忙しい毎日、掃除や洗濯は少し後回しに出来てもご飯は3食作らないといけないですよね。献立を毎回考えるのも面倒だし、台所にずっと立って調理しているのも家事を終えた後には疲れてしまう。
そこで、週末など時間のある時におかずを何種類か作り置きしておけば、毎日のうち1食はご飯を炊くだけで食べられる!
今回の記事では、おかずを作り置きする時の注意点やお弁当にも使えるオリジナルレシピを管理栄養士の橋本がご紹介します。
おかずの作り置きをするときに気をつけること
作り置きに向いているおかず
作り置きに向いているおかずは、味が濃いもの、火をしっかり通すもの、酢漬けにしてあるものなど保存の効く調理法や味付けがされているものが基本です。
また、使用する食材も作り置きに向いているものとそうでないものがあります。水分を多く含む食材は傷みやすいので作り置きにはあまり向きません。トマトやレタス、貝割れ大根、もやしなどがそうです。また、冷凍保存したときにボソボソとした食感の変化などがある食材も冷凍の作り置きには向きません。豆腐や厚揚げ、じゃがいもなどがそうです。
こういった注意点を守れば、美味しくおかずを作り置きできます。
作り置きをする時の衛生管理
いつもの調理でももちろんですが、作り置きをする前には必ず手を洗い、清潔な調理器具を使って少しでも雑菌が付着する可能性を減らすことが重要です。作ったおかずを冷蔵庫や冷凍庫で保存するとはいえ、雑菌は少しづつ繁殖しているので、作り置きして時間があまり経っていなくても変な匂いや味がしたら食べるのはやめましょう。
また、おかずはしっかり火を通した後で粗熱をとり、保存しましょう。作り置きのおかずを保存しておくタッパーなどは、食べ物を入れる前に一度熱湯をかけ殺菌しておく方が良いです。ガラスやホーローの容器は熱湯をかけても大丈夫なので便利ですが、値段は高いです。プラスチック製の容器に熱湯を使用する時は、必ずかける前に耐熱温度が100度以上あることを確認してからにしましょう。面倒な場合は、市販の密閉できる袋状の容器やラップなどを使い捨てで使用しましょう。
冷蔵庫で保存!2〜3日で食べきるおかず
ここからは、冷蔵庫で保存し2〜3日で食べきりが目安のおかずを紹介していきます。
*紅白マリネ
【材料 大人4人分】
人参 中くらい1本
大根 1/2本
お酢 大さじ4
砂糖 大さじ2
塩 小さじ1
【作り方】
- 人参と大根は、どちらも5cmくらいの千切りにする。
- 調味料を全て混ぜ合わせマリネ液を作る。
- 切った人参と大根を2のマリネ液に漬け込む。
ポイント:浅漬けなら1時間くらいから食べられます。人参の赤が彩りを添えます。
*ひじきの煮物
【材料 大人4人分】
乾燥ひじき 30g
人参 中くらいのもの1/4本
油揚げ 1枚
絹さや 4〜5枚>
ごま油 大さじ1
砂糖 大さじ1
だしの素 小さじ1/2
塩 ひとつまみ
醤油 小さじ1
水 150cc
【作り方】
- 乾燥ひじきは水で戻しておく。この時、下茹でするとアクが抜けるが、しなくても気にならない程度なのでお好みで。
- 人参は3cm程度の短冊切り、あぶらあげも人参と同じくらいの大きさにそろえて切る。絹さやは、筋を取りサッと茹でてから3等分くらいに斜め切りする。
- 少し深い鍋にごま油をしき、中火にかけ人参を炒める。あらかた火が通ったら、ひじきと油揚げ、砂糖、だしの素と水150ccを加えて5分煮込む。
- 最後に塩と醤油ひと回しを加え味を整えたら、絹さやを彩りで散らす。
ポイント:油揚げは、入れると旨味が出ます。ちくわなどの練り製品でも代用できます。絹さやも、彩りなので入れなくてもいいですし、茹でた大根の葉っぱなどで代用ができます。
