熟年離婚が30年で約6倍!長年連れ添った夫婦が別れる6個の原因とその後の生活

Hiroko

近年、「熟年離婚」という言葉を耳にするようになりました。芸能人夫婦の熟年離婚がニュースになることもあります。長年、夫婦として共に生きてきた夫婦が離婚をするということにはどんな理由があるのでしょうか。また、なぜ最近、熟年離婚が増えてきたのでしょうか。色々な側面から考えてみたいと思います。

[1]近年増えてきている熟年離婚

なぜ、熟年離婚をする人たちが増えてきているのでしょうか。昔は耳にすることがなかった「熟年離婚」という言葉。熟年離婚が増えていた背景にはどんなことがあるのでしょうか。

離婚の傾向

厚生労働省が調査した結果によると、昭和61年に結婚35年以上の結婚生活を送った人の離婚組数は1108組でしたが、平成27年には6266組に増えています。なんと、約30年の期間で結婚35年以上の夫婦の離婚率が約6倍に増えているということが分かります。このように、同居年数が35年以上の夫婦の離婚は年々増えているのです。

年金分割制度が熟年離婚を後押し?

熟年離婚が増えてきた要因の一つに、平成19年度から年金分割制度が変わったことが挙げられます。これによって離婚した場合、当事者のどちらかからの請求により、婚姻期間中の厚生年金記録を最大2分の1を分割できるというようになりました。請求は離婚から2年以内にしないと無効になってしまいます。この制度により、熟年になってから金銭的な不安が多少解消されたことも熟年離婚が増えた原因の一つと考えられます。

[2]熟年離婚の原因

それでは、どうして熟年離婚が増えてきたのでしょうか。長年、離婚をしないで共に暮らしてきたのに、なぜ熟年になってから離婚をすることを決断したのでしょうか。その原因を挙げていきます。

価値観の違い

価値観の違いは、離婚原因の上位を占める原因になっています。年齢に関係なく、価値観の違いは結婚生活を続けるには辛いでしょう。しかし、熟年と言われる人たちが結婚した頃は、今よりも離婚をする夫婦は多くありませんでした。結婚したら何があっても我慢して添い遂げるという時代でした。なので、結婚してから価値観が違うことに気づいても、子育てなどもあり、我慢して年齢を重ねてきたのではないでしょうか。

<対処法>
値観の違い、価値観が違うのは実は当たり前のことなのです。人は誰でも価値観は違うものなのです。好きな食べ物や趣味が違うように、親子であっても兄弟であっても、考え方や価値観は違うものです。
しかし、結婚相手にどうして同じ価値観を求めてしまうのでしょうか。それは、「愛し合って結婚したのだから」とか「相手が自分のことを分かってくれて当たり前」だという風に勝手に思い込んでしまうからなのです。言ってしまえば、自分の思いを相手が分かってくれないことへの不満が「価値観が違う」ということになるのです。
例えば、子供はのびのび育てたいという夫に対して、妻は幼稚園のうちから英語や勉強に力を入れたい。という考えの差です。この場合、どちらかが「なぜ自分の考えを分かってくれないのだ」と思ってしまう。

では、どうしたらいいのでしょうか。「誰だって価値観は違う」ということを常に頭に入れておくことが大切です。夫婦だからと、つい甘えて相手に自分に合わせるように求めてしまいがちですが、相手も同じだということを自覚しましょう。相手も同じように、分かって欲しいし、自分の思うようにしたいのです。それを歩み寄って、解決方法を探りつつ夫婦の形を作っていくことが重要なのではないでしょうか。

性格の不一致

価値観の差と同じように、若い頃から性格の不一致を感じていたものの、その当時は離婚があまりない時代だったので我慢してきたということもあるでしょう。また、結婚生活を続けていくうちに、だんだん合わないと感じていくようになったということもあるでしょう。
人はみんな性格が同じなわけはありませんが、あまりにも違いすぎると、分かり合える部分が少なく、一緒に暮らすことは苦痛になっていくこともあります。熟年になったからといって、人の性格はそう簡単に変えられるわけもなく、何かのきっかけが離婚を決意させたのでしょう。

