子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

Kaede

養育費とは、子どもを育てるために支払われるお金のことです。養育費には20歳までの教育費や生活費などが含まれています。では、この養育費には相場などはあるのでしょうか。また、場合によって養育費が免除されるケースなどはあるのでしょうか。今回は、養育費についてご紹介します。

記事の目次

[1]養育費とは?

離婚をするとなると、様々な手続きを行わなければなりません。夫婦2人で離婚するならともかく、2人の間に子どもがいると余計に手続きや約束事が多くなってしまうので、ややこしくなってしまいます。どちらかが子どもを引き取った場合、養育費を請求することができますが、養育費って具体的にどのようなものかご存知でしょうか?
 
子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

子どもを育てるためのお金のこと

養育費とは、簡単にいうと子どもを育てるためにもらうお金のことです。ただ、純粋に子どもを育てるために支払われるお金なので、親権者の生活費はここに含まれていません。しかし、養育費はがっつりもらえるお金というわけでもありませんので、養育費だけで生活をしていくのは到底困難です。
また、よくあるトラブルとして知られているのが養育費が途中で支払われなくなったということ。結婚している間はともかく、離婚してしまうと他人同士になってしまうので、勝手に振り込みをやめてしまう人も少なくありません。なので、養育費だけをあてにするのはやめておいたほうがいいでしょう。

養育費に当てはまるものとは?

養育費には、子どもが衣食住を行うための費用や、医療費などが含まれています。また、進学する際の教育費なども含まれていますので、離婚した後もお金を通して援助を行うことができます。
ただ、養育費は支払う側の生活レベルが関係しているので、想像以上に低い金額が支払われるケースが多いようです。実のところ、養育費の相場自体が低いため、離婚した後は養育費ではなく、ご自身の収入で生活が成り立つでしょう。

分割払いではなく、一括払いされることも

養育費は月々支払われることが一般的ですが、中には一括払いで支払われるケースもあります。やはり、分割払いだと滞納や支払いがストップされてしまうので、支払われる側としては一括でもらえるのはとても安心できるでしょう。
しかし、一括払いをするためには相当な収入があることが前提であり、家庭裁判所などに持ち込んだ際は一括払いを拒否されてしまうこともあります。また、養育費を一括払いすると税金が絡んできてしまうという考えもありますので、不安であれば税理士や弁護士に相談してみるといいでしょう。

あえて養育費をもらわない選択をする人も

養育費をもらいたいと思っている人がいる中で、あえて養育費は請求しないという人もいます。毎月一定の金額が入ってこないからデメリットだと感じてしまいそうになりますが、別れた配偶者に会いたくないし、子どもも面会させたくないという理由で養育費はもらわないでおくそうです。確かに、事務的なやり取りとはいえ、縁が全く切れているわけではありませんよね。また、毎月確実に支払ってくれるという確証もないので、もらわないことによって悩みの種を解消することもできます。1円ももらっていない場合でもメリットはありますので、どちらを選択するかよく考えてから選びましょう

[2]養育費の相場は一体どのくらい?

養育費の相場は子ども一人当たりにつき、大体3~6万円程度だといわれています。思っていたよりも低いと思った人が大半ではないでしょうか。なので、プロの中には間を取って4万円から5万円ほどの金額を請求することをすすめている人もいます。

夫婦の収入で金額が決まる

結局、養育費は夫婦の収入で金額が決まります。例えば、母親側が親権を持つ場合、正社員として働いているのであれば3万円程度の養育費で問題はないでしょう。しかし、パートや専業主婦だった場合、安定した職がないため養育費をたくさんもらわない限り生活が成り立ちません。なので、生活レベルを保つためにも、しっかりと相談をしてもらうお金を決めなければなりません。

年収や子どもの年齢で養育費が高くなる可能性がある

現在、日本では子どもを1人育てるために必要なお金が、1300万円程度だといわれています。やはり、進学などでお金がかかってしまうため、子どもの年齢があがるほど必要なお金は多くなってしまいます。なので、相場以上に養育費を請求できる可能性も多いです。また、親権を持たない側の配偶者の年収が高い場合も、相場以上に養育費を請求できる可能性があります。もし、夫婦間だけで養育費の金額がまとまらないのであれば、弁護士などのプロに間に入ってもらうのがベストでしょう。

[3]養育費はいつまで支払い続けるもの?

