【医師監修】不妊治療ってどんなもの?治療の流れや病院の選び方、気になる費用について

不妊治療

苅田正子 先生

「結婚してもう一年もたつのに赤ちゃんができない」「自分ってもしかしたら赤ちゃんができにくい人?」そんな不安や焦りをかかえている人は多いものです。気になる不妊治療の流れや費用について紹介します。

不妊治療とは?いつから必要?

不妊は「もしかしたら不妊かも」と心配していても、夫婦生活にも関わるため、なかなか人には相談できないことも多いデリケートな問題です。
不妊症とはどのような症状で、不妊治療とは、どのようなものなのでしょうか?

不妊治療とは一体どんなもの?

一般的に「妊娠を希望し、避妊せず一年性交渉を継続的に行っているにも関わらず、妊娠の成立をみない場合」を不妊症といいます。

いつから始める?不妊治療

妊娠したいと思って避妊をせず、定期的に性交渉があるのに一年以上経っても妊娠できない時には、不妊治療を検討してみるとよいでしょう。
不妊治療は始めてすぐ妊娠できるとは限らず、検査や治療にも時間がかかるため、なるべく早めに専門医の受診をおすすめします。

不妊治療はどんな流れで進めるの?

不妊治療ではまず、基本的な検査を行い、異常がなければ、排卵と射精のタイミングを合わせるタイミング療法を行って、自然妊娠ができるようにアプローチします。
それで効果が見られない場合には、排卵誘発剤を使用する、それでも難しければ人工授精、体外受精、と段階を追って治療法を変えていきます。これを「ステップアップ療法」といいます。
ステップアップするごとに妊娠率は高まっていきますが、それに伴い治療費の負担も大きくなりますので、医師とよく相談しながら、納得して進めるようにしましょう。

不妊治療の検査って?男性も必要?

不妊治療では一般的にまず検査をして、原因を探るところから始まります。しかし、一通りの検査をしても異常がでないこともあり、治療を進めていくことにより原因が明らかになることもあります。検査を受ける際には、検査結果のみで治療の方針が決まるわけではなく年齢や、生理周期、不妊の期間などそれぞれの要因も考慮し、総合的に治療方針が決まっていくと心得ておきましょう。ここでは一般的な女性向け、男性向けの検査を紹介します。

≪女性の基本的な検査≫

  • 内診
  • 膣や子宮、卵巣の状態や痛みがあるかどうかをチェックします。

  • 経膣超音波検査
  • 膣内に超音波プローブという器具を入れ、子宮や卵巣の様子を確認し、子宮内膜の厚さや卵胞の大きさ、子宮筋腫、子宮内膜症などの病状の有無を確かめます。

  • 子宮卵管造影検査
  • 子宮内に造影剤を注入し卵管につまりがないかなどを確かめる検査です。水溶性の検査薬を使用するケースと、油性の検査薬を使いレントゲンを使用するケースがありますが、油性は粘度が高いため、軽いものなら卵管のつまりがとれる場合もあります。

  • 血液検査
  • 血液検査は月経周期によりホルモンの状態が変わるため、黄体期、月経期など何回かに分けて行われます。ホルモンのほか、糖尿病や甲状腺機能について確認します。

 
これらの検査の結果、婦人科系の疾患が疑われた場合、腹腔鏡検査や子宮鏡検査、MRIなどさらに精密な検査を行います。
 

≪男性不妊の検査≫

男性不妊を専門に扱う外来はほとんどないため、一部の泌尿器科かもしくは、女性と同じよう婦人科の専門医で検査を行います。一般的な内科などと同じように問診を行うほか、画像診断や、精液検査を行います。また、触診により精索静脈瘤の有無を確認します。

不妊治療の方法は?

不妊治療の方法はいくつもあり、その原因によってもさまざまです。
代表的な方法をいくつか挙げていきます。

代表的な不妊治療の方法を知っておこう

≪タイミング法≫
基礎体温を記録し、排卵日近くなったら超音波検査や尿中のホルモン値を測り、より正確な排卵日を予測する方法で、自然妊娠を狙います。自然周期のタイミング法で効果が見られない場合は、飲み薬や、注射などで排卵誘発剤を使用し、排卵を促します。

≪人工授精≫ 
男性側の精子の数や運動性に問題がある場合や、女性側の子宮頸管粘液の分泌が少なかったり、粘性が高すぎるなどで精子が子宮内に到達できない場合などにこの方法がとられます。事前に採取した精子を医師が注射器で直接子宮内に送り込み、自然な妊娠を期待します。

