注目度UP!女性ドライバーの魅力と応援企業認定制度の概要

日頃からタクシーをよく利用している人のなかには、最近女性のドライバーに出会うことが多いと感じたことのある人もいるはずです。実はタクシーのみならず、バス、トラックなど、今まで男性の仕事のイメージがあった「ドライバー」に女性が増えていっています。今回は、そんな女性ドライバーの魅力をご紹介します。

女性ドライバーの求人が、なぜ今増えているの?

女性ドライバーの求人が、なぜ今増えているの?

「女性ドライバー応援企業」認定制度ができた

タクシー業界では、2013年から2020年にかけて女性ドライバーを倍増していくために、「女性ドライバー応援企業」認定制度というものができたのをご存知でしょうか?

これは昨今、生産年齢人口の減少に伴う人手不足の緩和のために、潜在的な労働力である女性の活躍の場を増やそうと打ち出されたものです。なお、その概要と認定基準は以下の通りです。

  • 概要
    女性ドライバーの新規就労、定着に取り組む事業者を認定し、認定事業者を国土交通省HPで紹介する他、当該者に対して「女性タクシー運転者の新規就労・活躍推進に関するモデル事業業務」の報告書及び関連冊子等を提供する

認定基準

  1. 雇用目標
    女性ドライバーの雇用目標を設定していること
  2. 労働環境
    女性ドライバーを含め、従業員が働きやすい施設・勤務形態の整備などに取り組んでいること、または整備に向けた目標が明確であること
  3. 情報提供
    労働環境に係る情報(勤務形態・福利厚生等)を公表していること

タクシー送迎は地域の移動手段として欠かせないものであり、観光事業においても大きな影響を与えるものです。2020年の東京オリンピックに向けて、今後さらに利用者が増えると見込まれており、女性ドライバーの雇用を増やすことは、外貨獲得など、日本の経済を動かすためにも大切なことといわれています。

タクシードライバーは勤務時間においても柔軟な対応が可能なため、子育て中の女性やパートタイム労働者、ダブルワークにも適していると言えます。勤務中に塾や学校から子供を迎えに行くことも可能です。基本的に24時間いつでも勤務できるので、時間に関して言えばかなり融通のきく仕事です。

また、基本的には一人で行う仕事ですので、煩わしい人間関係の悩みから解放されたい女性にもおすすめの仕事と言えます。実際に、会社勤務が合わなくて転職した方も多くいるようです。

働くにあたって一番多い悩みは、人間関係についてのストレスといわれています。ドライバーの仕事はそういった事から離れたい人にぴったりの働き方です。もちろんタクシードライバーは接客業ですので、良いお客様ばかり、というわけではありませんが、基本的には一度きりの関係のため、オフィスで社員と長期的な関係を続けるよりは良いのではないでしょうか。

運輸業界の人手不足

タクシー業界のみならず、トラック、バスなどの運輸業界全体にも、女性ドライバーの雇用を推進していく動きが見られています。やはり全体的な人手不足が深刻化していることと、ライフスタイルの多様化に伴って、利用者のニーズも細分化され拡大していることが背景にあるとされています。

電車内での痴漢から女性を守るために「女性専用車両」ができたように、女性専用バスや「女性だけのバスツアー」などのリクエストもあるそうです。車内で一夜を過ごす夜行バスを利用する女性にとっては、女性専用があれば安心して眠ることができますよね。

また通販の利用者が増えて、配送スケジュールが過密化していることも女性の雇用を推進している一因です。

女性ドライバーが少なかった3つの理由

女性ドライバーが少なかった3つの理由

【ドライバー共通】女性と男性の脳の違い

脳生理学においては、女性に比べて男性の方が、距離や方向、大きさ、位置を認識する「空間認識能力」が高いといわれています。「女性は運転が下手」「ドライバーは男性向き」といわれていたのはこのためです。

反対に、女性が男性よりも優れているとされているものに、言語や共感能力といった「コミュニケーション能力」が挙げられます。これは、動物のオスが自分の縄張りを把握する能力が必要だったこと、対するメスは縄張り内における上下関係や役割分担などの調整能力が必要だったことに起因しているとされています。進化のなごりと言えますね。

