赤ちゃんがミルクを飲まない原因とは?原因と10の対策を紹介

赤ちゃんが急にミルクを飲まなくなってしまうとママは心配になってしまいますよね。特に、離乳食が始まっていない赤ちゃんがミルクを飲まなくなると、栄養が摂れないのではないかと不安になるでしょう。実は、赤ちゃんがミルクを飲まなくなる原因は、病気でない場合が多いのです。今回は、赤ちゃんがミルクを飲まない原因とその対策をご紹介します。

赤ちゃんがミルクを飲まないときにチェックすること

赤ちゃんがミルクを飲まなくなったとき、原因を探る前にチェックしてほしいポイントがあります。そのポイントは以下の項目です。

赤ちゃんの機嫌が悪くないか

赤ちゃんは生後2ヶ月頃になってくると満腹中枢が発達してくるため、自分でミルクを飲む量を調整できるようになってきます。この成長によって、赤ちゃんの機嫌が良いのにミルクを飲まない場合はお腹がいっぱいになったからだと判断できます。

もしも、赤ちゃんの機嫌が悪くミルクを飲まないときは、体調が悪いのかもしれません。赤ちゃんの様子をよく観察して原因を探りましょう。

おしっこやうんちの回数を確認する

赤ちゃんの体調を確認する方法に、おしっこやうんちの回数や状態を確認する方法があります。新生児の頃、おしっこやうんち回数は多いものの、個人差はありますが生後2ヶ月頃を過ぎるとだんだん減ってきます。

赤ちゃんがミルクを飲まなくなったとき、おしっこやうんちの回数が普段と変わりがないか確認しましょう。また、色や硬さなどもチェックして、いつもと違う場合は医師に相談して対処します。

体重が増えているか確認する

急に赤ちゃんがミルクを飲まなくなったとき、体重を量ってみてください。

月齢によりますが、赤ちゃんは生後2ヶ月頃までは1日25g~40g増えていきます。順調に増えているようでしたらミルクが足りているため、お腹がすいていないのかもしれません。

反対に、体重が増えていないのにミルクを飲まなくなってしまったときは、病気の可能性を考え、すぐに病院へ連れて行かなければなりません。

赤ちゃんがミルクを飲まない原因とは

体調が悪いわけではないのに、赤ちゃんがミルクを飲まなくなるのには何らかの原因があります。以下に赤ちゃんがミルクを飲まなくなる原因を挙げていきます。

ミルクよりも母乳が好きだから

生まれたときから完全母乳で育った赤ちゃんは、哺乳瓶を嫌がってミルクを飲まないことがあります。哺乳瓶をくわえた感触が嫌な場合や、ミルク自体が嫌いな場合など様々な原因が考えられます。

哺乳瓶の乳首が嫌だから

ママの母乳だけで育った赤ちゃんの場合、哺乳瓶の乳首を嫌がるケースが多く、ミルクを飲ませようとすると嫌がって泣いてしまうことがあります。

市販されている哺乳瓶の乳首はママの乳首に似せて作られていますが、実際のママの乳首と比べるとやはり感触は違うものです。赤ちゃんはママの乳首に慣れていると、哺乳瓶の乳首の感触に違和感を覚えます。そのため、哺乳瓶をくわえさせようとしても舌で押し返してしまうのです。

また、メーカーによって乳首の形や素材に違いがあり、ミルクの出方も異なります。さらに、ミルクの出が悪くなってしまったを使い続けると、赤ちゃんが吸うのに疲れてしまいます。体力を使ってしまうため、途中でミルクを飲まなくなってしまうことがあります。

お腹がすいていないから

ミルクを飲まなくなる原因には、単純に「お腹がいっぱいだから」というものがあります。赤ちゃんの成長に個人差があるように、ミルクの飲み方についても個人差があります。

お腹がすいていないときにミルクを飲ませようとしても赤ちゃんは飲まないですよね。また、白湯や果汁を早めに始めてしまうことで、お腹がいっぱいになってしまいミルクの飲みが悪くなることがあります。

