【医師監修】子育てママ必見、夏の感染症「ヘルパンギーナ」に要注意! 原因や症状・早期発見法について

ヘルパンギーナ

大井美恵子 先生

ヘルパンギーナとは夏にひく風邪の一種で、小さい子供に多く見られる症状です。ウイルス性の疾患で年齢が低くなればなるほどかかりやすくなります。今回は、ヘルパンギーナの原因や症状、治療や予防方法などを中心に見ていきます。正しい知識を学んで、適切な対応をしましょう。

ヘルパンギーナとは

6月のはじめからかかる方が多く、免疫力が低い赤ちゃんや小さい子供など間で流行する夏風邪の一種です。さらに個人差もあるので、何度もかかってしまう感染症です。
毎年6月~8月の間で急激に増える病気で、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱と三大夏風邪と言われるくらいです。発熱やのどの痛みなどが症状として多く見られ、原因に対して、有効なワクチンがないので、症状に合わせた対症療法のみとなっているのが現状です。

聞きなれないヘルパンギーナの正体

ヘルパンギーナは、急性のウイルス性咽頭炎です。ヘルパンギーナの多くは、エンテロウイルスが原因とされており、宿主はヒトだけです。エンテロウイルスから派生するウイルスとして、コクサッキーA群、B群、エコーウイルスなどがあります。
エンテロウイルスは感染力が強く、個人差があるが、2週間~4週間ヒトの体内に存在するケースもあります。ヘルパンギーナは、かかる年齢も毎年同じ傾向にあり、特に5歳以下に症例が多く、1歳、2歳、3歳、4歳の順番でかかりやすくなっています。

赤ちゃんに多い病気

赤ちゃんや小さい子供は、生まれてから間もないため、病気に対する免疫力がそこまで高くありません。もちろん大人でも免疫力が低下しているときにかかりますが、赤ちゃんや小さい子供ほど発症しているケースは多くありません。
またヒトのみに感染する病気なので、飛沫感染や接触感染など、特に他の赤ちゃんや小さい再子供からの感染が多くみられるため、保育園や幼稚園、託児所などから感染してしまう場合があります。そのためご自身の子供がヘルパンギーナになった場合は、2次感染を防ぐように意識しましょう。

ヘルパンギーナの原因は何?

ヘルパンギーナの原因は、エンテロウイルスと言われており、熱帯で多く発症する感染症です。一年で最も暖かくなる夏に増加し、8月の終わりころには減少する傾向がみられます。エンテロウイルスは、風邪の原因ウイルスとして認知されているアデノウイルスに似ており、発症した場合は、発熱や席など軽微なものから、のどの炎症、呼吸困難など多岐にわたります。

悪さをするのはウイルスだった!?

エンテロウイルスは、ピコルナウイルス科に含まれるRNAウイルスの総称です。さらにコクサッキーウイルスA群、B群、エコーウイルス、エンテロウイルスの68~71型など多く派生するウイルスがあります。
例えるなら、ラーメンというカテゴリに含まれる、とんこつラーメンや塩ラーメンと言ったところでしょうか。ヒトに感染症を引き起こすエンテロウイルスは、64種類もあると言われています。

アデノウイルスについて

ウイルスの中にアデノウイルスというものがあります。アデノウイルスは、風邪をはじめ、胃腸炎や結膜炎などの症状を引き起こすウイルスです。このアデノウイルスはエンテロウイルス同様、夏風邪を引き起こす原因と言われています。
エンテロウイルスは、ヘルパンギーナや手足口病を引き起こします。症状に個人差はありますが、一週間ほどで治るのがほとんどです。
アデノウイルスはが引き起こすものとして有名なのは、風邪や咽頭結膜熱があり、咽頭結膜熱の症状はのどや目が赤くなり、発熱により痛みを伴うことが多い病気です。プールから感染することが多いので、プール熱とも呼ばれています。エンテロウイルスとアデノウイルスは構造が似ていることもあり、一般の方が判断しにくい病気の一つです。

ヘルパンギーナの症状とは?

ヘルパンギーナの主な症状として、38~40度前後の高熱、のどに炎症が起こったり、口の中に炎症や水疱がでたりします。のどや口の中の炎症が強くなると痛みが大きくなるので、食事がしにくい場合があります。
もし、赤ちゃんや小さい子供が食事中にあまり食べなかったりした場合は、口の中を見ると発見できるケースがありますので、気になった方はまず口の中を見てみると判断しやすいかもしれません。

強い感染力と潜伏期間

ヘルパンギーナは、ヒトのみに感染するウイルスですので、飛沫感染や接触感染ですぐにヒトから人に移ります。ヘルパンギーナの潜伏期間は、通常2日~1週間ほどと言われています。
感染力も強く、保育園や幼稚園、学校のプールなどで感染するケースが多い病気です。発熱は長期間ではありませんが、3日くらいで治った後も、体内に存在し続けます。約2週間~4週間も便の中に混ざっていたという症例もあるので、当たり前ことですが、手洗いやうがいによるケアはしっかりとしておきましょう。

