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子どもの風邪が長引いたら肺炎を疑おう!その特徴的な症状・原因と治療法について

肺炎は、肺にウイルスや細菌が入ってしまうことで起こる病気です。有名な病気ではありますが、実は日本人の死因のトップ3に入るほど恐ろしい病気でもあります。今回は、肺炎にかかってしまうメカニズムなどをまとめましたので、正しい知識を身に着けて予防しましょう。

肺炎

2017年11月01日更新

Mai (看護師)

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[1] 肺炎ってどんな病気?

肺炎という病気を、誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。高熱が出たり、咳がでたりする病気です。
ポピュラーな病気ではありますが、甘く見ていると命を落としかねません。実際に、厚生労働省の調査により日本人の死因の第三位が肺炎という結果も出ています。肺炎は風邪と非常に症状が似ているため、判断を誤ってしまうことも一つの原因かもしれません。今回は、肺炎についてまとめましたので、今一度肺炎について勉強してみましょう。

肺炎とは

発熱、鼻汁、咽頭痛、咳などの症状があり、呼吸音が弱くなったりゼコゼコしたりします。また、胸部x線写真やCT写真などの画像検査において、肺に白い影(浸潤影)が認められることを肺炎といいます。

肺にウイルスが入る病気

肺炎のメカニズムですが、細菌やウイルスなどが肺に入ってしまいます。感染すると、肺胞の中で菌が増殖して炎症細胞が肺内全体に浸潤し、細胞破壊や炎症反応が起こります。普段は、人間の体に細菌などの病原体が入っても免疫がやっつけてくれるのですが、なんらかの原因で免疫力や抵抗力が落ちているときに、肺炎が起こりやすくなってしまいます。

また、初めはただの風邪でも悪化してしまい肺炎になってしまうことはあります。体力のある人なら風邪から肺炎になるリスクは低いのですが、高齢者や幼児など体力の少ない人は肺炎になってしまうこともあります。もし、少しでもおかしいと思ったら早めに医療機関へ行くようにしましょう。

悪化すると死にいたるケースもある

肺炎は、きちんと治療すればよくなりますが、悪化すると死にいたるケースもあります。先ほども言ったように、心臓病や脳卒中に次いで命を落とすケースもある病気です。なので、風邪かな?と思ったら早めに病院へ行くことがベストでしょう。

[2] 肺炎と風邪の違いとは?

肺炎と風邪の症状は非常によく似ています。だからこそ、発見が遅れてしまうケースもありますので、ご家庭に小さな子供や高齢者がいるのであれば、尚更肺炎の知識をつけておかなければなりません。では、肺炎と風邪の違いとは一体何でしょうか。

高熱や症状が長引くと肺炎の可能性がある

そもそも、風邪は体にウイルスが入り込んでしまった際に、やっつけようとすることで起こる症状です。なので、肺炎と風邪の症状は似ていても根本的なメカニズムは異なっています。普通の風邪は2、3日で治ることが多いです。個人差にもよりますが、1週間以上風邪の症状が続いてしまうことはまずありません。

ですので、もし高熱などの症状が1週間ほど続いた際は肺炎を疑ったほうがいいでしょう。肺炎は、症状が長引くことも一つの特徴ですので、患者の体調を気遣ってあげるようにしましょう。

激しい咳が出る

肺炎になると38度以上の高熱が続くことも多いのですが、高齢者の場合は高熱が出ないこともあります。熱がないと大丈夫だと思ってしまいがちですが、肺炎のもう一つの特徴に激しい咳があります。乾いた咳がたくさん出ているようでしたら、高熱がなくとも近くの病院を受診することをおすすめします。
悪化してしまうと、炎症を起こしたりチアノーゼ(血中の酸素量が低下することで、皮膚の色が紫色~暗紫色になること)になってしまったりするので、いつでも病院へ行けるように準備はしておいたほうが安全でしょう。

肺炎の症状

肺炎には、特徴的な症状がいくつかあります。風邪と間違わないためにも、まずは知識をつけておくと良いでしょう。

  • せき

  • 肺炎は、肺にウイルスが入ってしまうため激しい咳が出るのが特徴的です。痰が絡むような咳ではなく、乾いた咳がたくさん出てしまいます。肺の機能が低下しているからこそ起きてしまう症状です。悪化すると呼吸困難になってしまうので、乾いた咳がたくさん出ているなと思った段階で病院へ行くようにしましょう。

