が出た場合は早期受診が必要です。

【体験談】おたふく風邪だと思ったのに違う?!~耳下腺炎~”] たろう君は5年生。頬が両側とも腫れて、39度の発熱がありました。症状は2日ほどで落ち着きました。たろう君は幼稚園児の頃に1度おたふく風邪にかかっています。通っていた幼稚園で流行していて、感染・発症しました。お母さんにはその時と症状が同じように見え、今回もまたおたふく風邪だと思いました。しかし、小児科での診断は「耳下腺炎」でした。医師はたろう君の症状と、現在学校や近隣でおたふく風邪の患者が出ていないこと、おたふく風邪は1度かかったら2度はかからない、などの情報から今回は耳下腺炎と診断しました。

診断方法”] 耳下腺炎には「流行性耳下腺炎(おたふく風邪)」や耳下腺炎を何度も繰り返す「反復性耳下腺炎」など、似たような症状を持つものがあります。おたふく風邪の診断の多くは医師の経験と、患者の症状、おたふく風邪が流行しているか、患者の過去の発症歴などの状況から判断して決定します。

検査により、厳密な診断を得ることができます。必要な場合は、医師に相談してみて下さい。

大人の症状 合併症に要注意!

子どものおたふく風邪とその合併症は、比較的軽症で予後が良好です。では大人の場合はどうでしょう。免疫力も体力も子どもより強いのだから、おたふく風邪にかかっても軽症で済むと思いがちですが、実はその免疫力ゆえに重症化する傾向にあるようです。これは、大人の高い免疫力がおたふく風邪のウイルスに強く抵抗するためです。また、大人の場合はすでに何らかの疾患を持っていることがあり、重症化することがあるようです。

大人のおたふく風邪の症状

個人差はありますが、子どもと同じく悪寒・発熱・頭痛・倦怠感などいわゆる風邪のような症状が出ます。そして両側か片側一方の耳のいずれかに違和感が出て、耳回り・耳下から顎下が腫れて痛みを伴います。しかし大人の場合ではこれらの症状や合併症が深刻に出る傾向にあります。発熱が続く、頭痛、嘔吐、首うなじ部分が硬く張るなどの症状がある場合、早めに受診して下さい。患者の約1割で髄膜炎がみられます。

思春期以降の合併症

高学年になる時期、男子は11歳頃から、女子は10歳頃から思春期に入ると言われています。この時期以降のおたふく風邪は合併症に注意して下さい。

  • 精巣炎(睾丸炎)
  • おたふく風邪患者の男性の約20~30%に発症します。痛みや不快感がある場合、冷湿布や保冷剤などで精巣を冷やします。おたふく風邪による精巣炎は対症療法となるため自然治癒を待ちます。片方の精巣に炎症が起きることがほとんどです。両方に炎症が起きて無精子症になり不妊症の原因となることも稀にあります。

  • 卵巣炎
  • おたふく風邪患者の女性の約5~7%に発症します。片方の卵巣に炎症が起きることがほとんどですが、不妊の原因となることが稀にあります。発熱、下腹部痛の症状が出る場合もありますが、軽症で分かりづらいこともあるため、違和感を感じたら婦人科を受診しましょう。

妊娠中におたふく風邪にかかったら?

  • 治療
  • 妊娠中の場合は特に、おたふく風邪には注意が必要です。基本的には対症療法となります。安静にして栄養補給、水分補給をしっかりしましょう。医師と連携をとり、重症化した場合や合併症を起こした場合に備えておくと安心ですね。高熱や痛みがひどく薬を服用したい場合には、自分で判断せずに必ず医師に相談しましょう。

  • 胎児への影響
  • 妊娠初期にかかると、流産のリスクが高くなります。おたふく風邪にかかったら受診しましょう。

  • 予防接種
  • 妊娠中は胎児への影響も考え、できるだけ健康に過ごしたいものです。そのためにもおたふく風邪にかからないよう、予防接種や感染者との接触をさけるなどの予防が大切です。妊娠中はおたふく風邪の予防接種は受けることが出来ません。ワクチン接種は妊娠前に済ませておきましょう。生ワクチンのためウイルスが胎児に移る危険性があるからです。万が一、妊娠していることに気付かないでワクチン接種してしまった場合は医師に相談しましょう。接種後は2か月ほど避妊の必要があります。妊娠準備として夫婦で抗体検査を受けるのも良いでしょう。その上で夫婦でワクチン接種をするかどうか決めることが出来ます。

おたふく風邪の予防~感染したくない!


基本的には軽症といわれているおたふく風邪ですが、我が子が痛みや発熱で苦しむ姿を見るのは辛いものです。では、おたふく風邪にかからないための予防策はあるのでしょうか。

おたふく風邪のウイルスはアルコールに弱い?!

