【医師監修】子供のかゆみ・ポツポツは湿疹?原因と対処法、薬の使い方まとめ

湿疹

井上亜美 先生

子供の肌にポツポツ・ぶつぶつがあったり、かゆがったりしているときは湿疹の可能性があります。かゆみを我慢できずかきむしると悪化してしまうことあるため、湿疹には適切なケアが必要です。ここでは、ドクター監修のもと、赤ちゃんや子供の湿疹の原因や対処法、薬の使い方、選び方などを詳しく解説しています。

湿疹ってどんなもの?蕁麻疹とは違うの?

湿疹とは~湿疹のメカニズム

湿疹とは皮膚の表面に起こる炎症のことを言い、皮膚炎と呼ばれることもあります。湿疹の症状や原因は様々ですが、発生には、「免疫」が関係していることもあります。
私たちの体には、さまざまな刺激から守る「免疫システム」が備わっています。この免疫システムは、私たちの体に入り込んだ異物を排除してくれる重要なもの。しかし、ときに過剰に反応してしまい、かえって体によくない影響をきたすことがあります。この過剰な反応が皮膚で起こったものが湿疹です。
免疫システムの中心となっているのが白血球。なんらかの刺激を受けると、細胞はこの白血球を集めるための化学伝達物質を放出します。この物質がかゆみ神経や毛細血管などの組織に作用してしまうと、かゆみや腫れといった湿疹の症状が出ます。

湿疹と蕁麻疹(じんましん)の違い

湿疹と同じく肌に赤みやかゆみが起きる「蕁麻疹」。湿疹と蕁麻疹は似ているようですが、現れ方や症状の特徴に違いがあります。
湿疹は皮膚の特定の箇所にかさつきやポツポツができ、徐々に進行し少なくとも数日は続きますが、蕁麻疹はみみず腫れや虫に刺されたような膨らみである膨疹ができ、短時間で出たり消えたりを繰り返します。

湿疹の症状

かゆみ

湿疹の代表的な症状にかゆみがあります。
かゆみには、皮膚の肥満細胞から出される「ヒスタミン」という化学伝達物質が関係しています。このヒスタミンが、痛みやかゆみを司る「知覚神経」に働きかけ、その刺激が脳に伝わってかゆみが認識されます。

発疹

湿疹では、まず赤く小さいポツポツや水疱などの発疹が起こり、やがて、ジュクジュクして表皮がただれるびらんとなり、最終的にはかさぶたとなり治癒に向かいます。

ブツブツ~かさぶたまで症状の経過

上で紹介した経過は以下のようになります。

  • 赤いポツポツ・ブツブツができ
  • 湿疹で最初にできる発疹です。紅斑と呼ばれる赤いポツポツ・ブツブツができ、かゆみもともないます。

  • 水疱(水ぶくれ)ができる
  • ブツブツから続いて膿(うみ)をもった水ぶくれができることもあります。

  • びらんや潰瘍(かいよう)ができる
  • 水ぶくれが破れると表皮がただれた状態になります。この状態がびらんで、ただれが真皮より深い部位まで進むと潰瘍になります。

  • かさぶたになる
  • びらんや潰瘍ができたあとは皮膚に膿や血餅がくっついて痂皮と呼ばれるかさぶたができその後徐々に治っていきます。

湿疹の原因

アレルギー

アレルギー体質の人が原因となるものに触れたり食べたりすると湿疹が出ることがあります。アレルギーの原因物質はアレルゲンと呼ばれます。アレルゲンとなるものには実にさまざまなものがあり、化粧品や貴金属、植物、食べ物など、生活の中にあるほとんどのものがアレルゲンになり得ます。子供に多く見られるのが食べ物アレルギーで、アレルゲンとなる代表的な食べ物には、卵、そば、牛乳、大豆などがあります。

外的刺激

皮膚の表面になんらかの刺激を受けることで湿疹が起こるもので、化学物質や紫外線、摩擦などがあります。

カビ感染

白癬菌(はくせんきん)やカンジダ菌に感染することで、その部分に湿疹が出ることがあります。白癬菌はいわゆる水虫の菌で、足の指の間だけでなく体にもできることがあります。カンジダ菌はもともと人間の体に常在する菌で、普段は特に影響を及ぼすことはないですが、体力や免疫力が落ちたとき、湿疹などを引き起こすことがあります。

