小学生でスマホは当たり前?メリット・デメリットから保護者の注意点について解説

小学生の子供に、「自分専用のスマホを持ちたい」と言われたらどうしますか?スマホは使い方によっては、トラブルや犯罪に巻き込まれてしまうという心配があります。しかし、スマホを持たせることで、子供の安全が守れる面もありますよね。この記事では、小学生のスマホ事情について詳しく解説していきます。

小学生のスマホ保有率

最近のスマホの普及によって、子供たちも親のスマホを借りて動画を観たりゲームをしたりして、幼い頃からスマホに慣れ親しんでいます。

では、自分専用のスマホを持っている小学生はどれくらいいるのでしょうか。また、保護者が子供にスマホを持たせた理由はどのようなものがあるのでしょう。

データから見る小学生のスマホ保有率

『株式会社NTTドコモ』が、小学生の携帯・スマホの利用について様々なデータを参照にまとめた資料があります。これをもとに小学生のスマホ保有率について見ていきましょう。

関東1都6県の小学生をもつ保護者にアンケートをとったところ、小学生が自分専用のスマホを持っている割合は以下の通りでした。また、同時に家族が所有しているスマホを使う、共有して使っているかとの問いの結果も見ていきましょう。

学年 自分専用のスマホを持っている 家族のスマホを利用している割合
小学1年生 3% 43%
小学2年生 3% 40%
小学3年生 12% 46%
小学4年生 18% 40%
小学5年生 15% 45%
小学6年生 22% 61%

このデータを見てみると、スマホを持つようになる学年は小学3年生から少しずつ増えてくることが分かります。

そして、小学生の約半数が自分専用のスマホまたは家族の所有しているスマホを利用していることが分かりました。この結果から見ると、小学生がスマホを使うことは当たり前のようになりつつあると言えるでしょう。

保護者が小学生にスマホを持たせる理由

次に、保護者が小学生にスマホを持たせる理由を見ていきましょう。『株式会社NTTドコモ』の調査によると、子供にスマホを持たせる理由で一番多かったのは、「緊急時に子供と連絡が取れるように」との答えでした。

次に、「子供がどこにいるのか分かるようにしたい」との理由です。保護者が働いている家庭では子供が帰ってきたときに家に誰もいないことがあるでしょう。スマホがあれが子供が友達と遊びに行ったときに居場所を把握しておけます。

3番目に多かった理由は「子供が塾や習い事を始めた」というものです。小学生になると、塾や習い事に通いだすことも多くなりますが、その道中が心配でスマホを持たせる保護者も多いようです。

そして、4番目に多かったのは「子供の友達が持ち始めたから」でした。スマホの所有が友達関係にも影響があるのではないか、と懸念する保護者がいるようです。

最後に挙げられたのは、「子供の進級に合わせて」持たせることにしたという理由です。家庭内でスマホを持たせる学年を決めて、その学年になったから持たせるようする保護者もいるでしょう。

<参考>
株式会社 NTTドコモ モバイル社会研究所「ケータイ社会白書」:https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp19/pdf/wp19_all.pdf

子供に初めてスマホを持たせたのはいつから?

では、次に子供に初めてスマホを持たせ始めたのはいつからかというアンケート結果を見てみます。

MMD研究所が、2019年以降にスマホを持たせた保護者1,000人を対象に、「今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査」を実施しました。小学生1年生から6年生までの子供にスマホを持たせ始めた結果は、以下の通りになっています。

初めてスマホを持たせた学年

小学1年生 2.8%
小学2年生 7.2%
小学3年生 3.9%
小学4年生 5.1%
小学5年生 4.7%
小学6年生 7.1%

このアンケートは、「子供に初めてスマホを持たせた親」が対象なので、中学生や高校生から持たせた保護者も含まれています。全体的に見てみると子供に初めてスマホを持たせたのは、中学生3年生になってからが一番多く、割合としては16.3%で、次いで多かったのが小学6年生で12.1%でした。