*おからの煮物
【材料 大人4人分】
おから 200g
人参 中くらいのもの1/3本
ちくわ 2本
玉子 1個
サラダ油 大さじ1
砂糖 大さじ1
だしの素 小さじ1
塩 ひとつまみ
醤油 小さじ1
水 200cc
【作り方】
- 人参は3cm程度の千切り、ちくわは細めの斜め切りにしておく。
- 玉子は溶いておく。
- 少し深い鍋にサラダ油をしき、中火にかけ人参を炒める。あらかた火が通ったら、ちくわとおから、砂糖、だしの素、塩、醤油と水200ccを加えて5分煮込む。
- おからがぽこぽこと少し沸騰したら、火を止め溶き卵を加えてダマにならないようによく混ぜる。再度、今度は弱火で3分程度煮て完全に火を通す。
ポイント:溶き卵を入れることにより、パサパサした食感のおからがしっとりして美味しくなります。しいたけなど、きのこ類を入れても出汁が出て美味しいです。
*きんぴらごぼう
【材料 大人4人分】
ごぼう 1本
人参 中くらいのもの½本
ごま油 大さじ1
砂糖 大さじ1
塩 ひとつまみ
醤油 小さじ1
七味唐辛子 一振り
【作り方】
- ごぼうはささがきか千切りにして、水につけアクを抜く。人参もごぼうに合わせて千切りにする。
- フライパンにごま油をしき、人参とアクを抜いたごぼうを炒める。
- 砂糖、醤油で味付けし、塩で味を整える。最後に七味唐辛子を振り、混ぜる。
ポイント:七味がピリッと食欲をそそります。ハムの千切りを加えて、七味を除くとお子様にも食べやすい味に。
冷凍庫で保存!凍らせて1週間くらいで食べきるおかず
ここからは、冷凍庫で保存し1週間くらいで食べきりが目安のおかずを紹介していきます。
*鶏胸肉のバンバンジー
【材料 大人4人分】
鶏胸肉 2枚
きゅうり 1本
トマト 1個
塩 小さじ1
ゴマだれやポン酢などお好きなドレッシング
【作り方】
- 鶏肉は水で洗い、皮をとって半分に切り塩を小さじ1擦り込んでおく。
- 深い鍋にお湯を沸かし、塩を擦り込んだ鶏肉を皮も一緒に中心に火が通るまで茹でる。
- 火が完全に通ったらお湯をきり、清潔なまな板で皮は細切りにする。肉は手で裂くか1cm程度に切る。冷凍する場合は、この段階で使う1回量ごとにラップで仕切るなどしてタッパに入れて冷凍庫で保存する。
- 半分に切りスライスしたトマトと、千切りにして塩もみしたきゅうりと一緒に皿に盛り付ける。
- お好みのゴマだれやポン酢をかけてできあがり。
ポイント:小分けにして冷凍したバンバンジーは食べる分だけ解凍して、サラダの付け合せや炒め物の具にも活用できます。また、きゅうりを千切りではなく縦にスライサーでスライスして、鶏肉を巻くとちょっとオシャレな一品に!
*豚肉の味噌付け焼き
【材料 大人4人分】
豚ロース 4枚
サラダ油 大さじ1
味噌 大さじ2
砂糖 大さじ2
酒 大さじ2
塩 ひとつまみ
【作り方】
- サラダ油以外の調味料を全て混ぜて、味噌ダレを作る。
- 作った味噌ダレを豚ロースの両面にスプーンの裏などを使ってスキマなく塗る。
- フライパンにサラダ油をしいて、中火で熱する。温まったら、豚ロースを入れ両面に焼き目が付くくらい焼く。
- 焼き目がついたら弱火にして蓋をし、中心までしっかり火が通るまで蒸し焼きにする。保存する場合は、粗熱をとってから1枚づつラップに包み冷凍庫で保存する。
ポイント:塩の代わりに塩麹を小さじ1入れると西京焼きのような、まろやかな味になりおすすめです。
朝食におすすめ。夜に作って、朝は楽チンなおかず
スープなどを前日の夜に作って冷蔵庫に入れておけば、次の日の朝食時に1品作る手間が省けます。
また、パンだけより昼間の腹持ちも良くなるのでオヤツが減るかも!
