産後セックスレスが原因で離婚?なってしまった時に夫婦でできる4つの解消法

赤ちゃんが生まれた後にセックスレスになる夫婦がいるということを耳にしたことはありますか?どうしてそうなってしまうのでしょうか。産後のセックスレスが原因で離婚に至ることなどはあるのか、セックスレスになってしまう原因を探っていきたいと思います。

産後セックスレスとはいつからのことを言うの?

そもそもセックスレスとはどんな状態になったことをいうのでしょうか。セックスレスとは、病気などの理由がなく1ヶ月以上セックスをしていない状態をいいます。
そして、産後セックスレスとは、出産を機にセックスが再開できる状態になったにも関わらず、セックスがない状態をいいます。出産後、セックスを再開してもいいと言われるのは産後1ヶ月月ほどからです。それは子宮の状態や母体の回復にそれくらいの期間が必要だからです。しかし、近年では産後1ヶ月を過ぎても色々な理由からセックスをしない夫婦が増えてきているようです。

夫婦が産後セックスレスになってしまう割合

一般社団法人「日本家族計画協会」が既婚者のセックスレスについて2017年に調査をした結果、2016年のセックスレス夫婦の割合が過去最高になったことが分かりました。
セックスレスになった理由は、男性は「仕事で忙しい」女性は「面倒くさい」がそれぞれの第1位の理由で、それ以降に「出産後なんとなく」という理由が男性のセックスレスになった理由第3位、女性の理由第3位に挙がっていました。それほど出産後にセックスレスになる夫婦が多いということが分かります。

妻側の産後セックスレスになる原因

産後にセックスレスになってしまう原因はどのようなものがあるのでしょうか。色々な原因があると思いますが、まずは妻側からの原因を探っていきましょう。

出産後の女性ホルモンの乱れ

出産をした後の女性の体はホルモンのバランスが乱れてしまいます。出産前や妊娠中は卵胞ホルモン、黄体ホルモンというホルモンが分泌されます。このホルモンはいわゆる女性ホルモンです。しかし、出産を機に女性の体からこれらのホルモンの分泌が減ります。
その代わりに多く分泌されるようになるのは、プロラクチンというホルモンです。このホルモンは別名、「授乳ホルモン」と呼ばれるもので、母性を高めるホルモンであると言われています。出産前と出産後に分泌されるホルモンが違うためバランスが崩れ、精神的にも不安定になる場合があります。それがセックスレスの原因になるのです。

出産により気持ちが母親になりきっている

先述したように、女性は出産すると母性を高めるホルモンが多く分泌されるようになります。このホルモンの分泌により、赤ちゃんを愛おしく思い、自分が守らなければ育てなければという強い母性が湧いてくるのです。出産前と出産後のホルモンが違うため、ホルモンバランスが崩れ、精神的に不安定になると同時に母性の強さからセックスに興味が薄れてしまうということが原因となります。

会陰切開をしたため痛いと思うから

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出産の時に会陰切開をしている場合は、その傷のことが怖くてセックスできないということがあります。産後の赤ちゃんの1ヶ月健診の時に、病院の医師からはお母さんの体の回復具合でセックスを再開してもいいという話が出るはずです。しかし、出産後の会陰切開の痛みをすぐには忘れられず、セックスするのが怖いと感じてしまう人もいるのです。

産後うつのような状態になっている

出産後には初めての子育てや昼間は赤ちゃんと2人だけの生活になり、慣れないことばかりで精神的に参ってしまう人もいます。昔は親と同居の場合が多かったりして、近くに誰か話し相手担ってくれる人や相談できる人がいたものです。
しかし、最近は核家族の家庭が多く、何か不安がある時にすぐに相談できる人がいないという家庭が多いのが現状です。そんな生活の中で、赤ちゃんとの毎日にストレスを抱えてしまう人もいます。ホルモンのバランスも加わって産後うつのような状態になってしまい、セックスをするなどという気分になれないという人もいます。