<対処法>
離婚理由の第一位となっている、性格の不一致ですが、熟年離婚の性格の不一致は長年たまってきたものがあるということです。結婚した時はダメなところも含めて許せると思ったから結婚したものの、時間が経つにつれ、だんだん嫌な部分が目につくようになっていく。それが許せなくなっていきます。一度、嫌だと思ったら他の部分も嫌になってしまう、そういうことなのでしょう。はじめは「ここが嫌」だという部分だけが嫌だったのが、全てが嫌になる。それが離婚につながるようです。
性格は簡単には直りません。簡単には直りませんが、相手に伝えていくことが大切なのではないでしょうか。他人と暮らすことはお互いに大変な部分もありますが、お互いを成長させる面もあります。相手の良い部分を見習って素直に人の意見を聞き入れるようにしていくことは、自分自身を変えるよい機会だと捉えていければいいのではないでしょうか。

モラハラ、DVなど

近年、離婚理由の中に「モラハラ」「DV」というものが含まれるようになってきました。
モラハラとは、モラルハラスメントのことで、精神的暴力と言われています。態度や言葉で特定の相手を攻撃することを言います。肉体的な暴力は振るわず、外ではいい顔をするのでまわりの人には気づかれにくいという特徴があります。モラハラをする人は、自分のルールを勝手に作り、相手に従わせようとします。従わなかった場合は、徹底的に相手を攻撃します。言葉や無視などでの攻撃です。
DVは、ドメスティックバイオレンスの略です。これは肉体的な暴力も含みます。肉体的、精神的、性的、経済的な暴力を総称してDVと言います。
熟年離婚の理由のひとつに、このモラハラやDVが挙げられます。長年、相手の暴力に耐えてきたが、何かのきっかけでこれ以上は我慢できないと離婚に踏み切る夫婦がいます。

<対処法>
昭和初期生まれの父親に育てられた男性は、女は黙って男の言うことを聞いていればいいのだというように思い込んで育ってきたのかもしれません。団塊の世代と言われる男性は特に頑固で他人の言うことを聞き入れないタイプが多いと言われています。
女性はそれをよしとせず、我慢せず、DVやモラハラを受けたら市町村の窓口などに相談しに行くなど、行動を起こさなければならないのです。片方が我慢することで無理が生じます。そうならないため、熟年離婚を回避するためには我慢しないことが大切なのではないでしょうか。

相手の異性関係(浮気など)

この歳で?と思うかもしれませんが、熟年離婚で異性が原因の場合は過去の過ちが原因という場合があります。
若い頃、相手に浮気をされて悔しい思いをしたが、その時はまだ子供に手がかかることや子供の進学などのこともあり、我慢をした。しかし、我慢しなくてもいい状況になり、離婚を決断した。というケースがあります。過去のことで、と離婚を切り出されたほうは思うかもしれませんが、忘れられないほど悲しい思いをして我慢していたのでしょう。

<対処法>
浮気は男の甲斐、などと間違った考えを持っている男性がいるのは事実です。ここに男女の考えの差があるのかもしれません。全ての男性がそうだとは言いませんが、浮気をする男性の多くは、「男性は浮気するものだ」「家庭を壊す気はない」「ただの遊びだ」「生活費を入れて夫としての責任は果たしている」などと思っているようです。
しかし、妻の方はどうでしょう。毎日夫のために食事を作り、洗濯をし尽くしているのにと、悔しい思いや悲しい思いをしているでしょう。男性は「遊び」だと思っていても、女性にはそうは思えない、または遊びだとしても許せない、そう感じる人は多いはずです。

女性の勘はするどい、と言いますが、若い頃にした浮気が実は妻にはバレていた、なんていうことがあるかもしれません。その時は子育てに必死だったので、追求はしなかったけれど、ずっと心の奥にあって許せずにいた。子供が社会人になったのをきっかけに離婚を切り出す。しかし、夫は離婚を切り出される理由が分からない。などということがあるかもしれないのです。反対に女性が浮気をして離婚に至るケースもあります。
このままずっと一緒に歳をとっていくのだと思っていたのに、離婚を切り出される。そんなことにならないよう、お互いに思いやりを持って浮気しないよう、されないようにすることが大切なのでしょう。

