8ヶ月の赤ちゃんの成長・発育状況は?特徴や育児の悩み・不安をあわせて紹介!

生後8ヶ月になると、早い子ではハイハイやつかまり立ちをするようになる子が出てきます。この頃の赤ちゃんは、自分の意思でどんどん動けるようになるため、お母さんはますます目が離せなくなるでしょう。本記事では、生後8ヶ月の赤ちゃんの成長、できるようになること、育児についてのポイントや悩みについて解説します。

赤ちゃんの身体的な特徴・何ができるようになるの

生後8ヶ月になった赤ちゃんは、どのようなことができるようになるのでしょうか。成長には個人差がありますが、ここでは8ヶ月の赤ちゃんの平均的な発達について詳しく説明していきます。

8ヶ月の赤ちゃんの身長・体重

厚生労働省が示す生後8ヶ月の赤ちゃんの身長と体重は以下の表の通りです。体格は個人差があり、生まれつき小柄な子や大柄な子がいます。その子なりに成長していれば、この曲線内におさまっていなくても心配することはありませんよ。

性別 身長 体重
男の子 66.3~75.0cm 6.96~10.14kg
女の子 64.4~73.2cm 6.53~9.63kg

生後5ヶ月くらいになると、赤ちゃんの体重の増えは落ち着いてきます。それは生後8ヶ月になっても引き続き、体重の増加は緩やかです。また、この時期になると、寝返りやずりばいに加えて、早い子ではハイハイもできるようになり、運動量が増えてきます。体重の増えが落ち着いてくるのは、赤ちゃんが活動的になってきていることが原因だと考えられます。

元気があり、母乳やミルクをしっかり飲み、離乳食を食べているようでしたら、体重がそこまで増えていなくても心配はありませんよ。

厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/kekkagaiyou.pdf

ハイハイを始める子もいる

この時期の赤ちゃんは寝返りが自由にできるようになって、おすわりが安定します。さらに、ずりばいで移動できるようになって、なかにはハイハイを始める子もいます。ハイハイの形には個人差があり、腹ばいの状態で手足を使って前に進む子、ほふく前進のように肘を使う子、前に進まず後ろに進む子など様々です。

なかにはハイハイをしないままつかまり立ちをする子もいますから、8ヶ月になってもハイハイしないからと心配することはありません。

手先が器用になってくる

生後7ヶ月頃には、おもちゃを指先でつまむ動作ができるようになっている赤ちゃんですが、生後8ヶ月になるとさらに手の機能が発達してきます。この頃は、小さいものを掴む、押す、引く、握るなどの動作ができるようになります。

気になるものを見つけると、ずりばいやハイハイで移動して手を伸ばして触ろうとします。そして、掴んだものをすぐに口の中に入れてしまうので、危険なものを赤ちゃんのまわりに置かないように注意しましょう。

乳歯が生え始める

早い子では、生後7ヶ月頃から乳歯が生え始めますが、生後8ヶ月になるとほとんどの赤ちゃんに乳歯が生えてきます。歯の生え方には個人差がありますが、ほとんどの子は下の前歯から生えてきて、次に上の前歯が生え始めます。

歯が生えてくる頃、歯茎がむずがゆくなりぐずることがあるかもしれません。歯茎をしきりに触ったり、口の中に手を入れたりするようになったら、歯固めを与えてあげると良いでしょう。

自己主張が激しくなる

生後8ヶ月は、体だけでなく心の成長も著しくなってくる時期です。嬉しいことや楽しいことがあると、声をあげて笑って喜び、気に入らないことや思い通りにならないことがあると、大声で泣いて訴えてくるなど、自己主張が激しくなってきます。

この頃は、「こうしたい」と思う気持ちや、喜びや不安などの感情が発達する時期で、「我慢」するという抑えることができるようになるのはまだ先です。

自己主張は赤ちゃんが成長している証拠ですが、すべてを受け入れる必要はありません。赤ちゃんの要求を一度しっかり受け止めてから、ダメなものは「ダメよ。」と伝えるようにしましょう。こうすることで、赤ちゃんは自分の伝えたいことが分かってくれたと安心し、お母さんを信頼するようになるのです。

お母さんの後追いをするようになる

生後8ヶ月になると、赤ちゃんは「後追い」を始めるようになります。後追いとは、お母さんが赤ちゃんのそばから離れて姿が見えなくなったときに、赤ちゃんが泣きながらお母さんのことを探す行動のことを言います。これは、赤ちゃんの「お母さんと少しでも離れたくない」という自己主張の表れです。