おたふく風邪の病原体ムンプウイルスはアルコールに弱い性質を持っています。感染力は強いですが、ウイルス自体は弱いため、エタノールなどのアルコール消毒液で破壊させることができます。身近なものでは、アルコール手指消毒液があります。医療機関や各種公共施設では至る箇所に設置されていますね。普段から使いやすい、携帯用の商品もあります。水気が残っていると効果が薄くなってしまいます。しっかりと水気を拭き取ってから、アルコールが乾くまで手指にしっかり擦り込んで下さい。

予防接種ワクチンが効果的

集団で過ごす時間が長い子どもたち。一歩家を出たら手洗い・うがいもどこまで出来ているか分かりません。おたふく風邪は潜伏期間中にも感染しますし、症状の出ない不顕性感染者からも感染します。ですから、発症してから自宅療養になっても感染は完全には防げません。おたふく風邪にかかった子どもを看病していて家族が感染することもあります。おたふく風邪の生ワクチンを接種して感染前に免疫をつけることが、現在最も効果を期待できる予防策です。予防率100%には及ばないものの、子どもから大人まで免疫をつけることができます。希望者は接種する、任意接種です。

接種時期・接種回数は?

おたふく風邪のワクチンはおたふく風邪のウイルスを弱毒化した生ワクチンです。生後12か月から接種できるようになります。日本小児科学会では2回接種を推奨しています。1歳で1回目、5~6歳で2回目を接種するのが標準的な接種時期となります。この年齢を過ぎたからといって、ワクチン接種出来ないということはありません。成人でもワクチン接種できます。

他の予防接種との間隔は?

おたふく風邪のワクチン接種後に他の種類のワクチン接種をする際は中27日以上間隔を空けます。MR(麻しん風しん混合)ワクチンとの同時接種は可能です。どちらも医師に相談した上で接種しましょう。

妊婦もワクチン接種できる?

妊娠中は胎児への影響を考え、ワクチン接種はできません。接種から2か月程度は避妊が必要です。

効果はどのくらい?

予防接種を受けても100%抗体が獲得できるわけではありません。1回目の接種で約90%、2回目の接種で約95%が抗体を獲得できます。

【体験談】「ワクチン接種の効果を実感」”] あいちゃんは、幼稚園に通う5歳の女の子です。1歳の時におたふく風邪の予防接種を済ませています。いつでも一緒の仲良しグループの友達やその兄弟がおたふく風邪にかかるなか、あいちゃんだけはおたふく風邪にかかりませんでした。お母さんは予防接種の効果を実感しました。

【体験談】「抗体がついてないなんて…」”] あきら君は1歳の時におたふく風邪の予防接種を済ませました。お父さんが医師なこともあり、小学校入学を前に抗体検査をすることにしました。その結果、抗体はついていませんでした。おたふく風邪のワクチンを接種した人のうち、約1割の人に抗体がつきません。あきら君はその1割に入ってしまったんですね。

副反応が心配…

おたふく風邪の予防接種はムンプウイルスを弱毒化した生ワクチンを接種します。生ワクチンの場合その病気のような軽い症状が出ることがまれにあるそうです。

おたふく風邪のワクチン接種後は…

  • 一時的に接種部位に痛みが現れることがあります。
  • 接種から1~3週間後に発熱や耳下腺の腫れなどの症状が現れることがありますが、1~2日ほどで落ち着きます。
  • まれに頭痛・嘔吐などみられ、数千人に1人の割合で髄膜炎になる可能性があります。おたふく風邪に自然感染して髄膜炎になる割合は約100人に1人ですから、ワクチン接種の方が頻度は低いです。

費用はかかる?

おたふく風邪の予防接種は任意なので、受ける際は自費となります。料金は一律でなく、医療機関によって異なります。平均費用は1回5,000円~7,000円です。各医療機関へ問い合わせて下さい。市町村によっては費用の一部助成や全額負担を行っているところがあります。対象年齢も市町村によって異なります。お住まいの自治体のホームページや電話で確認してみましょう。

おたふく風邪の治療法

治療薬はある?

おたふく風邪かな?と思ったらまず病院へ行って医師の診断に従ってください。おたふく風邪には専用の治療薬はなく、対症療法となります。経過を診ながら、高熱で体力を消耗してしまう場合は解熱剤、痛みがひどい場合は鎮痛剤が処方されることもあるようです。しっかりと休養をとって、免疫力が低下しないようにし、体力の回復に努めましょう。そして脱水症状にならないよう注意しましょう。合併症の場合で加療の必要な場合もあります。

痛みや腫れはいつまで続く?

個人差はありますが、発熱など風邪のような症状は1~3日ほどで治ります。耳下腺の腫れは、1~2週間ほどで消えます。耳下腺が腫れている間、特に1~3日間は痛みます。

家でできることは?

