ある日突然、上の子が今までできていたことができなくなると、ママとしてはどうしてもイライラしてしまうこともありますよね。これは下の子が生まれたことから起こる赤ちゃん返りという現象です。下の子ができたことで、ママが自分のことよりも下の子ばかり構ってしまうことに対して、不安やストレスが生じ赤ちゃんのような行動をします。しかし、それは上の子の成長の証でもあるので上手に付き合っていきましょう。
ママのための赤ちゃん返りの基礎知識
2人目が生まれて新しい家族ができるのは嬉しいことです。ところが、急に上の子が今までできてたことができなくなったり、過剰に甘えてきたりすることがあります。こんな時どう対処していいかわからなくて1人で悩んでいませんか?
これは「赤ちゃん返り」と呼ばれる現象です。一時的なもののため心配しなくても大丈夫です。ただし、上の子が何歳の時に赤ちゃん返りが始まったかによって対応方法が異なります。
年齢に合わせて適切に対応できないと長引くことがります。そこで、今回は、上の子の赤ちゃん返りが始まった時に慌てないですむように対応の仕方をみていきましょう。
赤ちゃん返りとは
赤ちゃん返りは2人目や3人目のお子さんが生まれた時に、上の子によく起こる現象です。今までできていたことが急にできなくなるなど、言葉の通り赤ちゃんの時と同じ状態に戻ってしまいます。
下の子が生まれることによって、大人が想像する以上に上の子の環境が変わります。今までパパとママの愛情を独り占めしていたのが、独り占めできなくなってしまったと感じ、寂しさや不安を感じます。
そして、自分も下の子のように赤ちゃんに戻れば、またパパやママの愛情を独り占めできると思って赤ちゃんと同じような行動を取り始めます。
例えば、今までできてたことができなくなったり、いつも以上に甘えたり、場合によっては、おねしょやお漏らしです。この時の上の子の年齢にもよりますが、赤ちゃん返りが起こる時は上の子はデリケート状態になっているため、年齢に関わらずなるべく手厚くケアしてあげましょう。
いつからいつまで起こるの?
赤ちゃん返りは、下の子が生まれたことをきっかけに起こります。そのため起こる時期はさまざまです。中には赤ちゃん返りしない子もいます。
しかし、赤ちゃん返りはずっと続く訳ではありません。あくまでも一時的に起こる現象です。赤ちゃん返りの平均期間は5ヶ月くらいです。
また、2歳から8歳の間によく起こると言われています。ただし、この時に適切に対応ができなかった場合などは長引く傾向があります。上の子が突然赤ちゃん返りをしたとしても慌てずに対応しましょう。
赤ちゃんが返りした子がよくする4つの行動
上の子が赤ちゃん返りする原因は、ママやパパに構ってもらえず寂しさからきます。そのため、ママに構ってもらう、ママの愛情を独り占めしたい、と思い赤ちゃんの時の状態の戻ったような行動をします。具体的な行動を順番にみていきましょう。
- 赤ちゃん言葉になる
- おねしょやお漏らしをする
- 過剰に甘えてわがままを言い出す
- 今までできていたことができなくなる
今まで普通のお話しできていたのが、急に赤ちゃん言葉をつかいだします。赤ちゃん言葉を使うことで、「自分はまだ赤ちゃんだから何もできないんだよ」ということアピールして、もっと自分に構ってもらいたいという気持ちの現れです。
トイレトレーニングが終わって、おねしょやお漏らしをしなくなったのに、おねしょやお漏らしをするようになります。おねしょやお漏らしをしてしまう原因は、下の子ができて寂しい思いからストレスは不安を感じていることからです。
おねしょやお漏らしのように無意識にやってしまう赤ちゃん返りには、他には食欲低下やアレルギーの発症、じんましんなど体に症状が現れることがあります。
下の子ができると、ついママもパパも下の子に構ってしまいがちです。そのため今まで自分ことを構ってくれていたのが、構ってもらえなくなり寂しく感じるようになります。
そのため、自分に構って欲しくて、ママやパパの関心を引きたくて、過剰に甘えてくるようになります。
