赤ちゃんの反り返りは抱っこのせい?反り返りの悩みと対処方法を解説

赤ちゃんを抱っこしているとき、背中をエビ反りのように「反り返り」して驚いたことはありませんか?普段と違った行動をすると、お母さんは心配になってしまいますよね。本記事では、赤ちゃんの反り返りについて、悩みや対処方法を詳しく解説していきます。

赤ちゃんの反り返りとはどんな動作のこと?いつから始まるの?

赤ちゃんの「反り返り」とは、抱っこされているときや寝ているときにも見られます。生まれたばかりの赤ちゃんが反り返りすると驚いてしまいますが、「反り返り」はいつ頃から始まり、いつまで見られるのでしょうか。

赤ちゃんの反り返りとは

赤ちゃんの「反り返り」とは、背中を弓なりに反らせる動作のことを言います。体をエビのように反らせる動きで、抱っこしているときや寝ているときにこの動作が見られます。

初めてこの動作を見たとき、抱っこの仕方が悪いのか、どこか病気なのではないかと心配になるでしょう。しかし、この反り返りは赤ちゃんによく見られる動作のひとつなのです。

赤ちゃんの反り返りはいつから始まる?

この反り返りは、早いと生後1ヶ月頃から見られるようになります。赤ちゃんの成長には個人差があるため、反り返りがいつから始まるのかは決まってはいません。反り返りをよくする赤ちゃんは、生後3~4ヶ月になると首がすわってくるため、頻繁に行うようになってきます。

赤ちゃんの反り返りはいつまで?

赤ちゃんの反り返りは、自分の首や腰などを自分の意思で動かせるようになると自然に減っていきます。一般的には、寝返りやハイハイができるようになってくると落ち着くため、生後6ヶ月から1歳になる頃には反り返りしなくなってきます。

心配がいらない赤ちゃんの反り返りの原因

赤ちゃんが反り返りをするのには、いくつかの原因があります。反り返りの原因は、赤ちゃんの体の発達によるものなど、いずれは自然におさまるものと、病気が原因のものがあります。

先に赤ちゃんの運動機能の発達など、心配のいらない反り返りの原因について解説します。

抱っこの仕方が気に入らない

赤ちゃんを抱っこしているときに反り返りをするとき、抱かれ心地が良くないのかもしれません。赤ちゃんは抱っこされたときに、不快だとそれを反り返って訴えます。

初めての子どもの場合、お父さんもお母さんも抱き方がぎこちなく、赤ちゃんに不安を与えてしまうことがあります。赤ちゃんを抱くするときは、首をしっかり支えてあげることが重要です。そして、首だけでなく腰も支えてあげないと安定した抱き方ができません。赤ちゃんの体を包み込むように、腕全体を使って首と腰を支えて抱っこしましょう。

また、人見知りが始まった赤ちゃんは、お母さん以外の人が抱くと体を反らせて嫌がることがあります。「お母さんの抱っこでなければ嫌!」というように、赤ちゃんは体全体を使って自分の気持ちを訴えるのですね。

体を動かして反り返りを楽しんでいる

赤ちゃんは、生まれたばかりの頃は活発に体を動かすことはできません。そして、だんだん手足を動かせるようになり、首を動かせるようになるなど、目覚ましく成長していきます。

昨日までできなかったことが急にできるようになるなど、赤ちゃんの運動機能は日々発達しています。赤ちゃんは、徐々にできるようなった動きを繰り返して運動機能を向上させようとします。それまでできなかったことができるようになり、赤ちゃん自身も楽しくて何度も繰り返し、反り返りを楽しんでいるのです。

<h3寝返りの練習をしている>

赤ちゃんは生後4ヶ月頃になると、腰の機能が発達してくるため、寝返りができるようになる赤ちゃんが増えてきます。寝返りができるようになる時期には個人差があり、早い子では生後3ヶ月頃から寝返りの練習を始める赤ちゃんもいます。

赤ちゃんは、寝返りの練習をするとき、腰をひねって背中を反り返らせます。足を持ち上げて、反り返っているときは寝返りの練習をしているのですね。

背中が熱いなどの不快感がある

赤ちゃんは背中に不快感があるときに、反り返りをすることがあります。大人よりも体温が高い赤ちゃんは、寝ているときに背中に汗をかきやすいので、背中に熱がこもって不快になるのが反り返りの原因のひとつです。

また、生後6ヶ月頃になるとだんだん自我が芽生えてきて、思い通りにならないと反り返って自分の気持ちを表すようになります。お昼寝したくないのに布団に寝かされた、抱っこしてほしくないのに抱き上げられたなど、したくないことをされたときにも体を反り返らせて抵抗することがあります。

このように、赤ちゃんの反り返りには、体の成長だけでなく、心の成長も関わっているのですね。赤ちゃんの反り返りは、様々な原因があって起こるものです。様子を観察して原因を探ってみてください。

赤ちゃんの反り返りの対処方法4つ

赤ちゃんが反り返りをしているとき、よく観察してその原因を探ってあげましょう。反り返りの原因によっては特に対処する必要はありませんが、対処してあげると良いものもあります。

抱っこの仕方を工夫する

お父さんやお母さんの抱っこの仕方が心地良くないと、赤ちゃんは不安な気持ちや不快感を覚えて反り返りをすることがあります。初めての子どもの場合、抱っこの仕方に不慣れで怖怖抱っこしてしまうことがあるでしょう。赤ちゃんは、そんなお母さんたちの気持ちを敏感に感じて、不安な気持ちになります。

また、赤ちゃんは首がすわってくると縦抱きができるようになってきます。横向きの抱っこでは、視界が限られていましたが、縦抱っこができるようになると赤ちゃんの視界は広がります。色々な景色が見れるようになり、縦抱っこしてほしいのに、横向きの抱っこをされると、この抱かれ方では嫌だと体を反り返ることがあるのです。