  • 高熱

  • 先ほども言ったように、肺炎になると38度以上の高熱が出ます。高熱も肺の機能が下がっているために出てしまいます。普通の風邪でも38度以上の熱が出ることがありますが、大抵の場合は3日以内で収まることが普通です。
    もし、4日以上続くようでしたらすぐに医療機関へ行きレントゲンを撮ってもらうようにしましょう。 実は、そこまで肺炎の症状が出ていなくても、レントゲンを撮ってみると肺炎だったということがあります。肺炎の典型的な症状が出ていなくても、熱がなかなか下がらないということがあれば、無理して市販薬で治そうとするようなことはやめましょう。

  • 食欲不振

  • 肺炎になってしまうと、なかなか食欲がわかないことがあります。小さな子供や若い人であれば他の症状も発症するのですが、高齢者であると、食欲不振などの軽い症状しかでないことがあるようです。
    しかし、食事をとらないとエネルギーを作ることができませんし、どんどん体力がなくなっていってしまいます。もし、食事をとることができないのであれば水分補給だけでも行うようにしましょう。 水分補給に最適なのは水やジュース、スポーツドリンクなどです。お茶やコーヒーなどにはカフェインが含まれているので、かえって体内から水分を出してしまうことになります。また、水分補給に使うジュースは100%のジュースをおすすめします。その他のジュースだと、糖分をたくさん含んでいるため、水分補給には不向きだからです。

  • 胸が痛くなる

  • 胸が痛くなるというのは、かなり肺炎の症状が進んでいる証拠です。肺は、胸膜というものに包まれています。胸が痛くなるという事はこの胸膜まで症状が進んでいます。もし、患者が胸が痛いと訴えたのであれば、すぐに医療機関へ行くようにしましょう。

[3] 肺炎の種類やメカニズムとは?

肺炎と一言で言っても、その種類は様々なものがあります。それぞれ感染してしまう原因や症状が微妙に異なりますので、一つのことに気をつけておけばいいということではないようです。では、どのような種類があるのでしょうか。そして、それぞれの肺炎にかからないためには何を気を付ければ良いのでしょうか。

肺炎球菌が原因として最も多い

実は、日本人が一番かかりやすいと言われている肺炎の原因は、肺炎球菌と呼ばれるウイルスによるものです。肺炎球菌とは、細菌が感染することによって起こる症状のことです。
肺炎球菌は、飛沫感染でどんどんと感染が広がっていきます。元々肺炎球菌を持っている人はとても少ないのですが、くしゃみや咳などから体液が飛沫してしまい、たまたま免疫力が下がってしまった人の体内に入ってしまうことで肺炎になってしまいます。自分は気をつけていても、他人から感染する可能性はありますので、体が弱っている時はなるべく人混みを避けて歩く方がいいでしょう。

肺炎の種類4選

もちろん肺炎にかかる原因は、肺炎球菌以外にもあります。そこで、代表的な肺炎の種類をご紹介します。

  • 細菌性肺炎

  • 細菌性肺炎とは、細菌が肺に入ることで起こってしまう病気のことです。先ほど説明した肺炎球菌や、 インフルエンザ菌、 黄色ブドウ球菌などが原因で起こります。
    また、喉の奥や鼻の中にいる常在菌が感染してしまうケースもよくあります。元気な時であれば、常在菌は体内にいても何の問題もありませんが、何らかの原因で体の免疫力が低下してしまった際に、肺の中に菌が入ってしまい肺炎を発症してしまうケースもあります。

  • 誤嚥性肺炎

  • 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは、食べ物や唾液、咽頭分泌物、食道を逆流してきた胃内容物が、食道ではなく気道に流入することで生じる肺炎です。誤嚥性肺炎は、主に高齢者によく見られる肺炎の種類です。人間は年を重ねるにつれて、うまく咳をすることができなくなったり、飲み込めなくなったりすることで誤嚥が起きてしまいます。
    また、寝たきりの人などにも起こりやすい症状(不顕性誤嚥)であり、繰り返し起こってしまうケースもありますので、なかなか病気が良くならないことも少なくありません。不顕性誤嚥とは、唾液が気管の方に垂れてきて、いつの間にか肺の方に細菌が入り込み肺炎を発症してしまうことを言います。脳血管障害や認知症の方の場合は、嚥下障害になりやすいため、特に注意が必要です。

  • ウイルス性肺炎

  • ウイルス性肺炎とは、ウイルスが原因で起こる肺炎のことです。ウイルス性肺炎の主な原因菌は、水痘ウイルスや アデノウイルス、SARS(重症急性呼吸器症候群)などです。 そして、パラインフルエンザという菌も原因のひとつです。どちらかと言うと子供がかかりやすい肺炎であり、特に乳幼児がかかってしまう肺炎の種類はほぼウイルス性肺炎といっても過言ではありません。
    また、毎年集団感染するインフルエンザですが、悪化してしまうと肺炎に繋がってしまう可能性もあります。インフルエンザ自体、症状が重い病気ですが、肺炎にまで悪化してしまうと、とてもつらい思いをしてしまいます。家庭に小さい子供や高齢者がいるのであれば特に気を付ける必要があるでしょう。