家事・育児に協力的でない夫への不満

赤ちゃんが生まれて今までの生活と一変した毎日の中で、夫の家事や育児に協力的ではないという不満を持っている人もいるでしょう。妻は赤ちゃんの世話をしながら家事をしているのに、夫は仕事から帰ってきても自分だけのことをして、手伝ってくれないという不満を持つ人がいます。夫からしたら、言ってくれないと何をしたらいいのか分からないと言うでしょう。
しかし、妻の言い分は「言われなくても気付いてほしい」のです。赤ちゃんが泣いている時に妻が夫の夕飯の支度をしている、そんな時に夫に赤ちゃんをあやしてほしいのに、夫はテレビを観て赤ちゃんのお世話をしてくれない、など。そうなると、妻の不満はたまる一方です。夫に対してイライラしてしまい、夜に求められても夫への怒りから応じることができないというような理由もあります。

育児に疲れて性生活をしている余裕がない

慣れない育児に疲れていて、時間があるなら少しでも眠りたい、休みたいと思ってしまうのです。赤ちゃんが起きている時はお世話や家事などで休む暇はありません。お昼寝をしている時にも、赤ちゃんが起きていたらできないアイロンがけやお風呂掃除など、やることがたくさんあってお母さんは寝ていられないものなのです。疲れていて夜は眠りたいという理由でセックスから遠ざかってしまう場合もあります。

母乳が出るから

母乳をあげている時期は、おっぱいへの刺激で母乳が出てしまいます。また、母乳の仕組みは、お母さんが赤ちゃんのことを考えただけで母乳が出るというとても不思議で神秘的なものです。夫とのセックスの最中に胸への刺激で母乳が出てしまうのが恥ずかしいので、ついセックスを断ってしまうという理由もあるのです。

妊娠後の身体の変化を旦那さんに見られるのが恥ずかしい

妊娠中は体重が増えますが、赤ちゃんを産んだ後に体は徐々に時間をかけて戻っていきます。赤ちゃんを産んだからといって、すぐに戻るものではありません。体型の変化は女性にとっては切実なものです。夫に体の変化を見られるのは恥ずかしいという気持ちがあります。それが理由でついセックスから遠ざかってしまう場合があります。

旦那さんに誘われないから

旦那さんに誘われず、自分からも誘えないことで長い間セックスをしていない夫婦もいるようです。夫側の産後セックスレスになる要因もいくつかありますので、次の項目を参考にしてみてください。

産後セックスレスになる夫側の原因

次に夫側からのセックスを遠ざけてしまう原因はどのようなものなのでしょうか。

立ち会い出産によるショック

出産に立ち会った男性は、「こんなに大変な思いをして子供を産んでくれた」という妻への尊敬や感謝の気持ちを抱く一方で、出産を実際に見たことでショックだったという人もいます。立ち会い出産をしたからといって、全ての男性がそうなるとは限りませんが、立ち会い出産をするかどうか、夫婦で話し合っておく必要がありそうですね。

妻を母親としてしか見られなくなった・女性として見れない

妊娠中にだんだんお腹が大きくなっていく妻を、女性として見られなくなったという男性もいます。妻が女から母親になった>というように見てしまい、性の対象にならなくなったという人がいます。出産後は、赤ちゃんに母乳をあげている姿などを見ると、ますます妻はお母さんになったのだと思ってしまうというのが原因の一つです。

性生活を何度も断られて自信がなくなった

妻から何度も断られて、自分は妻から男性として見てもらえなくなったのではないかと自信がなくなってしまうケースもあります。実は嫌われているのではないか、などと感じてしまうようになり、また断られたらショックだからと夫から誘うことがなくなってしまうという原因です。

出産後2年以内に夫婦の愛情が冷めてしまう産後クライシスとは

近年、よく耳にするようになった産後クライシスをご存知でしょうか?
産後クライシスとは、出産後2年以内に夫婦間の愛情が著しく冷めてしまう現象のことを言います。産後クライシスに陥る原因は、妻の産後の体調不良や精神の不安定、夫の家事や育児への不参加などが挙げられます。

