9ヶ月の赤ちゃんの成長・発育状況は?特徴や育児の悩み・不安をあわせて紹介!

赤ちゃんは生後9ヶ月になると、できることがどんどん増えてきます。心も成長してお母さんが見えなくなると不安で泣き出す子も。離乳食は1日3回になり、生活のリズムも整ってくる時期です。この記事では、9ヶ月の赤ちゃんの成長や育児についてのポイント、悩みなどをまとめました。

赤ちゃんの身体的な特徴・何ができるようになるの

この頃の赤ちゃんの身長や体重、どんなことができるようになるのかを以下に解説します。

9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重

厚生労働省の成長曲線によると、生後9ヶ月の赤ちゃんの身長と体重は以下の通りです。

性別 身長 体重
男の子 67.4~76.2cm 7.16~10.37kg
女の子 65.5~74.5cm 6.71~9.85kg

この頃の赤ちゃんは、ハイハイやつかまり立ちなどができるようになり、体が引き締まってくる時期なので、体重の増えは緩やかです。赤ちゃんの成長には個人差があり、この成長曲線はあくまでも平均ですから、ここに当てはまらなくても気にしすぎないようにしてくださいね。

もし、赤ちゃんの成長のことで気になることがあるときは、かかりつけの医師や健診の時に相談してみると良いでしょう。

厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査の概況について」:https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/kekkagaiyou.pdf

ハイハイが上手にできるようになる

生後8ヶ月頃までに多くの赤ちゃんがずりばいができるようになっています。そして、この頃には両手と膝を使って移動するハイハイができるようになりますよ。ハイハイできるようになると、ずりばいで動いていたときよりも早く移動でき、行動範囲が広がります。
なかにはハイハイをする前に先につかまり立ちをする子もいます。赤ちゃんによって成長のスピードやできることの順番が異なります。この頃にまだハイハイをしなくても心配しないで見守ってあげてくださいね。

つかまり立ちをし始める

この頃、テーブルやソファーなどにつかまって立つ「つかまり立ち」を始める赤ちゃんが出てきます。はじめのうちはつま先立ちでふらふらした立ち方をしますが、徐々に足の裏を床につけて体重をかけて立つことができるようになります。

つかまり立ちができるようになると視界が広がり、嬉しくて何度も挑戦するようになるでしょう。赤ちゃんはつかまり立ちをすることによって、ひとりで立つために必要なバランス感覚を学びます。

赤ちゃんの成長の順番には個人差があり、ハイハイをする前につかまり立ちする子もいます。ハイハイのスタイルも様々ですから、赤ちゃんの成長を見守ってあげましょう。

小さなものがつまめるようになる

生後9ヶ月になる頃には、指先を器用に使えるようになります。ティッシュなどの薄いものをつまんで引き出せるようになり、つまんで遊ぶおもちゃで遊べるようになりますよ。また、指先を使って絵本をめくれるようになるなど、できることが増えてくる時期です。

お手々パチパチやバイバイができるようになる

この頃の赤ちゃんは、お父さんやお母さんの仕草を真似するようになります。手をパチパチと叩いたり、バイバイしたりすることができるようになるなど、可愛い仕草が見られて育児が楽しくなるでしょう。

コップが使えるようになる

赤ちゃんがストローを使えるようになっていたら、そろそろコップの練習をしても良い頃です。はじめのうちは、お母さんが手を添えてゆっくりコップを傾けてあげます。赤ちゃんがコップをゆっくり傾けることを覚えれば、徐々に自分でできるようになりますよ。

生活リズムが整ってくる

生後9ヶ月になってくると、赤ちゃんは生活リズムが整い、昼寝や就寝時間が定まってきます。起床時間やお昼寝、離乳食の時間を一定にすることで、リズムが整ってくるため、大人も規則正しい生活を心がけましょう。

しかし、なかには夜泣きなどで今まで整い始めていた生活リズムが崩れてしまう赤ちゃんもいます。夜泣きが始まってもできるだけそれまでのリズムを崩さずに、朝起こす時間や昼寝、夜に寝かす時間を一定にすることで、だんだん赤ちゃんのリズムが整ってきますよ。ただし、夜泣きで睡眠時間が大幅に減ってしまった日は、昼寝の時間を少し長めにとるなどして調整が必要です。

後追いを始める

赤ちゃんによって個人差がありますが、この頃の赤ちゃんはお母さんの顔が見えなくなると不安になって泣き出すようになります。そして、お母さんが移動すれば後を追いかけてくる「後追い」が激しくなるのが生後9ヶ月頃です。

8ヶ月頃から後追いを始める赤ちゃんもいますが、この頃にはそれがひどくなり、お母さんの顔が少しでも見えなくなると大泣きする子もいます。これは、「お母さんと離れたくない」という自我の芽生えで、赤ちゃんの心の成長の証です。

お母さんは、少し離れただけで赤ちゃんに泣かれると困ってしまいますよね。この時期のお母さんは、トイレの扉を開けて用を足したり、おんぶしながら家事をしたりと大変な思いをするでしょう。しかし、後追いはずっと続くわけではありません。月齢が上がれば、他のことに興味を持つようになって後追いしなくなりますよ。