そして、スマホデビューをした年齢は小学生が最も多く、全体の40.1%となっていて、スマホデビューが低年齢化していることが分かります。

そして、MMD研究所の調査でも、子供にスマホを持たせた理由を聞いています。その結果、一番多かった理由は、全体の20.6%で「子供が塾や習い事を始めた」というものでした。この理由は先ほどご紹介したNTTドコモの調査結果では、3番目に多い理由でした。

次に多かったのは、19.8%で「子供がスマホを持ちたいと言い出したから」で、その次は「学校の行き帰りが心配だから」で18.9%でした。次いで「事件・事故などの世の中の出来事に不安を感じる」「まわりの子供がスマホを持つようになった」となっています。

子供にスマホを持たせる理由は、様々な不安によるものだということが分かります。塾や習い事を始めると、子供だけで外出するようになり、学校の行き帰りに事件や事故に巻き込まれないか心配でスマホを持たせる保護者が多いのです。

<参考>
MMD研究所「今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査」:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1838.html

小学生にスマホを持たせるメリットとデメリット

スマホを持たせる年齢が低くなってきていますが、小学生にスマホを持たせることに不安はないのでしょうか。先ほどのMMD研究所が保護者にアンケートをとった結果、半数以上の人が心配を抱えていることが分かりました。

このように、心配を抱えながらも子供にスマホを持たせるには、スマホを持たせることによるメリットがあるからです。次に、スマホを持たせることによるメリットとデメリットを詳しく解説します。

小学生にスマホを持たせるメリット/h3>

小学生にスマホを持たせる理由をご紹介しましたが、保護者が子供にスマホを持たせるのは、持たせたいと思うメリットがあるからです。そのメリットはどのようなものかご紹介します。

スマホのGPS機能で子供がいる場所が分かる

小学生の子供にGPSを持たせるメリットは、「スマホのGPS機能が利用できるため、子供のいる場所を把握できる」ことです。

子供は、小学生になるとどんどん行動範囲が広がっていきます。特に高学年になれば、子供だけで遊びに行くことや子供同士で買い物に出かけることも増えてきて、親の目が届かないことも多くなってくるのです。そうなると、事件や事故に巻き込まれないか親としては心配ですよね。

スマホにはGPS機能がついているため、子供がスマホを持って出かけると今どこにいるか把握することができます。友達と出かけたときや、塾や習い事を始めたときなど、無事に塾へ到着したかをGPSで確認することが可能です。

もし、子供が小学校低学年であれば、GPS機能や子供が自宅に帰宅したときに保護者に通知が届くサービスなどがある「キッズ携帯」がおすすめです。キッズ携帯は、機種によって様々な機能で子供の安全を守ってくれます。

キッズ携帯のサービスのひとつである「子供が一定距離から離れた場合に保護者に通知する機能」は、出先で誘拐や迷子から子供を守ります。また、「塾や習い事に出かける時間をアラームで教えてくれる機能」は、共働きで子供が学校から帰ってきたときに家にいない保護者におすすめです。子供はテレビや遊びに夢中になっているとき、ついつい時間を忘れてしまいがちですが、この機能があれば塾や習い事を忘れることがありません。

さらに、キッズ携帯には防犯ブザーが搭載されているものが多く、ブザーを鳴らすと警備会社が駆けつけてくれるサービスを提供しているところもあります。

このように子供の安全を守ってくれるキッズ携帯ですが、高学年になるとキッズ携帯を持つことを恥ずかしがる子が増えてきます。便利な機能も、携帯を持ち歩かなければ意味がありません。

その点、スマホであれば小学校高学年になっても恥ずかしがることなく持ち歩くことができます。低学年のうちはキッズ携帯を使い、高学年になったらスマホに替える方法もありますね。

スマホでいつでも子供と連絡がとれる

小学生にスマホを持たせる理由として「子供とすぐに連絡がとれる」ことを挙げる保護者は多いのではないでしょうか。スマホを持っていれば、LINEを使うことができるため、電車やバスの中のような会話が難しい状況でも、子供と連絡をとることができます。

