フリーランスとして働きたい方へ!個人事業主になるために必要な手続きとやるべきこと5つとは

近年、働き方が多様化してきて、フリーランスとして働く人が増えてきています。フリーランスとはどのような働き方なのでしょうか。そして、フリーランスとして働くためにやっておくべきことなどはあるのでしょうか。詳しく紐解いていきたいと思います。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社に所属しないで個人で仕事をする人のことを言います。自分が持っている才能や技能を仕事として提供し、企業などと契約を取り交わす働き方のことです。

個人事業主と呼ばれることもあるこの働き方はアメリカでは多く、労働調査の結果、3人に1人がフリーランスということがわかりました。日本でも最近は企業などに属さないで働く人が増えてきています。

フリーランスが増えてきている理由

フリーランスという働き方が増えてきている理由は、インターネットの普及が大きな要因です。フリーランスと企業を引き合わせてくれるクラウドソーシングなど、フリーランスが働くためのサービスが充実してきているのもフリーランスが増えてきている理由です。また、働き方が多様化してきた中でフリーランスという働き方に魅力を感じる人が多くなってきたのも理由の一つです。

フリーランスは年齢にとらわれることもなく、好きな時間に働けるという利点があります。自分の技術や努力次第で収入アップが望めることもフリーランスの魅力です。会社勤めをしていると、大幅な収入アップは難しいことが多いですが、自分が稼いだ分はすべて自分の収入になります。

フリーランスには可能性があるため、目指す人が増えてきています。

フリーランスとして働く人の職業はどんなものがある?

フリーランスの仕事は決まったものはありません。自分の技術や知識を使って仕事をするのでこれがフリーランスの仕事だというものではなく、多種多様の仕事があります。

  • システム開発などのプログラマー
  • ウェブデザイナー
  • アプリ制作者
  • Webライター
  • 翻訳者、通訳者
  • 映像に関するプロデューサー、脚本家、放送作家
  • イラストレーター

以上はインターネットを通じて仕事ができる職種です。他には、弁護士・税理士・会計士・建築士などの士業や、探偵、コンサルタントやカウンセラー業など資格を持ってフリーランスで働く人が多くいます。

フリーランスとして個人事業主になるために必要な手続き

個人で仕事をしていくため、個人事業主になることを考えている方へ必要な手続きをご紹介いたします。

年金と健康保険の手続きをする

会社を退社して個人事業主になる場合は、今まで入っていた社会保険や、厚生年金を変更するための手続きが必要です。社会保険を国民保険に切り替えたり、厚生年金を国民年金に変更します。退職してからも社会保険に継続して入っていたいという場合は、条件を満たしていればそのまま継続することができます。

しかし、今まで会社が折半して払っていてくれた分も含めて全額自分で支払う必要があるため、社会保険を継続するか国民保険に切り替えるかはよく考えたほうがよさそうです。金額や条件を知りたい場合は、今まで入っていた社会保険の事務所へ問い合わせましょう。継続の手続きには期限がありますので、早めに行動することをおすすめします。

国民保険に切り替えるには、以前勤めていた会社から離職票をもらい、必要な持ち物を持参して市役所・市町村役場へ行きます。年金の切り替えは、年金手帳と他に必要なものを持って自宅の管轄の市役所、役場へ手続きに行きます。

個人事業の「開業届」を提出する

  • フリーランスを始める時に手続きは必要?
  • フリーランスで仕事をする時に、市役所などに提出したり届け出をしなければいけないということはありません。ただ、おすすめなのは「開業届」を提出することです。なぜならこの届け出をすることでメリットがあるからです。

  • 開業届のメリット
  • 開業届を出す大きなメリットは「青色申告」ができるようになるということです。「青色申告」は「白色申告」に比べて所得税の控除の額が大きく、赤字を次の年に繰り越せるというメリットがあります。

    また、屋号名で銀行の通帳を作ることができるなど、仕事をしていく上で信頼を得られることと、会社を作ったという自覚が出て自分自身のモチベーションを上げることにも繋がります。

