妊娠中におすすめの良い食べ物・NGな食べ物とは?妊婦さんの食事で気をつけるべき点4つ

今までは1人の体だったので好きな時に好きな物を自由に食べていたという方も多いのではないでしょうか?しかし、赤ちゃんを授かると自分だけの体ではなくなり赤ちゃんのためにも少し食べ物に気をつけてあげることが必要になってきます。では、そんな時にどのような食べ物を摂ってあげることがママや赤ちゃんにとって良いのかを今回はお話していきます。

妊婦になったら食事で気をつけたいこと

妊婦になったら食事で気をつけたいこと

妊娠が発覚したら気になることの1つに食べ物があります。「私たちの体は食べた物で作られる」という言葉があるように、「赤ちゃんの体はママが食べた物で作られる」といっても間違いないくらい大切なものになります。

でも、どのように食べ物に気をつけるべきなのか、いつから気をつけるべきなのか、分からない方も多いのではないでしょうか。

食べ物はいつから気をつけるべき?

妊娠したら良くも悪くもママが口にした食べ物は赤ちゃんの成長に影響を与えます。「妊娠したら赤ちゃんのためにもいつも以上に食べ物には気をつけなければいけないなぁ」と思う人は多いと思います。

しかし、理想は妊娠に気づいた時にではなく、妊娠を望むようになった時から少しずつでも良いので気をつけていただきたいのです。「結婚したら子どもは普通にできるもの」と思われている方も多いです。

現代は妊活や不妊という言葉を耳にすることも多くなり、望むのになかなか赤ちゃんを授かれないという方も増えてきています。その原因の1つに食生活の乱れにより良質な卵子や精子が作られなくなったことや、赤ちゃんが10ヶ月間過ごす子宮の環境が快適なものでなくなっていることなども指摘されています。

そのため、妊娠に気づいてから食べ物に気をつけるのはもちろんのことですが、可能であれば妊娠前から(妊娠を望み始めた時から)気をつけていただきたいです。

妊娠初期から気をつけておきたいこと

妊娠初期とは妊娠4週~15週6日のことを言います。この時期はまだまだ小さいですが、脳や心臓、背骨などとても大切な器官の形成がされます。そして、妊娠4ヶ月(12~15週)で胎盤が形成されるのです。

妊娠初期には葉酸を摂った方が良いということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。葉酸とはビタミンB群の一種であり、代表的な役割としては受精卵の細胞分裂の手助けをすることです。

この時に葉酸が不足していると細胞分裂が上手く行えず、赤ちゃんに神経管閉鎖障害といった大きな障害を残してしまうことが稀にあると言われています。

この障害を防ぐためにも妊娠初期には葉酸をしっかり摂りましょうと言われることが多いのですが、実際妊娠に気づいた時には、受精卵の細胞分裂が活発に行われる時期は終わっていることが多いので、妊娠を望み始めた時から気をつけていただきたいのです。

他にも葉酸は細胞の再生を助けたり、貧血を予防したり、母乳を作ったり、動脈硬化を予防したりと妊娠前中はもちろん授乳期まで必要な栄養素になります。
 

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妊娠中の妊婦に良い食べ物とは

妊娠中の妊婦に良い食べ物とは

今の世の中は飽食と呼ばれるようになり、食の選択が広がり食品添加物や化学調味料などを口にする機会も増えました。これらを全て排除するのは難しい世の中になりましたが、大人には大丈夫な量であっても成長途中の赤ちゃんにとっては悪影響を与えてしまう可能性があります。

そのため、妊娠前中には特に意識して、外食や出来合いのお総菜はできるだけ避けて自然なもので調理したものを食べるようにしていただきたいです。

では、どのような食事に気をつければよいか考えていきましょう。

主食は精製されていないものをできるだけ選ぼう

玄米や胚芽米など未精製の雑穀にはビタミンやミネラル、カルシウム、食物繊維などが豊富に含まれているので妊娠中にはおすすめです。

ただし、玄米はそのまま食べると消化に時間がかかり胃腸に負担をかけて消化不良を起こす危険性もあるので、しっかり発芽をさせてから炊いたり、酵素玄米にしたりと消化の負担を減らすような工夫が必要になります。

そのため玄米を食べるにしても3食すべて玄米とするのではなく、1~2食を玄米にする、玄米と白米を混ぜ合わせて食べるといった工夫が必要です。小麦粉はあまりおすすめではありませんが、もし食べる場合には全粒粉や地粉(昔ながらの製法で作られているもの)をとるのがおすすめです。

そして、未精製のものをとる時に注意したいのが無農薬のものを選ぶことです。農薬を使用しているものは表面に農薬が残っています。そのため、無農薬でないものの場合は、未精製ではなく、胚芽米や白米でとることをおすすめします。

