【医師監修】妊娠中や産後のセックスは安全?正しい方法や気をつけるポイントについて

妊娠中、みんなはセックスしているの?なんてなかなか聞けないですよね。プライベートなことだし、パパとの大切なコミュニケーションだからこそ、詳しく知りたい、聞きたい妊娠中のセックスのことをお伝えします。セックスしても大丈夫なの?赤ちゃんに影響はないの?そんな不安を解消できるようまとめました。

妊娠中のセックスについて

性欲は人それぞれ

妊娠中 セックス

性欲は個人差がありますが、妊娠中に強く性欲を感じることもあれば、性欲を感じなくなったという場合もあります。これにはホルモンの変化が影響していると言われているので、一時的な変化であることがほとんどです。一般的に、妊娠初期は性欲が少なくなります。これは、妊娠による疲労、つわりや流産の心配からくるものです。妊娠中期になると、安定期を迎えますので精神的にも余裕が出てきます。体内の血液量が増えるという生理的変化もあり、性欲が増してきます。妊娠後期になると、体型も変化していき、胎動が感じられることから出産への意識が高くなり、性欲は低下する傾向にあります。

7割近い夫婦が妊娠中にセックスをしている

2014年に行われた「妊娠中の仲良し(セックス)に関する調査2014」によると、妊娠中に性行為があった夫婦が68.8%、妊娠中は性行為がなかった夫婦は31.2%となりました。妊娠前に比べて回数が減った夫婦は56.7%となっているので、妊娠前に比べて減る傾向にはあるようです。

妊娠中のセックスは安全?

妊娠中のセックスは平気?

妊娠中 セックス

妊娠中のセックスはしても大丈夫?と不安や抵抗感を感じる方もいるかと思います。結論からいいますと、妊娠中でもセックスをしても問題はありません。ママの体調がよく、経過が順調な場合ですが、妊娠中にセックスをしたからといって、お腹の中の赤ちゃんにほとんど影響はありません。しかし、セックス中にお腹が痛くなったり、お腹が張ったりしたら、すぐにセックスを辞めてください。しばらく休んでおさまるようなら問題はありませんが、もしお腹の痛みが継続的に続くようであったり、出血があったりした場合は、病院に連絡するようにしてください。

ゴムはしたほうがいいの?

妊娠中は、避妊の必要がないからコンドームも必要ないと思っている人もいると思いますが、決してそんなことはありません。妊娠中、女性はとてもデリケートな状態ですので、感染症などを防ぐためにも、必ずコンドームを使ってください。もし、膣から雑菌が入ると膣炎などをおこしてしまい、お腹の中の赤ちゃんにも悪い影響を及ぼしてしまいます。感染症の予防の面から、また清潔さを保つ面からもコンドームは必ずしてください。また、精液の中にはプロスタグランディンという陣痛を促進する成分と同じものが含まれています。実際に陣痛を引き起こすほどのものではありませんが、それによって子宮が収縮するというデータもあります。その面からもコンドームは着用するようにしましょう。

頻度はどのぐらい?

性欲が人それぞれなのと同様に、セックスを行う頻度もそれぞれです。妊娠前よりセックスの頻度が増えても問題はありません。パパもママも無理をせず、お互いのペースで行うことが大切です。

早産の可能性はあるの?

セックスによって、直接的に流産や早産には影響しません。また、陣痛を促すためにセックスをするといいという説もありますが、根拠はありません。ただし、切迫流産や切迫早産、前置胎盤、その他医師から安静の指示がある場合、セックスによって状況が悪化する場合もありますので、心配な場合は医師に相談するといいでしょう。

赤ちゃんへの影響は?

セックスによって赤ちゃんへの影響はありません。赤ちゃんがいる子宮は羊水で守られているので、セックスが赤ちゃんに直接危害を与えることはないと言われています。また、子宮口も閉ざされているので、挿入されたペニスも赤ちゃんに直接接触することはありません。絶頂を迎えると赤ちゃんが苦しくなるかも…と心配される方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

妊娠初期はしてもいいの?セックスをしてはいけない場合とは

妊娠初期について

妊娠中 セックス

妊娠初期とは、妊娠が判明する妊娠2ヶ月~妊娠4ヶ月(妊娠5週~15週)までの頃をいいます。妊娠初期はセックスを控えたほうがいいと言われることもあると思いますが、つわりが軽く体調もよければ、ソフトなセックスをすることに問題はありません。もし無理してセックスをおこなうと、肉体的疲労やストレスなどでつわりが悪化することも考えられます。また、妊娠初期には流産が起こりやすいといわれていますが、ほとんどの場合は受精卵の異常によるものなので、セックスが原因ということはありません。ただ、妊娠初期はつわりもある場合が多く、体調も不安定な時期ですので、無理は禁物です。

セックスをしてはいけない場合

ママの体調がよければ、セックスしても問題はありませんが、以下の場合はセックスを控えてください。

  • 出血があるとき
  • お腹が張っているとき
  • 医師から切迫流産や切迫早産と診断されたとき
  • 前置胎盤と診断されたとき
  • 子宮頸管が短いと診断されたとき
  • 破水しているとき
  • 以前に流産や早産の経験があるとき
  • 医師から安静を指示されているとき

セックスをしたくない場合

妊娠中はどうしても不安定になりがちです。セックスをしたい日もあれば、したくない日もあると思います。もし、セックスがストレスに感じるようであれば、母体を優先して、パパに正直に伝えましょう。妊娠中のセックスは無理は厳禁です。男性は妊娠中の心の変化や体調の具合までは分からないので、ちゃんと話して、別のコミュニケーションを探しましょう。

妊娠中のセックスで気を付けること

長時間の行為は避ける

妊娠中 セックス

長い時間セックスを行うとなると、体力も消耗しますし、長時間同じ体位でいることも、腰や下半身に疲れがたまってしまいます。母体に負担がかからないようにしましょう。

お腹を圧迫しない

妊娠中期(妊娠4ヶ月頃)を迎えるにつれてお腹が大きくなってきますので、お腹に負担がかからない方法でセックスをしましょう。お腹を圧迫しない体位でのセックスを行うようにしてください。女性が上になるか、背を向けて後ろ向きの体位がオススメです。お腹に負担をかけず、圧迫しないことを心がけてください。

乳房を刺激しすぎない

乳首への刺激は、オキシトシンという子宮収縮を促すホルモンが分泌されます。お腹が張りやすい人や、切迫早産と診断されている人は、乳首への刺激は避けた方がいいでしょう。また、乳首を触れられることで、不快感を感じたり痛みを感じたりする場合もあります。その場合は、乳首や乳房を刺激しないセックスをしてください。

母体への配慮を忘れずに

妊娠中のセックスは、自分が思ったより疲れるものです。お腹が目立たない時期だからといって、無理は禁物です。もし、しんどくなったら中断することも大切です。

産後のセックスも無理をせず行おう

妊娠中 セックス

出産後もホルモンの影響で性欲が落ちると言われています。また、出産時に会陰切開した場合は治癒するまで痛くてできないこともあります。帝王切開で出産した場合も同様です。個人差はありますが、出産後は母体も大きく変化していますので、決して無理をしないことを心がけてください。

パパとママが仲良くすることは大切なこと

セックスは夫婦間での大切なコミュニケーションの手段です。妊娠しているからといって、セックスを我慢する必要はありません。パパとママが仲良しなのは赤ちゃんにとってもとても嬉しいことなのです。ただし、無理は禁物です。妊娠中はとてもデリケートで、ホルモンバランスによって気分も変わりやすい時期ですから、お互い理解しあって、ママの体調を一番に考えるようにしてくださいね。

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