    「開業届」は事業開始から1ヶ月以内に税務署へ提出するものですが、期限を過ぎていても後から提出できます。開業届は最寄りの税務署でもらえます。

  • 開業日はいつにしたらいい?
  • 「開業届」に記入する開業日は、会社を辞めてから1年以内だとかフリーランスの仕事を実際に始める日などの決まりはありません。自分で好きな日にちを書き込むことができます。自分で仕事を始める日ですので、大切な日になりますね。

  • 屋号を決める
  • 屋号とは、自分の会社やお店の名前のことです。開業届には屋号を書く欄がありますので考えておきましょう。屋号は自由に決めることができます。今後、仕事をしていく時に幾度となく使う会社名です。覚えやすく、耳に残る名前だといいでしょう。

確定申告は「青色申告」か「白色申告」か決める

開業したら毎年、確定申告をしなければなりません。その際、「青色申告」か「白色申告」のどちらで申告するか選ぶ必要があります。前にも書きましたが、お得なのは「青色申告」です。

「青色申告」は所得税の控除の額が大きいというメリットがあります。「青色申告」には所得から62万円引いてくれるという特別控除があります。「白色申告」にはこのような特別控除はありません。「青色申告」は難しいと敬遠されがちですが、会計ソフトを導入すれば比較的簡単にできます。

このように「青色申告」が得だというなら、そちらを選びますよね。「青色申告」をする際に必要な申請書は最寄りの税務署でもらえます。

フリーランスとして開業することになったらやること5つ

それでは、次にフリーランスとして開業することになったらやっておくべきことはあるのでしょうか。

事業用の通帳を作る

開業したら、会社用の通帳を作りましょう。先程ご説明したように「開業届」を提出したら、自分の会社の名前で通帳が作れます。確定申告をする時に、会社で使ったもの、会社に入ってきたお金として分かりやすくなるからです。また、取引先にも個人の名前の口座番号を教えるよりも、屋号のほうがいいでしょう。

会計ソフトを用意する

確定申告をより簡単にするために、会計ソフトを使いましょう。最近では、便利で簡単な会計ソフトがたくさんあります。中には自分の銀行口座と同期して、出入金を帳簿に自動入力してくれるというソフトもあります。自分で使いやすいものを選び、導入しましょう。フリーランスの方へおすすめの会計ソフトをご紹介いたします。

  • やよいの青色申告 やよいの白色申告
  • 初心者でも簡単に帳簿付けができます。銀行の明細やクレジットカードなどの取り引きデータ、レシートや領収書をスマホアプリで撮影し、それを自動で仕分けしてデータ化してくれます。簿記の知識がなくても日付、金額を入力すると自動で帳簿をつけてくれます。

    確定申告が面倒だから「青色申告」を選ぶか悩んでいる人にはおすすめのソフトです。


  • 確定申告ソフト free
  • 難しい領収書の管理は専用のスマホアプリで領収書を撮影するだけで登録が可能です。スマホからの作業ができます。パソコンに向かってやる必要がないので、隙間時間を有効活用できます。

    また、インターネットバンキングの口座とクレジットカードと連携し、出入金の情報を自動で取り込んでくれます。会社用の口座を作るというのはこういうところでも役立つのですね。


  • みんなの青色申告
  • 個人事業専用のソフトです。国内99%の金融機関からの利用明細を自動で取り込んでくれます。「青色申告」に必要なことをナビで教えてくれます。自動で明細を勘定科目に変換してくれるので、内容を確認してボタンを押すだけで仕分けが完了です。どうしても分からない場合は、会員専用のオペレーターがサポートしてくれます。


必要であればオフィスを構える

自宅でできる仕事の場合でも、名刺に載せる住所や電話番号が自宅のものとなると、個人情報などの観点からも避けたいところですよね。そんな時に使えるのが「バーチャルオフィス」です。