後追いが始まると、赤ちゃんはお母さんが行くところ行くところについてきます。そして、お母さんの顔が見えなくなると不安で泣き出すため、トイレもドアを開けたまま済ませるなんていうお母さんもいるでしょう。

しかし、この後追いの時期は長く続きません。いつか、「あんなにお母さんのことを追いかけてきたのに」と懐かしく思う大切な思い出となりますよ。

8ヶ月の赤ちゃんの育児方法や注意点・ポイント

生後8ヶ月の赤ちゃんは、色々なことができるようになり、育児もだんだん楽しくなってきたことと思います。そんな8ヶ月の赤ちゃんの育児について、知っておきたいことを解説していきます。

8ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間

この頃の赤ちゃんの睡眠時間は、およそ11~13時間ほどです。生後8ヶ月になるとお昼寝が日2時間ほどで、夜は10時間以上続けて寝る赤ちゃんもいます。お昼寝は、午前中と午後に分けて寝る子、午後にまとめて2時間寝る子と様々です。赤ちゃんは、昼寝が長すぎると就寝時間が遅くなってしまうため、2時間ほどで起こすようにすると良いでしょう。

8ヶ月の赤ちゃんの授乳回数

生後8ヶ月の赤ちゃんは、1日4~5回程度の授乳回数で、そのうちの2回は離乳食のあとに授乳します。この頃は、母乳やミルクからの栄養は6~7割ですから、母乳は欲しがるだけ飲ませて構いません。ただし、ミルクの場合は1回の授乳量は、200~220mlにしましょう。

赤ちゃんには個人差があり、離乳食のあとはお腹がいっぱいになるため、母乳やミルクを欲しがらない子もいます。欲しがらない場合は、無理に飲ませることはありません。

8ヶ月の赤ちゃんの離乳食

この頃、離乳食は1日2回になってくるのが一般的です。炭水化物(お粥)と野菜や果物、肉・魚・豆腐・乳製品・卵のうちどれか1品を組み合わせてメニューを考えましょう。固さは舌でつぶせるくらいが目安です。

離乳食をあげるときは、食材のアレルギーに注意が必要です。初めての食材を食べさせるときは、トラブルが起きたときに対応できるよう、午前中に与えるようにします。また、はじめは小さじ1杯から始めて、その後の様子を観察し、異変が起きなかったら次は小さじ2杯と少しずつ増やしていきましょう。

8ヶ月の赤ちゃんとの遊び方

この時期の赤ちゃんは、お母さんの表情や行動をよく見ていて、お母さんがすることを真似するようになります。生後8ヶ月になると赤ちゃんができることが増えてきて、一緒にできる遊びも増えて楽しくなってくる時期です。

生後8ヶ月の赤ちゃんの遊びでおすすめなのは、「真似っこ遊び」です。手をパチパチと叩く仕草や、腕を上げる「バンザイ」など、赤ちゃんが真似しやすい動作で遊んであげましょう。

ハイハイができるようになった赤ちゃんには、ボール遊びがおすすめです。ボールを転がしてあげると、赤ちゃんは喜んでハイハイでボールを追いかけます。ボールは布製でお口の中に入れることができない大きさのものが良いでしょう。また、音が出るものに興味が出てくる時期ですから、マラカスのように振ると音が出るおもちゃもおすすめです。

歯磨きを始めましょう

歯の生え始めは個人差がありますが、生後8ヶ月頃には乳歯が生えてくる時期です。この時期の歯は小さくて唾液で汚れが落とせるため、虫歯になることはまずありません。しかし、この頃から口周りを触られるのに慣れさせることはとても大切なことです。そのため、歯が生え始めたら歯磨きがスムーズにできるよう、歯のケアを始めることをおすすめします。

はじめのうちは、ガーゼで歯を拭くことから始めます。その際、「お口を開けられて偉いね。」「キレイになって気持ち良いね。」などと、優しく声をかけると良いですよ。そして、歯が増えてきたら、赤ちゃん用の誤飲防止の歯ブラシを使ってケアを始めてくださいね。初めての歯ブラシは、赤ちゃんの機嫌が良いときを選んで始めるのが良いでしょう。

無理せずコップの練習をしましょう

赤ちゃんがストローやスパウトが使えるようになっていたら、そろそろコップの練習を始めても良い頃です。コップの練習をするときは、中に少しだけ飲み物を入れて、お母さんがそっとコップを傾けて飲ませてあげましょう。