虫さされ

昆虫に刺されて毒性をもつ物質が体内に入り込むと湿疹が出ることがあります。湿疹の原因となる虫は、蚊や毛虫、ノミ、ダニなどです。特にチャドクガ皮膚炎という病名があるようにチャドクガの幼虫による湿疹は症状が強いことで有名です。

病気が原因で湿疹が起きることも

赤ちゃんや子供に多い病気の中には、湿疹が症状として現れるものもあります。1歳前後までの子供であれば、突然の高熱と発疹が出る突発性発疹があります。1歳以降では、発熱と水疱が見られる水ぼうそう、手の甲や手のひら、足のうら、口の中などに水疱ができる手足口病、リンパ節が腫れて、発熱、赤い発疹が出る風疹などがあります。周囲にうつる病気もあるため、湿疹のほかに特徴的な症状や発熱をともなったり、子供の様子がいつもと違う場合は早めに小児科や皮膚科専門機関を受診しましょう。

赤ちゃん・子供に多い湿疹は?湿疹の種類

接触皮膚炎

外からの刺激を受けて起こる湿疹です。原因物質に触れた部分に赤いポツポツや水疱ができます。「かぶれ」とも呼ばれます。原因物質としては、虫の毒や植物の毒、特定のアレルギーをもつ子供であればそのアレルゲンになります。接触皮膚炎は、原因物質を排除することで治療できます。

内因性湿疹

遺伝や免疫といった体の内部のものが原因で起こる湿疹で、子供に多いアトピー性皮膚炎もそのひとつ。遺伝的にアレルギー体質であるケースが多いです。湿疹は体の特徴的な箇所に起こり、かゆみも強いのが特徴。赤ちゃんや幼児はじゅくじゅくした湿疹になりやすく、小児になると、乳幼児ほど湿った湿疹ではなく乾いた湿疹が多くなります。

脂漏性湿疹

皮脂分泌が多い部位にできる湿疹で、皮脂の分泌が盛んな生後3か月くらいまでの赤ちゃんに多く見られます。頭や鼻、眉毛、耳の後ろなど皮脂分泌が多い部位に発生しやすい傾向にあります。乳児期を過ぎると自然に軽快することが多いといわれています。

湿疹が見られるときの対処法

冷やす

赤ちゃんや子供はかゆいと我慢できずにかきむしってしまいます。湿疹部分をかいてしまうとそこから細菌やアレルギーの原因となる物質が入り込み、よりかゆみがひどくなることも。それだけでなく、悪化してとびひとなってしまうこともあります。子供がかゆがっているときは、その部分を保冷剤や冷たいタオルなどで冷やしてあげると楽になります。

外用薬を使用する

湿疹に有効な薬にはさまざまな種類があります。アレルギーが原因の湿疹には免疫反応を抑えるステロイド、菌が原因の湿疹には菌を抑える抗生物質を使用します。ステロイドはかゆみ、湿疹に対しての一般的な治療となりますが、副作用として、長期間大量に使用すると皮膚が薄くなってしまうこともあります。1日2~3回の塗布を目安としておきましょう。
湿疹の原因がわからないときは、自己判断で市販薬などを使うのは避け病院を受診しましょう。

病院を受診

原因がわからず市販の薬を使用できないときや薬を使用しても湿疹が治まらないとき、湿疹の症状がひどいときは小児科もしくは皮膚科を受診し、医師に処方された薬を指示通りに使用しましょう。
また、まれに内臓の病気や悪性腫瘍が原因となって湿疹が出ることもあります。かゆみがひどいときや発熱をともなっているときは重篤な病気も疑われます。大きな病気を見逃さないよう早めに受診しましょう。

赤ちゃん・子供の湿疹は適切な対処と予防を

かゆいのを我慢できないのが子供です。赤ちゃん・子供のかゆみや湿疹には大人が早く気づき適切な対処をしてあげることが大切です。できるだけかかないよう言い聞かせることも必要ですが、>難しい場合は、冷やす、薬を使用するなどしてできるだけかゆみを抑えてあげましょう。綿などの肌に刺激のないような優しい肌着を身に着けることも重要です。
湿疹の再発や悪化予防のために、原因を取り除いてあげることも大切です。アレルゲンが特定できる場合は周囲のアレルゲンを排除し、子供が触れないように気を配りましょう。原因がわからないときは小児科、皮膚科を受診し、原因を把握しておくことが今後の湿疹予防に大切です。

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