また、無料電話が使用できるアプリを使えば、塾の帰り道などに保護者と話しながら帰宅できるため、通話料金を気にすることがないのもスマホを持つメリットと言えます。

災害時や緊急のときに連絡がつきやすい

大きな災害があったとき、携帯電話の通話ができなくなったことがありました。その点、スマホを持っていれば子供の位置情報を把握することができる、LINEなどのアプリを通じて連絡がつきやすくなります。

LINEで家族のグループを作っておけば、個別にやりとりする必要がないため、家族全員の安否をグループLINEで知ることができるのもメリットと言えます。

知りたい情報をすぐに調べることができる

スマホを持っていれば、気になる情報や知りたいことを瞬時に調べることができます。しかし、ネットには様々な情報があふれていて、すべてが正しいわけではありません。私たちは、膨大な情報のなかから、正しい情報を見極めることが必要になってくるのです。

小学生のうちから、検索の仕方を覚えて様々な情報を見定める力を身に着けることは自身を守ることにつながります。ただし、どの情報が正しいかを見極めるのは大人でも難しいことです。保護者が一緒に検索して、子供と一緒に正しい情報なのか相談しながら学んでいくのが大切です。

また、スマホのアプリには勉強に関するものも多くあります。勉強をサポートしてくれるアプリを活用できるのは、スマホを持つメリットと言えるでしょう。

操作に慣れておくことができる

2020年より小学校でプログラミングの教育が必修化になるため、それに先駆けて小学校ではパソコンやタブレット端末を取り入れた授業を始めているところもあります。

タブレットの操作はスマホとほぼ同じですから、スマホを持っている子供はすんなりと使いこなせることができるでしょう。ある程度操作できるようになっておけば、プログラミングの授業も苦手意識がなく受けることができるのではないでしょうか。

今や社会は「パソコンが使えるのが当たり前」という時代です。将来、子供がどのような仕事に就くかによりますが、パソコンが使えることでできる仕事の幅が広がります。

友達とコミュニケーションがとれる

子供が自分専用のスマホを欲しがるようになる理由の多くは、「まわりの友達が持っているから」ではないでしょうか。最近は、スマホのアプリやゲームを通じて子供同士がコミュニケーションをとる時代です。

LINEのグループに入っていないから友達の会話に入れない、などの悩みを抱えてスマホを欲しがることもあります。特に学年が上がるにしたがい、スマホの所有率も高くなる傾向があるのです。スマホを持つことで友達同士のコミュニケーションがとれるというメリットがありますが、使い方に関して親子で話し合っておくことが大切です。

小学生にスマホを持たせるデメリット

小学生にスマホを持たせることに関しては、メリットがある一方でデメリットもあります。これは多くの保護者が抱える心配や不安にも通じるものと言えます。

<h4有害サイトの利用・犯罪に巻き込まれるおそれがある

小学生にスマホを与えるときに保護者が一番心配するのは、有害サイトやアプリの利用ではないでしょうか。現在はインターネット上には子供に悪い影響を与える情報が多く、それらは簡単にアクセスすることができてしまいます。

キッズ携帯の場合は、このような有害なサイトにアクセスできないように設定されています。一方、スマホはフィルタリング機能やアプリを使用しなければなりません。このフィルタリングアプリについては、後ほど詳しくご紹介します。

小学生がスマホのサイトを通じて知り合った大人と会って犯罪に巻き込まれた、などのニュースを耳にしたことがあると思います。保護者にフィルタリングの知識がない、または危機感がないまま小学生にスマホを使わせると、子供が事件やトラブルに巻き込まれてしまうおそれがあるのです。

スマホの使い過ぎによる視力低下の心配がある

スマホの使いすぎることで起こる「視力の低下」は保護者の心配の種ではないでしょうか。文部科学省が行なった「令和元年度の学校保健統計」によると、小学生で視力が1.0以下の子供は全体の34.57%と、5年連続で視力が悪い子供が増えていることが分かります。

