子供も楽しめる里芋を使ったレシピとは?子育て中のママにおすすめ!

トロッとした食感がたまらない、時間をじっくりかけて炊いた里芋の煮っころがしは、昔懐かしいお袋の味です。しかし、人によっては里芋の皮で手がかぶれたり、火通り加減の具合がわからない、といった調理の仕方が難しいイメージをもたれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。けれども、里芋はコツを掴んだらとても使いやすい、栄養たっぷりの大変魅力的な食材です。里芋の栄養価や調理の仕方をはじめ、ぜひお子さんとご一緒に食べいただきたい里芋のレシピについてご紹介します。

里芋ってどんな野菜?

日本の野菜、里芋の産地と旬について

里芋は、南アジア(インド東部からインドシナ半島)原産の野菜です。株の中心にある茎が肥大した親いもから出ている脇芽の部分を、「里芋」と言います。縄文時代に中国南部を経て伝えられました。昔から「里」で栽培されていたことにより、「里芋」と呼ばれるようになったのが名前の由来です。
里芋にたいして、ヤマイモは「山」で栽培されていたことから、「山芋」と呼ばれています。また、江戸時代以前は、ジャガイモやサツマイモは出回っていなかったため、里芋がよく食べられていたそうです。
スーパーマーケットや八百屋さんでよく見かけるのは、「石川早生」(いしかわわせ)や「土垂」(どだれ)という品種で、8月下旬から10月にかけての秋が旬になります。お正月の料理に使われる「えび芋」は、9月下旬頃からで、12月から1月が旬となります。主な産地は千葉県と埼玉県で、関東での生産量が多い野菜です。

魅力的な栄養成分

里芋の栄養価について

里芋特有の皮を向いた時にヌメッとする手触りが、特徴的な里芋には様々な栄養成分が含まれています。特にカリウムが多いので、ナトリウムの排泄を促し高血圧を防ぐ効果も期待できます。

また、食物繊維を多く含むため、消化を促し、お通じの流れをスムーズにして老廃物の排出を助ける働きがあります。水分量も多いため、ほかの芋類に比べてエネルギーが低くエネルギー量はさつま芋や山芋の半分以下です。

里芋の選び方や保存方法、下ごしらえのコツ

美味しい里芋の選び方

調理する日が未定なら、泥付きのものは長持ちするのでおすすめです。
また、傷が無く、皮は茶褐色で、太っていてずっしりと重く、形が丸いものが美味しいそうです。古いものはカビ臭いことがあるので、臭いにも気をつけてください。

里芋の保存方法

里芋は低温に弱いため、冷蔵庫は避け、風通しの良い冷暗場所で保存します。乾燥に弱いので、湿らせた新聞で包むと保湿効果もあり、長持ちします。

ポイントは皮とアク抜き!下ごしらえのコツ

使うその都度に下ごしらえするのは、大変に感じる方も多いのではないでしょうか。そんな時は、ある程度の量を下まとめて処理して冷凍しておけば、使いたい時に自由に使えて、とても便利です。

  • 里芋をよく洗ってからキッチンペーパーで水気を拭き取ります。時間に余裕のある時は数時間天日に干しましょう。皮をしっかり乾燥させることで、皮が抜きやすくなります。
  • 皮を剥く時は、皮が硬いので、厚めに剥きます。里芋をボウルに入れて、塩ひとつまみを加えて手でもみ、ぬめりを洗い流します。ザルに移して、水気を切ります。
  • 里芋を鍋に入れて、ひたひたになるくらいの水を入れて、火にかけます。

手間がかからない方法としては、里芋を半茹で位に茹でて、少し流水にさらしてから同じ手順で皮を剥きます。加熱されることで、皮が剥きやすくなります。もしくは里芋をラップをし、電子レンジで数分加熱するというやり方でも大丈夫です。ただし、時間や手間は短縮できますが、この方法では十分にアクが抜けないため若干渋みが残ります。

手がかぶれてしまうのはなぜ?

里芋に微量に含まれた「シュウ酸カルシウム」という物質が、刺のような形の結晶になっており、皮膚に刺さることがあるためです。シュウ酸カルシウムは酸、熱、乾燥に弱く、この性質を利用することでかゆみを避けることが出来ます。
例えば、かゆいと感じたら手を塩で洗うだけでも治まります。手を洗った後に水分を良く拭き取り、お酢に手を浸けてから里芋をむくことで、かゆみを防ぐことが出来ます。
もしくは、水を入れたボウルに、酢を大さじ1、2杯入れたものを指先につけてからむいたりします。熱にも弱いため、先に里芋を茹でてから皮をむけばかゆくありません。

