家族の介護が必要になったら、どうしたらいいのか?高齢化社会を迎える日本に住んでいる私たちにとって、家族の中で介護が必要になるのことは、けっして他人事ではありません。もしもの時に慌てないように、今から介護のこと、介護保険のこと理解しておきましょう。
家族の介護が必要になったら何からするべきなの?
家族の介護が必要になったら、あなたは何からすべきかご存知でしょうか?家族の介護が必要になったら、まず地域包括支援センターに相談しにいきましょう。地域包括支援センターとは、担当地域の住民に対して、介護保険に関するさまざまな支援を行うところです。要介護認定の申請も受け付けています。地域包括支援センターに相談にいく!と覚えておきましょう。<※本記事は2017年9月現在のものになります>
家族の介護が必要になったら準備すること
家族の介護が必要になった時に、地域包括支援センターにまずは相談にいきます。そのあと介護認定を受け、介護保険を利用しますが、サービスを受けるまでどんな手続きが必要で、どんなことに注意をしなければいけないのかなど、介護保険の基礎知識をお伝えします。
介護から家族を守る公的介護保険制度
40歳から加入が義務付けられている介護保険、保険料を毎月支払っているけど、どんな制度なのか?みなさん、意外と知らないのではないでしょうか?そこでまずは介護保険について一緒に今から学んでいきましょう。
介護保険制度とは
介護保険制度とは、介護が必要な高齢者の治療や介護にかかる費用を社会全体で支えるための保険制度です。市区町村が保険者となって運営を行います。40歳になると加入が義務付けられているため、日本に住む40歳以上の人は介護保険の被保険者です。
介護保険でサービスを受けるにはどうしたらいい?
介護保険サービスの対象者は、65歳以上もしくは、40~64歳までで加齢が原因と思われる「特定疾病(16種類)」の方です。介護保険サービスを受けるためには市区町村の窓口や地域包括支援センターに申請をして、介護を受ける必要があると認定してもらう必要があります。介護を受ける必要があると認定してもらうことを要支援・要介護認定といいます。要支援・要介護認定を受けると、ケアマネージャーと一緒にケアプランに作成し、介護保険サービスを受けることができます。
介護認定から介護サービスを受けるまでの6つのステップ
ステップ1 要支援・要介護認定を受ける必要
介護サービスを受けるためには、要支援・要介護認定を受ける必要があります。介護認定を受けるために、自分の住んでいる市区町村の窓口か、地域包括支援センターへ申請をします。
- 申請先
市区町村の窓口または、地域包括支援センター
- 要介護認定の申請に必要な申請書
自分で住んでいる市町村の介護保険課窓口や地域包括支援センターでもらうか、インターネットからダウンロードします。申請書には、申請者、被保険者の住所・氏名・生年月日・年齢・保険証の番号、主治医の名前、病院名、住所、などを記入します。主治医のいる人は申請書に主治医の名前や病院名前を記入します。主治医がいない人は市区町村指定の医師の診察を受けに行ってから申請書に医師の名前・病院名等を記入します。
- 65歳以上の方は介護保険被保険者証
- 65歳未満の方は医療保険の被保険者証
必要なものを準備ができたら、市区町村の窓口または、地域包括支援センターへ提出して申請します。その時に介護保険資格証を渡されますので忘れずに受け取ってください。
ステップ2 要介護認定の訪問調査
要支援・要介護認定を受けるための申請の次は、要介護認定の訪問審査です。市区町村の担当職員や委託を受けたケアマネージャー調査員となって、現在の暮らしぶりやどのくらい介護が必要が聞き取り調査をします。
- 訪問調査日の設定
- 訪問調査の前に準備しておくこと
- 体調管理に気をつける
- 訪問調査日当日
要介護認の申請書を提出後に市区町村の担当窓口から連絡が入ります。そこで希望の日時や場所を伝えます。
普段の様子を正確に伝えるために、日頃からの様子をきちんとメモしておきましょう。介護サービス受ける人が認知症の場合などは正確に自分のことを把握できません。普段できないことでも調査員から質問を受けた時に誤って答えてしまうと、正しい判断をしてもらえません。そのため日頃から一人で食事ができるか?着替えができるか?など普段の様子をきちんと記録しておきましょう。
