子育て給付金と児童手当の違いとは?子育て世代が受給可能な給付金の疑問にお答えします

今まで年に一度、その年の一定額が受給可能だった”子育て給付金”。しかし内閣の決定により2016年度(平成28度)をもって廃止されたのはご存知でしょうか?「えっ?子育てをサポートしてくれる給付金はもうないの?」と思った方も多いのではないでしょうか。いいえ、そんなことはありません。子育て給付金がなくなった現在も受給可能なものはあるんです。それは”児童手当(子ども手当)”と呼ばれる制度です。勘違いの多いこの2つの制度を比較しながら詳しくみていきましょう。

子育て給付金は2016年度(平成28度)をもって廃止されました!

2014年度(平成26年度)から始まった子育て給付金。しかし、消費税率を10%引き上げると同時に軽減税率が導入されることとなり、その際6000億円程度の財源の捻出が必要となったため自民党が廃止を求め、決定されました。

新三本の矢の中の1つ「夢を紡ぐ子育て支援」を掲げた安倍内閣に対して期待していた分、この廃止をめぐってさまざまな意見が殺到しています。そんな現在はなくなってしまった子育て給付金。それは一体どのような制度だったのでしょうか?

そもそも子育て給付金って何?

子育て給付金とは、子育て世帯臨時特例給付金のことで2014年度(平成26年度)に消費税が8%に増税されるにあたり、負担が大きくなるであろう子育て世帯を支援する目的で始まりました。

  • 最初の2014年度(平成26年度)は子1人につき10,000円
  • 翌2015年度(平成27年度)は3,000円

が年に1度支給されていました。対象になるのは児童手当を受け取っている世帯です。2016年度(平成28年度)の場合、2015年(平成27年)6月分の児童手当が対象となる子供のみに支給されるので、2015年(平成27年)6月1日以後に生まれた子供や2000年(平成12)年4月1日以前に生まれた子供は対象外となってしまいます。

児童手当(子ども手当)とは?

児童手当(子ども手当)とは?

児童手当(子ども手当)とは、子どもにかかる生活費を支援する制度のことで、現在0歳から中学校卒業までの児童を養育している方に支給され、今でも続行されてます。

ただ、ここでよく勘違いしてしまうのは子ども給付金と児童手当(子ども手当)を同じものと思ってしまっていることです。そのため、廃止発表がされた際に子どもを養育するための手当がなくなってしまったと思った方も多かったようです。

以下が年齢別受給金額です。0歳~中学卒業までの子どもを対象とし、年に3回(2月、6月、10月)に4ヶ月分まとめて支給されます。年齢や人数によって1ヶ月分の金額が決まっています。

  • 0歳~3歳未満
    15,000円
  • 3歳~小学校修了前
    10,000円(第1子・第2子)15,000円(第3子以降)
  • 中学生
    10,000円
  • 所得制限世帯(960万円以上)
    5,000円

参照:知らなきゃマズイ!?2016年度子育て給付金は廃止で次はどこへ?(mamari)

子育て給付金と児童手当(子ども手当)は何が違うの?

ここまで2つの給付金についてご説明しました。それぞれ特徴があり、受給される回数、金額、条件などまったく異なっています。その中でも一番の違いは現在進行形かどうか。2017年度現在では子ども給付金は廃止されています。

これらをふまえておさらいすると、

  • 児童手当
    ■現在も続行されている
    ■4ヶ月分が年3回(2月、6月、10月)に分けて支給される
    ■受給金額は最大で15,000円(年齢や人数により変動あり)
    ■受給条件は中学卒業までの子どもを養育していること
  • 子育て給付金
    ■現在廃止されている
    ■年1回支給
    ■2014年度は1万円、2015年度は3,000円
    ■受給条件は児童手当を受給していること

消えた子育て給付金…行きつく先は高齢者!?

消えた子育て給付金…行きつく先は高齢者!?

執行期間が約3年あった子育て給付金制度は現在廃止されています。しかし、政府からあらたな発表がされました。それは、”臨時福祉給付金”の支給です。臨時福祉給付金とは、2014年(平成26年)4月の消費税引き上げによる影響を緩和するためのもので、所得の少ない人(生活保護受給者は除く)に対して、暫定的・臨時的な措置として実施するものです。

この給付金は、消費税率引き上げ(8%→10%)が2年半延長されたことを踏まえて、国の経済対策の一環として、2017年(平成29年)4月~2019年(平成31年)9月までの2年半分を一括して支給するものです。つまり、子ども給付金廃止の代わりに、所得の少ない人(大半が高齢者)に給付金の分配をする制度ということです。

この発表をうけて、様々な意見が飛び交いました。

世間の反応は?

