妊娠初期のセックスは大丈夫?する時の注意点や赤ちゃんへの影響について

妊娠が分かったとき、心配になることのひとつに「妊娠初期にセックスしても大丈夫か。」ということがあるでしょう。妊娠が分かって嬉しい気持ちとともに、からだが変化していくことへの不安や流産への恐怖などから、不安を感じてしまうのはおかしいことではありません。この記事では、妊娠初期のセックスについて、その注意点や赤ちゃんへの影響を詳しく解説します。

妊娠初期の変化

妊娠するとお腹の中で赤ちゃんを育てるためのホルモン分泌などにより、女性のからだはどんどん変化していきます。このホルモンの作用はからだだけでなく、心にも影響を与えます。

妊娠初期のからだの変化

妊娠初期には、つわりが始まる人がいます。症状がひどい場合は、何も食べられなくなってしまう食べ物の匂いを嗅ぐことさえ辛くなってしまうほどです。

からだがだるい、熱っぽいという症状を感じる人もいますし、乳首が敏感になって下着が擦れるだけで痛みを感じる人もいます。

妊娠初期のきもちの変化

妊娠が分かるとからだだけでなく、心にも変化が訪れます。女性は自分のお腹に赤ちゃんがいることが分かると、自然に母性が芽生えて赤ちゃんを守ろうとする意識が強くなるのです。

ときには、夫であっても触られたくないと感じ、性欲がなくなる人もいます。決して夫が嫌いになったわけではないのですが、強い母性により赤ちゃんを守ろうとすることから無意識にこのような感情が芽生えるのです。

妊娠初期のセックスは大丈夫?

妊娠初期のセックスは、医師からの注意がない限りは基本的に問題ありません。ただし、母体の健康状態や妊娠の経過などによっては控えなければならないこともあります。

妊娠初期のセックスを控えたほうが良いときはどんなとき?

以下に挙げるケースに当てはまる場合は、セックスを控えましょう。

・お腹に張りを感じる
・不正出血がある
・子宮頸管が短いと言われている
・流産や早産の経験がある
・切迫流産や切迫早産のおそれがある
・前置胎盤と診断されている
・クラミジアなどの感染症にかかっている
・医師から安静を指示されている

以上の中でひとつでも当てはまる項目がある場合はセックスを控えなければなりません。また、妊娠初期の体調については自分で判断せず、必ず医師に相談してくださいね。出血があるときに「このくらいの出血だったら大丈夫だろう。」「お腹が張っていないから大丈夫。」などと、自己判断してしまうのは大変危険です。体調の変化があった場合は必ず受診して医師の診断を仰ぎましょう。

妊娠初期にするセックスの頻度について

妊娠初期のセックスは医師に止められていない限りは問題ありませんが、その頻度の制限はあるのでしょうか。

妊娠中は、経過が順調であればセックスをしてはいけない時期はありません。頻度も特に制限はないため、体調と相談しながら行なうようにすると良いでしょう。

妊娠初期のセックスで知っておくべき3つのリスク

医師からセックスの許可をもらっている場合でも、セックスには以下のようなリスクがあります。このリスクをしっかり理解して安全なセックスを心がけるようにしなければなりません。

出血が起こる

妊娠中の子宮は、血管が充血していて傷つきやすくなっています。そのため、セックスで出血することがありますが、もし出血が起こったら自己診断せず必ず病院へ行きましょう。そして、医師の許可が得られるまでセックスは控えなければなりません。

尿路感染症

妊娠中は尿路感染症にかかりやすいといわれています。それは、妊娠で子宮が大きくなり尿管を圧迫し、肝臓や尿管が腫れるためです。また、妊娠中にプロゲステロンというホルモンが増えると、尿路系の筋肉が緩んで尿が膀胱から尿管へ逆流しやすくなります。セックスによって菌が尿道に入り込み、尿路感染症になることもあるため、この危険性を知っておく必要があります。

性感染症

妊娠中は免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなっています。もしもパートナーがクラミジアなどの感染症にかかっているのを知らずセックスすると、感染してしまう可能性があります。

感染症にかかったまま出産すると、赤ちゃんに感染してしまうおそれがあります。しかし、性感染症は自覚症状がない場合が多いため、妊婦健診で知る場合がほとんどです。外陰部に異常を感じたり、おりものに変化があったりした場合は必ず受診しましょう。

妊娠初期のセックスは赤ちゃんに影響はないの?

妊娠初期のセックスは、医師に止められていなければ問題がないとはいえ、セックスはお腹の赤ちゃんに影響はないのでしょうか。

妊娠初期のセックスは流産の危険はないの?

医師の許可があっても、セックスをすると流産することはないのだろうかと心配してしまう人もいるでしょう。しかし、流産は妊娠9週目までに起こることが多く、この時期の流産は受精卵の染色体異常によるものがほとんどです。

そのため、セックスが原因で流産することはまずないと考えて良いでしょう。ただし、お腹の張りや出血がある場合や、感染症のリスクを無視したセックスは問題外です。妊娠中は、医師の指示を守り、リスクを避けた安全なセックスを心がけることが重要なのです。

挿入によって赤ちゃんに影響はあるの?

