赤ちゃんの寝返りはいつから?寝返りの一般的な時期や練習方法を解説

赤ちゃんは生まれてから日々成長し、できることがどんどん増えてきます。その成長過程のなかに「寝返り」がありますが、この寝返りは赤ちゃんが自分の意思で体を移動させることができる成長過程のひとつです。本記事では、赤ちゃんの寝返りはいつ頃から始まるのか、一般的な時期と寝返りの練習方法を詳しく解説します。

赤ちゃんの寝返りはいつから始まるの?

赤ちゃんは生後3ヶ月頃から首がすわってきて、体の機能が徐々に発達してきます。では、赤ちゃんの寝返りは一般的にいつ頃からするようになるのでしょうか。

寝返りとは

寝返りとは、仰向けの状態から足の反動を使い、腰をひねって体を反転させてうつ伏せになる動きのことです。首が完全にすわったあと、ずりばいやハイハイを始める前に始めるのが一般的です。

赤ちゃんが寝返りする一般的な時期は生後5~6ヶ月頃から

赤ちゃんの成長は個人差がありますが、赤ちゃんが寝返りを始める時期は生後5~6ヶ月が目安です。

厚生労働省の調査結果によれば、生後6~7ヶ月の90%の赤ちゃんが寝返りできるようになっていると発表しています。ただし、この時期にできなければならないという意味でなく、多くの子ができるようになっているということです。ですから、この時期に寝返りしなくても神経質になることはありませんよ。

厚生労働省「乳幼児身体発育調査」:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf

早い子では生後3~4ヶ月に寝返りする子もいる

赤ちゃんが寝返りできるようになる時期は、目安である生後5~6ヶ月でなく、ゆっくり成長する子がいれば早い子もいます。なかには首がすわる生後3~4ヶ月に寝返りができるようになる赤ちゃんもいますよ。

この頃の赤ちゃんは、体が軽いため足を振り上げて動かしていたら偶然寝返りができてしまったということもあるのです。寝返りができるようになったら、赤ちゃんなりにコツをつかんで寝返りを繰り返すようになります。しかし、まだうつ伏せになった状態から元の仰向けに戻ることができないため、泣いてお母さんに助けを求めてきます。

赤ちゃんが寝返りできるようになるために必要なのは?

赤ちゃんが寝返りできるようになるためには、筋力の発達と心の成長が関わってきます。

寝返りするためには、うつ伏せになって自分の頭を持ち上げて支える必要がありため、「首がしっかりすわっている」ことが必要です。また、「腰の筋力」がついていないと腰をひねらせて体を反転することができません。赤ちゃんが寝返りするためには、腰まわりの筋肉のほかに腹筋や背筋も必要ですから、これらの筋肉が発達していなければならないのです。

また、寝返りするようになるためには、まわりのものに興味を持つ「好奇心」が必要です。寝返りできるようになると、仰向けに寝ていた頃と異なり、視界が広がります。まわりのものに興味を持ち、もっと見たいもっと近づきたいという「意欲」が赤ちゃんの寝返りを上達させます。

赤ちゃんの寝返りが遅くても心配しないで!

まわりの同じ月齢の赤ちゃんが寝返りを始めたと耳にすると、お母さんは心配になってしまうでしょう。しかし、先程も説明したように、赤ちゃんの成長には個人差があり、運動機能もその子なりに発達していくため心配すぎることはありません。

赤ちゃんのなかには寝返りをしないまま、おすわりを始める子もいます。おすわりができるようになってから寝返りするようになるなど、赤ちゃんによって発達の順番は異なるため、目安の月齢になっても寝返りができなくても心配しすぎないでくださいね。

赤ちゃんが寝返りしない理由

赤ちゃんがなかなか寝返りしないのには何か理由があるのかもしれません。考えられる理由を以下にご紹介します。思い当たる原因があった場合、改善してあげることで寝返りを始めるかもしれません。

うつ伏せが嫌いで寝返りしない

赤ちゃんのなかには、うつ伏せが苦手な子がいます。赤ちゃんをうつ伏せにしたとき、嫌がって泣いてしまう場合は無理にうつ伏せにするのはやめましょう。寝返りは仰向けの状態からうつ伏せの体勢になることですから、うつ伏せが嫌いな子には苦手な動作となるのです。

また、寝返りをする前におすわりができるようになった赤ちゃんは、おすわりが楽しくなって寝返りに興味を持たないこともあります。

体が重くて寝返りしない

生まれつき体重が重い赤ちゃんにとって、体を反転させる寝返りは大変な動作です。寝返りは腰まわりの筋力を使って、背筋や腹筋などの全身を使うため、体が重い赤ちゃんには一苦労なのです。しかし、体が大きい赤ちゃんでも、しっかり筋力がついてくれば寝返りできるようになりますよ。