果汁を始めるのは離乳食を開始してからです。その前にあげてしまうと、母乳やミルクの飲みが悪くなる場合があるため控えなければなりません。

ミルクの味が嫌いだから

市販されている粉ミルクは、母乳に似た成分で作られていますが、完全母乳で育ってきた赤ちゃんにとって味の違いを感じて嫌がることがあります。

また、粉ミルクはメーカーによって味の違いがあるため、今まで飲んでいたミルクと違うメーカーにした途端飲まなくなることもあります。赤ちゃんは大人が思っている以上に味に敏感で繊細な舌を持っているのです。

ミルクの温度が嫌だから

ミルクの温度が嫌でミルクを飲まなくなる赤ちゃんがいます。母乳の場合は温度を気にすることはありませんが、ミルクを飲ませるときは温度調整が必要です。

ミルクの温度は作る人や季節、環境によって異なる場合があります。ミルクは人肌にするのが基本とはいえ、人によって感じる温度が違うものです。そのため、ミルクを作る人によって温度が違うことがあるため、赤ちゃんがミルクを飲まない場合があるのです。

ミルクを集中して飲む環境ではないから

赤ちゃんは母乳やミルクを飲むとき、まわりの環境によって気が散ってしまい飲まなくなることがあります。特に、新生児から生4ヶ月頃までは、部屋の温度が高すぎたりテレビの音がうるさかったりすることが原因でミルクを飲まないケースも。

また、赤ちゃんはママの精神状態をとても敏感に察します。忙しくてイライラしているときなどはそれが赤ちゃんに伝わって、緊張状態になってしまい泣いてしまうことがあります。

飲みにくい姿勢だから

ミルクを飲ませるときの姿勢も飲みが悪くなる原因のひとつです。普段、母乳が中心の赤ちゃんは、おっぱいを飲むときは横向きに抱っこされてママとぴったりくっついています。

ミルクを飲ませるときに、顔を上向きにすることで普段と違い姿勢になり、それに違和感を覚える赤ちゃんがいます。

赤ちゃんがミルクを飲まないときの10の対策

赤ちゃんがミルクを飲まないときの原因をいくつかご紹介しました。ご自身の赤ちゃんにあてはまる原因はありましたか?次に、赤ちゃんがミルクを飲まないときの対処法を10通りご紹介します。

哺乳瓶の乳首を替えてみる

赤ちゃんにとって、ミルクを飲むことは相当の体力を必要とすることです。特に、新生児のときは吸う力が弱いため、ミルクが出にくい乳首を使ってしまうと十分に飲む前に疲れてミルクを飲むのをやめてしまうことがあります。

新生児の頃は、ミルクが出やすい穴の乳首を使い、だんだん吸う力がついてきたらスリーカットやクロスカットの乳首を使うと、赤ちゃんはミルクが飲みやすくなります。

このように月齢によって乳首を変えて様子を見ることで、赤ちゃんのミルクの飲みが良くなることがありますよ。

哺乳瓶の角度やふたの閉めすぎに注意する

哺乳瓶の角度によって、赤ちゃんがミルクを飲まなくなることがあります。

哺乳瓶で赤ちゃんにミルクを飲ませるときは、赤ちゃんの舌の上に哺乳瓶の乳首を乗せるようにしてくわえさせてあげます。そして、空気を吸い込まないように哺乳瓶を縦にして飲ませてあげるようにしなければなりません。

哺乳瓶を横にしてしまうと、ミルクを飲むときに一緒に空気も飲み込んでしまうため、すぐにお腹がいっぱいになってしまいます。赤ちゃんがミルクを飲んでいるときは、飲むスピードに合わせて哺乳瓶の向きを変えて空気が入らないように注意してあげてくださいね。