パパやママの注意を引くためにやる行動です。赤ちゃん返りの行動の中で最も代表的な特賞です。今までできてたことでも「できない」と駄々をこねて、ママにやってもらおうとします。寂しい気持ちや孤独感からやってしまうため、無下に扱わないようにしましょう。
2歳児の赤ちゃん返りの特徴と対応方法
2歳児は「魔の2歳児」と言われるように、ママにとって扱いの難しい時期と言われてます。まだ子どもになりきれていない、赤ちゃんの時期です。この時期に下の子が生まれて、赤ちゃん返りが起こってしまった時の特徴や対応方法についてお伝えします。
特徴
2歳児は生まれた時から比べると成長しているようにも思いますが、まだまだ、自分で1人でできることも限られています。子どもというよりはまだ赤ちゃん近いでしょう。
ちょうどイヤイヤ期が始まる時期のため、赤ちゃん返りが原因なのか、イヤイヤ期が原因なのかわからず、どのように対応していいか難しい時期です。
下記のような行動をしてきた場合は、赤ちゃん返りが原因の可能性が高いです。
- ママにべったりと甘えてくる
- 卒乳したのにおっぱいが飲みたいと言ってくる
- トイレトレーニングがスムーズに進んでいたのに、おむつをつけたがる
- 夜泣きが酷くなる
このようにママにとっては、下の子と合わせて2人の赤ちゃんの面倒を見ているような状態になるでしょう。
原因ときっかけ
この時期はまだ自分の置かれた環境や状況を理解できていません。赤ちゃんの時から比べると成長しているようにも感じますが、まだ子どもではなく赤ちゃんの時期です。
下の子が生まれたことによってママやパパを取られてしまったと感じ、その不安や寂しさから赤ちゃん返りをしてしまいます。
対応方法
2歳児の赤ちゃん返りの対応をする時に大事な心構えは、「甘えさせてあげること」です。まだ、たくさんママやパパに甘えたい時期です。そのことをまず理解してあげましょう。
下の子を抱っこしていた時に、抱っこしてと言ってきたら、ママ以外に下の子を抱っこしてもらえる人がいれば、その人に下の子を抱っこしてもらい、上の子を抱っこしてあげましょう。
下の子を抱っこしてもらう人がいない時は、下の子の方をまずはベットなどに寝かせて、上の子を抱っこしてあげましょう。決して、下の子を抱っこしているから、抱っこできないなど拒否してはいけません。
他にも、下の子におっぱいを飲ませている時に、自分も飲みたいと甘えてきたりしますが、この時はおっぱい以外の他のものに気をそらすように仕向けましょう。2歳児だと卒乳しているため、この時期にまたおっぱいをあげるのはよくありません。
おっぱいから気を外らせるために、上の子が大好きなキャラクターのコップで牛乳をあげたりして、「こっちで飲んだ方がかっこいいよ」と伝えてみましょう。この時、そばにいてあげるようにしましょう。そして、甘えさせてあげてり、関心があることを示してあげましょう。
上の子がママに対して話かけてきたり、何かお願いをしてきたらできる限りすぐに対応してあげましょう。決して今忙しいからと後回しにしてはいけません。何かをお願いしてきたら、すぐにママがやってくれるということを行動で示して上げることがポイントです。
もし、どうしてもすぐにしてあげれない時は「あとでね」というように曖昧に返事をするのではなく「これが終わったらね」と、いつしてあげるかをはっきり伝えてあげましょう。
それだけで、ママは自分のことをちゃんと見ていてくれていると感じて安心します。
ママにとってみれば、下の子ができたから、お兄ちゃんやお姉ちゃんとして振舞って欲しいと思ってしまいます。しかし、2歳ではまだそのことを理解する、受け入れることができません。
いくら言葉で伝えてもまだ理解が難しい年齢です。ママが一生懸命教えなくても自然と上の子は自分が年上でお兄ちゃんやお姉ちゃんだと理解していくため、それまでは「もう、お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と叱ったりしないようにしましょう。特に赤ちゃん返りの時期は下の子よりも上の子を優先してあげましょう。
3歳児の赤ちゃん返りの特徴と対応方法