介護サービス受ける人が体調を崩してしまうと、普段とは状況が違うため訪問調査日が延期なることあります。そうならないためにも体調管理を注意してあげましょう。
介護の対象になる本人と、その本人の普段の様子を確認するために、家族に対して調査員が聞き取り調査を行います。
ステップ3 審査
介護認定審査会で聞き取り調査をもとに介護の要不要、および要介護状態の判定が行われます。
ステップ4 認定
判定結果が非該当(自立)要支援、要介護(1〜5)のどれかで通知が届きます。要支援、要介護(1〜5)に認定されれば、介護保険サービスを受けることができます。
ステップ5 ケアプランの作成
ケアプラン(介護サービス計画)の作成をします。自分で作成することもできます。ただし、自分の状態に最適なサービスを選択したり、サービス事業者を決定するには専門知識などが必要です。そのため、通常ケアマネージャーと呼ばれる専門家に依頼します。
ステップ6 介護保険でサービスを受ける
ケアプランに沿って、介護保険サービス受けます。
要介護(要支援)認定の有効期間は原則6ヶ月のため、継続してサービスを受けたい場合は更新手続きが必要です。更新手続きを忘れてしまうと全額自己負担になってしまうので忘れないように注意しましょう。
要支援と要介護って何が違うの?
要支援・要介護認定のうち、どの認定を受けているのかで、介護保険で受けるサービスの内容が変わります。要支援は要支援1と要支援2の2段階、要介護は要介護1から要介護5まで5段階まであります。認定を受けることができるのは、65歳以上の方か、40~64歳までで加齢が原因と思われる「特定疾病(16種類)」の方が対象です。
要支援と要介護の目安
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
日常生活上の基本動作については、ほぼ自分で行うことが可能だが、要介護状態への進行を予防するために、何らかの支援を要する状態。自分で日常の基本動作(食事、着替え、移動、排せつ、入浴など)を行うことができるが、日常の複雑な動作(家事全般、交通機関の利用、服薬・金銭管理など)には支援が必要。
要支援1と比べて、日常の基本動作を行う能力がわずかに低下。機能の維持や改善のために何らかの支援が必要な状態。
要支援状態と比べて、さらに日常の複雑な動作を行う能力が低下。問題行動や理解の低下も見られる。また、排せつや入浴などに部分的な介護が必要な状態。
要介護1の状態に加えて、歩行や起き上がりなどの日常の基本動作にも部分的な介護が必要な状態。
要介護2の状態からさらに立ち上がりや歩行などの日常の基本動作が自力ではできない。また、排泄や入浴、衣服の着脱などにもほぼ全面的な介護が必要な状態。
要介護3よりも動作能力が著しく低下し、介護なしでは日常生活が困難な状態。
要介護4よりも動作能力が著しく低下し、意思の伝達も困難になり、介護無しで日常生活を送ることが不可能な状態。
どの認定を受けるかによって、具体的には「受けられる介護サービスの種類」や「1割(または2割今後3割)の自己負担額で受けられる介護サービスの上限額」などが変わってきます。
介護保険で利用できる6つのサービス
要支援の認定を受けた場合に受けることができるサービスは、要介護状態にならないように予防するための介護予防サービスです。要介護の認定を受けた場合は、介護を受けるための介護サービスを受けることができます。
自宅で受ける介護サービス
訪問介護は自宅に介護員が訪問し受けることができる介護サービスです。介護が必要な状態でも、自宅で自立して生活ができるように支援することが目的です。ケアプランに基づいて、介護員がご自宅に訪問し、食事や排せつ、入浴、服薬のお手伝いや、掃除や買い物などのお手伝いを行います。訪問介護の利用対象は要介護(1〜5)と認定された方が対象です。訪問介護のサービスには、身体介護サービスや生活援助サービスがあります。
- 身体介護サービス
- 生活援助サービス
介護を受ける方の身体に直接触って行うサービスです。例えば、トイレや自宅での入浴のお手伝い、食事の見守り、車の乗り降りの介助などです。
日常生活のお手伝いをするサービスです。例えば、洗濯や買い物、食事の用意などが該当します。
その他に病院への通院のための介護保険タクシーの利用も可能です。介護保険タクシーは、介護度が要介護1以上の人や公共の乗り物(電車やバス)に一人で乗車できない人が移動するためのサービスです。担当ケアマネージャーが必要と判断し、ケアプランに盛り込まれれば利用できます。
