ベビーサインっていつから始めればいいの?赤ちゃんとコミュニケーションを取るための定番サイン8選

ベビーサインって聞いたことありますか?ベビーサインとは、指や手を使ったジェスチャーでコミュニケーションをとる方法です。基本的なサインを覚えることで、赤ちゃんが今どうして欲しいのか知ることができます。そのため、ママにとっては育児ストレスの軽減に繋がります。今回は、そのベビーサインのやり方や覚え方などをお伝えします。

赤ちゃんとのコミュニケーション手段であるベビーサインとは

赤ちゃんとのコミュニケーション手段であるベビーサインとは

赤ちゃんが泣き出した時に、おむつを替えて欲しいのか、それともおっぱいが飲みたいのかすぐに分かったらいいのに…と思ったことありませんか?

赤ちゃんは言葉が話せません。けれど、赤ちゃんとコミュニケーションをとるベビーサインという方法を使えば、赤ちゃんが指や手を使って自分の気持ちを伝えてくれます。ベビーサインを使うことで、今までよりもっと赤ちゃんの気持ちが分かるかもしれません。

ベビーサインって何?

赤ちゃんは泣いたり笑ったりする方法でも、ママとコミュニケーションをとります。ベビーサインは、コミュニケーションをとる方法のひとつです。月齢が小さな赤ちゃんでも指や手を動かすことができるため、それらを使って赤ちゃんが自分の意思をママやパパに伝えます。

ベビーサインの歴史は古く、1980年代にアメリカのリンダ・アクレドロ博士とスーザン・グッドウィン博士の友人が、1歳の子どもと手を使ってコミュニケーションを取っている姿に、ヒントを得たとこから研究が始まりました。

ベビーサインが本格的に多くの人に知られるようになったきっかけは、1990年代に2人の研究結果をまとめた書籍が出版されてからです。ここからアメリカ、イギリスを中心に広がりました。

日本では、2000年にNPO法人日本ベビーサイン協会の理事長の吉中みちる氏が、長男の出産後にご主人とベビーサインを実践し、その内容をまとめた「親子で楽しむベビーサイン」を出版しました。この時に、日本手話を用いた初めてのベビーサイン本として注目を集め、日本でも徐々に浸透していきました。

ベビーサインとメリットとデメリット

ベビーサインがママや赤ちゃんにとってどんなメリットやデメリットがあるか、確認していきましょう。

ベビーサインのメリット

  • ママの育児ストレスの軽減
    赤ちゃんが今して欲しいことをベビーサインを使って教えてくれるため、ママは赤ちゃんがして欲しいことをすぐに理解でき、対応することができます。赤ちゃんの泣いている理由がわからず何をしてあげればいいかと途方にくれることが減るため、ベビーサインを使う前よりも育児ストレスが減ります。
  • 言葉を覚えるのが早くなる
    ベビーサインを覚える時にジェスチャーと一緒に言葉をかけて行うため、自然と早い時期から多くの言葉に触れることになります。また、ベビーサインを使う赤ちゃんは、ママの真似をしてベビーサインを覚えていくため、自然と幼児期から観察能力が鍛えられます。そのため、言葉を覚えるのも早くなるといわれています。
  • 赤ちゃんを中心に家族のコミュニケーションが増える
    パパにもベビーサインを覚えてもらうことで、パパも休みの日などに育児にかかわりやすくなります。赤ちゃんにとっては泣いたり笑ったりするだけでなく、ベビーサインによってママやパパとのコミュニケーション手段が増えます。

    ママやパパの反応が楽しくなると、赤ちゃんがママやパパと積極的に対話しようとするため、赤ちゃんを介して家族間のコミュニケーションが自然と増えていきます。

ベビーサインのデメリット

  • たくさんあるベビーサインを覚える必要がある
    ベビーサインを使うためには、赤ちゃんとママがベビーサインを覚える必要があります。そのため、赤ちゃんがベビーサインを覚えるまで、繰り返し繰り返し練習する必要があります。赤ちゃんがなかなか覚えてくれないと、ストレスに感じてしまうこともあるようです。

    また、ベビーサインがたくさんあるため全部覚えさせようと思ってしまい、それがプレッシャーになることもあります。そんな時は「おっぱい、ミルク」や「おむつ」など、日常的に使うベビーサインから覚えるようにして、徐々に増やしていくといいでしょう。

  • 赤ちゃんに対して過度に期待をしてしまう
    赤ちゃんの成長スピードは個人差があります。そのため、自分と同じ月齢の赤ちゃんと比べてベビーサインを覚えるスピードが遅い、なかなか覚えてくれない、そんな時はついイライラしてしまうこともあると思います。

    ベビーサインは、ママと赤ちゃんがもっといいコミュニケーションをとる方法のため、他の赤ちゃんと比べたりせず気楽に楽しんで覚えていきましょう。

ベビーサインをやってみよう!

