退職をする時の挨拶はこれで決まり!パターン別スピーチ・メール例文と知っておくべきビジネスマナー

働いていた職場を退職するとき、最終日にどんな挨拶をしたらいいのかと悩む人は多いでしょう。お世話になった人たち皆に向けての挨拶はどのような内容で、どのくらいの時間をかけて話せばいいのか、今回は「退職の挨拶」についてご説明していきます。

退職の挨拶で気をつけるべきマナーは?

他人の退職の挨拶は聞いたことがあるが、いざ自分が挨拶をする立場になると何を話したらいいのか、どんなことを伝えたらいいのか悩むでしょう。ここではそんな方へ参考にしていただけるような内容をご紹介いたします。

退職の挨拶

  • 挨拶の時間
  • 退職の挨拶は、どんな場面でどのような時間で話すかにもよりますが、あまり短すぎず長すぎない時間でまとめるのがいいでしょう。時間にすると、約1分ほどです。もちろん、少し前後するのは構いませんが、このくらいの目安で伝えたいことをまとめて話すといいでしょう。

  • 退職理由
  • 退職の挨拶をする場合は、退職理由はあえて話す必要はありません。結婚や出産のための退職の時はその理由に触れてもいいと思いますが、転職などの時は転職をすることになった経緯や理由までは挨拶の時には話さなくてもいいのです。

  • 個別の挨拶
  • 特にお世話になった方へは個別に挨拶をすることをおすすめします。退職してしまったら、今までのお礼と感謝の気持ちを伝える機会がなくなってしまいます。もし、自分のために仕事場の仲間が送別会を開いてくれたら、そこでスピーチを求められるでしょう。その際には、送別会を開いてくれたお礼をしっかり述べて、送別会の最中に席をまわって一人ずつ話をして、お礼を述べるといいでしょう。

  • 避けたほうがいいこと
  • 退職の理由がどういうことであれ、「あの仕事はきつかった」などと挨拶の中でマイナスなことを言うのは避けましょう。また、同僚や上司を批判するようなことや、「これからはこうしたほうがいいと思う。」などと、自分の意見を述べることはやめましょう。

これまでのお礼

退職の挨拶の中には、これまでお世話になったお礼を入れて話しましょう。最後の日に感謝の気持ちを伝えて、気持ちよく退職するのが大切です。思い出話を長々と話すのは避けて、簡潔にお礼を述べましょう。

職場の方へのエール

今までのお礼とともに職場の方たちへ陰ながら応援しているということを伝えましょう。一緒に働いてきた仲間へ健康と活躍を願う気持ちも伝えて挨拶を締めましょう。

退職の挨拶の時にする心遣い

みなさんへ菓子折りを渡す

退職の当日、職場の方達へ菓子折りを渡しましょう。高価なものでなくてもいいので、職場の人数より多く入っていて、個別に包装してあるものがいいでしょう。もしその日に出張へ行っていたり、得意先に出かけている人がいても後日食べていただけるようにという配慮です。
そして、気をつけるポイントは賞味期限が近いものや、なまものは避けるということです。冷蔵庫の中に入れておかなければならないようなものですと、みなさんに行き渡らない可能性もありますし、保存に気を遣わせてしまいます。

菓子折りは、おしゃれなカードに「今まで本当にありがとうございました。皆さんで召し上がってください」と自分の名前を添えてお菓子と一緒に渡しておくと、受け取った人が誰からのものかわかるように、カードと一緒に置いておいてくれるはずです。

特にお世話になった方へは個別にプレゼントを

仕事上で特にお世話になった方へは個別にプレゼントを渡してもいいですね。その際に気をつけるべきことは、他の方へはわからないようにそっと渡すのが心配りというものです。
プレゼントは相手の方へ気を遣わせないようなものですと、高価なものではない方がいいでしょう。ご自宅でリラックスしていただくように、お風呂に入れる入浴剤のセットや一息ついた時に飲んでいただく紅茶のティーバッグセットなど、ほんの気持ちです。と渡せるようなものを選びましょう。

退職の挨拶はメールでもいいの?

当日に会えない場合はメールでもOK

退職の挨拶をメールで済ませることを失礼なのではないか、と思う方もいることでしょう。しかし、今は仕事のやりとりを全てメールでするという世の中です。退職が決まってから退職の日までご挨拶ができない方へはメールで挨拶をしてもいいでしょう。同じ部署で働いていたが、転勤になり地方へ赴任された方など、直接会って挨拶することが難しい方へはメールを送りましょう。

社外のお客様や取引先の方へはメールで挨拶しましょう

社外のお客様や取引先の方へは、退職が決まったらご挨拶や引き継ぎのことも含めてメールでお知らせしましょう。メールを送るタイミングは退職日の2~3週間前がいいでしょう。転職での退職の場合は、もしかしたらまたお客様と関わることがあるかもしれません。しっかりメールで丁寧に挨拶をしておきましょう。