2歳児と3歳児の大きな違いは、3歳になってくると意思の疎通ができるようになり、学習能力もあるという点です。また、周囲の状況も理解できるようになるため2歳児の時の赤ちゃん返りと少し状況が異なります。
特徴
3歳児くらいになると、周囲の変化を理解できるようになるため、下の子が生まれたことも理解できます。また、赤ちゃんが大事だということも理解できています。
ママが大変なことは理解できているので、はじめは不安な気持ちを我慢します。けれど不安が我慢できなくなってしまった時に、突然赤ちゃん返りを起こしてしまいます。また、3歳児の場合一人っ子でも赤ちゃん返りを起こすことも珍しくありません。
原因ときっかけ
3歳児の赤ちゃん返りのきっかけは、2歳児と同じように下の子が生まれて、ママを取られたと感じる不安から赤ちゃん返りします。一人っ子でも赤ちゃん返りをしてしまうことがあります。
その主な原因は環境の変化です。子どもは大人に比べると感受性が高いため、大人にとっては些細なことでも子どもにとっては重大なことだったりすることがあります。そのため、大人が気がつかない小さな環境の変化から不安が生まれて赤ちゃん返りを起こしてしまうことがあります。
対応方法
3歳児の赤ちゃん返りでよく見られる行動は、大きく下記3つです。
- わがままが酷くなる
- 着替えや、食事など今までできたことができなくなる
- 保育園や幼稚園に行くのを嫌がる
これらが代表的な行動です。ママにとっては今までできていたことができなくなると、ついイライラしてしまいます。これらの行動の理由は、赤ちゃんと同じように自分のことを大事にしてと伝えたいためにしています。
なので、まずはその気持ちをよく理解してあげましょう。
3歳児の赤ちゃん返りを対処する時にやってはいけないことは、「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから、我慢して」と注意することです。お兄ちゃんやお姉ちゃんという言葉が悪い訳ではありません。
お手伝いをしてくれたり、今までできなかったことができるようになったと褒める時には「お兄ちゃんだからさすがだね」と使いましょう。
また、赤ちゃん返りが原因でおねしょやお漏らしをしても叱ったりせずに、「今後からは気をつけようね」「トイレにいきたくなったら教えてね」という風に優しく声をかけてあげましょう。この時に大事なのはママがイライラせず冷静に対処してあげることです。
できればこの時期、ママと上の子が2人っきりになる時間を作りたいところですが、保育園に通い出して、お友達も徐々にできたりするとなかなか時間を作ることが難しくなってきます。
しかし、ママとスキンシップを取ることは上の子の寂しさや不安を軽減することに繋がるため、朝や寝る前などなるべく頭を撫でたり、抱きしめてあげたりしましょう。それだけで上の子は安心できます。
基本的にはデリケートな状態になっている上の子を優先します。ただし、3歳児くらいになってくると周囲の状況も理解でき、学習能力もあるためなんでもかんでも許すのではなく、ダメなことはダメだと注意しましょう。
この時に大事なことは、子どもの目を見てなぜしてはダメなのか理由をきちんと伝えた上ですぐに注意することです。
赤ちゃん返りは成長の証!ママも一緒に成長しよう
家事や育児で忙しい時に、今までできてたことができなくなったりすると、まるで赤ちゃんが2人いる状態になってしまうため、ママはイライラしてしまうこともあると思います。
そんな時は1人で抱え込まずに誰かに相談しましょう。もし近くにご両親など頼ることができる人がいればいいですが、もし身近に相談する人がいないなら誰でも気軽に相談できる支援センターや電話相談サービスがあるので上手に利用しましょう。
自治体によっても子育ての悩みを受け付けてくれる窓口もあるため、そのようなところに相談しに行くのもいいでしょう。
赤ちゃん返りした上の子の気持ちを受け止めるためには、まずはママの心に余裕がないと上の子の気持ちを受け止めて上げることができません。上の子ともっと親子の絆を強くする時期だと思って、一緒に成長を楽しんでください。