*ビシソワーズ
【材料 大人4人分】
ジャガイモ 中くらいのもの2個
セロリ 1/3本
玉ねぎ 1/2個
牛乳 600cc
水 200cc
コンソメ 大さじ1
塩 ひとつまみ
【作り方】
- ジャガイモは洗って皮を向いて乱切り、セロリも適当に乱切り、玉ねぎはスライスする。
- 深めの鍋に1の野菜全てとコンソメ、水を入れてジャガイモが柔らかくなるまで煮る。
- ジャガイモに火が通ったら、ミキサーにかけるかブレンダーでスープ状にして牛乳を加え混ぜたらできあがり。
ポイント:生クリームを好みで入れると、よりクリーミーな味わいに。
*具沢山ミネストローネ
【材料 大人4人分】
トマト 中くらいのもの1個
なす 1本
ズッキーニ 1本
キャベツ 1/8個
オリーブオイル 大さじ1
水 600cc
コンソメ 大さじ1
ケチャプ 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
塩 ひとつまみ
【作り方】
- 全て野菜はざく切りにする。
- 深い鍋にオリーブオイルをしき、野菜を全て入れ軽く炒める。
- 水とコンソメ、砂糖を入れ、全体の野菜に火が通るまで煮込む。
- 最後に、ケチャップと塩で味を整える。
ポイント:夏野菜を中心にしてみましたが、野菜は冷蔵庫の残り野菜をなんでも使って大丈夫!大根や人参などの根菜類を使う時は、切り方を1cm角切りにするなど火を通りやすくする工夫をして、トマトは必ず入れれば結構どんな野菜を使っても美味しくまとまります。
*玉子サラダ
【材料 大人4人分】
玉子 M玉3個
マヨネーズ 大さじ3
黒胡椒 少々
【作り方】
- ゆで卵を作る。鍋にいっぱいの水と塩を小さじ1/2加える。そこに、玉子を入れ、中火にかける。沸騰してから、そのままの状態をキープして10分加熱する。
- 作ったゆで卵の皮をむき、ボウルに入れマヨネーズと黒胡椒も加える。
- フォークで食べやすい大きさまで潰せばできあがり。
ポイント:玉子サンドの中身を作るような感覚で、大きめにざっくり潰せば食べ応えのあるサラダになります。余裕があれば、朝にプチトマトやレタスを添えても。
お弁当におすすめの簡単おかず
お弁当に便利な揚げ物のおかずを紹介します。夕飯のついでにちょこっと揚げて、どちらも冷凍しておけるので粗熱が取れたら冷凍庫で保存して1週間で食べきりましょう。
*ミニ肉団子
【材料 大人4人分】
豚ひき肉 200g
玉ねぎ 1/2個
玉子 1個
塩 ひとつまみ
小麦粉 適量
【作り方】
- 玉ねぎはみじん切りにして皿に広げ、500Wのレンジで2分加熱する。
- 豚挽肉に、加熱した玉ねぎと玉子、塩を加え練るように混ぜる。
- 揚げ物の鍋に油を準備する。
- バットに小麦粉を適量入れ、2を直径3cmくらいの肉団子にして、小麦粉の上を転がして衣を付ける。
- 180度の油で中心に火が通るまで揚げる。だいたい5分程度。
- 火が通ったらキッチンペーパーを敷いた皿にあげて油を切る。
ポイント:玉ねぎの代わりに長ネギを使っても大丈夫です。玉ねぎで作るより中華風な肉団子になります。
*しらすのふわふわ揚げ
【材料 大人4人分】
しらす 300g
長ネギ 1/2本
小麦粉 大さじ4
玉子 M玉3個
【作り方】
- 長ネギはみじん切りにする。
- 玉子を溶き、しらすとねぎ、小麦粉を全て一緒に混ぜる。
- 揚げ物の鍋に油を準備する。
- 180度の油にスプーンで②のたねをすくって、落とし揚げていく。火が通るまで、だいたい4~5分程度両面を揚げる。
- 両面がきつね色になり火が通ったらキッチンペーパーを敷いた皿にあげて油を切る。
ポイント:しらすの塩分があるので味付けしなくてもちょうどよい塩気になります。さらに、炒り胡麻を加えると香ばしい味わいに、刻んだシソを加えるとさっぱりした味になります。