子どもがいる限り正当な権利として養育費をもらうことができますが、具体的にはいつまでもらい続けられるものなのでしょうか。また、支払う側としても、いつまで支払うべきなのかご存知でしょうか。そこで、養育費を支払わなくてもよいパターンなども合わせてご紹介します。

子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

子どもが20歳を迎えるまで

基本的には、養育費は子どもが20歳を迎えるまで支払い続けなくてはなりません。20歳を迎えたら成人とされるため、金銭的な援助は不要だとみなされるのでしょう。
ちなみに、子どもが20歳以下で就職した場合も、同じように援助は不要だとみなされることがあります。とはいえ、子どもが大学や大学院に進学した場合、すべてのケースではありませんが、金銭的な援助が必要だと認められることもあるようです。すべては子どもの進学先次第ということになるでしょう。

養育している親が再婚するまで

しかし、養育費を20歳まで支払わなくてもよくなるケースもあります。
その1つが親権者である親が再婚をしたというケースです。もともとは、子どもを養育する際には相手の年収などが関わってくるので、安定した生活を送っている場合は養育費は不要だとみなされます。しかし、養育費は子どもが20歳までもらい続けられるもので、再婚は関係ないと思い込まれている場合は、トラブルの種になりかねません。なので、養育費を支払う側も支払われる側も、どのようなケースで打ち切られるのかしっかりと覚えておきましょう。

諸事情で養育費が免除・減額されるケース

子どもを養っていくうえで、もらうことができる養育費ですが、中には養育費を支払わなくてもいいケースがあります。特に、相手が不正をしていた場合は養育費をすぐに免除することもできるようなので、もし困っているようでしたら弁護士などに相談してみてはいかがでしょうか。

  • 自分に収入がない
  • 自分が働いていない場合、相手は養育費を請求することができません。養育費はあくまでもお互いの収入を考慮して支払われるものだと考えられているからです。
    また、仮に働いていたとしても、年収が100万円前後の場合も養育費を請求するのは厳しくなってしまうようです。ただし、自分に貯金がない場合は免除されるケースには当てはまりません。貯金は資産扱いになるため、養育費の問題には絡んでこないのです。なので、貯金がないから養育費が支払えないという主張は却下されてしまいます。

  • 養育費を支払っていた相手が就職した
  • まったく支払わなくていいわけではなく、減額が認められるケースです。例えば、パートから正社員になった場合は収入が安定します。なので、これまで支払っていた金額よりも低い金額で生活が成り立つため、減額申請すれば認めてもらうことができるでしょう。
    しかし、一方的に振り込む金額を低くしてしまうと、差し押さえされてしまう恐れもあるので、なにかしらアクションを起こす際には必ず元配偶者に連絡してから行うようにしましょう。

  • 再婚をしたことを隠していた
  • 基本的に、相手が再婚した場合は養育費を支払う義務はなくなります。しかし、再婚したにも関わらず、そのことを隠してもらい続ける人も中に入るようです。実際に、不貞が原因で離婚し、養育費と慰謝料を支払うことによって和解した夫婦がいました。その後、夫側は再婚して家族が増えたものの、ずっと慰謝料や養育費を支払っていたにも関わらず、いきなり元妻に給与を差し押さえられたとか。弁護士を介入した際に、元妻はすでに再婚していて、子どもも養子縁組済みだったそうです。そのため、将来的な養育費を支払う必要性がなくなったことを正式に認められたそうです。

ただし、再婚していた期間に払っていた養育費を請求することは原則できません。再婚していることを隠すことは法律に違反することではないからです。なので、再婚している事実を知ったのであれば、今すぐに免除できるように動いてみるのが1番でしょう。