このように、赤ちゃんは成長していくとだんだん自己主張するようになります。抱っこの仕方や向きなど、赤ちゃんに心地良い抱っこをしてあげてくださいね。

赤ちゃんのトレーニングを見守る

赤ちゃんが反り返りをするとき、自分で体を動かすことが楽しくて行なっている場合があります。観察していると、その様子で心配することがないことは分かるでしょう。そんなときは、特に何も対処することなく見守ってあげれば良いですよ。

寝返りの練習をサポートする

赤ちゃんが寝返りの練習をしているときは、できるだけ見守ってあげましょう。そして、もし、もう少しでできそう、というときは少し手助けしてあげても良いですね。

赤ちゃんの様子を観察していると分かるように、寝返りをするときは左右どちらかの方向に腰をひねり、足を床につけるようにして回転します。しかし、寝返りができないときは、下半身だけひねっていて上半身がついていっていない状態です。赤ちゃんが腰をひねったときに優しく上半身を押してあげましょう。

こうすることで、赤ちゃんがコツをつかんでひとりでも寝返りできるようなりますよ。ただし、この練習は無理に行うことはありません。寝返りができない赤ちゃんにとって、筋力を使って体をひねる動作はとても体力を使うことです。練習をするときは、1日5分程度にしてあげないと、赤ちゃんの体に負担をかけてしまうため注意してくださいね。

赤ちゃんの寝返りはその子なりのペースでできるようになることですから、寝返りができる目安の月齢になってもできない子もいるのです。赤ちゃんが反り返り、寝返りの練習をしているときは、ときにはサポートし、ときには手出しせず見守ってあげるようにしてくださいね。

赤ちゃんの体温調整に気をつける

赤ちゃんは汗をかくことで体温調節を行ないます。大人であれば寒いから布団を1枚多くかける、暑いから服を脱ぐなどできますが、赤ちゃんはひとりでそれができません。

赤ちゃんは、背中に汗をかいたときに不快感を覚え、反り返りをします。汗を書きやすい季節は特に、汗をかいたままにしておくと体を冷やしてしまうため、こまめに着替えさせてあげましょう。

また、吸湿性・吸水性の良い寝具を使う、シーツの上にバスタオルを敷いて汗を吸わせるなど、赤ちゃんが快適に過ごせるよう心がけてくださいね。

病気が原因の赤ちゃんの反り返り

これまでにご紹介した赤ちゃんの反り返りは、成長過程や不快感を示すものが原因で心配いらないものでした。しかし、これ以外に赤ちゃんの反り返りには病気が原因のものがあります。

脳性まひの可能性

赤ちゃんが反り返りをするからといって、すべてが病気につかながるものではないことは、さきほど解説した通りです。しかし、反り返りには脳性まひが原因で起こるものがあるため、赤ちゃんの様子をよく観察しておくことが重要です。

脳性まひとは、運動に関わる筋肉に異常が見られる病気です。赤ちゃんの運動機能として見られる症状は、母乳やミルクの飲み方が下手で飲み込む力が弱い、首のすわりが遅い、首の動きや手足の動きがぎこちない、、おすわりやハイハイなどの運動機能の発達がかなり遅い、などです。

体の反り返りが見られ、多くの赤ちゃんが反り返りをやらなくなる生後6ヶ月になっても頻繁に体を反らせます。もしも、赤ちゃんの反り返りが気になる場合は、乳幼児健診のときやかかりつけの医師に相談するようにしましょう。

自閉症などの発達障害の可能性

自閉症とは先天性の発達障害で、生まれつき脳に障害があって、見たり聞いたりした情報を整理することが苦手です。なぜ胎児の頃、脳の発達に問題が起きるか、はっきりした原因はまだ解明されていません。

赤ちゃんの自閉症は判断するのが難しく、一般的には赤ちゃんのときは他の赤ちゃんとの違いは顕著に見られません。ただし、自閉症の赤ちゃんは、ママがあやしても笑わない、授乳のときに目を合わせようとしない、抱っこを嫌がって反り返る、などの行動が見られます。

また、お母さんの後追いをしない、抱っこをせがまない、などの特徴もあります。赤ちゃんの反り返りが気になるとき、これらの行動が見られないかを確認し、気になる事がある場合は医師に相談するようにしましょう。

破傷風の可能性

一般的に破傷風は赤ちゃんに感染することはほとんどありませんが、この病気は発症すると反り返りが見られることがあります。

破傷風とは、土の中に存在する破傷風菌が傷口から入って感染する病気です。破傷風に感染すると、筋肉がこわばって口が開けにくくなり、母乳やミルクが上手く飲めなくなります。そして、首筋が張って反り返りが見られます。

現在では予防接種を接種すれば、ほぼ100%の確率で予防できると言われているため、予防接種は必ず受けるようにしましょう。

赤ちゃんの反り返りは体の発達に伴うものが多い!

赤ちゃんの反り返りについて、その原因と対処方法をご紹介しました。多くの場合、体の発達の過程で見られる心配いらないものだとお分かりになったのではないでしょうか。

もし、あまりにも頻繁で気になる場合は、早めにかかりつけの医師や健康診断の際に相談することをおすすめします。

一般的に反り返りは1歳を過ぎたら見られなくなります。反り返りの原因のひとつに「不快な思いを反り返って表現する」ことがありました。これが1歳くらいになると、違う方法でお母さんに訴えることができるようになるため、反り返りが見られなくなるのでしょう。

そう考えると、赤ちゃんの反り返りは、一時期だけしか見ることができない行動だと言えます。心配いらない反り返りなら、このときだけの成長過程と捉えて、見守ってあげると良いのではないでしょうか。

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