協議離婚ってなに?最も簡潔と言われているその理由と基礎知識について

毎秒離婚する夫婦はいると言われていますが、夫婦によって離婚する方法は異なっています。しかし、一番多いと言われている離婚方法が協議離婚です。いわゆる話し合いによって解決する方法であり、円満離婚とも呼ばれています。とはいえ、協議離婚にもある程度手順があります。では、どの様にして進めていけばいいのでしょうか。

協議離婚とは?

結婚をしても離婚をしてしまう夫婦はたくさんいます。しかし、その離婚の方法は様々なものがあり、中には離婚に応じてくれないケースもたくさんあります。今回は、その中でも協議離婚を取り上げ、説明していきます。

夫婦間で話し合って離婚する方法

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

協議離婚とは、基本的に夫婦間で話し合って離婚する方法です。そのため、一部では円満離婚とも呼ばれています。夫婦で離婚や今後の生活について話し合い、離婚届を提出することによって離婚が成立します。

離婚の方法には協議離婚以外にも様々なものがあります。夫婦のどちらかが離婚に応じない場合は、裁判にまで発展することもあります。その点を考えると協議離婚は、一番スタンダードでシンプルな離婚方法といえるでしょう。

簡単だが心労がかかってしまう

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

協議離婚は、裁判所などに行く必要がないため、一番簡単な離婚方法です。しかし、手軽にできることとは裏腹に、心労がかかってしまうことも多いです。夫婦が離婚を選択するということは、どちらかが相手のことを嫌っていることも多いため、とにかく顔を見たくない、今すぐに別れたいという思いのせいで、後から疲れが出てしまうことがあります。慰謝料や養育費などが絡むこともありますが、協議離婚をする場合は納得のいかない別れ方をすることも多いとか。

相手が条件を飲んでくれないから、どちらかが折れてしまい納得のいかない別れ方になってしまった、というケースも多いです。円満離婚とは呼ばれていますが、蓋を開けてみると、必ずしも円満に離婚したというわけではありません。

協議離婚になってしまう主な原因

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

愛し合って夫婦になったはずなのに、離婚を選んでしまう夫婦はたくさんいます。離婚を選んでしまうことには様々な原因があるのですが、離婚になってしまう原因には、典型的なものも多いです。

  • 性格の不一致
  • 付き合ってる頃はうまくいっていたものも、結婚して一緒に住んでみると思っていたのと違った。離婚するほどすれ違いは大きくないけれど、積み重ねる程ズレが大きくなってしまった。このように、性格の不一致で離婚する人は多いといわれています。

    初めは離婚するほどのことではなかったものの、長年一緒に暮らしていると耐えがたいほど苦痛に感じてしまうからこそ、離婚を選んでしまうのかもしれません。そういった意味でも、結婚する条件としてなるべく価値観が同じ人を選ぶ人が多いのでしょう。

  • 浮気・不倫
  • 浮気や不倫は典型的な離婚の理由です。配偶者のどちらかが浮気や不倫をすると、された側はとても辛い思いをしてしまいます。中には、離婚せずにそのまま再構築する夫婦もいますが、浮気や不倫をした側が離婚をして浮気相手と一緒になりたい、と考えるケースも多いのでそのまま離婚に至ることもあります。浮気や不倫をした側は多額の慰謝料を払うことが多いです。

    しかし、法律的に浮気や不倫をした側は、離婚を切り出すことができません。浮気をされた側が、離婚をしたいと言い出さない限り離婚ができないため、かなり揉めるケースもあります。とはいえ、協議離婚は話し合いで解決する離婚方法なので、不倫した側が切り出しても特に問題はありません。スムーズに離婚してもらえるように条件をつけるのが大切でしょう。

  • DVやモラハラなどの暴力
  • 身体的に暴力を振るうDVや、精神的にダメージを与えるモラハラなども、離婚の理由として挙げられています。特にDVは、命の危険に及ぶこともありますのでDVシェルターなどを利用して離婚をする人もいます。

    反対に、モラハラは命の危険性はないものの、精神病に陥る可能性があるため、周りからなるべく早い段階で離婚を勧められるケースもあります。証拠をつかむことで慰謝料をもらうことができるので、離婚をしようと考えたのであれば証拠をつかむことに力を入れてください。

参考元:弁護士法人アディーレ法律事務所 協議離婚

協議離婚の一連の流れとは?