ベビーサインをやってみよう!

これから赤ちゃんとベビーサインを覚えて、コミュニケーションをとっていくために、いつから始めたらいいか、どんなふうに練習したらいいかをお伝えします。

いつからベビーサインを始めたらいいの?

赤ちゃんがベビーサインを認識して覚えることができるようになるのが、早い赤ちゃんなら3ヶ月くらいです。このころは完璧ではありませんが、ベビーサインらしい動きをすることができるようになります。

一般的には、赤ちゃんが自分の手や指を動かすことができるようになる、6~7ヶ月頃にベビーサインを教える人が多いようです。その前から赤ちゃんにベビーサインを教えていても、特には問題はありません。しっかりとベビーサインを使えるようになるのは、およそ10ヶ月頃でしょう。

1歳くらいになると徐々に言葉を覚えるようになり、その頃からベビーサインの登場回数が減っていき、2歳くらいになるとほとんど使わなくなります。

ベビーサインのやり方って?

まずはママと赤ちゃんがベビーサインを覚えないと使うことができません。そのため、第一にベビーサインを一つひとつ覚えていく必要があります。ベビーサインの覚える時間を特別に作るというよりも、日常生活の中で使っていきながら少しづつ使えるベビーサインを増やしていくのがおすすめです。

ベビーサインを覚える時に大事なことは、サイン(動作)と一緒に意味を赤ちゃんに伝えることです。例えば、ママがおっぱいをあげる時におっぱいのベビーサインをして、同時におっぱいと言葉に出して意味を伝えて、おっぱいをあげます。繰り返していくことで、だんだん赤ちゃんも興味を持ち始めていきます。

そうすると次第に、実際におっぱいをあげなくても、おっぱいのベビーサインをするだけで赤ちゃんは反応するようになっていきます。赤ちゃんがベビーサインの意味を理解すると、赤ちゃんからママにベビーサインを使って、おっぱいを飲みたいと伝えてくるようになります。

ベビーサインをするときに注意したいこと

早く赤ちゃんをコミュニーケションを取りたいからといって、厳しく教えてはいけません。普段の生活の中で楽しみながら覚えていくことが大切です。

サインを1つに絞ってしまうと、赤ちゃんがなかなか覚えてくれない場合、イライラしてしまうことがあると思います。なので、覚えて欲しいベビーサインを複数ピックアップして、同時並行で使っていきましょう。そうすると赤ちゃんは自分が覚えやすいものや興味があるものから覚えていこうとします。

ベビーサインは、赤ちゃんとパパやママが理解できれば問題ありません。赤ちゃんがやったベビーサインが多少違っていても、きちんとママが理解できるのであれば、間違っていることを無理矢理直したりしなくても大丈夫です。それよりもできたことを褒めてあげることが大切です。

これは覚えたい!8つの定番ベビーサイン

日常的によく使う定番ベビーサインを一緒にみていきましょう。

【おっぱい】お腹が空いたときにはこれ!

おっぱいは赤ちゃんにとって大好きな食事です。日常的にもよく使うことになるため、すぐに覚えてくれるベビーサインです。おっぱいのベビーサインは、牛の乳を絞るように手をグーパーグーパーの動きをします。

【美味しい】ほっぺトントンするしぐさがかわいい!

赤ちゃんが「美味しい」と思った時に使うベビーサインです。離乳食を食べる頃になったら頻繁に登場します。やり方は食事中に「美味しいね」と声をかけながらほっぺたを軽くトントンします。離乳食作りは大変ですが、赤ちゃんがこのサインをしてくれたらママにとっては励みになりますね。

【もっと(足りない)】おねだり上手になる!?

