【医師監修】子どもの手足口病、保育園はいつからOK?症状や5つの予防方法

手足口病

桑原香織 先生

夏になると流行る手足口病。子どもの頃感染したことがある、という方も多いのではないでしょうか。お子さまが感染してしまったら、どうすればいいのでしょうか。今回は手足口病の基本症状、予防方法や保育園に行けるタイミングなど気になる情報丸分かり!お子さまだけでなく、ママさんが出来る予防法もご紹介します。

[1]手足口病とは?

手足口病ってなに?

良く耳にする手足口病ですが、そもそもどのような病気なのでしょうか。
小さい頃に一度発症したことがある、という方も多いかと思います。しかし、いざ、自分の子どもの手や足に発疹が出たら、慌ててしまいますよね。

手足口病とは、ウイルス性の感染症です。そのため、しっかりと対策をする必要があります。
手足口病の原因ウイルスは複数あるので、何度も感染する可能性があります。ウイルス名は「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」。聞き慣れないウイルス名ですね。
子どもに感染しやすいことで有名ですが、まれに大人にも感染します。

はやる時期はいつ?

では、感染しやすい時期はいつなのでしょうか。感染症といえば、寒くなり空気が乾燥する冬場を想像する方が多いかと思います。

しかし手足口病は夏にはやる感染症です。ピークは7月と言われています。
「子どもの三大夏風邪」という言葉をご存知でしょうか。手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜炎)が三大夏風邪と呼ばれ、毎年6月から8月にかけて子どもを中心に患者が増えます。
代表的な感染症としてインフルエンザが有名なので、どうしても冬場を中心に対策をとるママさんが多いのですが、夏場も気を抜かずにいましょう。

潜伏期間と感染期間

潜伏期間は、3〜6日と言われています。潜伏期間とは、症状が出ていない”潜伏している”期間を指します。症状が発生した際に、どこから感染したのか目安になりますので、発症する1週間前の事を思い返してみましょう。

一方、症状が出始めてから、完治するまでの感染期間は、呼吸器からは1~2週間便からは2~4週間ウイルスが排出されることがあります。症状が出ている際は、気をつけていても、熱が下がったり発疹が無くなったりすると気が緩んでしまう場合がありますので、1ヶ月続くこともあると頭の隅に置いておきましょう。
オムツを取り替えたりすることが無ければ問題はありませんが、特に小さなお子様の場合、便の取り扱いには注意しましょう。

[2]手足口病の症状

手足口病の症状とは

では、手足口病の症状をみていきましょう。

  • 手足の発疹・水疱
  • 手足口病の特徴の一つは、発疹です。感染してから3~5日後に、手足、おしりなどに米粒ほどの発疹ができます。通常は痛みやかゆみを伴うことはないのですが、水疱が破れてしまうとびらんになり、痛みやかゆみを感じることもあります。

  • 口内炎
  • 口内炎は、つばを飲みこむのもつらい状態になります。
    症状が強いと食事を取りたくなくなるだけでなく、水分も取らなくなってしまうため、脱水症状を起こす危険性が出てきます。お子様の水分補給をしっかり行いましょう。

    注意したいのが、自分の意思を話せない赤ちゃんの場合。注目すべきは、機嫌が悪くなってしまった時や、ミルクを飲まなくなってしまった時、また、よだれが大量に出る時などは、手足口病の可能性があります。

  • 発熱
  • 発熱は約3分の1の割合でみられます。しかし、あまり高くならないことがほとんどで、37度から38度程度の熱がみられる場合があります。ほとんどの人が1〜2日間のうちに熱が下がります。
    そのため、高熱が続くようであれば、髄膜炎などの他の病気の可能性がありますので、直ちに病院へ行きましょう。

  • 治癒後の後遺症として爪がはがれることもある
  • 近年、「コクサッキ―ウイルスA6感染」により手足口病の症状がなくなってから、1ヶ月以内に、一時的に手足の爪が剥がれた、との症例が報告されています。しかし、自然に治るとされていますので、心配はありません。爪が剥がれた!と慌てるのではなく、そのような症状もあると頭の片隅に入れておきましょう。