メールを送る時のポイント

メールで退職をお知らせする時に気をつけるポイントはどんなものがあるのでしょうか。

  • メールの宛先
  • 一斉メールで送る場合は、BCCを使いましょう。TOのところに自分のメールアドレスを入れて、送る方達のアドレスはBCCのところに入れます。そうしないと、全員に全員分のメールアドレスが知られてしまい、個人情報を漏洩することになってしまいます。

  • 件名をどうするのか
  • 件名は、「退職の挨拶」として、一目で内容が分かるようにします。会社のアドレスでのメールはたくさんの数を受信する場合が多いので、件名がはっきりしたものではないと見落とされてしまう可能性もあります。

  • メールの内容
  • メールの内容は、退職する日付、退職理由(結婚や出産でない場合は、一身上の都合と書きます。詳しい理由は書かないほうがいいでしょう)、お世話になったお礼、これからの健康と活躍を祈る気持ちを書いて締めます。

パターン別!退職のスピーチ例文4選

それでは、退職の日に挨拶をする例文をパターン別にご紹介いたします。

パートで働いていた主婦が退職するケース

「本日をもちまして、一身上の都合で退職することになりました。
接客業の仕事をするのはこの店が初めてで、はじめのうちは緊張して失敗ばかりでしたが、皆さんのご指導のおかげでどうにか続けることができました。皆さんと一緒に仕事ができて本当に楽しかったです。クリスマスの飾り付けを皆で工夫して、お客様に褒めていただいたことはいい思い出になりました。
お店を辞めることは寂しいけれど、たまには食事をしに来ますので、よろしくお願いいたします。皆さんのご健康とご活躍を心からお祈りしています。今まで本当にお世話になりました。」

結婚退職をすることになったケース

「誠に勝手ながら、本日をもちまして退職をすることになりました。
先日お知らせしたように、私は◯月◯日に結婚します。結婚してからも仕事は続けたかったのですが、相手の仕事の都合で引っ越しをすることになり、続けることができなくなりました。皆さんにはご迷惑をたくさんおかけしたにも関わらず、とても優しく接していただき感謝してもしつくせません。この職場で働くことができたのは、本当に幸せでした。
最後になりますが、これからも皆さんがお元気でご活躍されますよう、ずっと応援しています。お世話になりました。ありがとうございました。」

転職で退職するケース

「一身上の都合で本日をもって退職することになりました。
今まで皆さんにはお世話になってばかりでしたのに、何のお返しもできないまま退職することになって心苦しく思っております。特に入社したばかりの頃、何も分からない私に辛抱強く丁寧に一から仕事を教えてくださった◯◯先輩には本当にお世話になりました。ありがとうございました。◯◯部長にはご迷惑をおかけしてばかりでしたのに、いつも励ましてくださり感謝しています。ありがとうございました。
これからはここで教えていただいたことを自分の糧にして、頑張っていきます。皆さんもお元気でがんばってください。」

定年退職のケース

「みなさん、長い間お世話になりました。本日をもって40年間の会社員としての勤めを終えることとなりました。
みなさんがそうであったように、私にも新入社員という初々しい時代があったのですが、その頃から今まで思えば色々なことがありました。苦しい時は当時の上司や同僚に励まされ、乗り越えることができました。これからは好きな釣りをしながらたまには妻と旅行などして、残りの人生を楽しみたいと思っております。
これからの会社の発展と皆さんのご健康を心よりお祈りしております。今までありがとうございました。」

役に立つ!退職の挨拶メール例文2選

社外の方への退職の挨拶メール

件名「退職の挨拶(氏名)」
内容
「いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇部の〇〇です。
私事で恐縮ではございますが、一身上の都合で〇月〇日をもちまして、〇〇を退職することになりました。
在職中は大変お世話になり、本当にありがとうございました。
今後の業務に関しましては、〇〇が担当させていただくことになりました。後日、改めて本人よりご挨拶させていただきますので宜しくお願いいたします。
本来なら直接お伺いしてご挨拶をすべきところではございますが、このような形でのご報告、お礼となってしまい申し訳ございません。
今後とも〇〇様のご活躍、ご発展をお祈りいたしております。」

社内への退職挨拶メール

件名「退職の挨拶(氏名)」
内容
「お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
このたび、一身上の都合で〇月〇日付で退社することになりました。
在職中は皆さんに大変お世話になりました。ご迷惑をおかけすることもありましたが、皆さんに助けていただいて、日々学ばせていただきました。
この会社で学んだことは私のこれからの人生の糧となります。今度もこの経験を活かして前進していきたいと思います。
今後の連絡先は以下の通りです。何かありましたらご連絡いただけたら嬉しく思います。

メール:****@***
携帯番号:*******

最後になりますが、皆様のご健康とこれからのご発展を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。」

お世話になった方へ心をこめて挨拶しましょう

退職の挨拶は今まで一緒に働いてきた方への感謝の気持ちを述べられる大切な機会です。上手いことを話そうとしなくてもいいのです。心を込めて「ありがとう」の気持ちをしっかり相手に伝えることが大切です。自分らしく、素直な気持ちを伝えて晴れやかに退職できるよう、この記事が参考になればと思っています。

3+