お子さんと一緒に食べよう、里芋のレシピ

小さなお子さんに安全に食べてもらうためのポイント

1.お子さんのアレルギーを知っておきましょう
食品のアレルギーに気をつけましょう。もしアレルギーを持っていると、摂取後に呼吸困難などの危険なショック症状を起こす食材を、特定原材料7品目といいます。品目としては、乳(牛乳やバターなどの乳製品)、卵(鶏卵)・小麦・そば・落花生・えび・かにです。その他にも、あわび、いか、いくらなどの魚介類、オレンジ、キウイフルーツなどの酵素の強い果物類や、ナッツ類なども人によってはアレルギー症状が出るものがあります。あらかじめ医療機関で診断してもらうことで、お子さんが食べてはいけない食品がきちんとわかります。

2.しっかり加熱しましょう
消化器官が大人と比べて小さいお子さんは未発達です。生の食材(特に肉や魚)は細菌感染の恐れがあるのでできるだけ避け、食材に十分に火を通しましょう。

3.味付けが濃くなりすぎないようにしましょう
塩分や糖分の多い味付けは、胃に負担をかけたりお腹が冷えてしまうので、少なめに。
また、刺激の強い香辛料などを入れすぎないように注意が必要です。大人にとっては甘く感じるカレーも、お子さんにとっては辛く感じてしまうほど、お子さんの舌はとても繊細です。例としては、わさび、唐辛子、山椒、カレー粉など、風味づけ程度にするなどで、なるべくお子さんには控えるようにしましょう。

4.食材をカットするサイズに気をつけましょう
誤飲を防ぐために、小さくカットしたり、柔らかくなるよう加熱するのは確かに安心ですが、お子さんが自分で噛みきるという意識を持ってもらうことも大切です。初めはお子さんの口に入るくらいの大きさにカットしてあげましょう。慣れてきたら、少しずつ形を大きくしたり、硬さをつけていって、最終的に大人と同じようにものを食べられるようにできたらいいと思います。

子供と一緒に楽しめる里芋のレシピをご紹介

これからご紹介するレシピは、大人はもちろん幼児食から離れつつある3歳以降のお子さんに向けたものとなります。
レシピは、大人2人、子供2人分を想定した分量をご紹介します。芋類の摂取目安は、3歳から5歳のお子さんには40~60g程度がおすすめです。

*覚えておきたいお袋の味、シンプルな里芋の煮物

子育て中もママにおススメ!お子さんも楽しめる里芋を使ったレシピ

とてもシンプルな煮物のレシピです。ご飯のおかずやお弁当で、誰しも一度は食べたことのあるお袋の味ではないでしょうか。最初のアク抜きや茹で方のコツを知ったら、里芋だけではなく、人参やいんげんなど、お好みの野菜を自由に組み合わせることができます。調理時間は40分程度です。里芋と調味料を煮詰めている間に、他の料理の仕込みや片付けができます。様々な野菜の味や食感が楽しめますので、ぜひこの日本の味をお子さんに食べさせてあげてください。

[材料(大人2人、子供2人分程度)]
・里芋 500g
・みりん 大さじ1.5
・※だし汁 2カップ
(※用意が難しいかたは、水400mlと和風だしの素小さじ2で作れます)
・醤油 大さじ1.5
・砂糖 大さじ1.5
・酒 大さじ1.5
・塩 小さじ3分の1

[作り方]
1.里芋の皮をむきます。里芋の上下を切り、縦向きに皮をむいてください。

2.里芋をボウルに入れて、塩ひとつまみ(分量外)を加えて手でもみ、ぬめりを洗い流します。

3.鍋に里芋がかぶるくらいの水を入れて、火にかけて沸騰した、弱火にして2~3分ゆでます。この時、水1カップを加えて冷まし、ぬめりを洗い流します。

4.鍋に里芋とみりんを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にします。

5.落とし蓋を(蓋がない方は、アルミホイルで代用可)して約20分煮てください。落とし蓋をすると、煮汁が全体に行き渡り、煮くずれを防げます。

6.煮汁がほぼなくなるまで弱火で煮て、里芋に味を含ませたら出来上がりです。

*野菜もお肉もたっぷり!里芋と鶏肉のごまみそ煮

子育て中もママにおススメ!お子さんも楽しめる里芋を使ったレシピ

里芋のごまみそ煮は、茨城県の郷土料理です。ねっとりとした食感の里芋と鶏肉のコク、甘辛く煮た味噌ベースの煮物は、ご飯が進むメインおかずになります。味噌や醤油の分量は目安のため、ご家族のお好みで調節してください。

[材料(大人2人、子供2人分程度)]
・里芋 500g
・鶏もも肉 1枚
・さやいんげん 4本(お好みで本数を調節できます)
・白いりごま 大さじ1.5
・味噌 大さじ2~2.5
・酒  大さじ1
・みりん 大さじ1
・しょうゆ 大さじ2分の1〜1
・水 200~250cc
・サラダ油 少々(ごま油だとより香ばしくなります)

[作り方]
1.下ごしらえ
・里芋は皮をむいて一口サイズ程度に切ります。鍋に里芋がかぶるくらいの水を入れて、火にかけて沸騰させ、弱火にして2~3分ゆでます。この時、水1カップを加えて冷まし、ぬめりを洗い流します。
・鶏肉は一口サイズ程度に切っておきます。
・サヤインゲンは分量外の塩を入れた熱湯でサッとゆで、水に取ります。粗熱が取れたら軸を切り落とし、長さを3等分に切ります。