舅・姑との不仲

結婚当初から、相手の親とうまくいっていなかったけれど、親のことで離婚など、とその時は飲み込んでいた。そして、だんだん親も歳をとってきて、親の介護をしないとならない年齢に近づいた時、ふと、舅・姑の介護をするということに対して拒否する気持ち出てきた。このまま結婚生活を続けていたら、自分が舅・姑の介護をすることになる。そんなのは耐えられない、という理由での熟年離婚もあるのです。

<対処法>
結婚当初から相手の親と折り合いが悪かったという人もいるでしょう。それが原因で離婚になるなんて悲しいですよね。親といえ、赤の他人なのです。合わないのは普通なのです。それを必死に合わせよう、いい嫁でいよう。いい婿でいよう。として無理をするから自分自身が辛くなってしまうのではないでしょうか。出来るところは合わせて、出来ない部分は無理をせず自分たちのペースで自分たちの生活を守っていけばよいのではないでしょうか。

金銭問題(浪費・借金)

相手のパチンコや競馬などのギャンブルで借金を作ってしまった、カードで買い物をしまくって借金を作ってしまった。そして、その返済に追われて生活が苦しくなってしまった。この様な相手の身勝手な行動で借金を抱えながら楽しい老後を過ごせるわけがありません。若い頃なら、どうにか二人で働いて返済しようと思えたかもしれませんが、「この歳になって苦労したくない」との理由も離婚の理由になりえます。

<対処法>
ギャンブルは依存症と言われる病気の一種です。もしも、直らないようでしたら病院のカウンセリングに一緒に行くなどしてみてはどうでしょう。若い頃から癖になっていたら、なかなか直らないでしょう。自分のためにも家族のためにも早めに対処したほうがいいのです。

[3]熟年離婚になったきっかけ

では、熟年離婚をすることになったきっかけというものはあったのでしょうか。上記のような理由があったとしても、何かのきっかけで離婚することになったのではないか、と考えます。

子供の自立

それまで離婚を思いとどまってきたのは、子供のためであった場合、子供が成人したり社会人になったのをきっかけに離婚した、というケースがあります。子供が学生の頃は、学校の学費や世間体もあり離婚をしないでいたが、子供も社会人になったのでもう我慢する必要がなくなった。そう考える人もいるようです。

家族のトラブル

相手の親の介護や、遺産トラブルがきっかけで離婚に至る場合があります。相手の親の介護に無関心だったり、また自分の親なのに介護を相手に押し付けて自分は何もしないなどのケースもあります。相続問題が起きた時に、今まで見たことがない相手の本性が見えて我慢ができなくなったということもきっかけになります。

夫の定年

結婚生活を続けていく中で、少しの不満やいさかいがあるのはどこの夫婦でも同じだとは思います。しかし、夫が仕事に出ている時間は顔を合わせることはなく、それぞれ別の時間を過ごします。その時間があることで、お互いに冷静になれたり、気持ちをリフレッシュできたのです。
しかし、夫の定年を迎えると、夫婦がずっと一緒にいることになります。朝から寝るまで同じ空間にいるので、それまで以上に不満が溜まっていくかもしれません。また、妻は夫が仕事に出ている間は自分のペースで家事や趣味が出来たのに、夫がずっと家にいるようになって、夫のことを気にしながら生活しなければならなくなります。昔からの積もり積もった不満に加え、これからずっとこの生活が続くのだと思うと、耐えられない。そのような理由が熟年離婚のきっかけになるという場合もあります。

[4]熟年離婚をして変化はあったか

実際に熟年離婚をして、どんな変化があったのでしょうか。

夫側から見て

熟年離婚をした夫が離婚してどのような変化があったのでしょうか。

妻から小言を言われずストレスが減った
事あるごとに、妻から小言を言われ続けていたが、離婚をしたらそれがなくなってストレスが減った。

食事の管理ができず健康面が心配
それまで家事は妻がやってくれていたので、離婚をしたら家事を全部自分でやらなければならなくなった。
特に、炊事に関しては得意ではない男性が多いので苦労するようです。食事のバランスを考えて献立を立てる、食材をピックアップして買い物に行くなどは、一苦労でしょう。一人分の食事を作るのが億劫だと、コンビニでお弁当を買って済ませてしまったり、スーパーのお惣菜を買ってきたりと、健康面が心配な食生活になりがちです。