また、2002年に世界中でベストセラーになり日本でも話題になった「話を聞かない男、地図が読めない女」という本にあるように、女性は方向音痴な方が多いです。

やはり本能的に男女で得意、不得意な分野はあるとは思いますが、どちらもトレーニング次第で向上できることです。また、GPS機能やカーナビゲーションシステムが飛躍的に進化したことで、女性がドライバーになるための環境が整ったと言えます。

【トラック】筋力・体力の違い

筋力・体力においては、やはり男性の方が優れている場合が多いのが事実です。特に長距離移動や重いものを運ぶトラック業界では、それが顕著になります。しかし、ドローンや積み下ろしを補助してくれる機械の導入など、日々進化している技術があり、将来的には男女の体力差をカバーできるとまでいわれています。

こうした技術の発展により、今後ますます女性ドライバーが活躍できることでしょう。

【タクシー】性犯罪のリスクがある

やはり女性が働くうえで、どの業界においても性犯罪のリスクはつきものです。特に昼夜を問わず車という密室で移動するタクシードライバーは、そのリスクも大きいとされています。しかし、最近ではドライブレコーダーが導入されたことにより、犯罪行為への大きな抑止力ができたといわれています。

また運転席と後部座席を遮断するボードの設置なども、効果が大きいといわれています。今後さらに、こうした対策が積極的に導入されていけば、女性ドライバーとして、より活躍しやすくなりますね。

女性ドライバーのメリット・デメリット

女性ドライバーのメリット・デメリット

女性ドライバーのメリット

【タクシー】陣痛タクシーなど女性ならではのサービスができる

最近「妊婦タクシー」や「陣痛タクシー」といった言葉を聞いたり、タクシーの車内にこうしたステッカーが貼られたりしているのを、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?駐車場代の高さや、車にかかる維持費と、実際に運転する時間が釣り合っていないため、自家用車の保有率が年々減少している都内を中心に、こうしたサービスが増えています。

事前にかかりつけの病院を登録しておくことで、定期健診や急な陣痛、緊急時にも素早く確実に病院に向かうことができるサービスです。男性、女性どちらのドライバーも対応していますが、やはり女性の方が良いという声が多いそうです。もしものときに出産経験のある女性ドライバーなら、落ち着いて対応できる可能性も高いでしょう。

また出産経験がなくとも、男性よりは女性の方が安心できるという気持ちは大いに理解できます。乗り降りの介助など身体に触れることも、女性の方が抵抗感はないでしょう。

また、共働き夫婦が増えているなかで、塾や学校の送迎に子供だけでタクシーを利用できる「子供タクシー」というサービスもあります。事前にクレジットカードと送迎先の住所、指定時間を登録しておけば子供にお金を持たせなくても安全に送り迎えをしてくれるサービスです。

子供タクシーを利用する家庭の多くが、なるべく毎回同じ人で、女性ドライバーの方が子供も安心できると希望しているそうです。男性でも安心感のある人は多くいますが、大切な我が子を預けるのですから、少しでも安心したいという親御さんの気持ちも分かる気がしますね。今後さらに女性ドライバーの需要が高まっていくサービスと言えます。

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【タクシー】密室でも女性客に安心してもらえる

女性がタクシーに乗る際に、やはりドライバーが同性だと安心感は大きいのではないでしょうか。特に深夜や長距離移動だと、とても重要です。閉ざされた密室に知らない人同士でいる、ということは少なからず緊張してしまうものです。

自宅に送迎してもらうときも、男性ドライバーだった場合は、自宅の前に付けてもらうことに抵抗があるので手前で降りる、という女性はとても多いです。男性がすべて悪いわけではありませんが、ストーカーによる被害が増えているなかで、タクシードライバーであっても知らない異性に自宅を知られたくないと警戒する女性の気持ちはよく分かりますね。

また、送迎中に男性ドライバーから性的なジョークを言われた、実際に性犯罪の被害にあった、という事例もあります。もちろん多くの男性ドライバーは、真面目に仕事をしていますが、こうした事例があることで、不安に思う女性が多く存在しているのも事実です。その点、女性ドライバーなら安心できると、タクシーを呼ぶ際に女性ドライバーを指定する利用者が増えているそうです。

