最近新たに話題となっている『知育』ですが、実際はどんな教育なのか知っていますか?いつから始めればいいのか、適切な方法は?子どもの発育・年齢に合わせた知育方法を選び、便利なアイテムを活用して楽しく知育を始めてみましょう。家にあるもので今日からでも実践できるアイディアもご紹介します。
『知育』って一体なに?
『知育』とは?
『知育』とは、教育の基本である三育のうちの一つで、読んで字のごとく『知能を育てる教育』のことです。三育とは『知育(頭の教育)』『徳育(心の教育)』『体育(身体の教育)』を言い、教育ではこの三育をバランスよく取り入れることが重要とされています。
知育で育てる『知能』って?
『知能』とは、単に読み書き・計算ができるなどの『頭の良さ』を示すものではありません。一人で自立して生きていく中で直面する様々な局面において、自分の頭で考え判断・行動する力であり、思考力・発想力・想像力などを指します。
知育を行う上でのポイント
「この子の将来のために!」と張り切って、親のペースで知育を進めようとするのはあまり得策とは言えません。新しいことを知り、考え、なんども挑戦することで知能は育まれます。
そのためには、子ども自身が「楽しい!もっとやってみたい!」と思えることが大切です。子どもの発育・年齢に応じた知育方法を選び、好きなキャラクターを取り入れる、がんばればクリアできそうなレベルに設定をするなど「楽しい!」と思える工夫をしましょう。
ついつい手を出したくなりますが、失敗することが『考える』ことへのエネルギーになります。挑戦を否定しない、他の子と比較しないことが大切です。
知育の方法
知育の方法には、大きくわけて以下の三つがあります。
- 知育玩具や教材を用いて行う
- 日々の生活の中で工夫して行う
- 知育教室などに通って行う
どの方法においても、子どもの発育・年齢に合わせた玩具や教材を選び適切な目的を設定することが大切です。
知育ラボのイベントに学ぶ
外部の知育イベントからヒントを得ることもできます。『知育ラボ』では、知能を養うのに必要な要素やその方法を研究・開発し、イベントや教室でのレッスンにおいてそれらを発信しています。
レッスンを受けたことがない一般の方でもイベントに参加することは可能です。親子で一緒に参加し、子どもの反応や表情を見ることで新たなヒントが見つかるかもしれません。
いつから始める?年齢別の知育方法
ずばり、0歳から知育を!…と言われていますが、早くても遅くてもいけないことはありません。子どもたちはすでに、日々の生活の中でたくさんの刺激を得ています。そこに少し工夫を加えてあげるだけで効果的な知育に繋がります。
知育は、子どもの『感覚』を育てることから始まります。視覚・聴覚・触覚などの感覚に外部からの刺激を与えることが脳の発育に繋がります。
また身体を大きく・指先を細かく使うことで自分の身体がどこにあるかを認識し(固有感覚)、力加減や微細なコントロールを身につけます。これらの脳への刺激が知能の発達を促していきます。
0〜1歳(赤ちゃん期)
赤ちゃんにとっては全てのものが新しい刺激です。たくさんのおもちゃ・遊びに出会って、見る(視覚)・聞く(聴覚)・触る(触覚)ことでたくさん感覚を刺激しましょう。
見る(視覚)
赤ちゃんの視力は弱く、2〜3歳までに徐々に上がっていくので、色やコントラストがはっきりしているものや、動きが単純で見えやすいものを用いるとよいでしょう。
聞く(聴覚)
実はお母さんのお腹の中にいるときから、外の世界の音や声は聞こえているとも言われています。歌や音楽、絵本の読み聞かせなどでたくさん音の刺激を与えてあげましょう。
「言葉が出ないうちから絵本は早いのでは?」と思うかもしれませんが、言葉が出るまでに『言葉のシャワー』を浴びせることで、やがてあふれ出るように言葉を話し始めます。言葉だけでなく絵本にはたくさんの新しい刺激が詰まっていますので、どんどん活用してください。
触る(触覚)
トゲトゲしている、ツルツルしている。暖かい、冷たいなどの物の性質を実際に触って肌で感じることも脳への刺激になります。また、「ここに物がある」という物質との距離・接触の感覚や、どれぐらい力を入れれば持てるのか・落ちるのかなどの力加減を学ぶこともできます。
2〜3歳(幼児初期)
言葉もたくさん出てきている時期です。周りの物への興味が広がり、挑戦する遊びの幅も広がっているでしょう。この時期には、たくさんお話をしたり、指先を使う遊びを取り入れたりするようにしましょう。また、順番や法則がある遊びを取り入れるのも効果的です。一人遊びから、人と一緒に遊ぶ時間を増やしていきましょう。
4〜5歳(幼児期)
感覚刺激をよりレベルアップしていきます。指先を細かく使うことに加えて、完成までの順序を覚えるなど記憶力を刺激する遊びも効果的です。折り紙やあやとり、料理など興味があるもので取り組みましょう。
また保育園や幼稚園に通い始めると、同年代の子どもとの関わりも増えていきます。ごっこ遊びなど役割があるものや、協力して一つの物を作るといった活動も効果的です。また書き言葉にも興味が出てきます。生活の中で平仮名や数字に触れる機会を作ってもよいでしょう。
方法1:知育玩具や教材を用いて行う
遊びと知育のちがい
子どもは遊びから多くのことを学び身につけます。遊びにプラスして、もっと挑戦したくなる、「自分で考えてクリアするのは楽しい!」と思える要素が含まれているのが効果的な知育です。