セックスの際、挿入したとしても子宮の中に影響を与えることはありません。子宮口は頚管粘液でフタをされていて、赤ちゃんは子宮の中で羊水に守られています。そのため、セックスをすることで直接赤ちゃんに影響を与えることはないのです。

オーガズムによる赤ちゃんへの影響はある?

妊娠初期のセックスでオーガズムを感じると子宮が収縮します。この子宮の収縮が流産につながるのではないか、と心配している方もいるのではないでしょうか。

しかし、この子宮の収縮は流産や陣痛につながることはありません。そのため、体調が良くて医師に控えるように言われていなければ、妊娠初期でもセックスでオーガズムを感じても大丈夫ですよ。

妊娠初期のセックスで注意すべき5つのこと

次に、妊娠初期のセックスで気をつけなければならいことを解説します。妊娠が順調であればセックスしても構いませんが、いくつかの注意点がありますので覚えておきましょう。

からだを冷やさないように長時間の行為は控える

妊娠初期だけでなく、妊娠中のセックスは長時間の行為は控えたほうが良いでしょう。長時間同じ体勢でいることは、体力を消耗して腰などに負担をかけることになります。また、妊婦さんに冷えが大敵ですから、からだを冷やさないように気をつけましょう。

お腹に負担がかからないよう体位に注意する

妊娠初期のセックスは、お腹に負担がかからないような方法で行なうようにしましょう。妊娠中は、お腹を圧迫しないように気をつけなければなりません。女性が無理をしないような体位を心がけて、痛みを感じたら中断するようにしましょう。

挿入が深くならないよう配慮する

セックスは夫婦のコミュニケーションとして大事な時間ですから、妊娠初期でも楽しみたいですよね。そのためには、女性のからだに負担をかけないように、挿入は浅めにして激しいセックスは控えましょう。

感染症を防ぐためにコンドームを使用する

妊娠初期だけだけでなく、妊娠中にセックスするときは感染症を防ぐためにコンドームを使用しましょう。また、唾液や尿などでも感染のおそれがあるため注意が必要です。

セックスする前にお風呂に入る

膀胱炎や感染症を防ぐためにも、妊娠中にセックスする前はお風呂に入ってからだを清潔にしましょう。また、妊娠中は膣の自浄作用が低下しているため、膣に指を入れることや激しい挿入は控えなければなりません。膣の中に細菌が入って感染症を起こしたり、膣に傷がついたりすることがあるからです。

妊娠初期にセックスを楽しむために心がけたい3つのこと

セックスは2人の大切なコミュニケーションのひとつです。注意点さえ守れば、妊娠初期でも控えることはありませんが、心がけておきたいことをご紹介します。

愛情を確認しあう手段と考えよう

セックスは愛情を確かめ合うための大切な時間ですよね。妊婦さんにとっては、パートナーの体温を感じて、リラックスできるメリットがあります。

また、激しいセックスでなくてもスキンシップをとることで、絆を確かめ合うことができて安心するものです。セックスを「性欲を満足させるもの」としてではなく、お互いの愛情を確認する手段として捉えてみましょう。

2人でルールをつくろう

妊娠初期はつわりやからだの変化によって、妊婦さんは気持ちが不安定になりがちです。相手にセックスを求められても受け入れられないこともあるでしょう。あまり気乗りしないのに無理にセックスすると、痛みを感じたり相手のことが嫌になったりしてしまいます。
また、セックスを迫られたとき、怒りや不快感を示してしまうとパートナーを傷つけてしまうことがあります。そのため、妊娠初期のからだや心の変化について、パートナーに理解してもらうことが大切です。

セックスの最中にお腹の張りを感じたらすぐ中断する、求められたときに気分が乗らないときは断るなど、はじめから2人で決めておきましょう。

何も伝えず、そっけなく断り続けたらパートナーとの関係がギクシャクしてしまうかもしれません。セックス以外での愛情表現を示すなどして、お互いに思いやりを持って接するよう心がけると良いですね。

気になることがある場合はすぐに受診する

妊娠中はセックスのあとに出血することがあります。それは、膣内や子宮頚部の血液量が増えているためで、下着に少しつく程度で一時的なものです。しかし、大量出血や血の塊が出るような場合は、自己判断せずにすぐ病院へ行きましょう。

妊娠初期のセックスは無理せず愛情の確認を大切に

妊娠初期は慣れないからだの変化などで、セックスに積極的になれないかもしれませんね。しかし、パートナーに悪いからと無理に行なうと、セックスを楽しめないばかりか、なぜ自分のことを労ってくれないのかとパートナーのことが嫌いになってしまうおそれがあります。

ですから、体調が悪いときや気分が乗らないときは、状況をパートナーにしっかり伝えて理解してもらうことが大切です。妊娠中のからだのことや気持ちの変化を伝えることは、今後、出産までを支えてもらうためにも重要なことです。

セックスは、妊娠の経過や体調が良いときに無理のない程度に行い、2人の絆を深めていくようにすれば良いですね。

<参照>
https://akanbo-media.jp/posts/906#head-03dd5ff823130a012325ec011537f87e
https://allabout.co.jp/gm/gc/382051/#3
https://ninsin-akachan.com/ninsinchu-17/
https://192abc.com/47951
https://medicommi.jp/8921
https://mamanoko.jp/articles/1355#3536718
https://192abc.com/27761

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