少しの時間ひとり遊びができるようになる

生後9ヶ月になると指先が器用になって、小さなおもちゃを指でつまんだり引っ張ったりすることができるようになります。また、自分の手を上手に動かすことができるようになり、両手におもちゃを持って、それをシンバルのように体の前でタイミングを合わせて叩くのも上手になってきます。

そして、この頃は集中力がついてきて、少しの時間ならひとり遊びができる子もいます。興味があるものを渡すと、眺めたり口に入れたりしてしばらく観察し、夢中になって遊ぶようになりますよ。

9ヶ月の赤ちゃんの育児方法や注意点・ポイント

次に、生後9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間や授乳、離乳食について解説します。さらに、この頃の赤ちゃんの育児について注意しなければならいことなどについても知っていきましょう。

9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間

生後9ヶ月の赤ちゃんは、1日11~13時間程度の睡眠時間です。睡眠時間には個人差があり、昼寝を30分ほどしないが夜はたっぷり寝てくれる子や、午前と午後に昼寝する子もいます。赤ちゃんは、昼寝が長くなると夜になかなか寝なくなってしまうため、2時間ほどで起こすようにしましょう。

9ヶ月の赤ちゃんの授乳回数

赤ちゃんはこの頃になると、離乳食の回数が増えてくるため、母乳やミルクの量が減ってきます。離乳食をしっかり食べている子は、食後に母乳やミルクを欲しがらなくなる場合もあります。

母乳の場合は、赤ちゃんが欲しがるときに与えても構いません。この時期の赤ちゃんにとって、母乳は栄養を摂るというより、お母さんとのスキンシップとしての大切な時間となります。ただし、離乳食に影響を与えないように、食事前の授乳は控えるようにしてくださいね。

ミルクの場合は、1日に2回ほど200mlずつ程度あげるようにしましょう。生後9ヶ月になると、1日の栄養の60~70%を離乳食から摂るようになってきます。そのため、離乳食の進み具合やその日の食欲によって、ミルクの量を調整するようにしなければなりません。

9ヶ月の赤ちゃんの離乳食の回数

生後9ヶ月は「離乳食後期」で、離乳食を1日3回にしていく時期です。この頃になると、赤ちゃんは豆腐やバナナくらいの固さのものが食べられるようになってきます。9ヶ月には乳歯が生えてきている子も多くなりますが、この時期は歯を使って食べることができませんから、固さには注意してあげてくださいね。

離乳食を1日3回にしたときは、食事の間隔を4時間以上開け、大人と同じリズムで食事ができるように少しずつ調整していきましょう。ただし、3回目の食事の時間が遅くなると、赤ちゃんの胃腸に負担がかかってしまうため、19時までには終わらせるようにします。

離乳食のメニューを考えるときは、お粥などの炭水化物、野菜か果物、魚や肉、豆腐などのタンパク質を組み合わせたものにし、できるだけたくさんの食材を食べさせるようにしてあげましょう。

また、生後9ヶ月になると指先が器用になってくるため、ご飯粒を指でつまんで食べることができるようになります。赤ちゃんは自分で食べたいという気持ちが出てきますから、手づかみで食べられるパンや小さいおにぎり、野菜スティックなどを用意してあげると良いですよ。

食事は楽しいものだと思わせてあげましょう

赤ちゃんの離乳食は、食事によって栄養を体に取り入れる目的のほかに、食材の味に慣れる目的もあります。多くの食材を調理方法や味付けで変化をつけ、様々な食感で離乳食を食べさせてあげるのは、赤ちゃんの味覚の発達にもつながります。

また、食事の楽しさを感じてもらうのも大切なことです。家族揃って食卓を囲み、楽しい雰囲気で食事をすれば赤ちゃんも喜んで離乳食を食べてくれるでしょう。

9ヶ月になったら生活習慣を身につけさせましょう

離乳食が1日3回になるこの時期、基本的な生活習慣を身につけさせるようにしていきましょう。朝起きたら顔を洗い(拭く)、食事の前に手を洗う(拭く)、食事の後には歯を磨くなど、この頃から行なうようにすると良いですよ。

ケガや誤飲に注意しましょう

この時期の赤ちゃんは、ハイハイで動き回れるようになり、自分の意思で行動するようになります。そして、生後9ヶ月になると手先が器用になり、小さなものでもつまめるようになるため、おもちゃの部品や小さなボタンなどの誤飲に注意が必要です。

また、つかまり立ちができるようになった赤ちゃんは、つかまれるところがあればどこでも立とうとします。しかし、つかまり立ちが完成していないうちは、よろけて転ぶこともよくあります。赤ちゃんをケガから守るため、床に敷くクッション性のあるマットや、テーブルの角をガードするグッズを使って対策しましょう。