  • 予防
  • 家族がおたふく風邪にかかってしまった場合に、家族内で感染しないように予防を心がけましょう。手洗い、うがい、アルコール消毒、マスクをする、タオルは違うものを使う、など飛沫感染と接触感染を防ぎましょう。

  • 対処
  • 体力の回復のためにゆっくり休めるよう、それぞれの症状に合わせた対処ができると良いですね。

  • 食事
  • できるだけ栄養や水分をちゃんと摂取したいけれど、腫れや痛みで飲食が困難な場合もあります。そういった場合は、固いものは避け、食べやすい柔らかさにしたおかゆや温麺(そうめんやうどん)は水分補給もできて良いでしょう。
    梅干しやオレンジジュースなど酸味のあるものや、唾液腺を刺激するものは避けましょう。飴も唾液腺に刺激を与えるので痛みます。口をあけにくい場合はストローを使って水分摂取すると良いでしょう。

【ママの体験談】Hさんの場合”] 我が家の子どもたちが感染症にかかって食欲がない場合、ゼリーやアイスクリームなら食べられることがあります。それでも良いと小児科の先生もおっしゃっていたので、無理やり食事させることはせず、食べられる物で対処しています。子どもは急な発熱も多いので、経口補水液を自宅で作ることもあります。
経口補水液の作り方は、水500mlに砂糖20g、塩1.5gを入れ、良く混ぜるだけです。レモン汁を追加すると美味しいです。おたふく風邪で痛みがある時は避けた方がよいですね。

  • 腫れ
  • 耳下腺などの腫れが痛む場合は、患部を冷やすと痛みが軽減されるようです。ハンカチなどで包み、保冷材などが患部に直接当たらないようにしましょう。

  • 入浴
  • 体調が悪く入浴できない時には体を拭いてあげるとさっぱりして、よく休めることがあります。我が家では、子どもが発熱で入浴したくない時などに温タオルと乾いたタオルで体を拭いています。熱いお湯で作るのは大変なので、電子レンジを利用しています。タオルを濡らし、あまり固く絞らないようにします。1~2分レンジでチンします。熱々ごはんでおにぎりを握るくらいの熱さになります。取り扱いに注意して下さい(枚数やレンジ機種によって加熱時間は要調節)。火傷しない程度の熱さになったら拭き始めます。その後乾いたタオルで拭くとさっぱりして、体も冷えません。タオルを数枚使用する場合は、固く絞ってビニール袋に入れ、レンジで加熱しても良いです。

  • 経過観察
  • 様子をよく見て、おかしいと感じたときに受診できるようにしましょう。

【ママの体験談】Hさんの場合”] 兄りん君は年長、妹ななちゃんは年中。2人が通う幼稚園でおたふく風邪が流行し、兄りん君が感染・発症しました。両側の頬がパンパンに腫れ、発熱は38.5℃。その14日後に妹ななちゃんが発症。両側の頬がパンパンに腫れ、発熱のピーク時は40℃。ママによると、2人とも腫れによる痛みは気にならなかった様子。特に妹ななちゃんは、痛みよりも高熱で体力が落ち食欲もありません。そんな状態でも食べてくれたのがウイダーインゼリーでした。喉ごしが良かったようです。体力が戻ってくると、いわゆる風邪の時と同じようにおかゆなどお腹に優しいものから食べさせたそうです。

いつから登園・登校・出勤できる?

学校保健安全法により出席停止の期間が定められています。「発症日を除いて5日経過し、かつ、全身症状が良好になるまで」は出席停止です。

【ママの体験談】”] 
かんた君は小学2年生の男の子。1歳の時にワクチン接種を済ませています。学校でおたふく風邪が流行し、かんた君も感染・発症してしまいました。症状は、片側一方の頬下部に腫れ、発熱なし、食欲あり。とても元気でしたが、学校保健安全法の規定通りに自宅療養しました。とにかく元気だったので、お母さんとしては自宅にとどめておくのが大変だったそうです。

感染力は発症前後9日間とも5日間とも言われています。ですから、本人が至って元気で通常の生活が出来たとしても、他の人に感染し伝播してしまわないよう、自宅での療養が大切になります。

おたふく風邪を怖がらないで~予防と経過観察で乗り切ろう

おたふく風邪は比較的軽症で済む感染症ですが、合併症をおこし重症になることもまれにあります。かからないのが一番ですから、予防が大切になります。今のところ、最も効果があるのは予防接種です。しかし副反応がやっぱり気になる、という方もいるでしょう。

  • 免疫力を低下させない
  • 不顕性感者が3割もいることから、おたふく風邪のウイルスに感染しても発症しない体をつくることができたら理想的ですね。また発症しても軽症、対症療法で済むよう、日ごろより体調管理に気を付けて暮らしたいものです。

  • 経過観察をしっかり
  • お子さんが発症してしまったら、お母さんお父さんは心配ですね。そんな時は落ち着いて、表情や普段との違いを観察し、医師に伝えて診断してもらいましょう。次の診察はいつで、それまではどう過ごしたら良いのか、どんな症状が現れたら再受診を急ぐべきか、など聞いておくと安心です。お母さんお父さんが優しく落ち着いて看病してあげると子どもも安心して休めるでしょう。

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