妻側から見て

では、妻側からのほうはいかがでしょうか。熟年離婚をして何が変わったでしょうか。

しがらみから解放された
夫の親族との関係が離婚によってなくなり、ストレスがなくなったというケースがあります。夫の親との関係に悩まされていて、煩わしかったという場合はその悩みから解放されたといいます。

ストレスが減った
結婚生活で抱えていた色々なストレスから開放され、楽になったということです。夫からのストレスや夫の家族からのストレス、これからの不安なども離婚によってストレスが減ったという変化です。

熟年離婚をして後悔した事

離婚をすることは良いことばかりなのでしょうか。後悔した、離婚しなければよかったということはないのでしょうか。

金銭的に厳しい
年金の分割制度があるとはいえ、老後の生活をするには不安だという声があります。
夫側は退職する前でしたら、月給がもらえて退職した時の退職金も期待できます。しかし、財産分与で財産が減ることもあり、老後の不安は大きいようです。そして、男性の場合は食事を作ることができず市販のお弁当などに頼っているため、食費がかさむという面もあります。女性の場合は仕事をしていなかった人は年齢的に仕事を探すのが大変、見つからないという不安が出てきます。子供に迷惑をかけたくないと、歳をとってからパートを始める場合もあるようです。

熟年離婚をする前に金銭的な面をよく考え、財産分与や慰謝料が発生する場合はそれに向けて行動を起こしておくことが大切です。子供が成人したら離婚しようと、随分前から考えている場合は生活費として、貯金をしておくなどの準備も大切になってきます。

孤独を感じる
50~60代の年齢のうちは、離婚によりひとりになって独りの時間を謳歌したり、楽しむこともあるでしょう。しかし、だんだん年齢を重ねるうちに、老後の不安が心の中に湧き上がってきます。病気をした時に看病してくれる人がいない、心細い時に側に誰もいないなどの不安です。
また、離婚をすることで近所の人に色々言われるのが嫌で引っ越した人は、近所に知り合いはいない知らない場所での暮らしに寂しさと不安を感じることがあります。

[5]熟年離婚をするときに注意しておくべきこと

以上のように、熟年離婚にはいい面ばかりではありません。準備しておくべきことや、考えなければならないことがあります。

財産分与について

熟年離婚は長年の色々な問題が蓄積して離婚に至るケースが多いのです。もしも離婚することになったら、財産は半分が妻のものになります。そのために財産について、しっかり調べておく必要があります。また、万が一相手が離婚に応じなかった場合は、離婚調停になる場合があります。離婚するまでに時間がかかることがあるので、その間の生活費が必要になります。その生活費を蓄えておくのも大切です。

離婚理由によっては慰謝料の問題がある

離婚理由によっては、相手に慰謝料を請求できる場合があります。性格の不一致や価値観が違うという理由では慰謝料は発生しないでしょう。しかし、相手の異性問題で精神的苦痛になった場合は、慰謝料を請求できます。また、DVやモラハラが原因の慰謝料請求の場合は、DVやモラハラがあったことを証明するものを用意しておきましょう。言われたことややられたことを日記に書いておく、レコーダーで会話を録音しておくなどです。

年金分割について

離婚しても、夫が厚生年金に加入していたら年金を分割することができます。この制度を知っておき、手続きをすることを忘れないようにしましょう。社会保険庁で分割後の年金額を教えてもらえます。年金手帳と戸籍謄本か戸籍抄本を持って受給額を調べておくといいでしょう。

[6]熟年離婚を考えている方へ


熟年離婚と聞くと、歳をとってから離婚をする夫婦のことだと思われるかもしれませんが、熟年離婚とは結婚生活が20年以上の夫婦が離婚することを「熟年離婚」と言います。長年連れ添ってきた相手との離婚、本当に離婚したいのでしょうか。離婚してからの生活のことを考えてみましたか?よく考えて、それでも離婚したいと考えるのであれば、金銭的な問題や先の生活のことを見越した行動をとっておく必要があります。

熟年離婚をしないように、普段から相手を思いやって暮らしていくのが大切です。歳をとってもお互いに趣味を持つなどしてそれぞれの時間を過ごすことで、お互いを尊重しあえるでしょう。すぐに離婚という決断をせず、一度立ち止まって考えてみるのはいかがでしょうか。

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