また、キャスターがついている椅子など、赤ちゃんが転倒してしまうおそれがあるものは、赤ちゃんがいる部屋に置かないように注意してあげてくださいね。

9ヶ月の赤ちゃんとの遊び方

生後9ヶ月になると、赤ちゃんはお母さんやお父さんと意思疎通ができるようになり、遊びの幅が広がります。お母さんがおもちゃを赤ちゃんに「どうぞ。」と渡すと、赤ちゃんがそのおもちゃを受け取り、お母さんが「ちょうだい。」と言うと、おもちゃをお母さんに渡してくれます。

また、この頃の赤ちゃんはお母さんの動きを真似できるようになって、「バイバイ」や「おつむてんてん」などの動きができるようになりますよ。

9ヶ月の赤ちゃんの育児の悩み・不安について

生後9ヶ月の赤ちゃんは、色々なことができるようになり、行動範囲が広がります。そして、可愛らしい仕草やおしゃべりに癒されることでしょう。

その一方、自己主張を始める赤ちゃんに悩みも出てくるのではないでしょうか。ここでは、9ヶ月になった赤ちゃんを育てるお母さんが抱えがちな悩みをピックアップしてご紹介します。

離乳食の食べムラがある

離乳食が1日3回になるこの頃、様々な食べ物を口にするようになって、赤ちゃんは色々な味を覚えます。そして、同時にこの頃は食べムラが出てくる子も多くなってきます。日によって食べる量が違い、全く口にしないというときもあるでしょう。

0歳から1歳までの時期は食べることに関して個人差が大きく、食べムラもする子としない子がいます。赤ちゃんの食べムラには、食事の時間に眠くなって食べたくない場合や、遊び疲れてしまったなど、理由は色々あります。

また、離乳食のどろどろした食感が嫌いで、少し形があるものを食べさせてみたらよく食べるようになることもあります。また、歩くようになると運動量が増えてしっかり食べてくれるようになる場合もあります。

赤ちゃんが離乳食を食べなかった場合、生活を見直してみると良いでしょう。おやつを多くあげていないか、運動は足りているかなどお腹がすかない原因を探ってみてください。また、離乳食の味付けや歯ごたえについても工夫してみましょう。

食べ物で遊んでしまう

この頃、離乳食のときに食べ物で遊んでしまう「遊び食べ」が始まり、お皿に手を入れてかき混ぜたり、ご飯をつかんで床に落としたりする子がいます。このようなとき、お母さんがイライラして叱ってしまうと、赤ちゃんは食事することが嫌いになってしまいます。赤ちゃんが食事中に遊び始めたら、「はい、もうごちそうさまね。」と片付けてしまいましょう。

赤ちゃんの後追いがすごい

赤ちゃんがお母さんの姿が見えなくなると泣き出し、お母さんを探す「後追い」は、ときに家事が進まないなど困ってしまうこともありますよね。しかし、この後追いは赤ちゃんがお母さんの姿が見えないことへの不安から起こる行動です。それだけ赤ちゃんがお母さんのことを信頼している証拠です。

後追いがひどいときは、赤ちゃんから離れるときに「すぐ戻ってくるね。」と常に声をかけるようにしましょう。また、姿が見えなくてもお母さんの声が聞こえると少し安心しますから、歌を歌いながら用事をする方法もおすすめですよ。

いたずらをしたら叱るべき?

ハイハイやずりばいで行動範囲が広がる赤ちゃんは、気になるものがあるとすぐに触ってみたくなります。そして、手に取ると口に入れてどんなものか確認しようとします。

ティッシュを引っ張り出したり、引き出しを開けて中身を出したりと、興味を持ったら色々なことをするでしょう。大人から見たらこの行動は「いたずら」に見えますが、赤ちゃんにとっては好奇心を満たすための行動です。

危険なものは赤ちゃんのそばに置かない、引き出しは開けられないようにチャイルドロックするなど、触られないように先回りしておくと良いですよ。

9ヶ月の赤ちゃんのイベント

自治体によって時期は異なりますが、この頃になると生後9ヶ月~10ヶ月健診があります。この健診は任意ですが、赤ちゃんの成長を確認するためにも受けることをおすすめします。

生後9~10ヶ月健診を受けましょう

生後9~10ヶ月健診は、身体測定をはじめ、運動機能や精神の発達を確認されます。運動面では、ハイハイをしているか、支えたときに足に力を入れるかなどの運動面の観察があります。精神面では、まわりに関心があるかバイバイなどの真似をするかなどがチェックされます。

この時期の赤ちゃんの成長には個人差がありますから、まわりの赤ちゃんと比べてできないことがあってもあまり気にしすぎないようにしましょう。もし気になることがあったら、医師や保健師に相談すると良いですよ。

赤ちゃんとの時間を楽しんで!

この時期の赤ちゃんの成長には個人差が大きいため、生まれた月や生まれつきの体質で体の大きさやできることに差が出ることがあります。公園や健診で同じ月齢の赤ちゃんに会ったとき、他の子にできることが自分の赤ちゃんにはできないこともあるでしょう。

しかし、赤ちゃんの成長はその子のペースがあります。あまり焦らず見守ってあげてくださいね。今しかないこの時期の可愛さをぜひ味わいながら子育てを楽しんでください。

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