また、哺乳瓶のふたを閉めるとき、きつく閉めすぎてしまうとミルクが出にくくなります。ミルクを作ったとき、哺乳瓶を下に向けたらミルクが滴るくらいが飲みやすい状態です。

ミルクを作るときは、哺乳瓶の乳首やふたをチェックし、角度を注意してあげるとよく飲むようになりますよ。

ストローで飲ませてみる

普段は母乳で育てている場合、どうしても哺乳瓶を受け付けない赤ちゃんがいます。その場合、生後5ヶ月くらいになっていればストローを始めても良いかもしれませんね。

この頃になると、ストローで上手に飲むことができるようになる赤ちゃんもいるので、哺乳瓶を嫌がったときに試してみてはいかがでしょうか。また、生後5ヶ月~6ヶ月になってきたら離乳食を開始する時期です。それに合わせてコップの練習を始めても良いでしょう。

ただし、ストローやコップが使えるようになる時期には個人差があるため、無理に始める必要はありません。

時間を変えてあげてみる

赤ちゃんがミルクを飲まない原因に、「お腹がすいていないから」というのがありますが、これが原因だった場合は無理に飲ませず時間を置くのが一番です。

ミルクの場合、赤ちゃんが消化するのに時間がかかることがあるため、時間を置かずにあげると飲まない場合があります。

また、ミルクをあげるタイミングでゴクゴクと飲んでくれることも。眠そうにしているときや、赤ちゃん体操をして身体を動かしたあとにミルクをあげると良く飲んでくれることがありますよ。

ミルクをほかのメーカーに変えてみる

たくさんのメーカーから販売されているミルクですが、赤ちゃんによってはメーカーを変えた途端飲まなくなることがあります。メーカーによって味が違い、好きな味や苦手な味があるのですね。

メーカーを変えた途端飲まなくなったとき、いつも飲ませていたメーカーに戻したら飲むようになったというケースも。

どのミルクが好みか試しに飲ませてみたい場合、メーカーによっては試供品を取り寄せることができるので、いくつか試してみると良いでしょう。

ミルクの濃さを見直してみる

味覚が敏感な赤ちゃんは、ミルクの味のほかにも「濃さ」が違うことでミルクを飲まなくなることがあります。

ミルクを作るのに慣れていない人が作ると、ママが作っているミルクと濃さが違ってしまうことがあるでしょう。舌が敏感な赤ちゃんは少しの差でも感じ取って飲まなくなってしまいます。

もしも心当たりがあったら、ミルクの作り方をもう一度確認し、濃さにも注意して作ってあげると良いですね。

ミルクの温度を変えてみる

ミルクの温度に敏感な赤ちゃんがいます。普段、母乳を飲んでいる赤ちゃんは特に、ママのおっぱいの温度に慣れているため、母乳と温度が違うだけでも飲まなくなることがあるのです。

赤ちゃんが飲みやすい温度にするために、ミルクを一定の温度にしてくれる商品があります。それがあれば、誰がミルクを作っても一定の温度で授乳することができるため便利ですよ。

また、ミルクの温度がちょうど良くても、哺乳瓶の乳首が冷たいと赤ちゃんが嫌がってしまう場合があります。飲ませる前に、哺乳瓶の乳首をお湯などで温めてあげましょう。

集中してミルクを飲める環境を整える

個人差はありますが、授乳時間にまわりの環境によってミルクの飲みが悪くなる赤ちゃんがいます。

ママのお腹の中にいたときは、静かな環境で過ごしていた赤ちゃんは、生まれてから色々な音や刺激を受けます。その刺激は赤ちゃんの興味を引くものも多いため、授乳のときは静かな環境で飲ませてあげないと気が散ってしまうのです。