また、タクシーの利用客の中には気分が優れないため利用する人も多くいます。先ほども「陣痛タクシー」で触れたように、玄関先まで身体を支えたり、介助が必要なこともあるのです。力は弱くとも、女性の方が抵抗なく受け入れて貰えることでしょう。

【トラック】男性に見られたくない商品も届けられる

ライフスタイルの多様化に伴い、大きく変化したもののひとつに「通販の充実」が挙げられます。日用品や生活雑貨、食料品も自宅に居ながら受け取れるサービスが拡大しています。こうしたサービスを受けるにあたって、生理用品や下着などは男性に届けて欲しくない、という声も多くあるそうです。確かに、男性が運んできたら気まずい商品はありますよね。

また、先程のタクシードライバーでも触れましたが、自宅に知らない男性が来ることに抵抗感がある女性は多いものです。一人暮らしの女性や、力の弱いお年寄りの家庭などでは、特にその傾向が強いといわれています。

許し難いことですが、配送業者や、それを装った犯人による性犯罪や強盗事件が起きていることも事実です。何かと物騒な事件が多いなかで、警戒することは当然の反応と言えます。

そして、地域をまわる女性配送員が「おばあちゃん元気?」と声をかけてくれたり、少し話し相手になってくれたりするのが楽しみ、というお年寄りも多いそうです。コミュニケーション能力の高い女性ならではの、心のこもったサービスと言えますね。

一人暮らしの高齢者が増えている中で、こうした声がけなどのサービスは、孤立してしまう人を作らないために、地域にとっても大切なことです。地域と連携して力を入れて進めていってほしいですね。

女性ドライバーのデメリット

女性ドライバーのデメリット

【ドライバー共通】生理痛など体調が不安定なときがある

働く女性にとって、生理の悩みはつきものです。運送業界においても、やはり重要な課題です。特にトラック、バスなどは到着予定スケジュールが綿密に決められていることが多く、自分のタイミングで簡単に休憩をとるわけにもいきません。女性の体調管理が厳しく求められる業界と言えます。

しかし、無理をして仕事をしたために事故を起こしてしまうことは絶対にあってはならないので、緊急時はきちんと報告し、指示を仰ぎましょう。

【トラック】トイレが見つかりにくい

長距離移動が多いトラックドライバーにとって、トイレ問題は深刻な悩みと言えます。男性であれば(本来は良くないことですが)緊急時は車を止めて物陰で…ということもできますが、女性はそうはいきません。

高速道路なら、サービスエリアなどをこまめに利用できますが、山間部の一般道などでは、トイレを見つけるのはとても困難です。女性ドライバーは特に、どうしても、というときのために大人用のおむつや携帯トイレを常備していることが多いそうです。コンビニやスーパーなどで働く人は、困っている女性ドライバーが居たら快くトイレを貸してあげてくださいね。

【トラック・タクシー】重い荷物を運ぶのに苦労する

やはり、力の問題はあります。重い荷物の積み下ろしは、女性にとっては大きな負担となります。運輸業界において、男性のサポート体制を整えておくことが、今後の課題と言えるでしょう。

またタクシーでも、ドライバーが女性の場合、トランクの荷物を出し入れするのは大変です。どうしても重い場合は、思い切ってお客さんにサポートしてもらいましょう。ただし、壊れ物の扱いなどは女性の方が適していることもあるので、一言に荷物の積み下ろしといっても、男女それぞれ得意不得意がありますね。

【タクシー・バス】泥酔客の対応など危険もある

泥酔客の対応は、男性ドライバーであっても手に負えない場合があります。暴れだしたり、意識が混濁して目的地が二転、三転したりと何かと厄介です。また、泥酔して寝てしまった乗客に対してであっても、通常、タクシードライバーは乗客の身体に触れることは禁止されています。これは貴重品の盗難やわいせつ行為などあらぬ疑いをかけられないための予防策です。

自分一人では対応できないと判断した場合は、無理せず近くの交番に行くことが推奨されています。また、泥酔客ではなくとも、声を荒げたり暴言を吐かれたりするなど、危険を感じたらすぐに助けを求めてください。

「女性は運転が下手でドライバーに不向き」なんて言わせない!