協議離婚という堅苦しい名前がついていますが、要するに話し合いで解決する離婚の方法です。しかし、カップルのように手放しで離婚するわけにはいきません。夫婦になる際には、役所に届けを出していますので、離婚する際も離婚届などの手続きを行わなければなりません。

では、いったいどの様にすれば協議離婚が成立するのでしょうか。そこで、一般的な協議離婚の一連の流れをまとめてみました。

離婚後の生活のことを考える

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

相手と離婚したいと考えたのであれば、まずは離婚後の生活を考えなければなりません。お互いに仕事をしているのであれば、収入面では特に問題はありませんが、専業主婦だったり何らかの理由で仕事が出来なかったりするのであれば、離婚した後どうやって生活をしていくのか考える必要があります。

また、夫婦間に子どもがいるのであれば、親権はどちらが取得するのか、離婚した後はどこの幼稚園や学校に通わせるのか、といったことも考えなければなりません。

離婚したいと思っていても、結局収入のことを考えると踏みとどまってしまう夫婦もたくさんいます。もし、余裕があるのでしたら資格を取得するのも一つの方法です。世の中は、だんだん学歴社会から資格社会になってきていますので、資格を持っていれば就職に有利になることも多いです。

また、実家の力を借りられるのであれば、実家にサポートしてもらいながら子育てをするという方法もあります。決して行ってはいけないのは、嫌だという気持ちだけで離婚を決めてしまうことです。離婚したものの、お金がなくて路頭に迷ってしまう可能性もありますので、離婚後の未来予想はしっかりと行なっておきましょう。

配偶者に離婚を切り出す

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

離婚後の生活のシミュレーションができたのであれば、ここで初めて配偶者に離婚を切り出します。お互いに仲が悪かったり、常日頃から離婚と言う言葉を口にしていたりするのであれば、特に問題なく離婚することができるでしょう。

しかし、相手があなたにまだ愛情があるという場合や、離婚するつもりなんてないという場合はなかなか離婚に至らない可能性もあります。説得されてしまうと、言いくるめられてしまうこともありますので、どうしても離婚したいと思ってるのであれば、実家や義実家に相談してみるのも一つの方法です。

相手の親を味方につけられたのであれば、とても心強くなりますので、どうしても離婚したいのであれば一度相談してみましょう。

配偶者とよく相談し書類を作成する

離婚する前に知っておきたい!お子さんの親権者になるための方法

配偶者に離婚を切り出した後は、離婚したいと思っている理由や、離婚後の生活、養育費や慰謝料についてしっかりと話し合うようにします。 もちろん、ここで話が二転三転することもありますし、離婚したいという気持ちがなくなることもあります。

お互いに話し合って、それで離婚しようと言うことになったのであれば、次に書類を書くようにします。協議離婚で離婚するためには、離婚届の他に離婚協議書や公正証書といった書類が必要になります。 字面で見ると、とても堅苦しくて難しい書類に見えますが、要するに離婚する際に夫婦で決めた約束事などが書かれている書類です。

この書類を作成することによって、万が一養育費が支払われなかった際にも、支払いを催促することが可能です。口約束で約束をするよりも、安心できるため必ず書類を作成しておくようにしましょう。

離婚届を提出する

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

書類を作成し、お互いに離婚しようという気持ちになったのであれば、ここで初めて離婚届を書きます。離婚届には、夫婦の名前の他に、成人した2人の証人の署名と捺印が必要です。

また、夫婦間の子どもがいた場合は、どちらが親権者になったのであるか書く必要があります。親権者は書かれていないと離婚届は受理されませんので、必ず書くようにしましょう。

