永久脱毛の定義とは?脱毛の種類と効果について解説

「永久脱毛」をすると、ムダ毛のお手入れをしなくてもすむようになるのでしょうか。もしそうだったら、どれだけ楽になるでしょう。果たして、完全にムダ毛が生えてこなくなることが永久脱毛なのでしょうか。本記事では、永久脱毛の定義と脱毛の種類と効果について分かりやすく解説します。

永久脱毛とは

脱毛したいと考える多くの人は、「脱毛すれば永久に毛が生えてこない」と思っているかもしれません。果たしてそうなのでしょうか。

永久脱毛の定義とは「永久に毛が生えてこないこと」ではない?

日本では「永久脱毛」という定義はありません。では、よく耳にする「永久脱毛」とはどのような状態を言うのでしょうか。

実は、クリニックなどで使う「永久脱毛」とは、アメリカの2つの団体と機関によって定義づけられたものです。

・米国電気脱毛協会((American Electrology Association)
最終脱毛より1ヶ月経ったときの再生率が20%以下の状態であること

・米国FDA(Food&Drug Administration)
3回の照射後、6ヶ月経ったときに67%の毛が減っている状態であること

このように、アメリカでは「永久脱毛」とは、完全にムダ毛が生えてこない状態をいうわけではありません。そして、日本ではこのアメリカの団体などの定義を元にして、永久脱毛とは永久にムダ毛が生えてこない状態のことを言うわけではないとしています。

このことから、日本で言う永久脱毛とは、「長期間に渡って高い減毛率を維持することはできる脱毛方法」ということになるのです。

日本で永久脱毛として認められている脱毛方法とは

日本で永久脱毛ができるのは、医療用のレーザーとニードル脱毛だけです。これらがどのような脱毛方法なのかは、改めてご紹介しますが、これらは毛根の細胞に強い刺激を与えて脱毛する方法です。そして、この方法は医療行為にあたるため、医療知識を持った医師や看護師以外が行うことはできません。

エステサロンでは、医療用の機器を使って施術することができないため、永久脱毛することができません。エステサロンで行っている脱毛は、医療用のレーザーよりも弱い出力なので、脱毛に関しては永久脱毛ではなく、毛を減らすまたは毛を生えにくくするという脱毛です。

そのため、永久脱毛したいなら、脱毛を行っているクリニックに行かなければならないということになります。

永久脱毛は高い技術と知識が必要

永久脱毛がなぜ医療機関でしか受けられないのでしょうか。それは、先ほども解説したように、永久脱毛が可能なレーザー機器は強いレーザーを使用するからです。

レーザー機器の取り扱いは、患者一人ひとりの肌質や痛みの感じ方などをよく見極めて施術しなければなりません。的確な操作をしなければ、やけどなどの肌トラブルが起きてしまうおそれがあるため、脱毛のためのレーザーは医療従事者だけしか扱えないのです。

脱毛の種類とその効果【永久脱毛が可能な方法】

一口に脱毛と言ってもその種類はさまざま。
さらに脱毛サロンやクリニックによって、使用している脱毛機器は違います。
脱毛方法はもちろん、脱毛機器・機械によって脱毛効果や痛みが違ってきます。

レーザー脱毛

医療用のレーザーは、人工的に作られた光で特定の波長を持っています。波長が一定なので、エネルギーを効率的に高めてエネルギー量を調整しやすい特徴があります。

レーザーは黒いメラニンに反応する仕組みで、光を吸収すると熱エネルギーとなって毛根の細胞を破壊させて毛の再生を抑えます。

先ほども解説したように、医療用のレーザーは医師がいるクリニックや病院でしか使うことができません。

レーザー脱毛の方法

レーザー脱毛は、肌へのダメージを抑えるために冷却ジェルを塗り、目の保護のためにサングラスやタオルなどを使って施術します。脱毛機器には様々な種類がありますが、そのなかには肌に接する部分に冷却機能が備わっているものもあります。

レーザー脱毛の痛み

医療用レーザーは威力が強いため、ほかの脱毛方法に比べると多少の痛みを感じる場合があります。よく、「ゴムを弾いたときの痛み」と例えられますが、我慢できないほどの痛みではありません。

しかし、最近のレーザー機器は痛みを感じにくいようにつくられています。また、クリニックでは患者の肌や脱毛個所に合わせてレーザーの出力を変えるなどして、痛みを最小限に抑えた施術が可能です。

さらに、病院やクリニックでは痛みに弱い人に麻酔を使用してくれる場合があるので相談してみると良いでしょう。

レーザー脱毛の効果

医療用のレーザーはほかの脱毛方法に比べ、レーザーの出力が高いため、効果が早く表れる特徴があります。そのため、脱毛が完了するまでの回数が少なく、期間も短くてすみます。