高熱が出る

ヘルパンギーナに多くみられる症状の一つに高熱があります。発症時は、38度くらいの熱が出て、大体39~40度まで熱が出る場合もあります。また、高熱によって倦怠感や関節の痛みなど個人差はありますが、これらの症状が出ます。稀にですが、急な高熱で熱性痙攣も引き起こす場合があるので、すぐに専門の医師に診て対応しましょう。

水疱が出る

水疱とは、ヒトの皮膚や神経が集まる場所、粘膜などにできる米粒状の発疹です。ヘルパンギーナになった場合、口に水疱ができたり、口の中が炎症したりします。水疱の大きさは、2ミリ~4ミリ程度のものが多く、口の中を見たときに判断できるものなので、怪しいと思った場合は、口の中を確認するようにしましょう。

喉の部分に炎症

ヘルパンギーナの代表的な症状の一つに喉の炎症があります。のどが赤く晴れ、ひどい痛みを引き起こします。症状がひどい場合だと食事や水などの飲み物を摂取することも難しくなります。あまりの痛みに唾も飲み込むことができなくなるケースもあります。

ヘルパンギーナの治療方法や薬は?

ヘルパンギーナには明確な治療薬がありません。症状に合わせた対症療法になります。熱が出た場合は、熱を下げる薬を使用し、口の中の炎症や水疱などがひどい場合は、点滴で水分や栄養を補給することになります。

まずは、専門の医師に診てもらい、適切な薬を処方してもらった後は、自宅などで安静にして十分な水分補給をするようにしましょう。
ヘルパンギーナの症状は、3~4日で収まる場合が多いのですが、重症化する場合は入院ということにもなります。

症状に応じた対症療法

ヘルパンギーナはピークが3~4日ですが、ウイルス性のものでるため役一週間くらいは治療機関に当てましょう。ヒトによってひどくなる症状が違ってきますので、口の中の水疱が大きい場合は、医師に診てもらい有効な薬を処方してもらった後の栄養や水分補給は、のど越しが良いものを中心に栄養を摂るようにし、刺激が少なく、高温でないものでケアしましょう。
また、高熱が出た場合は、医師から処方された薬を飲んで、熱を下げましょう。自分で勝手に判断して、薬を飲んでしまうと無理に熱を下げることになるので体に負担をかけてしまう可能性があります。市販のものを使う場合は先に医師に相談した後に使うようにしましょう。

市販の風邪薬で対応

市販の風邪薬を使う場合は、医師に診てもらった後にしましょう。また市販の薬を使う目的は、痛みや熱を和らげる場合にのみ使用するようにしましょう。市販で買えるものとして、ロキソニンSやEVE(イブ) などがあります。子供の場合は、小児用のものもあります。
口の中の炎症や水疱がひどい場合は、痛みを和らげる塗り薬のケナログや、リステリンなどでの口内殺菌、鎮痛効果のあるうがい薬などもあります。
当たり前のことではありますが、まずは医師に診てもらってからにしましょう。また上記の薬を使用する場合は、医師に相談し問題がなければ使うようにしましょう。決して、自身の判断で使わないでください。

十分な水分補給

ヘルパンギーナの対症療法の一つとして、十分な水分補給があります。ヘルパンギーナに発症している場合、のどや口の中の痛みが強いので、酸味の強いものや味が強い飲料水は控えてください。
小さい子供の場合は、氷を舐めさせて少しずつ水分を取るような形でも構いません。症状にもよりますがベストな水分補給法として、水や麦茶、スポーツ飲料水などをおすすめします。

ヘルパンギーナの感染経路は?

ヘルパンギーナの主な感染経路として、かかった人の咳やくしゃみがあります。ヘルパンギーナは、エンテロウイルスに属するコクサッキーウイルスが原因でひきおこされます。コクサッキーウイルスは、米国のニューヨーク州にあるコクサッキーで最初に発見されたことからこの名前がついています。コクサッキーウイルスは、A群B群の2種類に分けられます。
上記のことから、コクサッキーウイルスは様々なタイプがあります。このためヒトによっては、何度もかかってしまう場合があります。明確な治療薬がなく、対症療法になってしまうのもこのコクサッキーウイルスに多くのタイプがあるからなのです。

外的要因が多いヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、ヒトのみかかる感染症であり、ヒトからヒトに移ります。移る際は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染や手が触れることで感染する接触感染の二つになります。どちらも自分自身が原因ではなく、子供の場合は保育園や幼稚園、プールなどで移されます。外的要因でヘルパンギーナになることが多いのです。

飛沫感染

ヘルパンギーナにかかった場合、ウイルスは喉から検出されます。そのためヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみによって発生する飛沫に含まれます。2次感染者を増やさないためにもヘルパンギーナと判断された場合は、外出は控え自宅でしっかりと治療しましょう。

