3ヶ月の赤ちゃんの成長・発育状況は?特徴や育児の悩み・不安をあわせて紹介!

生後3ヶ月になると、体重は誕生のときと比べると2倍になり、首がすわってきます。首がすわるようになると抱っこがだいぶ楽になって、行動範囲も広がりますよね。また、この頃になると赤ちゃんは、ご機嫌のときにおしゃべりするようになってますます可愛くなる時期です。

この記事では、生後3ヶ月の赤ちゃんの成長、この頃のお世話のポイントや育児に対する悩みなどをまとめてご紹介します。

赤ちゃんの身体的な特徴・何ができるようになるの

生後3ヶ月の赤ちゃんの身体について、平均的な身長や体重、どのようなことができるようになるか解説します。ただし、ここでご紹介する内容は、あくまでも平均的なものです。

3ヶ月の赤ちゃんの身長・体重

厚生労働省の発育曲線を元に以下に生後3ヶ月の赤ちゃんの平均身長と体重を表にしました。

性別 身長 体重
男の子 57.5~66.1cm 5.12~8.07kg
女の子 56.0~64.5cm 4.84~7.53kg

生まれたとき3kgほどだった体重は、生後3ヶ月になると約2倍になり、身長は平均で12~13cmほど伸びます。成長には個人差がありますので、この平均値に入っていないとしても、赤ちゃんの出生体重が発育曲線のカーブに添って増えていれば、さほど心配することはありませんよ。

厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/kekkagaiyou.pdf

手足がむちむちになる

この時期の赤ちゃんは、手足や頬などに皮下脂肪がついてくるので、手足にくびれができる子もいます。生まれたばかりの頃は、細かった手足がむちむちになってくるため、「太った」のではないかと心配してしまう方がいるかもしれませんね。しかし、1歳までは人間の一生のなかで一番大きくなる時期ですから、母乳やミルクを制限することは絶対にせず、欲しがるだけあげても構いません。

授乳のペースが整ってくる

この頃になると、赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲むのが上手になってきます。あごの力がついてきて、1回の授乳量が増えて満腹中枢が発達するので、授乳のペースが整ってくる時期です。

満腹中枢が発達してくると、自分で飲みたい量を決めることができるため、それまでとは異なり短時間で自分から飲むのをやめるようになってきます。お母さんは足りているのか心配になるとは思いますが、成長によって1回に飲める量が増えたためですから体重が増えていれば心配はいりません。

昼と夜の区別がついてくる

生後3ヶ月の頃になると、赤ちゃんは1日13~17時間ほどになります。1回寝たら4時間ほど続けて寝る子がいれば、1~2時間ほどで起きる子もいます。このように、睡眠にも個人差があるのです。

夜に長く寝てくれるようになると、お母さんも睡眠時間が確保できるので楽になりますよね。そのためには、無理しない程度に少しずつ生活のリズムを整えていくようにしましょう。

首がすわってくる

3ヶ月になると首の筋肉がついてきて首がすわってきます。縦抱きにしても頭がグラグラしないので、安定してくるようになりますよ。うつ伏せにすると、頭を持ち上げるようになったら首がすわるのももうすぐです。

首のすわりに関しては個人差があるため、生後3ヶ月になったからといって必ず首がすわっているわけではありません。そのため、この時期にもまだ首がすわっていない場合もあるため、赤ちゃんを抱くときは必ず首を支えてあげるように注意しましょう。

声を出して笑うようになる

赤ちゃんは月齢があがると、できることがどんどん増えてきます。感情面も豊かになって、生後3ヶ月頃になると声を出して笑うようになります。お父さんとお母さんのことを認識し、あやすと嬉しそうに笑うのでたくさん声をかけてあげてくださいね。

自分の手に興味津々で指しゃぶりを始める子もいる

生後2ヶ月頃に始まる「ハンドリガード」(自分の手をじっと見つめる行為のこと)は、生後3ヶ月になっても続き、自分の手を口の中に入れて舐めるようになる子もいます。

ハンドリガードは、自分で手を動かすことができる筋肉が発達した証拠で、おもちゃを握らせると強く握れるようになってきたり、指しゃぶりを始めたりする赤ちゃんもいます。

おもちゃを口に入れるようになる

この頃の赤ちゃんは、自分の手を動かしたり眺めたり、ときには口に入れたりして遊び始めます。そして、おもちゃを握らせるとそれを口に持っていって舐めておもちゃの感触を確かめるようになります。

赤ちゃんはまず口に入れて、それがどんなものか確認することで脳が発達します。そのため、おもちゃを口に入れることをやめさせないでください。そして、おもちゃを選ぶときは、顔の上に落としてしまってもケガをしないように、布製のものや舐めても危険がないものを選ぶようにしましょう。