レーザー脱毛の場合、5回程度で脱毛の効果を実感でき、一般的に1年~1年半ほどで完了します。

レーザー脱毛に向いている人

・肌トラブルが心配で何かあったすぐに対処してほしいと考えている
・脱毛期間を短くしたい
・永久脱毛を望んでいる(長期間に渡り高い減毛率を維持したい)

ニードル脱毛

「ニードル脱毛」とは、レーザー脱毛が出てくるまで永久脱毛ができる方法として取り入れられていた脱毛方法です。しかし、レーザー脱毛が行われるようになった現在は、この脱毛方法を取り入れているクリニックは少なくなっています。

ニードル脱毛の方法

ニードル脱毛とは、毛穴に先の丸い特殊な電気針を挿入して電気を流す方法で毛根を刺激する方法です。毛穴に挿入した電気針に電流や高周波を流すことで毛根にダメージを与え、毛を作る細胞を破壊し、毛が生えにくくします。

針はチタンなどで加工されているため、金属アレルギーになりにくい工夫がされています。そして、この脱毛方法は、1本ずつ毛をつまみながら行うため、ピンポイントでの脱毛が可能です。

ニードル脱毛には、針に直接電流を流して毛根にダメージを与える「電気分解法」、針に高周波の電気を流す「フラッシュ法」、この2つの方法を合わせた「ブレンド法」などがあります。また、「絶縁針脱毛」とニードル脱毛もあり、これは医療機関でしか行えない脱毛方法です。

ニードル脱毛の効果

先ほどご紹介したレーザー脱毛は、威力の強いレーザーでメラニン色素に反応し、毛をつくる毛乳頭を破壊します。黒いメラニン色素に反応するため、白髪や薄い産毛などは脱毛するのを苦手としています。

一方、ニードル脱毛は毛穴に針を挿入し、直接刺激を与えることができるため、施術をすることで完全に毛を生えてこなくすることができます。このように、ニードル脱毛は、毛の色や太さに関係なく永久脱毛が可能な脱毛方法と言えます。

ニードル脱毛の痛み

ニードル脱毛は、針先から流す電流を10~20秒ほど毛根にあてる必要があるため、ほかの脱毛方法と比べると痛みが強いです。また、皮膚に針を刺すため、施術後は肌に赤みが残ってしまいます。人によっては肌の赤みが1週間ほど続く場合もあります。

痛みに弱い人には向いていない脱毛方法ですが、ニードル脱毛は医療機関で行うため、麻酔を使用することも可能です。事前の診断の時に相談してみると良いですね。

ニードル脱毛の効果

ニードル脱毛は、毛穴の一つひとつに針を刺して施術するため時間は長くなります。しかし、永久脱毛が可能なため、脱毛部位によっては1回の施術で脱毛が完了する場合があります。脱毛期間は1年から1年半ほどで、一般的に完了すると毛が生えてくることはありません。

また、医療用のレーザー脱毛はメラニンに反応して脱毛するため、日焼けした肌や地肌が黒い人にはあまり向いていません。しかし、このニードル脱毛だと、毛穴に直接アプローチできるためレーザー脱毛で効果が出にくい地肌が黒い人でも脱毛することができます。

ニードル脱毛に向いている人

・永久脱毛を望んでいる
・ほかの脱毛方法で抜けなかった毛を脱毛したい
・痛みに強い
・日焼けしている人

脱毛の種類とその効果【永久脱毛以外の脱毛方法】

レーザー脱毛とニードル脱毛は医療機関で行永久脱毛が可能な脱毛方法でした。次に紹介するのは医療機関以外でできる脱毛方法です。

光脱毛

「光脱毛」は、エステサロンや脱毛専門サロンで行う脱毛方法です。光脱毛は、医療用のレーザー脱毛と原理はほぼ同じで、毛根の近くのメラニンに特殊な光を照射して毛乳頭にダメージを与えます。そして、熱ダメージを受けた細胞は毛を作りにくくなり、ムダ毛の再生を抑えると仕組みです。

光脱毛は医療用のレーザー脱毛と同じ原理ですが、レーザー脱毛に比べると威力が弱いため永久脱毛はできません。

光脱毛の方法

光脱毛の施術方法は、レーザー脱毛とほぼ同じで、タオルやサングラスなどで目を保護して行います。脱毛機器によっては、はじめから肌のダメージを抑えるための冷却機能がついているものがありますが、ない場合は冷却ジェルを塗って施術します。