これらの条件に当てはまり、かつ、自宅または有料老人有料老人ホームやケアハウス、もしくはサービス付き高齢者住宅に住んでいる人に限られるなど、利用条件があります。また利用目的も通院や市町村役場などの手続きなど限られています。それ以外の用事でタクシーを利用する時に介助が必要な場合は、介護タクシーを利用することになります。介護タクシーは介護保険適用外のため全額自己負担です。介護タクシーは通常のタクシーの料金+介助料金が別途必要です。
介護サービス利用者以外の家族のお世話や草むしり、ペットのお世話などは基本的には訪問介護サービスの対象外です。また、主治医が必要だと認めた場合は訪問看護や訪問リハビリテーションも介護保険で受けることができます。訪問介護のサービスを受けたい場合は、担当のケアマネジャーにサービスを受けたい旨の相談を行います。実際に利用したいサービスや利用頻度、サービス提供業者を決めてケアプランを作成してもらいます。ケアプランが完成したら、直接サービス業者と契約をしサービスの利用を開始します。
通所により受ける介護サービス
デイサービスは日帰りで施設に通い、食事や入浴、また機能訓練を受けるサービスです。デイサービスを利用することで、自宅に引きこもりがちになる要介護者の孤独をいやすことや心身機能維持や、介護している家族の負担の軽減が目的です。デイサービスを利用できるのは、要介護(1~5)と認定された方が対象です。デイサービスでは通常、朝夕の送迎から健康チェックや入浴サービスに昼食、また機能訓練や他の利用者のと交流を図るためのレクリエーションなどのサービスを受けることができます
よくデイケアと勘違いされます。デイサービスもデイケアも食事や入浴のサービスを受けることができますが、デイケアの主な目的はリハビリテーションです。その点がデイサービスと大きく異なります。デイケアでは必ず医師の指示書に基づいて専門家による本格的なリハビリを受けることができます。
デイサービスを利用したいと思ったら、ケアマネジャーにまず相談しましょう。その上でいくつか利用したいと思う事業所を見学に行きます。実際に利用したいサービスが決まったらケアプランを作成しサービス提供事業者と契約し、サービスの利用を開始します。また基本的はデイサービスは宿泊サービスがない場合は宿泊はできませんので注意しましょう。
短期入所により受ける介護サービス
短期入所生活介護=ショートステイができるサービスです。利用上限は連続で30日と定められています。主な目的は、介護者である家族が病気になったり、出張などで家を空けたりする場合や、家族の介護負担軽減のために利用されます。短期入所生活介護の利用対象は要介護(1〜5)と認定された方が対象です。
介護だけを受けることができる短期入所生活介護と介護だけでなく医療的サポートを受けることができる医療型のショートステイ=短期入所療養介護の2つがあります。利用できる期間には2つのルールがあります。
- 要介護認定期間の半数まで(有効期間が180日の場合は90日まで)
- 連続して利用できるのは30日まで(31日目以降は全額自己負担)
ただし例外として、介護者の入院が長引いているなどの理由で自宅介護が難しい場合は例外として認められるケースもあります。まずはケアマネジャーや地域支援センターに相談することが大切です。
短期入所生活介護を利用したい場合は、まずケアマネジャーに現状困っていることを伝え、利用したいという意思を伝えましょう。サービス利用が決まったら、ケアマネジャーがサービス提供事業者に連絡をして施設の空き状況を確認します。利用するサービス提供事業者が決まったら、ケアプランを作成し契約してからサービスを利用します。短期入所生活介護=ショートステイは入所希望者が多いため、申し込めばすぐに入所できるとは限りません。入所を希望するなら早めに申し込みをしておく必要があります。
施設入居により受ける介護サービス
特別養護老人ホームなどの施設に入所して受けるサービスです。介護する家族がいない、自宅での生活が困難な場合などは施設へ入所して介護を受けます。介護保険が適用される施設は3種類あります
- 特別養護老人ホーム
- 老人介護保険保険施設
- 介護療養型医療施設