ミルクを飲ませるときは、テレビをつけたりスマホで動画を見たりせず、赤ちゃんと目を合わせて優しく話しかけてあげながら安心させてあげるのが大切です。

また、人見知りが始まった時期は、まわりに知らない人がいるとミルクに集中できなくなることがあるため、部屋を変えて授乳してあげると良いでしょう。

赤ちゃんが飲みやすい姿勢で飲ませてあげる

ミルクの飲みが悪くなる原因に、赤ちゃんの姿勢があると説明しました。赤ちゃんの好みもありますが、母乳が中心の赤ちゃんはいつも横抱きでおっぱいを飲んでいるため、縦に抱かれると飲みにくいと感じることがあります。

ミルクを飲ませるときも母乳のときと同じように、肌を密着させるのもひとつの対処法です。そうすることで、赤ちゃんは安心してミルクを飲んでくれるでしょう。

また、新生児の頃は赤ちゃんの身体が小さく、抱っこが不安定になると赤ちゃんは不安でミルクに集中できなくなってしまいます。授乳のとき、クッションや枕を使って身体を安定してあげると安心してミルクを飲むようになることがありますよ。

ほかの人がミルクを飲ませてみる

母乳中心の場合、ママが体調不良の場合や外出することを考えて、哺乳瓶でミルクを飲めるようにしておきたいと考えますよね。しかし、赤ちゃんはママはおっぱいをくれる人と認識しているため、ママがミルクを飲ませようとしても飲まないことがあります。

そこで、ミルクをあげるときはママ以外の家族があげると飲むかもしれません。ママ以外の人が授乳できれば、ママがお出かけするときや家事をしているときに頼めます。また、保育園に預ける予定がある場合は、誰があげてもミルクを飲むように、パパや祖父母に協力してもらうと良いでしょう。

赤ちゃんがミルクを飲まない【心配な原因】

赤ちゃんがミルクを飲まない原因に、哺乳瓶の乳首やミルクの味が嫌だというものや、お腹がすいていないからといったものがあることをご紹介しました。

それらの原因以外に、赤ちゃんがミルクを飲まない原因として心配なものがあります。

ミルクアレルギーが原因

ミルクを飲んだあとに下痢や嘔吐、血便などの症状が出る場合、ミルクアレルギーが疑われます。ミルクアレルギーとは、ミルクに含まれる「カゼイン」というタンパク質にアレルギー反応を起こすもので、生後3ヶ月以内に発症するケースが多いとされています。

ミルクアレルギーは、ひどい場合は呼吸困難やアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。ミルクを飲ませたあとに吐くことが多い、体重が全然増えないなどの症状が診られたらすぐに病院で検査を受けてください。

万が一、ミルクアレルギーになった場合は、一般的に売られているミルクをすぐにやめ、アレルギー用のミルクに切り替える必要があります。ミルクの切り替えについては、医師の指示に従い適切な対応をするようにしましょう。

アレルギー以外でミルクを吐く原因

生後3ヶ月までの赤ちゃんの胃はと大人と違って縦型になっていて、フタがないとっくりのような形をしています。

そのため、ミルクを飲んで動いただけで吐きやすいため、授乳後に吐くことがあってもそれほど心配することはありません。

しかし、ミルクを飲んでいる最中や授乳後毎回吐く場合は、「肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)」という病気かもしれません。この病気だった場合、ミルクを頻繁に吐いて体重が増えません。

ミルクを飲んで吐く場合、このような可能性を考え、気になるときは病院へ行くようにしましょう。

赤ちゃんがミルクを飲まないときは神経質になりすぎないで!

赤ちゃんがミルクを飲まない原因と対策について解説しましたが、多くの場合はそれほど心配がない原因だとお分かりいただけたと思います。

赤ちゃんがミルクを飲まない場合、機嫌やおしっこやうんちの回数、体重をよく観察してください。赤ちゃんが元気であれば、ご紹介した原因が当てはまらないかチェックしてみてくださいね。

時間が経ったら飲んでくれることもあるため、ママは神経質になりすぎず対応するようにしましょう。

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