施術後は、肌に鎮静ジェルや保湿クリームを塗ってケアしてくれるところもあります。

光脱毛の痛み

光脱毛はほかの脱毛方法と比べると痛みが少ない脱毛方法と言えます。ただし、部位によっては多少の痛みを感じることもありますが、我慢できないほどの痛みではありません。

もし、痛みを感じた場合は、施術中であっても我慢せずに伝えると出力の調整をしてくれますよ。

光脱毛の効果

光脱毛は、出力が弱いため全身脱毛を行うと約2年から3年の期間が必要です。回数にすると、12回以上は通わなければ満足しないでしょう。

光脱毛の場合、永久脱毛ではありませんから、ムダ毛がない状態を保つためには半永久的に通う必要があります。

光脱毛に向いている人

・痛みに弱い
・肌のケアも一緒に行いたい
・長期間通える

ワックス脱毛

「ワックス脱毛」は、日本ではデリケートゾーンに行うことが多く、ワックス脱毛全般のことを「ブラジリアンワックス」と呼ぶ場合があります。

ワックスは、肌に優しいはちみつや砂糖などの天然のものを使用することが多いです。

ワックス脱毛の方法

ワックス脱毛をするときは、専用のワックスを温めて脱毛したい部位に薄く塗ります。布やシートをその上に重ねて、少し時間を置いてからシートごと剥がし、毛根から毛を抜く方法で脱毛します。

この方法は、粘膜部分のデリケートゾーンの脱毛が可能なので、VIO脱毛に使われることが多いのです。

ワックス脱毛の痛み

ワックス脱毛は、一気に剥がすので痛みは一瞬ですが、初めて経験する人は未知の痛みに不安を抱えるかもしれませんね。

ワックス脱毛の効果

ワックス脱毛は、毛根から毛を抜くという脱毛方法なので、ほかの脱毛方法のように毛根を熱などで刺激することはありません。そのため、はじめの数回は毛が早めに生えてきますが、ワックス脱毛を何度か繰り返すと脱毛効果が持続される期間が長くなってきます。

たいていは2~3週間で生えてくるのが一般的で、生えてきたら都度脱毛を行う必要があります。

ワックス脱毛に向いている人

・すぐに脱毛したい
・自分で(市販のワックスを使用)脱毛したい
・一時的に脱毛したい

クリニックとエステサロンの違い

ここまでは、脱毛方法の違いについて紹介してきました。これらの脱毛方法は受ける場所が異なります。

永久脱毛が可能なのは【クリニック】

クリニックで受けることができる脱毛方法は、永久脱毛が可能な「レーザー脱毛」と「ニードル脱毛」です。

これらは、出力が高いため多少の痛みを感じるものの、少ない回数で脱毛できます。そのため、脱毛完了までの期間が短いことも特徴のひとつです。

また、医療用のレーザー脱毛とニードル脱毛は、医療従事者のみが取り扱うことができる脱毛方法です。そして、痛みに弱い人に麻酔が使用できるのも、医療機関ならではのメリットと言えます。

万が一、肌にトラブルが起きた場合は、医師がすぐに対処してくれるので、安心感がありますよね。

美容目的の脱毛は【サロン】

サロンでできる脱毛は、光脱毛とワックス脱毛です。どちらも永久脱毛はできませんが、ある程度の抑毛効果が期待できる脱毛方法です。

光脱毛はレーザー脱毛よりも痛みが少ないため、痛みに弱い人はこちらがおすすめです。完了までの回数が多く、期間も長くなりますが、サロンでの脱毛は肌のケアをしながら行う美容目的として通う人が多いようです。

永久脱毛ならクリニックを選ぼう!

ここまで解説してきたように、永久脱毛を望む場合はクリニックを選ばなければなりません。クリニックとサロンを比較してみると、痛みや費用の面でサロンを選ぶ人もいるかもしれませんね。

レーザー脱毛の場合、医療知識がある医師や看護師が一人ひとりの肌の調子や痛みの感じ具合に合わせて脱毛機器を調整し、施術してくれます。そして、クリニックで施術を受ければトラブルにもすぐ対応してくれるのは安心材料と言えるでしょう。

どちらにもメリット・デメリットはありますが、永久脱毛を望むのであればクリニックを選びましょう。

<参照>

トラコレ「【医師監修】永久脱毛の定義とは”一生ムダ毛が生えてこない”ではない!再生率20%以下の医療脱毛のこと」:https://www.tryfeel.jp/permanent-hair-removal-definition/

リゼ「「永久脱毛」を望むなら、医療レーザー脱毛か針脱毛の2択です。」:https://www.mens-rize.com/knowledge/kind.html

メアリクリニック「永久脱毛は脱毛サロンで受けられる」:https://depilation-cl.com/knowledge/forever

メアリクリニック「永久脱毛でつるすべ肌に!永久脱毛の定義と後悔しないための基礎知識」:https://depilation-cl.com/knowledge/forever

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