相手が再婚していても養育費を支払わなければいけないケースも

中には相手が再婚したとしても、養育費を支払い続けなければいけないケースもあります。それは、相手が結婚しても子どもと義父が養子縁組をしなかったケースです。
また、再婚相手に十分な経済力がない場合も、実父が養育費を支払う必要があります。とはいえ、結婚している分母親には経済力があるとみなされますので、実父の支払うべき養育費は減額されます。基本的には、相手方との話し合いで減額が決まりますが、話し合いがまとまらなかった場合は裁判所での解決になるケースもあります。減額されるケースだとしても、勝手に振り込みをやめてしまったり、少なく振り込んでしまうと差し押さえられてしまう恐れがありますので、注意しましょう。

[4]相場よりも低い養育費を提示されたときはどうすべき?

先ほどもいったように、養育費の相場は3万円から6万円です。そして、夫婦の収入の関係でも養育費の金額は異なります。しかし、本来もらえるはずの金額よりも低い金額を提示されると困ってしまいますよね。話し合いに応じてくれないと頭を悩ませてしまうでしょう。では、そんな場合はどうすればいいのでしょうか。

子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

離婚調停の場で相談する

どうしても話し合いで解決しないのであれば、離婚調停の場で解決するのが1番です。正式には、養育費請求調停という名前であり、家庭裁判所に出向いて調査委員が立ち会いながら養育費を決定します。資料などを基に話し合いを進めていくので、話し合いができない場合や、話がまとまらない場合はここで解決するのが1番でしょう。
また、根本的な問題である養育費をそもそも支払うのか否かや、養育費の支払い方なども相談することができますので、養育費関連でなにかわからないことがあれば、調停に持ち込むのがいいかもしれません。

弁護士などに間に入ってもらう

養育費は、離婚をする際に夫婦間でもめる原因の1つです。なので、離婚問題に強い弁護士であれば、養育費のことも一緒に相談できる可能性が高いです。なので、養育費のことでもめてしまったのであれば、1度弁護士に相談してみるといいでしょう。
いきなり調停が思い浮かばない場合でも、弁護士によっては調停を提示してくれるかもしれません。とにかく早く別れたいからといって、養育費をもらわないことにして別れてしまうと、後から後悔することになるかもしれません。養育費をもらえる権利にあるのであれば、まずは弁護士を頼ってみましょう。

養育費算定表を利用する

養育費の正当な金額を決定する際の資料として、養育費算定表というものが使われることがあります。この養育費算定表とは、東京や大阪などの家庭裁判所で使われている参考資料のことです。この資料を使うことによって、養育費の相場を捻出することができるので、話し合いがまとまらないのであれば、利用してみるといいでしょう。

しかし、養育費算定表には批判の声が上がっていることも事実です。実は、今の時代に当てはめると金額が低すぎるため、母子家庭などでは不十分なことも多いようです。なので、最近では養育費新算定表も利用されてきています。新しい資料を使うと、5万円だったところが9万円にまでアップしたという例もあるので、今後は納得のいく金額の養育費を請求することができるのではないでしょうか。

[5]養育費を相場でもらうための正しい考え方

養育費は、もらえればもらえるほど得をしますが、あまりにも高すぎると相手側に負担をかけることになってしまいます。では、養育費を相場でもらい続けるためにはどうすればいいのでしょうか?

子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

高い金額ではなく、ずっと支払ってもらえるような金額を提示する

養育費は原則20歳まで支払ってもらうことができるものの、相手の収入状態によっては減額されてしまう恐れがあります。なので、ずっと支払ってもらうためには相場以上の高い金額を請求するのではなく、毎月支払っても生活に支障がない金額を提示するのが大切です。なので、相場である4~5万円程度を提示するといいでしょう。

法的な書類を残しておく

冒頭でも説明したように、養育費が途中で支払われなくなるケースは多数あります。しかし、途中で支払われなくなったとしても、相手の給与を差し押さえることによって回収することができます。スムーズに回収するためにも、離婚する前に公的な書類を書いておくといいでしょう。基本的には、公正証書と呼ばれる書類が利用されています。もちろん、離婚した後も誤って捨てないようにきちんと保管しておきましょう。