参考元:Re-Start 離婚の手続き

公正証書は公証人に依頼する必要がある

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公正証書や離婚協議書といったものは夫婦間で書くのではなく、公証人や弁護士などに書いてもらう必要があります。 もちろん、離婚届を提出すれば離婚は成立しますのでこういった書類を作成することは強制ではありません。

しかし、離婚をしてしまえば他人になりますので、養育費などの支払いが滞ってしまう可能性も否めません。そのため、離婚後もしっかりとお金を支払ってもらいたいと思ってるのであれば、きちんとした書類を作ることをおすすめします。

ネットで調べてみると、離婚協議書は公正証書を作ってくれる専門の機関がありますので、自分が信頼できると思う機関があれば一度連絡を取ってみてはいかがでしょうか。

参考元:中本行政書士事務所
参考元:吉野行政書士事務所
参考元:船橋つかだ行政書士事務所

協議離婚をする際のトラブルは?

協議離婚は一番簡単で手軽な離婚方法と言われていますが、それでもトラブルが生じてしまうことはあります。では、いったいどのようなトラブルが起きてしまうのでしょうか?

相手が離婚に応じてくれない

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

一番あり得るのが、相手が離婚に応じてくれないと言うことです。自分は相手が嫌いで嫌いで仕方がない、今すぐに離婚したいと言う気持ちで離婚を切り出したとしても、相手はまだあなたのことを愛していて離婚したくない、と思っているかもしれません。

また、夫婦間に愛情がなかったとしても、離婚後の生活が成り立たないというケースや、不倫をしてしまったけれど離婚をしてしまうと角が立つから離婚したくない、というケースなどもあります。

相手に100%非があったとしても、必ず離婚をしてくれるわけではないので、協議離婚をするか裁判などの離婚になってしまうかは、まず乗り越える必要があるでしょう。裁判などになってしまうと時間も費用もかかってしまいますが、どちらが悪いかはっきりと判断してもらえるため、離婚をしやすくなります。

最終的にどのような離婚結果になったとしても、まずは話し合いから始めることが一番です。

相手に会いたくないと思ってしまう

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

協議離婚だけにある話ではありませんが、相手のことがとにかく嫌いで話をしたくないと思っている場合、相手に会いたくないと思ってしまうのです。こういったケースは、まともに話し合いにならないことも多く、一度も会話を交わさないまま判を押して離婚をすることもあるとか。自分はしっかりと話し合いをしたいと思っていても、相手が話をしたくないと思ってしまえば会話が成り立ちません。

大抵の場合、離婚の条件なんてどうでも良いから早く離婚したいと思っているのです。もし、すでに別居中などで会話をしたくないと思っているのであれば、郵送で送るのも一つの手段です。郵送でも内容証明などを送ることはできますので、離婚に強い弁護士などに相談しながら事を進めるのが無難でしょう。

慰謝料で揉めてしまう

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離婚する際に、支払ったり受け取ったりする慰謝料。この慰謝料ですが、あくまでも金額は夫婦間での相談で決まります。そのため、法律で具体的な相場というものは決まっていません。慰謝料は、相手に苦痛を与えた方が被害者に支払うものです。

しかし、数百万円や数千万円といった金額になることが多いため、そんなに支払えない!と、慰謝料を支払うことを拒否されることも多いのです。特に、浮気や不倫で離婚をする場合、不倫相手に慰謝料請求して揉めてしまうケースも少なくありません。

協議離婚の場合は、お互いに納得して離婚する必要があるため、慰謝料の金額で揉めてしまうとスムーズに離婚できないケースもあります。結局のところ、金額を妥協して離婚することも多いため、悔しい気持ちになってしまうこともあるでしょう。

子どもがいる場合親権でもめてしまう

夫婦間に子どもがいた場合、子どもの親権で揉めてしまうことも多いです。しかし、基本的には母親の方が親権を取れる確率が高いです。父親に比べると母親の方が子どもと一緒にいられる時間が長いですし、幼い子どもの母親を恋しがる傾向があるため、母親が優遇されることが多いようです。