ものを観察するようになる

生後3ヶ月の赤ちゃんは、2ヶ月の頃よりもさらに視力がついてくるため、ものを観察するようになってきます。首がすわってきて、うつ伏せにしたときに頭を持ち上げていられるようになると、自分のまわりにあるものに興味を持ってキョロキョロ見回すようになってきますよ。

赤や青、黄色などのカラフルな色に反応して眺めるようになるので、おもちゃを選ぶときはこうしたはっきりした色を選んであげると良いでしょう。

3ヶ月の赤ちゃんの育児方法や注意点・ポイント

赤ちゃんが誕生して3ヶ月になると、首がすわってきて抱っこも楽になり、声を出して笑うようになるなど、赤ちゃんの成長を感じるのではないでしょうか。この時期には授乳や睡眠はどのように変化してくるのかを詳しく解説します。

3ヶ月の赤ちゃんへの授乳の目安

完全母乳の場合は、3~4時間おきの授乳で1日に5~8回の授乳回数になってきます。赤ちゃんはおっぱいを吸う力が強くなるため、1度に飲める量が増えてきて、それまでよりも短時間で満足するようになってくる時期です。また、おっぱいを飲んで疲れることが少なくなるため、飲んだらすぐに寝ていたのが、起きている子も増えてきます。

ただし、成長に個人差があるように授乳もその子によって違いがあるため、一度にたくさん飲まないで少しずつ飲む子もいます。また、授乳の間隔が短い子もいるので、赤ちゃんが2時間おきにおっぱいを欲しがっても、体重が順調に増えてくれば気にすることはありません。

さらに、この時期は「遊び飲み」をすることがあります。おっぱいをくわえながら、あたりを見回したり、すぐに口を離してしまったりします。

この頃、授乳の最中にお母さんと目を合わせることも増えてきて、目と目でコミュニケーションが取れるようになる嬉しい変化も見られるようになりますよ。

3ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間

この時期の赤ちゃんの睡眠時間は、一般的に1日13~17時間です。だんだん昼と夜の区別がついてくるので、夜中に長く眠るようになってきます。授乳量が増えることもあって、まとまって寝る時間が長くなり、お母さんも身体を休めることができるようになってきます。

ただ、この睡眠時間にも個人差があるため、3ヶ月になっても夜中に何度も起きておっぱいを欲しがる赤ちゃんもいます。

3ヶ月の赤ちゃんとの遊び方

生後3ヶ月になると、機嫌が良いときは大きな声を出しておしゃべりするようになります。この頃は、自分の意思で声が出せることを認識し、声を出すことが楽しくて仕方ない時期です。お母さんが赤ちゃんの声に反応してあげることで、赤ちゃんはおしゃべりする意欲がどんどん高まっていきます。

この頃の赤ちゃんは、言葉を話すわけではありませんが、声を出すことは成長したときに言葉を話すときの基礎になる大切な行動です。また、お母さんが聞いてくれている、返事をしてくれるという喜びが赤ちゃんの言葉の発達を促します。そのため、赤ちゃんが声を出しているときは、ぜひおしゃべりに付き合ってあげてくださいね。

肌を清潔に保ってあげましょう

新陳代謝が活発でデリケートな赤ちゃんの肌は、普段から清潔にしておいてあげなければなりません。お風呂に入ったとき、低刺激の石けんで汗や汚れを落としてあげましょう。

また、汗をかいたままでケアしてあげないと、あせもや湿疹の原因になるおそれがあります。夏場などに汗をかいたら、こまめにシャワーで汗を流してあげると良いですよ。また、ガーゼや柔らかいタオルを濡らして身体を拭いてあげるのも効果的です。

肌を清潔に保っていれば、あせもや湿疹はできにくくなりますが、ケアしても湿疹が治らない、悪化してしまった場合は早めに受診しましょう。

3ヶ月の赤ちゃんの育児の悩み・不安について

赤ちゃんとの毎日のなかで、お母さんは様々な悩みを抱えてしまうものです。他の子どもと成長を比べてしまったり、やっていることが正しいのか迷ってしまったりするのは誰にでもあることですから、あまり悩みすぎないでくださいね。

ここでは、赤ちゃんが生後3ヶ月になったときに多い悩みについて解説します。

完全母乳にしたいが大丈夫?