この結果を、文部省は「スマホなどの普及によって、近くで物を見る時間が増えたことと、外で遊ぶ機会が減り、遠くを見ることが少なくなったためではないか」と推測しています。

最近では、スマホを長時間見ていることで「スマホ老眼」になる若者が増えていると耳にしますが、スマホが子供の視力に影響を及ぼしてしまうのが心配ですよね。

また、厚生労働省が「健康づくりのための睡眠指針」でスマホが睡眠に影響を与えるおそれがあることを発表しています。

厚生労働省は、眠る前にスマホでメールやゲームなどをすると目が覚めてしまい、夜更かしの原因になるおそれがあると指摘しています。また、明るい画面を見ることで体内時計がずれてしまう可能性があり、睡眠時間が不規則になる可能性があると警鐘を鳴らしているのです。

小学生にスマホを持たせるときは、視力や健康への影響を考えなければなりません。

<参考>
文部科学省が行なった「令和元年度の学校保健統計」:
https://www.mext.go.jp/content/20200319-mxt_chousa01-20200319155353_1-3.pdf

<参考>
厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

SNSに依存してしまう・犯罪に巻き込まれる可能性がある

『デジタルアーツ株式会社』が行なった「第13回未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」によると、SNSを利用している未成年の割合は89.8%でした。

そのうち、小学校高学年男子のSNS利用率は74.8%、小学校高学年女子は79.6%となっています。この結果から、スマホを所有している子供達の大半がSNSを利用していることが分かります。

SNSのアプリは様々なものがあり、SNSを通して知らない人と簡単につながることができます。そして、顔が見えないネットの世界ではSNSのプロフィールが本当のものか分かりません。素直な子供は言われたことを信じてしまい、悪い大人に個人情報を聞き出されてしまうことがあるかもしれません。

調査では、「ネットだけでコミュニケーションをとる友達がいるか」との問いがありました。この問いに対して、小学校高学年の34.5%が「いる」と答えています。そして、驚くことに小学校高学年の男子の29.7%、小学校高学年の女子は35.5%が「実際に会ったまたは会ってみたい」と答えているのです。

さらに、スマホを持っている未成年でネット友達がいると答えたうちの60.7%が、「ネットで話していくうちに信用できると感じた」ため、会いたいまたは自分の写真を送っても良いと考えています。

このように、子供はスマホを通じて実際に会ったことがない人とやりとりをし、ネットでの会話だけで相手を信用している結果が出ています。

また、小学校高学年がSNSに投稿している内容で最も多かったのは、「趣味や好きな芸能人に関すること」でしたが、次いで多かったのが「学校やプライベートで感じたこと」でした。自分のプライベートをSNSでさらけ出すことに危機感を持っていない場合、親が知らないところで自分の名前や学校名を投稿しているというおそれもあります。

小学生のうちからスマホを使うことで、SNSを通じて知らない人とつながり、実際に会いたいと思ったり写真を送ったりしても良いと考えている。そして、ネット上に自分の写真をアップしてプライベートをさらしている結果から、スマホの使い方によっては子供が危険な目に遭う可能性があると言えるのです。

<参考>
デジタルアーツ株式会社「第13回未成年者の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」:https://www.daj.jp/company/release/common/data/2020/040701_reference.pdf

勉強がおろそかになるおそれがある

スマホに夢中になってしまうと勉強がおろそかになるのではないか、と保護者は心配することがあると思います。

スマホと学力の関係性を、仙台市教育委員会が行なった「標準学力調査」をもとに、東北大学が調査・分析したデータがあります。これによると、スマホを1日1時間以上使用すると成績が低く、1時間未満の使用にした場合は成績がアップしたというのです。

また、横浜市教育委員会が行なった市内の義務教育の児童生徒約27万人を対象にした「平成30年度 横浜市学力・学習状況調査の結果」によると、小学生がスマホを使用する時間と学力に関係があるとの結果が出ました。