「バーチャルオフィス」とは、実際に作業をする場所はなく、住所と電話番号をレンタルするというものです。その住所に届いた郵便物は自動的に転送してくれます。デメリットとしては、その住所での銀行口座は開設できないこと、社会保険などの申請もできません。

また、同じ住所を他の会社が使っている場合があり、インターネットで住所を調べたときにいくつかの会社の名前が出てきてしまうことがあります。そうすると、取引先の会社から怪しいと思われてしまうなどの心配があります。メリットは、レンタルオフィスよりもレンタル料が安いこと、都内の一等地に住所を置くことができるということです。

「バーチャルオフィス」を利用する場合は、メリット・デメリットを知ってよく考えることが必要です。

名刺を作る

開業したら会社の名刺を作りましょう。名刺は一種のコミュニケーションツールになります。そのため、どんな名刺を作るのかが大切です。会社名、個人名、電話番号、メールアドレスを載せるのはもちろん、印象に残るようなデザインであったり顔写真入りのものだったりと工夫をするともらった人との会話のきっかけになります。

この人はどんな仕事をしてくれるのか、そう思わせるような名刺を作ってみましょう。

仕事をもらうために行動する

フリーランスで仕事をするには、ただ黙って座っているだけでは仕事はやってきません。企業で働いていた時は、毎日会社へ行けば仕事があったという人が多いでしょう。しかし、フリーランスになったらそうはいきません。自分で行動を起こさなければならないのです。そのためにはどんな方法があるのでしょうか。

  • フリーランス協会に入る


フリーランスで働く人のためにできた協会です。協会の目的は、

▼フリーランスという働き方があることを情報発信し、イベントなどを開催しもっとフリーランスという仕事が広がるようにする。
▼フリーランスで働く人のキャリアアップや働き方を支援する。
▼フリーランスの労働環境を改善する。

となっています。協会に入会することで自分の仕事や人間関係も広がりスキルアップや仕事でも広がりができるでしょう。

⇒公式サイトはコチラ

  • SNSで宣伝する、HPを作る

「フェイスブック」や「twitter」などのSNSで、自分がフリーランスで仕事を受けていることを宣伝する方法もあります。デザイナーの人は、自分がデザインしたものをサイトやSNSに載せてアピールできます。どんな仕事をしているのか、今までやってきた仕事の経歴などを書いておくと良いアピールになります。

また、「Wordpress」などのソフトを使って、自身のHPを作ってみるのも宣伝効果に期待できます。簡単にサービスの紹介だけをまとめた、ランディングページを作成するのも良いかもしれません。

  • エージェントサービスを使う

インターネットを介し、フリーランスに案件情報を提供してくれるエージェントサービスを使う方法もあります。それぞれの職種に合った仕事を提供してくれるだけでなく、カウンセラーがしっかりカウンセリングしてくれ、自分に合った案件を選んでくれます。

企業との商談の日程の調整などまでやってくれるサービスがあります。このようなサービスに登録するのもおすすめです。

⇒公式サイトはコチラ

  • 人の集まりに積極的に参加する
  • 勉強会や交流会があれば、積極的に参加することをおすすめします。個人でやっている人は、人と出会うチャンスがなかなかありません。勉強会で技術を高めたり、知識を深めることは今後の自分のためにも必要なことです。

    また、そこで知り合ったフリーランスの方達と交流ができることで、仕事を紹介してもらえることがあるかもしれません。フリーランスの横の繋がりは大切にしておきたいものです。

フリーランスとして働く人へ

フリーランスとして働くには自分自身の自己管理が大切になってきます。健康管理はもちろんのこと、時間の管理や仕事の進行状況をしっかり確認しながら案件をこなしていかなければなりません。がむしゃらに仕事をこなすだけではなく、仕事と私生活の区切りをつけてメリハリのある生活を送ることは健康を保つ上でも必要なことです。フリーランスとして働くメリットを活かして納得のいく仕事ができ、充実できるといいですね。

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