味を変えて何回も!作り置きおかずのアレンジ
作り置きのおかずにちょっとだけ手を加えれば味が変わって違う料理に!食べ飽きしません。
ミニ肉団子のアレンジ
お弁当用のミニ肉団子を使ったアレンジを紹介します。
*甘酢あんかけ肉団子
ミニ肉団子 好きな分
人参 中くらいのもの⅓本
ピーマン 1個
サラダ油 大さじ1
顆粒中華だし 小さじ1/2
お酢 大さじ1
ケチャップ 大さじ1
砂糖 小さじ1
醤油 ひとまわし
水 150cc
水溶き片栗粉(水100ccに片栗粉小さじ1を溶いておく)
【作り方】
- 人参とピーマンは千切りにする。
- フライパンにサラダ油をしいて、中火で人参とピーマンを炒めて顆粒中華だし、水を加える。
- 野菜に火が通ったら、調味料をすべて加え弱火にして水溶き片栗粉を回し入れとろみを付ける。
- ミニ肉団子にあんかけを絡めてできあがり。
*イタリアンミートボール
ミニ肉団子好きなだけ
カットトマト缶 1缶
ツナ缶1缶
コンソメ 大さじ1
塩 小さじ1
オリーブオイル 大さじ1
にんにく(チューブのもの)
乾燥バジル 2~3振り
【作り方】
- 深めの鍋にカットトマト缶をあけて、ツナとオリーブオイル、にんにくを少々加えて煮込む。塩で味を整える。
- 肉団子に1をかけて、バジルを振りかける。
他にも、ミニ肉団子は酢豚にそのまま使えたりと色々重宝するおすすめのおかずです。
豚肉の味噌付け焼きのアレンジ
冷凍した豚肉の味噌付け焼きのを使ったアレンジを紹介します。
*簡単チンジャオロース風
豚肉の味噌付け焼き2枚
ピーマン2個
パプリカ1個
サラダ油大さじ1
顆粒中華だしひとつまみ
オイスターソースひと回し
【作り方】
- ピーマンとパプリカは千切りにする。豚肉の味噌付け焼きも解凍して1cm程度の細切りにする。
- フライパンにサラダ油をしき、中火でピーマンとパプリカをサッと炒めて豚肉の味噌付け焼きを加える。
- 顆粒中華だしとオイスターソースで味を整える。
ポイント:水煮の千切りタケノコや、もやしなどでかさ増しすればボリュームのある一品にもなります。
*ポークピカタ
豚肉の味噌付け焼き2枚
玉子2個
小麦粉大さじ2
サラダ油大さじ2
【作り方】
- 玉子は溶きほぐし、バットに広げておく。解凍した豚肉の味噌付け焼き1枚に大さじ1の割合で小麦粉を肉の全面を覆うように付ける。
- 小麦粉をつけた豚肉に玉子をたっぷり絡ませる。
- フライパンを中火で熱し、温まったらサラダ油をしいて玉子を絡ませた豚肉を揚げ焼きにする。すでに豚肉は火が通っているので、玉子に美味しそうな焦げ目が付く程度に焼けばできあがり。
ポイント:玉子に黒コショウや粉チーズなどを加えても、味のバリエーションが広がります。玉子と味噌はケチャップとの相性も良いので、ケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースを添えても美味しく頂けます。
豚肉の味噌付け焼きは、肉に下味が付いているので味付けの調味料が少なくて済むのがメリットです。
作り置きのおかずを上手に活用してみましょう
時間のある時におかずを作り置きしておけば時短になるだけでなく、家事に疲れてスーパーでお惣菜を買うよりも節約になります。また、野菜のおかずやお肉のおかずなど、いろいろな種類を作って置くことで食卓に足りないものをサッと用意することが出来て栄養バランスも整いやすくなります。
しかし1番気をつけることは、衛生面です。食べきれないほどの量は作らない。タッパーや保存袋に調理した日を記録したり、古いものは冷蔵庫の手前に移動し早めに食べるなどの工夫をして、悪くなる前に食べきる事が重要です。せっかく作り置きしても、腐って捨ててしまったらとても勿体ないですよね。
賢く作り置きのおかずを活用して、毎日の食事を少し楽にもっと美味しくしましょう!