厚着をしているから寝返りしない

冬生まれの赤ちゃんに、寒くないかと厚着させていませんか?寝返りをしない原因のひとつとして、服を着せすぎていることが原因のひとつとして考えられます。

新生児の頃は体温調整が未熟なので、服を着せるときは大人と同じ枚数かプラス1枚にします。そして、部屋の温度に気を配ってあげましょう。注意しなければならないのは、布団をかける枚数です。布団の枚数も服の枚数をして考えるため、大人が2枚服を着ているときは肌着とロンパースを着せて、タオルケットをかけてあげれば十分です。

そして、生後3ヶ月を過ぎると赤ちゃんは汗かきになりますから、大人より1枚少なくて大丈夫です。着せすぎてあせもができないように注意しましょう。

大人でも厚着していると動きにくいように、赤ちゃんも厚着をさせていると動きにくいのです。動きやすい服装にしてあげると、赤ちゃんは寝返りの練習を始めるかもしれませんよ。

寝返りしにくい環境で寝返りしない

赤ちゃんを寝かせている布団が柔らかすぎると、赤ちゃんは寝返りしにくくなります。寝返りするときは、体に力を入れて踏ん張りますが、布団が滑りやすかったり柔らかかったりすると力が入りにくいのです。

赤ちゃんが寝返りしたい環境づくりが大切

赤ちゃんの寝返りは、赤ちゃん自身の「うつ伏せが嫌い」「おすわりのほうが楽しい」という理由でしない場合があります。しかし、赤ちゃん自身の好みの問題ではない場合もあることをご紹介しました。

このような原因があるときは、お母さんがその原因を取り除いてあげることで、赤ちゃんはのびのび動くことができます。赤ちゃんが寝返りできる環境を作ることは、今後の赤ちゃんの発達過程でも大切なことです。

赤ちゃんの寝返りの練習について

赤ちゃんの寝返りは、赤ちゃんの運動機能の発達やまわりへの興味で始まりますが、これには個人差があります。そのため、赤ちゃんが寝返りしないからといって、さほど心配する必要はありません。

しかし、赤ちゃんが寝返りの練習を始めているときは、親子のスキンシップをかねて少し手助けしてあげても良いですね。

赤ちゃんの寝返りの練習を始めるタイミング

赤ちゃんとの寝返りの練習を始めるとき、赤ちゃんに寝返りする準備ができているかの確認が必要です。

練習をするときは、生後3ヶ月以降に首が完全にすわってから始めなければなりません。首がすわっていないのに始めると、赤ちゃんの体に負担をかけることになってしまいます。練習を始める時期は、寝返りができるようになる目安の生後5ヶ月~6ヶ月にしましょう。

寝返りは、腰のまわりに筋肉がついて、赤ちゃん自身の準備が整ったら自分で練習を始めるようになります。しかし、はじめのうちは寝返りしたい気持ちが見られるものの、体をうまく使えません。そんなときに、そっとサポートしてあげる気持ちで練習を開始しましょう。

寝返りの練習方法

赤ちゃんが腰をひねろうとしている動作が見られたら、寝返りの練習を始めたサインです。ひとりで練習しているときは、できるだけ見守ってあげるのが良いのですが、そっと手助けしてあげると赤ちゃんがコツをつかんで寝返りできるようになるかもしれません。

腰を優しく押してあげる

寝返りの練習を始めた赤ちゃんは、腰をひねって体を反転させようとします。しかし、はじめのうちは足だけ反対側について腰がついていきません。そんなときは、お母さんが赤ちゃんの腰を優しくそっと押してサポートしてあげましょう。

腰を押されることで、赤ちゃんはスムーズに上半身をひねることができ、寝返りできます。これを繰り返すことで、赤ちゃん自身がコツをつかみ寝返りできるようになるのです。

横向きにしてサポートする

寝返りをするとき、腰をひねるものの反転するまではもう少し、ということがあるでしょう。そんなときは、赤ちゃんを横向きに寝かせて、背中にクッションや枕などを置いてみましょう。そうすることで、赤ちゃんが寝返りしようとして腰をひねったときにクッションに体がぶつかり、その反動で寝返りができます。