赤ちゃんが生後3ヶ月頃になると、赤ちゃん自身がおっぱいを吸う力が強くなることで1回の授乳量が一気に増えてきます。母乳が十分に出ているようだったら、ミルクを足さずに完全母乳に移行しても良いでしょう。

もし、授乳の間隔が3時間くらいあくようでしたら母乳だけにしても大丈夫です。はじめは様子を見て、夜だけミルクを足して他の時間は母乳だけにするなどすると良いですよ。

対処方法

夜寝かせる前にミルクを足さなくても長く寝てくれるようでしたら、ミルクをやめてみましょう。もしも、それで体重が増えない場合は母乳だけで足りていないということですから、ミルクを足して様子を見ましょう。

夕方になると泣くのはなぜ?

この時期から、夕方になると泣き出してなかなか泣き止まない「たそがれ泣き」が始まる赤ちゃんがいます。これは世界中の赤ちゃんに見られる行動で、「コリック」と呼ばれることもあります。

始まりは突然で、お腹がすいているわけでもおむつが汚れているわけでもなく、毎日だいたい同じくらいの時間に泣き出します。その泣き方も赤ちゃんによって、ぐずぐず泣く子、ぎゃあぎゃあ大声で泣く子など様々です。

対処方法

この「たそがれ泣き」については、どうして夕方から夜にかけて赤ちゃんが泣き出すのか、その原因は分かっていません。一説には、昼間の疲れが出て興奮しているからではないかと言われていますが、はっきりしたことは不明です。

お母さんは、赤ちゃんが泣き出したとき、何をしても泣きやまなかったら途方に暮れてしまうでしょう。しかも、夕方の忙しい時間に泣かれたら家事ができなくて困ってしまいますよね。その対策として、朝や昼間に夕飯の支度をしておき、夕方からは赤ちゃんのたそがれ泣きに付き合う時間にしてみてはいかがでしょうか。このように、夕方に家事をしないですむように工夫してみるのがおすすめですよ。

たそがれ泣きは、個人差がありますが1ヶ月程度でおさまってきます。お母さんが泣き止ませようとイライラすると、赤ちゃんにそれが伝わってしまい、余計泣き止まなくなることがあります。

パートナーが休みの日は、夕方に赤ちゃんを任せて外に出るなどして気分転換するのもおすすめです。たそがれ泣きは「いつか終わる。」と割り切り、この時期を乗り切ってくださいね。

まだ昼夜逆転してる!どうしたらいいの?

生まれたばかりの赤ちゃんは、昼も夜も関係なく授乳や睡眠を繰り返します。そして、成長していくに従い、授乳量が増えていき授乳回数が減って夜に長く寝てくれるようになります。

しかし、まだ生後3ヶ月の時点でリズムが安定していない赤ちゃんはいるものです。昼夜逆転している子もいますが、そろそろ生活のリズムを整えていっても良いでしょう。

対処方法

生活リズムを整えるためには、大人と同じように朝起きて夜は眠るような環境づくりをすることが重要です。朝は赤ちゃんが寝ていても寝室のカーテンを開け、太陽の光を部屋に入れます。光環境は生活リズムを整えるために大きな影響を与えるため、赤ちゃんを抱っこして窓際で日光を浴びさせましょう。

そして、昼間はできるだけコミュニケーションをとり、遊んであげるように心がけると良いですよ。夜は寝る時間を決めて、その時間までに授乳を終わらせて部屋を暗くし、布団に入れましょう。最初はなかなか寝てくれないかもしれませんが、これを繰り返すうちに赤ちゃんの生活リズムが少しずつ整っていきます。

便秘・下痢になったときどうしたらいい?

生まれたばかりの頃は、うんちをする回数が多く、1日10回以上出ることがありますが、生後3ヶ月くらいになるとうんちの回数が減ってきます。回数が減るのは、この頃になると腸管が発達してきて、お腹の中にある程度の便をためられるようになるためです。

一方、この時期は便秘や下痢になりやすい時期でもあります。うんちが丸1日出ないと、便秘ではないかと心配になってしまいますが、2日に1回でも良いうんちが出ていて、赤ちゃんの機嫌が良くしっかりおっぱいやミルクを飲んでいれば心配いりません。

ただし、うんちのたびに顔を真っ赤にして苦しそうにしている、うんちをするときに痛がって泣くという場合は便秘の可能性があります。また、お腹が硬く張っている場合も便秘かもしれません。

便秘のときの対処方法

赤ちゃんの機嫌が良いが、うんちが出ていない場合は、お腹をマッサージしてあげることで様子をみてみましょう。お母さんの手のひらで赤ちゃんのおへそのまわりあたりを「の」の字を描くように優しくマッサージします。また、綿棒の先にベビーオイルを少しつけて、肛門をつつくとうんちが出る場合があります。