免除されるケースと支払われるケースを理解しておく

自分は養育費を支払ってもらえると思っていても、相手は免除できたり減額できたりするケースを知っていると、認識の違いからトラブルに発展しかねません。いきなり支払われなくなるというケースは少ないかもしれませんが、トラブルを招かないためにもどのような場合に養育費が免除されたり支払う義務があったりするのか理解しておくようにしましょう。

[6]養育費が途絶えてしまった際に行うべきこと

母子家庭の中には養育費を受け取らない約束をしているケースもありますが、大半が途中で支払われなくなっています。約束したにも関わらず、支払ってくれなくなるケースのほうが多いため、あきらめてしまう人も多いのではないでしょうか。

子どもに支払われる養育費の相場とは?離婚時に知っておきたい5つのこと

手元に公正証書があれば差し押さえることができる

先ほどもいったように、手元に公正証書があれば相手の給与や退職金などを差し押さえることは可能です。この公正証書は相手が応じた場合のみ、離婚後にも作ることができます。もし、離婚した後に不安になったのであれば作成してもいいかもしれません。できれば、離婚をする前に口約束で養育費の支払いを決めるのではなく、公正証書を作成しておくといいでしょう。

元配偶者が養育費を支払わなくなる理由にありがちなこと

元配偶者は最初は養育費を支払ってくれるものの、途中で支払ってくれなくなる理由にはいくつかの原因があるからです。では、どのような理由から養育費を支払ってくれなくなるのでしょうか。

  • 再婚した
  • 支払っている側が再婚して家族ができた場合、当然新しくできた家族を養わなければなりません。特に、再婚して子どもができた場合などはそちらに情が移ってしまったり、金銭的な理由から新しい家族にお金を使いたいと考えてしまったりするために、養育費が途絶えてしまうようです。

  • 子どもに興味がなくなった
  • 元妻や元旦那との間にできた子どもに興味がなくなってしまったために、養育費を支払いたくないと思ってしまうケースです。特に、子どもと会わせてもらえない場合や、本人になんらかの事情がある場合は、支払いたくないと思ってしまうようです。毎月多額のお金を支払っているにも関わらず、子どもに会わせてくれないのは心情的にもつらくなってしまいそうです。

  • そもそも支払いたくない
  • そもそも、別れた元配偶者のことが嫌いという人や、興味がなくなってしまったという人は、支払いたくないと思ってしまうようです。元家族のことが嫌いなのに、義務だからといって支払いたくないという気持ちは仕方がないことなのかもしれません。

  • 相手や子どもと一緒に生活したことがない
  • 結婚しておらず、未婚のまま子どもができてしまったケースです。諸事情で籍を入れることができず、そのまま出産となってしまった場合でも養育費を支払う義務は発生します。ところが、相手とは籍を入れていないため養育費を支払いたくないと思ってしまうこともあるとか。結婚していないだけあって、情が薄いことが理由かもしれません。とはいえ、子どもを作ってしまったからには養育費を支払わなければなりませんので、支払いが滞ってしまった場合はなにかしらのアクションを起こすようにしましょう。

書類や証拠が残っていない場合は家庭裁判所へ

公正証書があれば、すぐに差し押さえすることができますが、口約束だったりメールなどの文章に残っていなければ、家庭裁判所へ行って養育費請求の申し立てをしなければなりません。実際に、調停を申し立てて勝った人もいますので、支払われなくなったからといって泣き寝入りする必要はありません。
しかし、ここまでするのは金銭的にも精神的にも負担がかかってしまいますよね。毎月支払われるかどうか不安に過ごすのもつらいことです。今すぐに別れたいくらい嫌いだと思っていても、公正証書は作成しておいたほうがいいでしょう。

[7]養育費の相場を知っておこう

養育費は子どもを養う親がもらえるお金です。しかし、子どもを育てるために支払われるお金なので、自分も生活するためにもらおうとする考えはよくありません。養育費は途中で支払う必要がなくなることもありますので、支払う側も支払われる側もしっかりと理解しておくことが大切ですね。養育費の相場を理解し、離婚の話を進めていきましょう。

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