普段の玩具・遊びにちょっと工夫を加えるだけで、脳への刺激を何倍にも増やすことができます。
知育玩具を使ってみよう
特に知育におすすめな玩具を紹介します。
パズル
型はめのみの単純なものから、ピース数の多い複雑なものまであり、キャラクターや動物などモチーフが多岐にわたるので、様々な年齢・性別の子どもに使えます。
同じ形を見つける、全体の絵を把握して部分の組み合わせを考える、向きや合わせ方を試行錯誤するなどの過程で考える力を育むことができます。
ブロック
ブロックも男女ともに使える玩具です。一から生み出す想像力を養うとともに、どれぐらいの力を込めればブロックを繋げられるのか、力加減を試行錯誤するのも立派な挑戦です。
カラフルな見た目は視覚への刺激にもなり、赤ちゃん期から楽しめます。誤飲予防のため、大きさには注意してください。
積み木
ブロックと同じく想像力を養えますが、それに加えてバランスという新たな要素が入ってきます。いろんな大きさ・形の積み木を組み合わせて、どうしたら高く詰めるのか、どの組み合わせにするとバランスがいいのか、挑戦の幅が広いです。また、順番に一個ずつ積み木を積んで倒したら負け、などゲーム要素を取り入れてレベルアップも可能です。
大人も苦戦!?LaQ(ラキュー)とは
LaQとは、2種類の基本パーツ(四角・三角)と5種類のジョイントパーツを用いることで、平面・立体・幾何学体などを作り出すことができるパズルブロックです。
一般的なパズルで行う縦に積む・横に並べる以外に様々な組み合わせが可能なので、より繊細な曲線や立体を作ることができ、発想力・想像力を掻き立てます。アイディアが湧き出る瞬間を親子で楽しむのにもってこいなのではないでしょうか。
アプリやゲームは救世主!
外出先での待ち時間や、親などが手を離せない家事の時間中には非常に便利です。音を出さなくても楽しめるものもあるので、電車移動中にもうってつけです。
アプリやゲームの強みは、そのパターンの豊富さ。一つの玩具でできたことを、見た目や形がちがう他の玩具でもできるように『般化』させるのに一役買ってくれます。ハマりすぎが気になる場合は、タイマー機能を利用するなどして賢く利用しましょう。
方法2:日々の生活の中で工夫して行う
わざわざ新たに玩具を買わなくても、あるものでできることはたくさんあります。家族みんなでゲームのように、楽しんで学び方を発見していきましょう。
「いま何時?」時計や家の中にあるものを活用
数字に興味が出てきたらチャンスです。時計の読み方はもちろんのこと、読めなくても「長い針が5にくるまで!よーい、どん!」という感じでタイマー代わりに利用してみてもよいでしょう。
カレンダーにもたくさんの要素が詰まっています。数字や平仮名、日付の概念、季節に関する絵など、会話の材料にして発展させてもいいですね。
手作りおもちゃで知育
ちょうどいい知育玩具がなければ作ってしまいましょう。指先をたくさん使いたいのであれば、ストローをペットボトルに入れる、これだけでも立派な知育です。カゴとボールに変えて玉入れにしてもいいですね。
ボタンやマジックテープを使って、つける・はがすという指の運動も効果的です。発育・年齢に応じて大きさを変えて難易度を調整しましょう。
料理などのお手伝いが知育チャンス!
親の行動に興味が出てきたら、お手伝いを頼んでみましょう。『任される』ことで責任感が生まれ、自分で考えようとする意識が働きます。料理の手順など一連の動作があるものは記憶力を育むのにも効果的です。
アイディア満載の知育菓子
水を注ぐ・混ぜる・成形するなどの簡単な作業だけで本物のようなお菓子が作れると人気なのが知育菓子です。お菓子だけでなくお寿司やハンバーガーなど、子どもの興味を引くデザインが豊富です。理科の実験のように「なんで?どうして?」と考えるきっかけを与えてあげましょう。
コミュニケーションで知育
お手軽でパターンも豊富なのが会話による知育。簡単なしりとりや連想ゲームから、条件をつけたしりとりや逆さ言葉遊びなど、たくさん考えて楽しくコミュニケーション。道具がなくてもできるので、外出時などにも行えます。
方法3:知育教室などに通って行う
知育教室とは?
新たに与えるというよりも、力を引き出すのが知育のポイントです。子どもが持つ興味を引き出し「やってみたい!」が見えやすい環境を整え、発育・年齢に合った知育を受けられるのが知育教室です。ただ、教室に入れればいいというわけではなく、新しい環境や人が苦手などその子の性質もあります。子ども本人がのびのび学べる環境を選びましょう。
英語などに特化した教室も
英語も日本語と同様に言語なので、言葉のリズムや音楽が好きな子どもには楽しい刺激になります。身体を動かしながら英語に触れられるなど、年齢に応じた興味の引き出し方をしてくれます。
代表的な知育教室
幼児教室と呼ばれている教室もあり形態は様々ですが、知育を行なっている教室はたくさんあります。ぜひ参考にしてみてください。
「楽しい!」が学びのエネルギー
『知育』という名前だけ見ると難しい印象を持たれるかもしれませんが、必要なのは少しの工夫と好奇心です。「どうやったら楽しくなるかな?」と子どもの姿を想像して考えるのは楽しいものです。
関わる人が楽しんでいれば、これから関わる子どもも楽しくなるもの。いつもの生活を少し視点を変えて見てみるだけで、ヒントが見つかるかもしれませんよ。