この動きを繰り返すと、赤ちゃんは寝返りするときのコツをつかむことができます。赤ちゃんが嫌がる場合は無理に行なわずに見守ってあげてくださいね。

おもちゃで誘ってサポート

赤ちゃんは寝返りできるようになると、自分の意思で体を移動できることに気づき、楽しくなります。はじめのうちは片方の方向にしか寝返りできない赤ちゃんも、だんだん左右どちらでも寝返りできるようになってきます。

寝返りができるようになったら、赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを使って苦手な方向への寝返りの練習をしても良いでしょう。触ると音がするおもちゃは赤ちゃんの興味を引くことができておすすめですよ。

うつ伏せが嫌いな赤ちゃんへのサポート

うつ伏せが嫌いな赤ちゃんは、寝返りができるようになってもうつ伏せになるたびに泣いてしまうことがあります。寝返りができたばかりの頃は、うつ伏せから仰向けに戻ることができないため、赤ちゃんはお母さんに助けを求めます。

うつ伏せが苦手な赤ちゃんは、お父さんやお母さんの胸やお腹の上にうつ伏せで寝かせてみましょう。大好きなお父さんやお母さんのお腹の上でうつ伏せになることで、うつ伏せの体勢に慣れてくれるかもしれません。

こうしてうつ伏せに慣れることで、うつ伏せから仰向けに戻る寝返りの練習が始められますよ。ただし、うつ伏せの練習をするときは、授乳から時間を置いて行なってくださいね。

赤ちゃんが寝返りするようになったら注意すること

赤ちゃんが寝返りできるようにタイミングは、予測できない事が多く、見ていないときにできるようになったということもあります。そのため、普段から赤ちゃんのまわりに注意しなければならないことがありますので、以下に詳しく解説します。

布団は硬めのものにする

赤ちゃんを寝かせる布団は、事故を防止するために硬めのものを選ぶようにしましょう。赤ちゃんが寝返りするようになると、お母さんが見ていないときにも寝返りします。そして、何度も寝返りを繰り返し、うつ伏せになったままの状態で疲れて寝てしまうことがあります。

高い場所に寝かさない

赤ちゃんは寝返りできるようになると、楽しくて何度も寝返りを繰り返すようになります。そして、寝返りを何度もして思ってもみない遠い場所に移動するようになるのです。

少しの間だから、と大人が寝ているベッドの上やソファーなどに寝てせておくと落下してしまい、ケガをしてしまうおそれがあります。また、ベビーベッドで寝かせるときは、必ず柵をしておくのを忘れないようにしましょう。

赤ちゃんのまわりに危険なものがないか確認する

赤ちゃんが寝返りの練習を始めたら、いつできるようになるか分かりません。いつ寝返りしても良いように、赤ちゃんのまわりに危険なものがないか見渡してみましょう。

また、赤ちゃんは何でも口に入れてしまうため、電池やタバコなどを口に入れたら大変危険です。寝ているときには手が届かなかった場所でも、寝返りできるようになるとどんどん移動して触ることができるようになります。思ってもみない場所に手を伸ばしたり、引っ張ったりすることがあるので、赤ちゃんを危険から守るために注意しましょう。

危険なものを片付ける他には、寝返りしたときに家具の角に頭などをぶつけてケガをしないよう、家具の角をガードするグッズを使うと良いですよ。そして、生後5ヶ月~6ヶ月くらいになると赤ちゃんは手先が器用になってくるため、引き出しや軽い扉なら開けられるようになります。そのため、引き出しや扉に手を挟まないようにする便利グッズを活用して、赤ちゃんがケガしないように工夫することが大切です。

また、寝返りするときは、足で床を蹴るようにして体をひねります。そのとき、床に滑りやすいマットなどを敷いていると、足を踏ん張ったときに滑ってしまいます。赤ちゃんの成長を妨げないように、滑りやすいものは敷かないように注意してあげてくださいね。

今後、赤ちゃんは寝返りのほかに、ずりばいやハイハイ、おすわり、つかまり立ちなどをするようになります。そのときに、転んでケガをしないように衝撃を吸収するジョイントマットなどを敷くのがおすすめです。

寝返りの練習は焦らず!

赤ちゃんの成長はついつい他の子どもと比べてしまいますが、寝返りを始めとした成長は、その子なりのペースがあります。寝返りは環境が整っていて、赤ちゃんの準備が整えば始めるようになります。

赤ちゃんが練習を始めたら、親子のコミュニケーションを楽しむつもりでお手伝いすると良いですよ。練習するときは、赤ちゃんの機嫌が良いときにして、嫌がったらすぐにやめるようにしましょう。寝返りはいずれできるようになりますから、焦らず見守ってあげてくださいね。

0