赤ちゃんがおかわりしたいと思った時に使うベビーサインです。比較的シンプルな動きで赤ちゃんにとっても覚えやすいサインのひとつです。授乳時や離乳食を与えているときに、一時中断をして「もっと欲しい?」と聞きながら両手をすぼめて爪と爪をトントンと合わせる動きをします。この時に赤ちゃんがもっと欲しいそうな態度をとった時は、おっぱいや離乳食をあげましょう。

【おしまい】物事を終えるときに使いたい!

ママの方がここでおしまいと伝える時のベビーサインです。食べることや遊ぶのを辞めさせたい時に使います。また、赤ちゃんもここで辞めたいと思った時にも使われます。やり方は、両手の手のひらを上に向けた状態から下向きにひっくり返します。ご飯を食べ終わった時や、遊ぶのをやめる時に使うといいです。

【ねんね】眠る時間になったらこれ!

まずは、眠る前や赤ちゃんが眠そうな表情をしたら、ねんねのベビーサインを使いましょう。赤ちゃんは眠いという感覚が実はあまりわからないので、難しいサインとされています。そのため、眠る前に「ねんねしようか」と言いながら両手を合わせて片方のほっぺたの横に当てて、ねんねのベビーサインを使うことで気長に教えていきましょう。

【おむつ】これを覚えるととても便利!

おむつ交換をする時に使います。最初はママが下腹部を両手でパンパン叩いておむつのベビーサインと使うようにしていきましょう。おむつのベビーサインを赤ちゃんが覚えると、おむつを替えて欲しい時に、使うようになっていきます。

【ありがとう】投げキスのようなしぐさが愛しい!

赤ちゃんが何かしてもらった時に使います。また、ママも赤ちゃんが何か持ってきてくれた時などがありがとうとベビーサインで伝える時にも使うことができます。やり方は「ありがとう」と伝えながら、パーにした手を口に当てて投げキッスをするように前に方に出します。

【痛い】どこが痛いかわかりやすくなる!

覚えると赤ちゃんの異変に早く気がつくことができるベビーサインです。赤ちゃんがどこかに頭をぶつけて痛いと感じた時に「痛かったね」と言いながら、両手の人差し指をツンツン合わせるベビーサインを見せます。赤ちゃんがこのサインを覚えると、体のどこが痛くなった時にママに教えてくれるようになります。

もっとベビーサインを覚えたいなら

ベビーサインを覚える方法は、本で独学で学ぶかベビーサイン教室に通うかの2つの方法があります。学びやすい方や予算に合わせるなど、自身のライフスタイルに合わせて選ぶといいでしょう。

ベビーサインの本で学ぶ

ベビーサインの本は書店でもネットでも販売されてます。さまざまな種類があるので、手にとってみて自分にぴったりな一冊を見つけましょう。

おすすめベビーサインの本

今すぐできるかんたんベビーサイン

著者は、NPO法人日本ベビーサイン協会理事長の吉中みちるさんです。イラスト付きで日常生活に使うことができるベビーサインが、139語収録されています。初心者から、すでに使っている人にも辞書的に使うことができる一冊です。

ベビーサイン グーとパーだけで赤ちゃんと会話

グーとパーだけでできるベビーサインが、77語収録されています。月齢3ヶ月くらいからでも使える簡単なベビーサインがたくさん紹介されているため、早くからベビーサインを使いたいと思っている人にオススメです。

世界一やさしいベビーサインのおしえかた

なんとなくベビーサインって難しそうと思っているママにオススメです。教え方のヒントやコツも合わせて掲載されているため、一度挫折したママにも手にとってもらいた本です。

ベビーサイン教室に通う

本格的に学びたいなら一般社団法人「日本ベビーサイン協会」のホームページから全国のベビーサインの教室を探すことができます。

■妊娠中に通える「マタニティ教室」
■赤ちゃんと一緒に通える「ベビーサイン教室」
■生後すぐからお座りできる前くらいの赤ちゃんと通える「プレ・ベビーサイン教室」
■ベビーサインを使って英語を学べる「英語ベビーサイン教室」

このように時期や目的に合わせていろんな教室があるため、まずはホームページで近所の教室があるか調べて見ましょう。

ベビーサインを覚えて、楽しく親子の絆を深めていこう

ベビーサインは楽しく、赤ちゃんとコミュニーケションをとる手段のひとつです。赤ちゃんがなかなかベビーサインを覚えてくれないときは、イライラしてしまうこともあるかもしれませんが、それでは本末転倒です。「できなくても大丈夫!」という気楽な気持ちで始めていきましょう。

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