まれに起きる合併症「無菌性髄膜炎」

手足口病は、基本的には後遺症や合併症を引き起こす危険性は少ないことで有名です。

まれに「無菌性髄膜炎」を併発することがあります。無菌性髄膜炎とは、細菌が検出されない髄膜炎のことを呼び、エンテロウイルスが主な原因としてあげられます。無菌性髄膜炎の症状は高熱が出たり、頭痛を訴えたり、ひきつけや嘔吐などが見られます。
おかしいな、と感じたらすぐに小児科を受診しましょう。

脱水症状には気をつけよう!

やはり、手足口病で気をつけたいのは脱水症状です。
口内炎の痛みにより食事ができなくなり、また、赤ちゃんはおっぱいを飲まなくなることもあります。

脱水症状の場合は、水分だけでなく、塩分が足りない場合も多いので、イオン飲料や薬局で買える「経口補水液」と呼ばれるもの、ゼリーなどを取るようにしましょう。
自宅で対処しきれない場合には、病院で点滴をしてもらうことになります。放っておくと意識障害などを引き起こしてしまうので、気を付けるようにしましょう。

[3]手足口病の原因と感染経路

原因ウイルス

手足口病の原因ウイルスは、「コクサッキーウイルスA群」や「エンテロウイルス71型」などが代表的なものです。
しかし、原因となるウイルスは多種多様です。

例年は主に「コクサッキーウイルスA16(CA16)」や「エンテロウイルス71(EV71)」が原因ウイルスとなっていますが、爆発的な流行では、「コクサッキーウイルスA6(CA16)」が原因ウイルスとされています。
原因ウイルスによっては、症状に違いが出ることがあります。例えば、例年よりも大きな発疹が出たり、手のひらや足の裏の発疹は少なく広範囲に現れたりします。また、大人でも重症化する可能性があるウイルスもあり、ママさんも感染に気をつけましょう。

手足口病の3つの感染経路

では、予防策をご紹介する前に、感染経路を確認していきましょう。感染経路は主に3つあります。

  • 飛沫感染
  • くしゃみや咳によって病原体が飛散し、これが他者の粘膜に付着する感染経路です。
    風邪、インフルエンザなど有名なウイルス性疾患と同じく、咳エチケットをすることが大切です。
    子どもたちは、咳をする時に手で押さえたり、くしゃみする時に人のいない方を向いたり、といったようなエチケットが出来ないのが普通ですよね。そのため、保育園や幼稚園で飛沫感染を避けるのはなかなか難しいかもしれません。

  • 接触感染
  • 皮膚、粘膜などの物理的な接触によって感染する経路です。
    ウイルスが付着した物を触り、その手で目などをこするといった間接的な接触でも感染するため、完全に防ぐことは難しいです。
    こちらも、不特定多数の子どもたちが遊ぶ公園や幼稚園、保育園では全てを避けるのは難しいですね。

  • 経口感染
  • 感染者の排泄物に含まれていたウイルスが、他者の口に入ることで感染する経路です。
    トイレの後、手洗いが不十分なままで食べ物を触ったり、オムツ交換なども注意が必要です。
    直接子どもたちが触ることは無いですが、弟や妹が小さい場合、オムツの取り扱いに気をつけましょう。

    3つの感染経路を全て避けるのは難しい事です。感染経路はこの3つと考慮し、行動することが大切になります。

[4]手足口病の予防法

特効薬はない!?