特徴は入所費用が少なくて済むことです。介護保険が適用されるため入所時に支払う初期費用が必要ありません。費用に対してのサービスが充実しているため、人気の高い施設です。そのため、入所したくても、入所まちの待機者が多く、入所が難しいのが現状です。これらの施設は、社会福祉法人や地方自治体などが運営しています。
原則として要介護(3~5)と認定された方(原則65歳以上)や、日常的に常時介護が必要な人で、医療ケアが必要ない人が利用対象です。
自宅へ帰ることを目指し、リハビリを中心とした看護や医療的な管理、日常生活に必要な支援を行う施設です。あくまでも自宅に帰ることを目指す施設のため、長期入所ができません。短くて3ヶ月長くて半年です。また、特別養護老人ホームに比べ医療面のケアがあるため料金が高く設定されています。
介護サービスとともに医療的なサポートが必要な人のために、病院内に併設されている施設です。病状が安定しているけれど、医療のサポートが必要という方が対象です。食事や排せつなど日常生活の介護だけでなく、医療的なケアやリハビリテーションなどのサービスを受けることができます。
老人介護保険保険施設と介護療養型医療施設は要介護(1~5)と認定された方であれば利用対象です。これらの施設の入所してサービスを受けたい場合もまずはケアマネジャーに相談します。どの施設にするかはケアマネジャーに探してもらうか、自分で探します。気になる施設があれば、まずは見学に行くのがオススメです。入所したい施設が見つかれば直接契約をして入所します。
介護用具の購入補助や貸与
車いすやスロープ、介護ベッドなどのレンタル費用やバリアフリー化するための住宅改修費用の補助、ポータブルトイレなど特定福祉用具の購入に介護保険を利用することができます。
ケアマネージメント
ケアマネジャーに相談してケアプランを作成してもらうことも介護保険で利用できるサービスです。またケアマネジャーによる介護に関する相談や手続きなども介護保険を利用して自己負担なく利用することができます。
介護保険サービスの所得と年齢ごとの負担割合と限度額
介護保険で利用できる1ヶ月の上限額(支給限度額)は介護認定の区分によって決まります。このことを介護サービス利用限度制度と言います。この限度額内であれば介護サービスを1割負担もしくは所得額に応じて2割負担で受けることができます。
1ヶ月の利用金額が決まっている!介護保険利用限度額
平成25年介護給付費実態調査 1ヶ月あたりの区分ごとの介護サービスの利用限度は以下の通りです。利用限度額は地域によって変わりますので、利用される場合は必ず市区町村の窓口やケアマネジャーに確認が必要です。
- 要支援1:49,700円
- 要支援2:104,000円
- 要介護1:165,800円
- 要介護2:194,800円
- 要介護3:267,500円
- 要介護4:306,000円
- 要介護5:358,300円
実際の介護サービスを利用してみないと、この金額で多いのか少ないのかはわからないと思いますが、基本的にはほとんどの人が限度額内に納めていると言われています。
所得によって異なる負担割合
介護保険の自己負担額は所得によって異なります。2015年の介護保険改正によって、一定の所得以上の方の自己負担が2割となりました。2018年8月の介護保険改正では、この2割の自己負担者のうち、さらに一部が3割へと引き上げられます。
今後3割負担になる人
- 合計所得金額が220万円以上であり、
- 単身で年金収入だけの場合は344万円以上に相当
年金収入+その他合計所得金額=340万円以上(単身世帯)
年金収入+その他合計所得金額=463万円以上(夫婦世帯)
2割負担の人
- 合計所得金額が160万円以上であり、
- 単身で年金収入のみの場合は280万円以上に相当
年金収入+その他合計所得金額=280万円以上(単身世帯)
年金収入+その他合計所得金額=346万円以上(夫婦世帯)
上記に当てはまらない人が1割負担です。
収入によって負担が軽くなる負担軽減策
今後3割負担になる人でも「高額介護サービス費制度」や「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用して、負担額を抑えることができます。高額介護サービス費は、介護保険を利用して支払った自己負担額1割(所得によっては2割または3割)の合計が一定金額を超えたとき、超えた分のお金が戻ってくるという制度です。同月に一定の金額を超えた場合に、申請によって支給されます。