赤ちゃんが自分でやりたがったら、お母さんが手を添えてやらせてあげます。もし、練習しているときに赤ちゃんがコップで遊び始めたら、切り上げましょう。

感染症に注意しましょう

この頃の赤ちゃんはおすわりが上手になり、体がしっかりしてきてお出かけもしやすくなります。しかし、生後半年を過ぎると、お母さんからの免疫が切れてきますので、感染症に注意が必要になってきます。

風邪やインフルエンザが流行っている時期には人混みを避けて、家族も外からウイルスを持ち込まないように心がけることが大切です。

家庭内の事故に注意しましょう

生後8ヶ月になり、ハイハイができるようになると行動範囲が広がります。触りたいものを見つけると、自分の意思で移動して手を伸ばします。また、後追いが始まると、お母さんのことを探して部屋の中を動き回るようになるため、十分な注意が必要です。

引き出しに手を挟まないようにロックする、テーブルの上には物を置かない、電気コードを赤ちゃんが引っ張れないように隠すなど、赤ちゃんがケガをしないようにしましょう。

8ヶ月の赤ちゃんの育児の悩み・不安について

生後8ヶ月になると、赤ちゃんは活動的になり遊びのバリエーションが増えて、お母さんは育児が楽しいと感じることが多くなるでしょう。その反面、離乳食や夜泣きなどの悩みも多くなる時期でもありますよね。ここでは、生後8ヶ月の赤ちゃんを育てるお母さんが抱える悩みについて、解説していきます。

離乳食は何回にしたらいいの?

生後8ヶ月になったら、離乳食を何回にしたら良いか悩んでしまうお母さんは多いのではないでしょうか。離乳食の開始には個人差があり、開始時期によって回数を増やす時期も変わってきます。目安として、離乳食を開始してから2ヶ月ほどしたら1回だった離乳食を2回にするのが一般的です。そのため、生後6ヶ月から開始した場合は、生後8ヶ月に1日1回だった離乳食を2回にします。

離乳食を開始したばかりの頃は、味付けをせず食べさせていましたが、生後8ヶ月になったら薄く味付けして食べさせましょう。赤ちゃんは食べることに慣れてきて、舌で食べ物を上あごに押し付けて、つぶして飲み込むことができるようになります。

離乳食のメニューは、主食と副菜の組み合わせで徐々に食材や味、調理方法のバリエーションを増やしていくと良いでしょう。ただし、味付けは薄味にして固すぎないように注意してあげてくださいね。

また、離乳食を1回から回に増やすときに注意しなければならないことは、急に量を増やさないようにすることです。今まで、赤ちゃんの体は1回の離乳食に慣れていたため、それが急に2倍になったらお腹を壊してしまうおそれがあります。はじめのうちは、2回めの食事の量は回目の4分の1程度にして、赤ちゃんの食欲と体調によって少しずつ増やすようにしましょう。

赤ちゃんが食べ物を手づかみで食べたがる

生後8ヶ月頃になると、赤ちゃんは手先が器用になってものをつまめるようになるため、離乳食を自分で食べたがるようになります。これは、食事を自分でとるための練習になりますので、やりがたったときはやらせてあげましょう。また、スプーンを持ちたがったときは赤ちゃん用のスプーンを持たせてあげましょう。

赤ちゃんが手づかみで食べると、まわりを汚すため掃除するのは大変ですが、自分で食べたい意識を尊重してあげるのが大切です。食べることが楽しいと感じさせてあげると、赤ちゃんは食事の時間が好きになりますよ。

大きめのスタイをつけてあげ、床に新聞紙を敷くなどの工夫をして、好きなようにやらせてあげましょう。ただし、食べ物で遊び始めたらやめさせて食事を中断します。そうすることで、赤ちゃんが食べ物で遊んではいけないことを理解していくのです。

離乳食を始めたら下痢や便秘になった

離乳食が進んでくると、赤ちゃんによっては下痢や便秘する子が出てきます。これは、赤ちゃんの消化機能が未熟なことが原因ですが、徐々に食べ物に慣れていき自然に改善していきます。

ただし、離乳食の後に母乳やミルクを飲まなくなる子は、水分が不足して便秘になってしまうおそれがあります。便秘予防のため、離乳食の後には水やお茶を飲ませるようにすると良いですよ。