「女性は運転が下手でドライバーに不向き」なんて言わせない!

男女での車の事故について調査した結果、死亡事故につながる重大な事故は男性ドライバーの場合が圧倒的に多いことが分かっています。なお、その数は女性の二倍以上にも上るそうです。これは、男性の本能的な闘争心に起因しているものではないかといわれています。

バイクや車などのモータースポーツにおいて、女性でも活躍している選手がいますが、やはり男性の数の方が圧倒的に多いです。また、これらのスポーツのファンも男性の方が多いですよね。スポーツでは、男性ホルモンであるテストステロンという物質の分泌が多い方が有利に働くとされています。これは、テストステロンは攻撃性や闘争心を刺激する効果があるためです。

スピードを競うモータースポーツは、このテストステロンと、恐怖や不安を麻痺させて高揚感をもたらすアドレナリンの分泌が特に多いといわれています。

人間に進化する前の人類の祖先は、オスは獲物を追って走り、狩りをすることが生きていくためには必要なことでした。獲物によっては逃げ足の速いもの、危険なものも多く存在していたなかで、生き抜くために必要な本能が闘争心と攻撃性だったのです。対してメスは、争いごとを好まず、安全な巣で子供を産み、守り育てていく本能が強かったのです。これが母性本能といわれています。

スピード競技や格闘技に男性が引かれるのは、この本能を刺激されるからといわれています。日常生活においても、運転することで、この本能が刺激される男性は多いのです。前に走る車を追い抜きたい、もっとスピードを出したいという欲求が、女性よりも強く沸き上がりやすいといわれています。

普段は穏やかな人なのに、ハンドルを握ったとたんに、人が変わったように攻撃的になる、という方もいますよね。こうしたことから、男性の起こす事故は、スピード違反や、無理な追い越し、信号無視による事故など、人の命に係る重大な事故につながりやすいといわれています。

一方、女性の起こす事故の多くは、車庫入れの際のミスや、壁などへの接触事故など比較的軽度なものが多いそうです。もちろん人身事故もゼロではありませんが、スピードがそれほど出ていないことが多く、助かりやすいとされています。

「女性のドライバーは下手くそだしトロい」
「女性のドライバーは道が分からないからめんどくさい」

など、女性ドライバーについて、こうした声を良く聞きますが、果たして本当にそうでしょうか?確かに車庫入れが苦手だったり、道に詳しくない女性は多いかもしれません。ですが、だからこそ慎重な運転ができるのではないでしょうか。

ドライバーという仕事に一番大切なことは、ずば抜けた運転技術でも、道に対する知識でもなく、安全に物や人を送り届けることです。もしも道に詳しくないならカーナビを使えば良く、女性ドライバーが男性に劣ることは、「力」のみではないでしょうか。

女性ドライバーとして働くには今がチャンス!?活躍の場を広げよう

男女問わず言えることですが、ドライバーが増えることによって救われる人がたくさんいることを知って欲しいものです。暗い夜道の一人歩きで車の灯りにほっとした経験がある方も多いはずです。

また深夜、子供が一人で置き去りにされているのを、発見したタクシードライバーによって保護され、事なきを得た、山道で徘徊する老人をトラック運転手が保護した、襲われそうになっていた女性を保護した、など一歩間違えば重大な事件になることを未然に防ぐこともあるのです。

ドライバーの仕事は物や人を安全に運ぶことはもちろんですが、こういった人助けにも繋がります。暗い夜道をヘッドライトで照らすドライバーは、安全な街づくりに大きく貢献していると言えるでしょう。

2020年には東京オリンピックが開催されます。国内外から訪れる人に安全で快適な移動をしてもらうためにも、女性ドライバーはもっと活躍する必要があります。女性だからこそ出来る細やかなサービスやアイデアも、まだまだたくさんあるはずです。運転免許をお持ちなら、これから大きく飛躍していくことが予想される女性ドライバーに、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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