では、手足口病の対策法を見ていきましょう。と、言いたい所ですが、特効薬が無く、これさえ守れば大丈夫と言えないのです。それほど、感染を確実に防ぐのが困難なのです。

先ほどご紹介した3つの感染経路は、全て生きている上では避けられないものばかりです。子どもは、咳を人に向けない、手を洗い清潔を保つ、といったエチケットを守り続けることができません。さらに手足口病にかかってしまった後に、鼻水を触らなかったり、ウイルスが付着した可能性のある手でオモチャを触らなかったりも難しいですよね。

しかし、これもだめ、あれもだめと神経質になるのではなく、予防出来ることはするが、手足口病になってしまっても仕方がないと考えましょう。

お母さんにできる5つの予防法

  • 手指消毒
  • 手足口病は、飛沫や手指を介して感染します。付いてしまったウイルスを洗い流せば問題ありません。
    そのため、十分な手洗いと消毒が大切です。また、実際にかかっていた子どもの回復後も便にウイルスが残りますので、周りの子は完治したから大丈夫!と安心せず、手洗いと消毒を徹底しましょう。

  • 人が集まる場所には要注意
  • 事前に分かる場合は、マスクを着用したり、少し体調を崩していて免疫が落ちている時は出かけない、など注意しましょう。

  • タオルやおもちゃなど他の子どもと共用しない
  • 清潔にしていると思っていても、意外とウイルスは残りやすいものです。感染している人のタオルやおもちゃは共用しないようにしましょう。

  • 排泄物の処理は適切に
  • 感染経路の一つにある経口経路。こまめに洗浄・除菌を行い、特に小さな赤ちゃんのいるご家庭は気をつけましょう。

  • エチケットを教えよう
  • 子どもに分かりやすいように、咳エチケットを身につけさせましょう。感染症にかかった時は人の方を向いて咳やくしゃみをしない、手洗いうがいをこまめにする、といった簡単なもので構いません。小さなうちから、エチケットを教えておくことも大切ですね。

繰り返しますが、完全に予防することは困難です。少しでも出来る予防は行い、手足口病にかからないように心がけましょう。

[5]保育園や幼稚園での、こんな時どうすればいい?

保育園や幼稚園はいつまで休めばいいの?

結論から言いますと、学校が出席停止になることはありません!

学校保健安全法の第19条によると、予防すべき感染症の第1~3種に該当する感染症に罹患した場合、規定の期間は出席停止となります。しかし、手足口病は学校で予防すべき感染症に含まれていないのです。

手足口病は症状が出てから5~6日でよくなりますが、ウイルス自体は4週間経っても便から排出されます。しかし、4週間出席停止にする必要はありません。
熱が出ている間は子どもの体調を考えて欠席し、体調が回復したら登園するという考えでいいでしょう。園によっては、大流行している場合は状況によって一定期間の出席自粛を要請されるケースもありますので、園の判断に委ねましょう。

プールはいつから大丈夫?

夏に流行る感染症ということで、プールはいつから入れるのか、心配なママさんも多いことでしょう。

  • 熱がない状態
  • 口内炎・発疹がない状態
  • なら大丈夫です。お子さまの体調も気にしながら判断しましょう。

お風呂は入っても大丈夫?

熱と一緒で、子どもの具合が明らかに悪いときや発疹が出ているときは、湯船につかると痛みやかゆみが増す可能性があります。湯船に浸かるのは控えましょう。
ただし、特に熱もなく子供の機嫌が良いのであれば、シャワーを浴びさせても大丈夫です。

子どもの様子をチェックしよう!

いずれの場合も、お子さまの様子をしっかりチェックしましょう。
確認するポイントとしては、

  • 子どもの調子がどうか
  • 発疹・水疱が乾燥しているか
  • 口内炎があるか
  • 熱はあるか

こちらの4項目です。

[6]意識して予防をすることが大切

手足口病は、特効薬が無いこともあり、不安なママさんが多いですよね。今回ご紹介した感染経路や予防法を意識して、なるべく感染しないように心がけましょう。
また、感染した後の行動も重要です。発疹などが出来ると慌ててしまうママさんが多いのですが、感染を広げないように生活しましょう。
あまり気にしすぎて敏感になるとママさんも疲れてしまいます。インフルエンザなどと一緒で、手足口病は絶対に防げるものではありません。今回の知識を活かしてどんと構えていましょう。

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