接触感染

ヘルパンギーナにかかった人の咳やくしゃみが手に付着し、手足から感染するのが接触感染です。そこから口や眼、粘膜などに入って感染してしまいます。

ヘルパンギーナの予防方法

ヘルパンギーナは、感染力が強く、潜伏期間も症状に出ないのでわかりにくいのが特徴です。まず予防方法として、ヘルパンギーナにかかった人との接触を避けることです。小さい子供の場合、保育園や幼稚園など免疫力の弱い子供が多いので、注意しましょう。
ヘルパンギーナは、3~4日で治りますが、子供の体力回復もあるので、一週間くらいは見ておきましょう。医師に診てもらい登園可能となる段階までしっかりと治療に専念しましょう。
子供が集団で生活を共にする場所での感染力は爆発的で、リスクが高いため保育園や幼稚園では登園の機銃を設けているところもあります。
次にヘルパンギーナの適切な予防方法として、日常生活での手洗いうがいをしっかりすることです。

日常生活での手洗いうがい

ヘルパンギーナは飛沫感染や接触感染で感染してしまうので、マスクや流行時の除菌消毒など基本的な予防方法が有効となります。またエンテロウイルスは、ノロウイルスなどと同じでアルコール消毒の効果がありません。
アルコール消毒自体は、様々なウイルスや殺菌に効果的です。アルコール消毒のメカニズムは、細胞膜を溶かし、タンパク質の構造を変えます。アルコール消毒すると一時的に無菌に近い状態にすることできます。一部のウイルスや細菌はこれで対応できます。
ヘルパンギーナを引き起こすエンテロウイルスやノロウイルスは、エンベロープを持っていないウイルスなので、熱や消毒行為に強い耐性を持っています。
エンベロープとは、インフルエンザウイルスなどが持っている膜のようなものです。インフルエンザウイルスの外側にあるこのエンベロープは、脂質から構成されています。
アルコール消毒はこの脂質を溶かすことができますが、エンテロウイルスやノロウイルスはこれらの膜を持っていません。もともとないもの対してアルコール消毒は効果がないのです。そのためヘルパンギーナは手洗いうがいが重要になってくるのです。喉には空気中のウイルスや細菌に対する防衛機能があります。
喉の内側には、粘液がありウイルスや細菌などを付着させ捉えることができるのです。この粘液が異物と判断されたものをからめとり、体外に排出するのが防衛機能です。
しかし、この喉にある防衛機能だけではすべてのウイルスや細菌など対処することが難しいのです。そこでうがいが重要になってきます。うがいは粘液でからめとったウイルスや細菌を外に出すだけではなく、粘液の分泌を促す役割もあるのです。
これらを踏まえたうえで、正しいうがいの方法は石鹸などで手を洗い、きれいなコップを用意し、水を含みます。水を入れたまま口を軽く動かし、いったんすすぎます。そのあともう一度水を口に入れて、上を向いてガラガラと音を出しつつ水を吐き出します。
外から帰ったら、手を石鹸で洗い、うがいをすることで予防することができます。ヘルパンギーナにならないためにも日常生活での手洗いうがいはしっかりとしましょう。

赤ちゃんや小さい子供のためのヘルパンギーナ早期発見法と食事について

早期発見するためにも、赤ちゃんや小さい子供が夏に体調を崩した場合はヘルパンギーナかどうか判断できる方法があるので試してみてください。

口の中をペンライトなどで照らしてみてください。水疱や小さく赤いできものが見つかればヘルパンギーナの可能性が高いです。もちろんはそこで判断せず、専門の医師に診てもらい判断してもらいましょう。
ヘルパンギーナは2~3日で症状が治まりますが、一週間は安静にしてください。特に赤ちゃんや小さい子供は体力回復するのにも時間がかかります。その間は、医師から処方された薬を飲み、水分をこまめに取りましょう。
食事に関しては、消化の良い、うどんやそうめん、刺激が少ないものを中心に食べるようにしましょう。ヘルパンギーナの予防と治療のポイントは、水分補給と日常生活の手洗いうがいを徹底することです。普段の生活の中で意識して習慣化して貴方自身や赤ちゃんの健康を守りましょう。

十分な水分補給と手洗いうがいが重要

いかがだったでしょうか。ヘルパンギーナは、夏場によくある病気の一つであり、口内の炎症や水疱、急な熱などが主な症状です。また感染力が強く、飛沫感染や接触感染で簡単に感染してしまう病気です。特に小さい子供や赤ちゃんは免疫力がそこまで高くないためかかりやすい病気です。
症状が悪化してしまうと熱で関節が痛くなったり、食欲がなくなったり、口の中の水疱が潰れて痛みが強くなったりして、そこから合併症を併発するケースもあります。しかも効果的な治療薬がなく、対症療法になってしまうのが現状です。つまり、ヘルパンギーナにかかった時こそしっかりとした水分補給と手洗いうがいが重要なのです。

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