≪体外授精≫
卵管が閉塞していたり、精子が極端に少ない場合に選択されます。
精子と卵子をシャーレの中で受精させ、子宮内に戻します。

不妊治療におすすめの病院選び 

婦人科・産婦人科といっても、病院により得意分野は異なります。待合室が妊婦さんだらけでは、辛い思いをすることもあるでしょう。できるだけ、不妊治療を得意とする病院を選びましょう。

不妊治療に強い病院を選ぼう

不妊治療を専門とするクリニックでは、不妊治療に対して医師が深い知識を持っていることに加え、高度不妊治療を受けられます。不妊カウンセラーなどメンタル面でのケアを重要視するところもあり、治療が長期化することがあっても心強い味方となってくれるでしょう。

不妊治療におすすめの東京・大阪の病院

  • 加藤レディスクリニック
  • 新宿区にあるクリニック。心への負担や加齢へのリスクを考え、”自然周期治療”で心と身体に負担の少ない治療を行っています。

  • 木場公園クリニック
  • 江東区にあるクリニックで、不妊治療専門医療機関として、日帰りの腹腔鏡手術や、精索静脈瘤の手術などを実施し、できるだけ自然に近い方法での妊娠を望める治療を行っています。

  • あいウィメンズクリニック
  • 墨田区にあるクリニックで、タイミング法から顕微授精、受精卵凍結などの高度生殖医療まで幅広い選択肢から最善の治療を行っています。

  • 医療法人オーク会
  • 大阪・東京で展開する高度不妊治療専門施設。顕微授精、AHA、
    胚凍結・融解、胚盤胞移植、TESEなどの高度な生殖医療技術の他、
    男性不妊、不育症、着床不全など、それぞれの専門外来も設けている。
    研究・開発にも力を入れており、国内外での学会発表も数多く行なっている

不妊治療はお金がかかる?費用はどのくらい?

高額なイメージをもたれやすい不妊治療の費用ですが、実際どれくらいかかるのでしょうか?NPO法人Fineが行なった あるアンケートでは(※1)不妊治療に使った総額費用が、「100万円以上」かかった人の割合が55.1%と、不妊治療の経済的負担の大きさを示しています。

不妊治療にかかる費用は?

主な不妊治療にかかる費用は以下の通りです。

■タイミング法
保険適用:有り 金額:一回数千円~
■人工授精
保険適用:無し 金額:一回15,000円程度
■体外受精
保険適用:無し 金額:一回200,000円~
■顕微授精
保険適用:無し 金額:一回400,000円~
 
高度な治療ほど、保険適用外となり負担が大きくなる傾向にあります。

不妊治療にも医療費控除は受けられるの?

医師による診療等の対価として支払われる不妊症の治療費、人工授精の費用は、医療費控除の対象となっています。一緒に住む家族全員の医療費が10万円以上を超えれば確定申告後に還付金を受け取ることができます。領収書は忘れずにとっておきましょう。

不妊治療の自費診療には助成金も

特定不妊治療(体外受精、顕微授精)以外の治療方法では妊娠の見込がないか、極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦に対しては、国から費用の一部を助成金として受けることができる「特定不妊治療費助成制度」があります。(※2)
指定医療機関や、所得の制限などが決められているため、詳細は厚生労働省のページをよく確認し、利用しましょう。

不妊治療につかえる保険がある?

民間の医療保険でも、不妊治療に使える保険が出始めているので、チェックしてみましょう。

ニッセイ 出産サポート給付金付3大疾病保障保険 ChouChou!
がん・急性心筋梗塞・脳卒中と死亡に加え、出産や特定不妊治療に備える保険で、所定の特定不妊治療を受けられた場合、最大で12回の特定不妊治療給付金を受取れます。

東京海上日動火災保険「不妊治療費用等補償保険」
こちらは企業や健康保険組合を対象とした団体保険ですが、企業の社内規定等に応じて所得・年齢の制限なく、「特定不妊治療」により実際に生じた自己負担額が補償されます。また「特定不妊治療」を行ったのち、妊娠に関連する特定疾病で30日以上の入院をした場合、一時金を受け取ることができます。

不妊治療には夫婦で取り組み、気になったらまず検査を受けよう

不妊について悩んでいると、不安になることも多いものですが、治療法の選択肢も増え、自治体や健康組合により助成金や医療補助なども充実してきています。不妊かもと思ったら、まずは夫婦で話し合い、専門医を受診し検査を受けることが、妊娠への近道にもなることでしょう。

出典:
※1 NPO法人Fine「不妊治療の経済的負担に関するアンケート Part2」
※2厚生労働省「不妊に悩む夫婦への支援について」

 

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