  • 非定型肺炎

  • 非定型肺炎とは、細菌とは違い、病原微生物が原因で起こってしまう肺炎のことです。
    一番多いのはマイコプラズマと呼ばれており、その他にもクラミジアといった病原物質が多いです。 マイコプラズマは幼稚園や学校などで集団感染しやすいことが多く、非常に感染力の強い病原体です。クラミジアは、主に母子感染が多い肺炎のことで、生後3ヶ月までに発症することが多いです。
    また、ペットのオウムやインコなどの鳥類から感染するオウム型クラミジア肺炎という肺炎もありますが、こちらは母子感染からのものよりも症状が重いという特徴があります。 非定型肺炎には、一般的な肺炎に使われる薬が効かないため、別の抗菌薬などが治療に使われます。

参考サイト:NIID 国立感染症研究所

[4]子供が肺炎にかかった時の治療法・予防法は?

もし、子供が肺炎にかかってしまったら取り乱してしまいそうですよね。悪化してしまうと、死亡する危険性もある病気ですから、親としてはなんとしてでも治したいものです。
ですが、落ち着いて対処すれば必ず肺炎は治ります。そこで、子供が肺炎にかかってしまった際の治療法や予防法などについてまとめました。もしものときにも対応できるようにしておきましょう。

肺炎の症状が出た際に行う4つの対処法

肺炎の症状がでてしまった時は、病院で治療を行った後自宅療養が一般的です。その際、肺炎の症状を少しでも楽にできるような介入方法がいくつかありますので、なるべくを取り入れましょう。

  • 水分補給をさせる

  • 肺炎は高熱と咳がたくさん出る病気です。かなり体力も使いますし、 一時的に脱水症状が起こることもありますので、可能であればなるべく水分補給をさせましょう。どうしてもお茶を与えたい場合は麦茶がおすすめです。麦茶にはカフェインが含まれていないほか、たくさんのミネラルが含まれているので水分補給には最適です。

  • 適切な湿度を保つ

  • 肺炎になってしまった子供を寝かせる部屋は、適切な温度に保つことが大切です。 熱があるとたくさん汗をかいて早く治した方が良いと言う迷信もありますが、たくさん汗をかいてしまうと、余計につらくなってしまうこともあります。肺炎にかかったからといって必要以上に温度を高くする必要はありません。 基本的には大人が心地いいと思えるような室温で構いませんので、一定の温度を保つようにしましょう。
    ただし、加湿器を使ってしまうと菌をばらまいてしまうことになりますので、加湿器を使う場合はこまめに水の入れ替えなどを行いましょう。

  • 暖かい恰好をさせる

  • 人間の体は、熱が出始めると一時的に寒いと感じてしまいます。もし、熱が出始める際に寒いと言ってきたのであれば、一枚毛布をかぶせてあげましょう。 そして、熱が下がってきたら一枚少なくします。その時に合わせた恰好をさせるようにしましょう。

    外来で治療する場合は経口薬で治療される

    肺炎は、外来で治療する場合と入院で治療する場合の2つのケースがあります。軽症であれば、外来で治療されることが多いです。外来では経口薬と呼ばれるものを使って治療が行われます。基本的には抗生物質と去痰薬が使われますが、途中でよくなっても必ず飲み切るようにしてください。一時的に菌が弱まっただけの場合があるため、途中でやめてしまうと抗生物質が効かない菌になってしまう恐れがあるからです。

    入院の場合は注射で治療される

    高熱が続いていたり、脱水症状が起こっていたりと比較的症状が重い場合は、数週間入院します。注射や点滴をして治療が行われるのが一般的です。

    原因菌を体に取り込まないようにする

    肺炎を予防するためには、肺炎の原因になる菌を体に取り込まないようにするしかありません。ですので、手洗いうがいをこまめに行ったり、マスクを着用するといった取り組みが大切です。また、できるだけ早寝早起きを心がけることで免疫力が高くなるとも言われていますので、なるべく早く寝かせるようにしましょう。

    [5] 肺炎の正しい知識を身に着けよう

    肺炎になってしまっても、正しい知識があれば早期発見・早期治療を行うことができます。子供につらい思いをさせないためにも、万が一のことを考えて知識を身に着けておくことが大切です。今一度、肺炎の知識を学んでみましょう。

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