調味料に気をつけよう

1番生活の中で新たに取り替えやすいのが調味料になります。基本の調味料「さしすせそ」は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。


さ:砂糖(妊娠中に使用するならみりんがおすすめです)
し:自然塩
す:酢
せ:醤油(正油)
そ:味噌

残念ではあるのですが、今スーパーなどのお店に並んでいる調味料の多くには食品添加物や化学調味料などが使用されていることが多いです。そのため、調味料は昔ながらの製法でシンプルな原材料を使用して製造されたものを選んで使っていただきたいです。

このような調味料は高い商品に分類されることが多いです。しかし、調味料は生鮮食品と比較して毎日購入するものではなく1~2ヶ月に1回などの頻度での購入になると思うので家計のお財布を圧迫することも少ないと思います。

ぜひ、妊娠中の機会に本物の調味料に入れ替えてみましょう。本物の調味料を使用していればお子さまの食事作りが始まった時には安心して同じ調味料を使えるので便利ですよ。

発酵食品を取り入れよう

最近、注目されている発酵食品。私たちの周りには数多く存在していて昔から日本でずっと作られているものです。代表的なものには味噌、醤油、酢、みりん、塩麹、甘麹、納豆、ぬか漬けといったたくさんのものがあります。発酵食品は発酵により食材が分解されているので、他の食べ物と比べて消化吸収がしやすいという特徴があります。

発酵食品に含まれる酵素や菌により腸内環境が整えられ、免疫力がアップしたり、便秘が解消したりと嬉しい効果があります。理想は手作り自家製の発酵食品ですが、それが無理という場合には、調味料と同じく昔ながらの製法でシンプルな原材料を使用して製造されたものを選んで使っていただきたいです。

特に、味噌や塩麴、甘麹などはご家庭でも手軽に作れるので1度作ってみるのもおすすめです。

緑黄色野菜を取り入れよう

妊娠期には積極的に取り入れるように心がけていただきたいのが緑黄色野菜になります。緑黄色野菜には妊娠中に特に摂取したい葉酸やビタミン、カルシウム、鉄分、食物繊維といった栄養素がバランスよく豊富に含まれています。

妊娠前~妊娠初期に特に摂っていただきたい葉酸も緑黄色野菜であるほうれん草やモロヘイヤ、ブロッコリー、春菊などに豊富に含まれています。

妊娠中のおすすめ食べ物一覧

では、具体的に妊娠中におすすめの食べ物はどんなものがあるのでしょうか。

  • 緑黄色野菜
  • 全粒粉の食べ物(できれば無農薬)
  • 赤身の肉
  • 海藻類
  • きのこ類

妊娠中のおすすめ飲み物一覧

妊娠中や授乳中に避けていただきたい飲み物はアルコール類やカフェインを含んでいない飲み物になります。

  • 麦茶
  • ルイボスティー
  • 桑の葉茶
  • ヨモギ茶

飲み物は基本的には体を冷やさないためにも常温以上の温かい状態で飲むことをおすすめします。(実際は、常温は私たちの体温よりも低い温度になるので体にとっては冷たい飲み物になります。)

妊娠中に妊婦にNGな食べ物とは

妊娠中に妊婦にNGな食べ物とは

妊娠中は通常の体とは違い食べた物の栄養(良い物も悪い物も)は直接胎児に運ばれて何らかの影響を与えます。これから紹介する食べ物は絶対に口に入れてはいけないというものではありませんが、妊娠中には特に取り入れる量には注意していただきたいものになります。

生ものは避けましょう

生肉や刺身、生卵は食中毒を起こす危険性が高いです。食中毒を起こすと胎児にも悪影響を与えてしまう可能性があるので妊婦にはできるだけ避けていただきたいです。もし生ものを食べたいのであれば、加熱をしっかりして火を通したものを食べるようにしてください。

魚の種類には注意しよう

2005年に厚生労働省から「妊婦は魚に注意」という呼びかけが行われています。マグロなどの大型魚の身に含まれる水銀が胎児に悪影響を与える可能性があるためです。基本的には、子どもや大人が魚を食べても水銀は体の外に排出される機能があります。

ですが、胎児に関してはまだこの機能ができないので、食べる量によっては胎児の神経系に異常を与える可能性が出てきます。そのため、食べる量には注意が必要です。

下記は、厚生労働省が推奨している量になります。

  • 1回80gを週1回まで:メカジキ、金目鯛、クロマグロ、メバチマグロ
  • 1回80gを週2回まで:キダイ、クロムツ、マカジキ、ミナミマグロ

※目安としては、刺身1切れで約15gほどになります。

海藻類の種類にも注意しよう

海藻類は妊娠中におすすめの食べ物として紹介していますが、昆布とひじきに関しては食べる量に少し注意が必要になります。昆布にはヨウ素が豊富に含まれています。甲状腺ホルモンの主原料であるヨウ素は体にとって必要不可欠なものです。