2.里芋をボウルに入れて、塩ひとつまみ(分量外)を加えて手でもみ、ぬめりを洗い流します。

3.鍋に里芋がかぶるくらいの水を入れて、火にかけて沸騰した、弱火にして1分程度ゆでます。この時、水1カップを加えて冷まし、ぬめりを洗い流します。

4.鍋にサラダ油(ごま油)を入れて熱し、中火から強火で鶏肉を炒め脂がでたら里芋を入れて一緒に炒めます。里芋に軽く焦げ色がつくくらいまで炒めます。

5.味噌、酒、みりん、しょうゆを水で溶かし、4に入れます。落とし蓋を(蓋がない方は、アルミホイルで代用可)して約20分煮てください。

6.煮汁がほぼなくなるまで弱火で煮て、最後に白いりごまをかけたら出来上がりです。

*里芋とたっぷり野菜の炊き込みご飯

子育て中もママにおススメ!お子さんも楽しめる里芋を使ったレシピ

お米を洗って、野菜を切って、調味料と一緒に炊く。これだけで野菜たっぷりの栄養満点ご飯が出来上がりです。冷蔵庫にちょこっと残った野菜やお肉も、自由に組み合わせ可能です。
お味噌汁やスープと一緒ならお昼ご飯にも十分なボリュームと栄養が摂れます。簡単なので、お子さんにもお手伝い可能なレシピです。

[材料(大人2人、子供2人分程度)]
・米 3合
・里芋 300g
・きのこ(シメジや舞茸、エリンギなど) 100~200g
・油揚げ 2分の1枚
・にんじん 2分の1本
・しょうゆ 大さじ1.5
・みりん 大さじ1.5
・酒 大さじ1.5
・塩 小さじ2分の1

[作り方]
1.里芋は皮をむき、2cm程度に小さく切ります。きのこはある程度手でほぐし、かたまりにならなようにします。油揚げとにんじんは、太さ3mm、長さ3cm程度に細く切っておきます。

2.米を研いだら、ざるにあげて水気を切ります。炊飯器に入れて、3合分の水を入れます。
水は人差し指の第一関節が浸かるくらいです。そこから大さじ3の水を取り除き、しょうゆ、みりん、酒、塩を加えて混ぜます。

3.先ほど切っておいた里芋、きのこ、にんじん、油揚げを入れて、普通の炊飯モードで炊きます。

*里芋とほうれん草のコロッケ

子育て中もママにおススメ!お子さんも楽しめる里芋を使ったレシピ

一手間かけた料理でも、里芋をまとめて茹でで置けば、すぐにコロッケの具に使えます。ほうれん草とチーズを入れることで、コクのある味に。日常のご飯のおかずにも、お弁当にも、ちょっとしたおもてなし料理にもなる一品です。

[材料(大人2人、子供2人分程度)]
(A)具材
・里芋 500g
・ほうれん草 1束
・バター 30g
・牛乳 大さじ2
・オリーブオイル 適量
・こしょう 適量
・塩 適量
・パルメザンチーズ 10g
(B)衣
・小麦粉 適量
・溶き卵 適量
・パン粉 適量
・揚げ油 適量

[作り方]
1.下ごしらえ
・里芋は皮をむいて一口大程度に切ります。鍋に里芋がかぶるくらいの水を入れて、火にかけて沸騰させ、弱火にして20分程度ゆでます。
・ほうれん草は分量外の塩を入れた熱湯でサッとゆで、水に取ります。粗熱が取れ、水気を絞ったら、2㎝程度に切ります。ボウルにほうれん草を入れ、オリーブオイルをまわしかけます。

2.火が通った里芋を鍋に入れ、マッシャーで細かく潰し、中火にかけながらバター、牛乳、塩、こしょう、パルメザンチーズとほうれん草を入れて混ぜます。
混ざったら火を止めます。

3.粗熱が取れたらだいたい16等分し、俵型にまとめ、バットなどに移します。

4.(B)の衣を小麦粉、卵、パン粉の順につけ、180℃の油できつね色になるまで揚げます。

里芋のあれこれまとめ

食の欧米化が進み、外国の食材を使ったカタカナの料理が日本でもよく作られるようになりました。一方で、じっくり時間をかけて作る「煮物」といった和食の料理は、家事と育児の両立をしなければならない方にとっては、ちょっと作るのに抵抗があるかもしれません。
けれども、アク抜きや下茹でのコツを掴むと、里芋料理は野菜や肉類、魚介類といった幅広い食材と合わすことのできる、万能な栄養満点の食材です。また、出汁や醤油を使った和の調味料や食材は脂肪分控えめで、とても健康的です。今回の記事を、ぜひお子さんにも食べて萌える料理のヒントにしていただけたら幸いです。

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