政府のこれらの政策に世の中の人たちはどう思っているのでしょうか?実施する政策はほんとうに国や社会のためになっているのでしょうか?

実はあった!児童手当(子ども手当)以外の特別給付金!

実はあった!児童手当(子ども手当)以外の特別給付金!

最後にあらためておさらいをすると、残念ながら今現在、子どもに関する一般的な給付金は児童手当のみのようです。しかし、まだ諦めてはいけません。少し条件は異なりますが子どもに関する特別な手当がありますので、実現予定のものと併せてご紹介いたします。

児童扶養手当(条件により受給可)

児童扶養手当(じどうふようてあて)とは、父母が離婚するなどして父又は母の一方からしか養育を受けられない一人親家族などの児童のために、地方自治体から支給される手当です。社会保障上では、特別のカテゴリーを対象とした社会手当に分類されます。

参照:児童不要手当について|厚生労働省

特別児童扶養手当(条件により受給可)

特別児童扶養手当の支給対象者は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令」の別表第三で規定される2つの級のうち、いずれかに該当する児童で、その父母のうち所得が多い者、または監護者が受給者となります。

ただし、児童が施設等に入所している場合、当該障害を支給事由とする公的年金を既に受給している場合、児童または受給者のいずれかが日本国内に住所を有しない場合、施行令で定める制限額を超える所得がある場合は支給されません。

また、診断書の内容により、支給・不支給が決定されます。級別支給額は以下の通りです。

  • 1級 51,450円
  • 2級 34,270円

参照:特別児童不要手当について|厚生労働省

高等学校等就学支援金(条件により受給可)

高校授業料無償化制度が見直しされて、平成26年度から高等学校等就学支援金となります。新しい高校授業料無料化の制度の内容と、所得制限に関してご説明いします。現在在学中の生徒は以前の制度が適応されます。平成26年度4月より入学する新高校1年生からの適応です。

まず大きく変わるのが所得制限がはじまります。本制度は、授業料に充てるための就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の実質的な機会均等に寄与することを目的としています。

  • 国立高等学校・国立中等教育学校の後期課程:月額9,600円
  • 公立高等学校(定時制)・公立中教育学校の後期課程(定時制):月額2,700円
  • 公立高等学校(通信制)・公立中等教育学校の後期課程(通信制):月額520円
  • 国立・公立特別支援学校の高等部:月額400円
  • 上記以外の支給対象高等学校等:月額9,900円(要は私立高校のこと)

参照:高校生への就学支援|文部科学省

幼児教育無償化(実現予定)

2017年5月28日、安倍総理は幼児教育と保育の早期無償化実現に向けて、財源確保などを年内に明記する方針だと発表しました。もしこの政策が実現されれば、3~5歳の小学校入学までにかかる子供たちの費用が無償化されるかもしれません。

また、保育園では3人以上の子供が同時に保育園に通う場合、保育園の保育料を所得制限なしで第3子以降は無償、第2子は半額になる可能性もあります。

子育てをしながら働ける環境をつくろうとしている企業

企業主導型保育事業の主なポイント

  • 多様な就労形態に対応した保育サービスの提供が可能。
  • 地域枠の設定が自由(利用定員の50%以内)。
  • 運営費・施設整備費について認可施設並みの助成が受けられるため保育料を認可保育所並みに設定可能。
  • 複数企業による共同設置・利用が可能。
  • 企業主導型保育事業の特色・メリットを活かした事業展開を図ることができます。

参照:制度紹介|企業主導型保育事業

子育て給付金廃止を通して、国に求めるもの

今回子育て給付金が廃止されて様々な意見が世の中から挙がっていますが、その言い方はどうであれ、本質は”税金の使い道がはっきりわからない”ここに集約されているのではないでしょうか?

これまでも、消費税が増税されるたびにさまざまな反応が殺到しました。それらも、何にいくら使うのかと、何にいくら使ったのかをしっかり提示できていれば、もっと理解は得られたのではないでしょうか。私たちが一生懸命働いて納めている税金ですから、すべて目に見える形で示してほしいものです。

今後日本の未来を担っていくであろう子どもたちが、よりよい生活を送れるよう大人たちが日本のこれからにしっかり向き合っていき、世代のバトンを渡していきたいものですね。

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