高額医療・高額介護合算療養費制度は介護保険の受給者がいる場合に世帯単位での医療保険と介護保険の自己負担額が自己負担限度額を超えた場合に超えた分が戻ってきます。高額医療・高額介護合算療養費制度が利用できる自己負担限度額は年齢や世帯所得によって細かく定められています。また申請は毎年7月31日(基準日)時点で加入している医療保険への申請が必要になります。
もしものために、今からできること
家族で話し合う
もしあなたのご両親やご主人のご両親に介護が必要になった場合、誰が介護をするのか?経済的に負担は誰がおうのか?また、自宅での介護を行うのか?施設に入所するのか?などまずはご主人と話すところから始めましょう。特にご主人のご両親に介護が必要になった場合は、一番立場の弱い存在であるお嫁さんが介護を引き受けてしまう可能性が高いです。そうなった時に自分自身を守るためにも、介護保険の知識や施設についての情報収集しておくことが大切です。
介護休職など会社の制度を確認する
家族の介護をすることになった場合、仕事をしていると会社を退職しなければと思うかもしれませんが、まずは会社の制度に介護休業の制度があるかを確認しましょう。
介護休業とは、要介護状態にある家族を介護するために、93日を上限として休業することができる制度です(育児・介護休業法第2条2項)。対象となる家族は、配偶者(事実婚関係の者を含む)、父母および子、配偶者の父母、同居かつ扶養している祖父母・兄弟姉妹・孫です。ここでいう要介護状態とは、「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする状態」のことです。介護休業の期間は、同じ対象家族については通算して93日まで、要介護状態が生じるたびに1回ずつ、複数回に分けて介護休業を取得できます。
もしあなたの勤務している会社に介護休業の制度がない場合は、事業主は要件を満たした労働者から介護休業の申出を受けたら、それを拒否したり、申出や取得を理由に労働者に対して解雇その他の不利益な取り扱いをしたりすることは禁止されています(同法第12条1項、同法第16条)。
休業の間に給与がもらえるかどうかは、会社の制度次第ですが、給与がもらえない場合でも雇用保険の一般被保険者で一定の要件を満たせば、「介護休業給付」を請求することができます。家族を介護するために休業した場合は、介護休業する前の2年間に原則として賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月以上あれば「介護休業給付金」の支給対象の可能性があります。
介護給付金としてもらえる金額は、
- 休業開始時賃金日額(※)×支給日数×40%
です。(※介護休業開始前6ヵ月の給与を180で除した額)
家族の介護が必要になった時は、会社やハローワークでこれらの制度が利用できるか相談しましょう。また介護休業とは別に介護休暇という制度もあります。介護休暇は、労働基準法で定める年次有給休暇とは、別に与えられます。要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者が申し出た場合、対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、1日単位で取得できます。(育児・介護休業法第16条の5)
家族の介護が必要になった時はこれらの制度を上手に活用すれば、退職することなく家族の介護することも可能です。
もしもの時のために介護のためのお金を準備する
あなたやご主人に介護が必要になった時、子どもたちに経済的な負担をかけないために準備しておく方法として民間の介護保険があります。年金を含む収入、預貯金や他の資産だけでは介護費用をカバーし切れない人、介護状態になったときに、面倒を見てくれる家族がいない、もしくは家族に負担をかけたくない人は預貯金以外で民間の介護保険を利用してお金を準備しておくことも一つの手段です。
家族の介護は人ごとではない!今できることから始めよう!
高齢化社会が進む日本では、家族の誰かに介護が必要になることは他人事ではありません。けれど実際に介護が必要な状況にならないと、介護について考える機会はないと思います。介護の問題があなたを襲った時に、まずは一人で抱え込まないことが大切です。そのためにも日頃から家族と介護について話をする、実際家族の介護をしている人から話を聞くなど、今できることから始めてみましょう。