これはどんなに母親が離婚の原因を作ったとしても、直接子どもには関係ないため親権には関係ないと言われています。しかし、全く父親が親権を取れないということはありませんので、子育ての実績を作っておいたり、離婚後に子どもとどうやって関わっていけるのか話せるようにしておくと良いでしょう。

また、夫婦どちらも子どもがいらない場合、押し付け合いで揉めるケースがあります。この場合は、誰か他の親族に引き取られるか、施設に入れられるかの2択であることが多いです。とても残酷なことではありますが、離婚した相手の子どもなんていらない、と思ってしまう人がいることは事実です。

参考元:岡野あつこプロデュース 協議離婚
参考元:女性のための離婚知恵袋

協議離婚で高額の慰謝料を請求できるケースとは?

先ほど、離婚する際の慰謝料の相場は決まっていると説明しましたが、相場よりも高い慰謝料請求できるケースはいくつかあります。数百万円が相場であったとしても、数千万円を請求できるケースもありますので、知っておかなければ損をしてしまいますよ。では、一体どの様な時に慰謝料高額請求できるのでしょうか?

状況に応じて慰謝料の相場は決まっている

基本的に浮気やDV、セックスレスといった理由から、離婚を切り出す夫婦は多いです。基本的に離婚する際には、離婚理由として認められているものをあげれば、慰謝料を請求することができます。

しかし、大抵の場合相場は決まっています。浮気の場合であれば100万円から500万円ほど、DVやモラハラが原因の場合は、50万円以上300万円。セックスレスが原因の場合は、100万円から300万円ほどです。

協議離婚をする際は、この相場を元に慰謝料を取り決めて離婚をしようと思うかもしれませんし、慰謝料を支払う側の貯金や収入を考えて取り決めるかもしれません。中には支払えそうにないから、慰謝料はもらわないという人もいるようです。

相手が悪い場合は基本的に請求可能

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慰謝料は、基本的に相手が悪い場合は請求することができます。もちろん、相手の収入状況に応じて請求できる金額は変わってくるのですが、貯金の有無は慰謝料に関わってこないようです。そのため、貯金を理由に慰謝料が払えないと言ってきた場合は、貯金は関係ないということを伝えましょう。

そして、相場よりも高い慰謝料を請求する方法には条件があります。

  • 婚姻関係が長い夫婦
  • 相手の年収が高い夫婦
  • 不倫関係かセックスレス
  • DVやモラハラをする期間が長かった夫婦

これらの条件に当てはまる夫婦であれば、された側が相場よりも高い慰謝料を請求することが可能です。そもそも慰謝料というものは、精神的に苦痛を受けた相手に対して支払うお金の事です。

そのため、それだけ長い期間相手に苦痛を与え続けたという判断が下されると高い金額が請求できるのかもしれません。どのくらいの慰謝料がもらえるかは判断できないため、無料の相談所などを使って弁護士に相談してみると良いでしょう。

内容証明を送る方法も

協議離婚は一番簡単な離婚方法!協議離婚の慰謝料の相場も

協議離婚の一番の弱いところは、離婚する際に取り決めた約束が口約束になってしまうということです。早く離婚したいがために適当に約束し、離婚した後にお金を払ってくれなくなったというケースもあります。

そのため、先ほども説明したように公正な書類を作っておくことをおすすめします。また、不倫相手がいる場合は内容証明を送ってお金を請求するという方法もあります。された側は慰謝料をもらうことができますので、できることがあれば全てやっておくと良いでしょう。

参考元:LEGAL MALL

円満に協議離婚するために知識をつけておこう

離婚は結婚と違い、心身ともに疲れ果ててしまうことも少なくありません。たとえ相手が悪くても、全て条件を飲んでくれるわけではないので苦労してしまうことも多いでしょう。相手に言いくるめられないためにも、今のうちからしっかりと知識をつけておくことが大切です。円満に協議離婚するためにも、不利にならないように動きましょう。

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