1日のうち、スマホや携帯をどれくらい使うか調査したところ、スマホの使用時間が長いほど、学力層が下位である傾向が見られることが分かりました。

このように、スマホの使用時間が学力に悪い影響を与えることがデータとして発表されています。小学生にスマホを持たせるときは、使用に関して時間や使い方をしっかり考えなければならないと分かりますね。

<参考>
仙台市教育委員会学びの連携推進室「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」:https://www.city.sendai.jp/manabi/kurashi/manabu/kyoiku/inkai/kanren/kyoiku/documents/h29gakusyuiyoku.pdf

横浜市教育委員会「平成30年度 横浜市学力・学習状況調査の結果」:https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/kyoiku/2019/0719shigakujoukekka.files/0001_20190718.pdf

ネットを通じたいじめに遭うおそれがある

近年、いじめが低年齢化してきているのはニュースなどで耳にしたことがあると思います。そのいじめのなかで、ネット上のいじめが増えてきています。

スマホやパソコンの普及により、SNSを使って、特定の人の悪口を書いたり、発言を無視したりする「ネットいじめ」が小学生の間にも起こってきているのです。

ネットのなかでは、交流は文字だけのやりとりです。文章だけの会話では伝わらないニュアンスなど、ちょっとした勘違いなどが原因でいじめに発展してしまうおそれがあるのはスマホを使うときの怖さと言えます。

文部科学省が2019年12月に発表した「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」によると、ネットを通じたいじめがあることが分かっています。

小中学生・高校生・特別支援学校の子供を対象にした調査で、「パソコンや携帯電話などで、誹謗中傷や嫌なことをされたことがある」という内容の質問がありました。

その結果、パソコンなどでいじめを受けた件数は2015年の調査では9,187件でしたが、翌年の2016年では10,779件、さらに2017年には12,632件と年々増えているのです。

このことから、小学生にスマホを持たせることに対して不安を感じる保護者が多いのは納得できますよね。

<参考>
文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」:https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000021332.pdf

課金による高額請求のおそれがある

スマホを小学生に使わせたとき、ゲームアプリで課金してしまうおそれがあることを知っておきましょう。子供がスマホを手にしてゲームに夢中になってしまい、制限のない課金をしてしまって高額な請求がきたというケースもあるため、十分な注意が必要です。

小学生にスマホを持たせるときに保護者ができる注意点

今やスマホは人と人をつなぐコミュニケーションツールのひとつ、また様々な情報を得るための道具としても活用されるものとして欠かせないものになってきています。

そんなスマホを小学生に持たせることになったとき、保護者はどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

スマホを使うときのルールを親子で話し合う

小学生にスマホを持たせることになった場合、親子でスマホの使い方について話し合っておくことが重要です。そして、親が一方的にスマホに関してのルールを作るのではなく、子供と一緒に作ることがポイントになります。

『株式会社NTTドコモ』の資料で、スマホを使うことに関して親子でルールを設定している割合が分かります。小学校1年生から3年生までは81%の親子が、小学校4年生から6年生までは92%の親子が何かしらのルール設定があります。

ルールを設けるのは、子供がトラブルに巻き込まれないため、健康や学業に支障をきたさないようにするためです。そのためには、保護者がある程度、子供がスマホをどのように使っているかを把握する必要があります。

小学生がスマホを持つときに設けるルールには、「スマホを使う時間を設定する」や「スマホを使う場所を限定する」「食事中はスマホを使用しない」「ながらスマホをしない」というようなスマホを使う時間や場所に関する基本的なものがあります。

また、子供がトラブルに巻き込まれないためのルールとして、「アプリをダウンロードするときは親に相談する」「困ったことが起きた場合はすぐ親に相談する」「個人情報や写真をネット上にアップしない」「面識がない人と連絡先の交換をしない」ことも重要です。