しかし、過剰摂取は胎児の甲状腺機能を低下させてしまうと言われています。そのため、毎日食べる(だしとして摂るも含まれる)というのは避けましょう。

ひじきにはヒ素が多く含まれています。ひじきは食物繊維やミネラルも豊富なのでおすすめの食べ物ではあるのですが、過剰摂取による健康被害が心配されます。そのため、乾燥ひじき5g(小さな小鉢の煮物1杯分くらい)を週2回程度までに抑えておきましょう。

そして、ひじきは調理の前に30分以上水にさらしてあげることでヒ素が水に溶け出るのでこのひと手間をしてから調理してあげてください。

ビタミンAが豊富な食べ物(うなぎやレバーなど)は量に注意しよう

ビタミンAは人間の健康状態を保つのに必要な栄養素になります。しかし、妊娠中に過剰摂取してしまうと赤ちゃんの奇形の発症率が高くなるという報告がされています。そのため、ビタミンAを豊富に含む食べ物に関しては食べる量に注意が必要になります。

代表的な食べ物にはうなぎやレバーがあります。レバーは鉄分も豊富な食べ物であるので貧血予防のために食べたくなってしまいますが、ビタミンAの過剰摂取を防ぐためには妊娠中には串焼き1本を週1回程度に抑えることをおすすめします。うなぎを食べる場合には、かば焼きを週1回を目安にしてください。

アルコールやカフェインは避けましょう

妊娠中には飲み物にも注意が必要になります。その飲み物はアルコールとカフェイン飲料になります。アルコールは妊娠中に飲むと胎児性アルコール症候群という先天性の疾患にかかるリスクが高くなるとの報告がされています。また、普段から飲酒量が多い人は飲まない・少ない人と比べて流産率が高いとも言われています。

カフェインはスウェーデンやイギリスで行われて研究によると、100mg/日以上摂取すると流産の確立が高くなるとの報告がされています。好きでどうしても我慢できないという場合は、1日1杯までに抑えておけば問題はないと言われています。

そして盲点なのが、栄養ドリンクになります。栄養ドリンクにはカフェインが含まれているのでもし飲む場合にはカフェイン量はしっかりと確認してからにしてください。

妊娠中にNGな食べ物一覧

では、具体的に妊娠中にNGの食べ物はどんなものがあるのでしょうか。

  • ナチュラルチーズ
  • 魚卵
  • 生の貝や甲殻類
  • インスタント食品
  • ウインナーやハム
  • 辛い香辛料
  • スナック菓子
  • 板チョコ(カフェイン)

妊娠中にNGな飲み物一覧

避けていただきたいアルコールやカフェイン飲料は下記になります。

  • アルコール(ビール、焼酎、ワイン、日本酒、ブランデー、ウイスキー、缶酎ハイなど)
  • 酒粕で作った甘酒
  • コーヒー
  • 紅茶
  • 煎茶
  • ウーロン茶
  • ほうじ茶
  • 抹茶
  • 玉露
  • コカコーラ
  • ココア
  • ノンアルコールビール(0%とうたっていてもごく稀に少量含まれる場合があるため)

妊娠中の食事に関する注意点4つ

妊娠中の食事に関する注意点4つ

ここまでで妊娠中におすすめの食べ物やできれば避けたい食べ物については分かってもらえたと思います。では、実際食事をする時に気をつけておきたい4つの点を説明しましょう。 

バランス良い食事を心がけよう

妊娠中に限らずなことですが、大切なのはバランス良い食事をとることです。妊娠中は積極的に摂りたい栄養素がありますが、基本の三大栄養素と言われる糖質・たんぱく質・脂質などもしっかりとる必要があります。

ついつい、積極的に摂った方がよい栄養素をしっかり摂りたくて偏りがちになりますが、できるだけいろいろな栄養素をバランス良くとる方がおすすめです。

少しずつ食べよう

妊娠初期はつわり、後期にはお腹が大きくなりすぎてなかなか思うように食事がとれなくなってしまうこともあるかもしれません。つわりの時には脱水症状にならないように水分補給には注意して無理しないように食べられるものを口にしましょう。

後期は大きなお腹に胃が圧迫してなかなか食事が進まないかもしれませんが、1日3食にこだわらず食べられる時に食べられる量を少しずつ食べるというやり方でも大丈夫ですよ。