また、食べ物に対するアレルギーが原因で下痢になる場合があるので、普段と違う便が出る、下痢が続くなどの症状があるようでしたら受診しましょう。

赤ちゃんが動き回って目が離せない

この時期の赤ちゃんは、自分の意思で動けるようになってますます活動的になります。その成長は喜ばしいことです、その一方、赤ちゃんがずりばいしながらどんどん移動してしまうため、お母さんは目が離せなくて困ってしまうでしょう。

赤ちゃんは、気になったものがあるとそれを口の中に入れてしまうため、誤飲にも注意が必要です。飲み込んでしまうおそれがある小さなおもちゃ、電池や薬などは常に高い場所に保管するなどして、赤ちゃんの目につかないようにしましょう。

とはいえ、お母さんはずっと赤ちゃんから目を離さないようにするのは難しいですよね。そこでおすすめなのが、赤ちゃんを危険から守る便利グッズです。

コーナーガード

テーブルや棚などの角に取り付ける弾力性のあるクッション素材でできたものです。赤ちゃんが転倒した時のケガ対策になりますよ。

ジョイントマット

ジョイントマットとは、床に敷く厚みのあるマットのことです。1枚の大きさが60cm四方(ものによっては45cmなど、サイズは様々)で、部屋の広さや敷きたい場所に合わせて組み合わせます。柄は部屋の雰囲気に合わせた木目調のものや、ポップな色使いのものまで様々です。

ジョイントマットは、赤ちゃんのケガ対策はもちろん、防音対策になり、床の冷たさから赤ちゃんを守ってくれますよ。

ベビーゲート・ベビーサークル

「ベビーゲート」とは、赤ちゃんが入ってほしくない場所に取り付ける柵のことです。キッチンや階段の前に取り付けることで、赤ちゃんを危険から守ります。また、「ベビーサークル」は、赤ちゃんをその中に入れて遊ばせることができる囲いのことです。お母さんが食事の支度をしているときなど、ベビーサークルの中で遊ばせておけば安心ですよ。

この他にも、赤ちゃんを危険から守るものには、ファンヒーターの吹き出し口に取り付けるガードや、引き出しを開けないようにするストッパーなど、様々な便利グッズがあります。これらを取り入れて、赤ちゃんを危険から守りましょう。ただし、これらの便利グッズがあるからと頼りきりにせず、赤ちゃんの動きを常に確認して、赤ちゃんが危ないことをしそうになったときは声をかけていくようにしましょう。そうすることで、赤ちゃんは危険な場所やものを認識していくのです。

食べ物の好き嫌いが出てきた

生後7か月になると、離乳食が1日2回になる赤ちゃんが多くなりますが、この頃に食材によって、好き嫌いが出てくる子が出てきます。嫌いなものは口に入れても出してしまうことがあるかもしれません。

この場合、その食材が嫌いなのではなく食べたくない気分だったということもあります。調理の仕方変えてみたら食べることがあるため、いろいろ工夫してみると良いでしょう。それでも食べなかったときは、数日おいてから食べさせてみるとすんなり食べることがあるものです。赤ちゃんの食べ方にはムラがあるため、食べないからといって思い詰めることはありませんよ。

夜泣きが続いている

赤ちゃんの夜泣きには個人差があり、早い時期から始まる子や全く夜泣きしない子もいます。泣き方も、ぐずぐず泣く子と大声で泣き叫ぶ子など様々です。

夜泣きの原因は、昼間に受けた刺激が脳を興奮させるとの説がありますが、実際のところははっきりした原因は分かっていません。そのため、どのような方法が夜泣き対策になるか、決定的な方法はありませんが、色々な方法を試して見ると良いでしょう。

添い寝や抱っこは赤ちゃんを安心させることができます。また、抱き上げて部屋の中を歩くと気分転換になるでしょう。何をしても泣き止まない場合は、一度目を覚まさせてしまうのもひとつの方法です。

夜泣きはいずれ終わるものです。家族に協力してもらいながら、お母さんも赤ちゃんと一緒に昼寝をするなどして、この時期を乗り切ってくださいね。

赤ちゃんとの時間を楽しみましょう

生後8ヶ月になると、赤ちゃんは色々なことができるようになって、行動範囲も広がります。また、遊びのバリエーションが増えてお母さんとの触れ合いが楽しくて仕方ない時期です。離乳食や夜泣きなどで大変なことも増えてくる時期ですが、赤ちゃんの笑顔を見ると、そんな大変なことも吹き飛んでしまうでしょう。

この時期に見ることができない可愛い難語や仕草を楽しみながら、子育てを楽しんでくださいね。

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