さらに、他人を傷つけないように「SNSや掲示板で他人の悪口を書かない」という約束も大切ですね。

そして、親子で話し合って作ったルールを破ったときのことも決めておきましょう。せっかくルールを作ったのに、守らなければ意味がありません。

はじめにルールを設定するとき、「話し合いをして数日スマホを使わないようにする」「ルールを2度破ったら1週間スマホを親に預かってもらう」など、具体的にどうするかを決めておきます。そうすれば、ルールを破っても「謝ればいいや」などと思わせずにすみます。

大切なのは、なぜルールを設けるのかを理解させ、納得させることです。納得できないルールを無理やり押し付けても子供は守ろうという気持ちにはなれません。お互いに納得できるまでしっかり話し合いを重ねてルールを決めれば、子供自身も「自分の意見を聞いてくれた」と納得してルールを守ろうとするでしょう。

フィルタリングアプリを活用する

スマホの普及に伴い、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が施行されました。

これにより、携帯電話事業者は、携帯電話を使うのが青少年である場合は、フィルタリングサービスを提供することが義務づけられたのです。また、携帯電話を契約する際、その携帯電話を使う者が青少年である場合は申し出なければなりません。

フィルタリングとは、青少年が安全にインターネットを使用できるための機能のことです。有害が情報をシャットアウトして、子供を犯罪やいじめなどから守ります。

保護者は青少年を守るため、子供のスマホにフィルタリングをかけるかを判断することになるのですが、実際に未成年者のスマホにフィルタ人グをかけている割合はどれくらいなのでしょうか。

内閣府の調査によると、スマホを使う小学生の保護者のうちフィルタリングを使っている割合は23.9%でした。「スマホを使う場所や時間を管理している」「子供の利用状況を把握している」「大人の目の届く範囲で使わせている」などの管理方法で使わせている保護者は多いものの、フィルタリングサービスを利用している保護者は全体の3割にも満たないのです。

フィルタリングサービス以外に行なっている対策として、「子供の位置情報設定をONにする」「アプリ購入のパスワードは保護者が管理している」「スマホにダウンロードしているアプリをチェックする」などがあります。

小学生の子供にスマホを持たせる際は、スマホの利用によるトラブルを避けるためにはフィルタリングをかけることをおすすめします。スマホを購入する際にフィルタリングの設定をしてくれるので、子供を守るために活用しましょう。

<参考>
内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」:https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_torikumi/tyousa/r01/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

普段から親子でコミュニケーションをとるようにする

小学生にスマホを与えるとき、親子でしっかり話し合ってルールを決めることが大切と説明しました。しかし、ルールを守ればそれで良いわけではありません。

スマホを手にしたときに、どのような使い方をすれば良いのか、どのような使い方は悪いのかを保護者のほうが常に話し合える環境を整えておくことが重要です。

ルールでスマホの使用時間を定め、それを守っていたとしても、制限時間内に友達の悪口を掲示板に書き込んでいたらどうでしょう。また、保護者との約束を破ってダウンロードしたSNSで自分の悪口を見つけたとき、子供はどうしたら良いのか悩むでしょう。

相談したら自分が約束を破ったことが分かって叱られるのではないか、スマホを取り上げられるのではないかと保護者に話すことができず、一人で悩みを抱えているかもしれません。

保護者は普段から、子供が困ったときに気づけるように意識してコミュニケーションをとるようにすることが大切です。スマホの使い方や悩み事などを話し合える雰囲気づくりも子供を守るためには大事なことなのです。

小学生がスマホを持つときは保護者もしっかり勉強を!

小学生の子供にスマホを持たせる理由は様々でしょう。どのような理由であれ、子供がスマホを使うようになったら、保護者自身もスマホの使い方について今一度よく勉強して考える必要があります。

なかには「子供に任せる」という保護者もいると思いますが、スマホは使い方によっては危険性を伴うものだと認識することが大切です。

子供がトラブルに巻き込まれないため、安全にスマホを使うためにフィルタリングアプリを活用し、親子で話し合ってルールを決めてから使わせるようにしましょう。

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