妊娠時期で食べる量を調節して太りすぎには注意しよう

妊娠中は医師や助産師に指導されることもあり体重管理に悩んだりピリピリしてしまったりすることもあるかもしれません。過度な体重増加は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクを高める危険性もあるので注意は必要です。しかし、通常はそこまで神経質になる必要はないので大丈夫です。

通常、推奨の体重増加は下記のように言われています。

  • BMI:18.5未満(痩せ気味):9~12kg程度
  • BMI:18.5~25未満(標準):7~12kg程度
  • BMI:25以上(太り気味):5~7kg程度

そして、カロリー摂取の目安としては通常に比べて下記を+することが目安にされています。

  • 妊娠初期:+50kcal(目安:バナナ1/2本分)
  • 妊娠中期:+250kcal(目安:茶碗1杯分)
  • 妊娠後期:+450kcal

妊娠すると両親や祖父母世代はまだまだ「2人分食べなくては」と言うアドバイスをされるかもしれませんが、決してそんな必要はありません。むしろ、2人分も食べたら食べ過ぎになるので注意が必要です。

つわりがひどい時にできることとは

つわりはそれぞれ程度の差はありますが、中には食べるのがつらいという人もいるのではないでしょうか?しかし、食べないと赤ちゃんに栄養が届かないのではとか足りないのではと心配になるかもしれませんが、思いつめなくても大丈夫です。自身の気分に従いましょう。どうしても悩んでしまうという方は下記のことに気をつけてみましょう。

  • 無理して食べない お腹がすいたら食べる
  • 食べられる食材1つのみでも大丈夫
  • 1日3食でなくてもっと細かく回数を分けて食べる

つわり中におすすめのレシピ

梅でさっぱり冷や汁

【材料】

  • だし 1カップ
  • 味噌 大さじ1
  • すりごま 大さじ2
  • 梅干し(もしくは梅肉)1個分(酸っぱいのが良ければ2個分)
  • 木綿豆腐 1/4丁
  • きゅうり 1本
  • 青じそ  3枚
【作り方】

  1. きゅうりはスライスして塩もみして水けをきる。梅干しは種を取り除き、軽く包丁でたたいておく。青じそは千切りしておく。
  2. ボウルに味噌とすりごま、豆腐、①の梅干しを入れて、豆腐をつぶしながら混ぜ合わせる。
  3. ②にだしを入れて混ぜ合わせる。
  4. ③に①のきゅうりと青じそを加えて混ぜ合わせたらできあがり。

そのまま食べてももちろん大丈夫ですが、ご飯の上にかけて食べるのもおすすめです。梅干しのような酸っぱい物を加えてあげると酸味は食欲も促してくれるので、他にもレモンの絞り汁や酢などを使うのもおすすめです。

妊婦さんへのお土産やプレゼントでおすすめなお菓子や食べ物とは

妊婦さんへのお土産やプレゼントでおすすめなお菓子や食べ物とは

妊娠中の友人や知り合いの所に遊びに行く時に悩んでしまうのが、どんなお土産やプレゼントが喜んでもらえるのかということではないでしょうか?

普段はそこまで気をつかっていなかった方でも妊娠を機に食べ物には気をつかうようになったという方も多いので、そんな時におすすめのお土産やプレゼントを紹介させていただきます。

  • 干し芋
  • ノンカフェインのコーヒーや紅茶
  • ノンカフェインの飲み物
  • ドライフルーツ
  • ナッツ(できれば無塩)

干し芋は自然の素材そのままの甘味を活かしており砂糖も使われておらずおすすめです。将来的には、赤ちゃんのおやつにもピッタリです。

また、最近はだいぶ美味しいノンカフェインのコーヒーや紅茶も出てきているので、妊娠前に大好きで今は飲めなくて我慢しているという方にはおすすめです。このように飲み物だとノンカフェインのもの、食べ物だと素材そのままでおいしく食べられるものがおすすめになります。

妊娠中はあまり神経質にもなりすぎず体が喜ぶ食べ物を摂り入れていきましょう

妊娠中はホルモンバランスの関係で精神的にも不安定になってしまい、食べ物や体重管理に関しても神経質になりすぎてしまうこともあるかもしれません。しかし、1番害になるのは何を食べるか、どのくらい食べるか等ではなくいかにストレスなく食を楽しむかだと思います。

基本的には問題なく順調な妊婦生活を送れているのでは細かく気にする必要はありません。自分の心の声を聞いて食べたいものを食べたい時に楽しく食べることを心がけてみてください。体が喜ぶものを食べて快適な妊婦生活を過ごしましょう。

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