産後クライシスの原因のひとつにセックスレスがある

産後クライシスの原因のひとつに、産後セックスレスがあります。夫婦ともにセックスを望んでいなかった場合はそうなりませんが、どちらかが望んでいるのにそれが叶わないとストレスがたまります。セックスは愛情表現のひとつだと考え、自分への愛情はもうなくなったのだろうか、と悩む原因になるのです。そして、これらの問題が解決できないと最悪の場合は離婚まで発展してしまうというケースもあるのです。もう少し産後クライシスについて詳しく知りたい方は、こちらの『産後クライシスは離婚の危機?』の記事チェックしてください。

産後セックスレスを解消するために夫婦でできる対策

産後セックスレスが原因で離婚をしてしまう、そんなことにならないためにはどうしたらいいのでしょうか。

普段からお互いにスキンシップを大切にする

セックスだけがスキンシップではありません。育児の疲れなどでどうしてもセックスする気に慣れないという場合もあるでしょう。そんな時に、夫は断られたことで妻は自分のことを愛していないのかと不安になるものです。
セックスをしないからといってあなたのことを愛していないわけではない、ということを夫に伝えるために日頃から意識してスキンシップをとってみてはいかがでしょうか。朝の挨拶にキスをするとか、休みの日に散歩するときに手をつなぐなど、さりげないスキンシップが愛情表現にもなるのです。

最初は無理をしない

夫から誘われた時に、会陰切開の傷が開いてしまうのではないかと怖くて断ってしまう場合があるでしょう。そんな時には、無理をせず途中でやめてもいいのではないでしょうか。夫も痛がっている妻に無理強いすることはないですし、怖がっている妻へいたわる気持ちを持ってくれるはずです。産後のセックスの再開は無理せずに始めてみるのがいいかもしれません。

誘われないなら誘ってみよう

男性は女性の体のことが分かりません。傷のことや、赤ちゃんの育児で妻がいつも疲れているようだから、いつ誘っていいのかタイミングが分からないという人もいることでしょう。優しさから声をかけられずにいるのかもしれません。なので、自分から夫に声をかけてみてはいかがでしょうか。「今日、病院へ行ったら性生活を再開してもいいと言われたよ」などとさりげなく、もう大丈夫だとアピールしてみたら夫から誘いやすいかもしれません。それでも、気遣いで誘えない夫には自分から「そろそろ大丈夫みたいだから、今日してみる?」と誘ってみたらどうでしょう。

断る場合はきちんと理由を話そう

赤ちゃんと毎日向き合っていると、幸せで満ち足りた気持ちになる一方で、慣れない育児は気を遣うし疲れるものです。時間があったら少しでも眠りたい、今日はどうしてもその気になれないという場合もあるでしょう。
夫から誘われて断る場合は、夫にきちんと理由を話すことが大切です。何も言われずに、「無理」などと言われてしまったら、言われた方は理由が分かりませんし、傷つくのです。昨夜の夜泣きで寝不足なので、今日は眠りたいの、などと夫に理由を話してあげてください。
そして、「今日は疲れているのでごめんね。土曜日にあなたが休みだから少し昼寝させてもらえるのかな?そうしたら寝不足解消できるし、土曜日の夜にしない?」などと、断るだけではなく、次に繋げるようなことを話してあげると、夫は愛されていないから断られたなどと思わずにすみます。

2人目を考えているなら産後セックスレスの期間が長いのはNG

産後セックスレスになってしまうと、2人目が欲しいと思った時に、セックスを再開するのが難しいということがあります。していなかったのに、妊娠したいからセックスをするということへの違和感や、今更できないという気恥ずかしさからセックスができないという夫婦がいます。また、年齢を重ねるごとに妊娠の可能性は減っていきます。早めに2人目を考えているのでしたら、セックスレスにならないように心がけておく必要があります。
子育てに追われる日々の中でも、子供の為に仲良しの夫婦でいるために少しの気遣いでセックスレスは防げます。お互いに思いやりさえあればきっと大丈夫です。

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