もし、赤ちゃんの機嫌が悪くうんちをするたびに泣いていたら、受診するようにしましょう。

下痢のときの対処方法

この時期の赤ちゃんのうんちは、まだ固形ではないため、下痢かどうかの判断がつきにくいのですが、普段と様子が違った場合は下痢を疑ったほうが良いでしょう。下痢は、アレルギーや消化不良が原因で起こることがありますが、元気で食欲があれば様子をみましょう。

元気がなく、飲みが悪い、または便に血が混じるなど、明らかに普段と様子が異なる場合はすぐに病院へ連れて行ってくださいね。

3ヶ月の赤ちゃんのイベント

生後3ヶ月になると、定期検診や予防接種があります。赤ちゃんの体調を見ながら上手に予定を立てるようにしましょう。

生後3ヶ月健診

地域によって異なりますが、この時期に乳幼児健診が行われます。3~4ヶ月のときの健診は、市町村の保健所で行われることがほとんどで、無料で受けられるものです。

対象となる赤ちゃんに市町村から個別に郵送で通知が届きます。その中にアンケート用紙が入っているので、健診の日に、母子手帳、健康保険証、認印と一緒に記入したアンケート用紙を持参して指定された会場へ行きましょう。

健診の内容は、身体測定、首のすわりや目の動き、股関節脱臼の有無などのチェックです。また、予防接種の説明やスケジュールの立て方、離乳食の始め方などの指導がある地域もあります。さらに、地域によっては、保健師や助産師、管理栄養士などの個別相談が受けられる場合があるため、気になることがあったら相談してみましょう。

予防接種

生後3ヶ月になると、生後2ヶ月から始まった予防接種の追加ワクチンが必要になります。生後2ヶ月に接種したヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの追加ワクチンは、接種した日から4週間後です。

また、生後3ヶ月になると、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオの4種混合ワクチンが接種できるようになります。このワクチンは公費で負担される定期接種ですから、国がすすめている期間内であれば無料で受けることができます。

赤ちゃんの予防接種は、受けられる期間や回数、他の予防接種との間隔などが決められていて、少し複雑です。また、体調が悪いときに受けることができないため、しっかりと計画を立てて置く必要があります。不安でしたらかかりつけの病院に相談してスケジュールの相談をしてみると良いでしょう。

お食い初め

生後100日目か120日目に行なう「お食い初め(おくいぞめ)」とは、赤ちゃんが一生食べ物に困らないように願う儀式のことです。地域によっては110日目に行なうところもあるようですが、一般的には100日目に行なうところが多いため、「百日祝い」とも言われることがあります。

お食い初めは、漆器の祝い膳を用意し、柳で作られた祝箸で用意した食べ物を赤ちゃんに食べさせる真似をします。用意する食べ物は、一汁三菜(焼き魚・赤飯・吸い物・煮物・香の物)です。

また、それと一緒に「歯固めの石」を用意しますが、これは「石のように丈夫な歯が生えて、長生きしますように」と願うための歯固めの儀式に必要なものです。石は、近所の氏神様の境内で拾ったものか、お宮参りで授かる、海や河原から拾ってくるなどの方法で手に入れましょう。また、最近ではインターネットの通販で入手する人もいるようです。

お食い初めは、親族の中で一番年上の人が赤ちゃんを膝に座らせて、用意した食べ物を食べさせる真似をします。そして、最後に歯固めの儀式を行うのが一般的です。歯固めの儀式に神社の境内から拾った石を使った場合は、洗ってから感謝の気持ちを込めて元の場所に戻すようにしましょう。

今ではお食い初めの儀式も形式にとらわれず、食器は離乳食が始まったときに使えるものを用意する家庭もあります。また、赤ちゃんのお披露目を兼ねてホテルやレストランなどのお食い初め用の会食コースを利用するのも便利でおすすめですよ。

健診や予防接種のスケジュールを立てておこう

生後3ヶ月になると、健診や予防接種、お食い初めなどでスケジュール管理が少し大変になりますね。特に、予防接種は体調を崩していると受けることができません。そうなると他の予防接種のスケジュールとの兼ね合いが難しくなるため、日頃から赤ちゃんの体調管理に努める必要があります。

この頃の赤ちゃんは、お父さんとお母さんの顔が分かるようになり、あやすと声をあげて笑ってくれます。また、甘えて抱っこしてほしいと泣いて訴えるなど、感情が豊かになってくる時期です。

育児は大変なことも多いですが、まわりにサポートしてもらいながら一人で抱え込まないで困ったときは、健診のときに相談するようにしてストレスをためないようにしてくださいね。

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