第二新卒は就職しやすかった?メリット・デメリットを理解して転職を成功させよう!

みなさんは『第二新卒』という言葉をご存知でしょうか?『新卒』という言葉は良く耳にするものの、第二新卒という言葉はあまり馴染みのない言葉かもしれません。しかし、転職を考えている方にとっては重要なキーワードになってくる言葉です。では、第二新卒について順を追って理解を深めていきたいと思います。

第二新卒とは?第二新卒の定義とメリットデメリット

第二新卒とはどのようなものを言うのか

第二新卒という言葉に、法的に定めた定義のようなものはありません。第二新卒という言葉は『新卒で入社したものの、さまざまな理由で1~3年以内に離職し転職や再就職を考えている者』を示すことが多いようです。
ここで注目すべきは年齢ではありません。職歴によって分類されます。たとえば、「1回以上の転職を経験しているが、社会人経験は3年ほど」の方も第二新卒という扱いになりますし、「高校を卒業したのち、2年ほど働いて20歳で離職した」という方も同じです。「大学院を卒業してから就職。3年ほど働いて27歳で離職した」という方もそれに当てはまります。

先ほど1~3年以内と記載しましたが、1年未満の離職者はどうなるのでしょうか?結論から言うと、こういった方も第二新卒に分類されます。しかし、1年未満の離職者は“短期離職”または“早期離職”と呼ばれ、1年以上働いたケースに比べ転職時の印象はあまり良いものではありません。選考可能な求人数も減ってしまう傾向にあるので注意しましょう。

近年、新卒者が就職後に数年で離職する割合が増えている傾向にあると言われています。その背景には、昨今の不況の影響で採用人数が減少していたり、早期、短期化している就職活動の影響が一因にあげられます。自分に合った就職先を見極め、長く働きたいと思える就職先をじっくり選定する猶予がないのです。

第二新卒として転職を考えた理由

第二新卒として転職を考える理由には次のものがあげられます。

キャリアアップのため

新卒で就職した会社では得られなかったものや、前職で経験できなかったことなど。再チャレンジによりそれらの可能性を広げたいという思いが転職を決意させるようです。

前職に不満があったため

以下のような理由で、前職を辞めざるを得なくなる場合もあります。

セクハラ・パワハラ

近年、テレビやニュースなどでも良く取り上げられるようになった、職場における嫌がらせ問題です。セクハラは端的に言えば『性的嫌がらせ』。パワハラは、『職場での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えた精神的、または身体的嫌がらせ』のことを言います。こういった問題で、致し方なく転職を考える人もいるようです。

給料面・残業代

思っていたより仕事内容に見合った給料ではない場合や、自分のスキルに見合った給料ではない場合。サービス残業ばかりで残業代がほとんど出ない会社だったなど、給料面を改善したいという理由で転職を考える人は多いようです。

人間関係

社会に出るとどうしても人と人との関わりが大事になってきます。仕事をする上ではチームワークはかかせません。そうであるにも関わらず、些細な理由で仕事もままならないような嫌がらせを受けたり、自分の利益のために人を陥れようとする人がいたりと、人間関係のトラブルで転職を考える人も少なくありません。気持ち良く働ける職場がいいのは当然のことですよね。

ブラック企業

ブラック企業の定義はさまざまです。しかし、近年よくニュースなどで取り上げられているのは、長時間労働の問題です。私生活に支障が出るほどの長時間労働を見て見ぬふりをしている会社は数多く存在します。そういったことで精神疾患、または身体的疾患を患い、最悪の事態になったケースも。疑問や不満を持った時点でそういった会社には見切りをつける人が増えています。

転職時における第二新卒のメリットデメリット

第二新卒は、短期間で前職をやめていることから、転職の際不利になるのではないかと思う方もいるかもしてません。ですが、そんなことはありません。
前職を辞めた理由が、企業側から見てよほど疑問を持つようなものでさえなければ、企業側にとってメリットとして捉えてもらえる場合もあるのです。では、第二新卒のメリットデメリットを見ていきましょう。

メリット

  • 一度は社会に出たことのある人間として評価される
  • 企業側は、第二新卒が一度は厳しい就職活動や入社試験をくぐり抜け、短い期間だとしても社会人として働いた経験のある人物として評価してくれます。ひとまず、一度は社会に出られただけの社会的適応力のある人物であるのだと、企業側も安心するのでしょう。

  • 転職活動への意欲の高さを評価される
  • 一度社会に出た経験や、前職での経験を活かしながら転職活動をしようと決めたその意欲ややる気を企業側は評価します。

  • 企業の戦力として育てやすいため、採用に有利
  • 第二新卒は一般の中途採用者に比べると有利な傾向にあるようです。中途採用者は確かに即戦力にはなるかもしれませんが、前職などで培ってきた知識やスキル、プライドなどが染みついているため、企業に馴染みにくい場合があります。
    それに比べて、第二新卒は一度は社会に出たことがあるといっても若くて社会経験もまだまだ未。社風にも染まりやすく、ルールを一から覚えてくれるような素直さがあると企業側は判断するのです。また、第二新卒は企業に馴染もうと努力をするバイタリティーも中途採用の方よりも持ち合わせている傾向にあります。

デメリット

  • 基本的なビジネスマナーやスキルを当然のように持っているものだと思われる
  • 一度は社会人の経験のある第二新卒は企業側の期待値が高く、いきなり高いスキルを求められる場合があります。そのため、面接では自分のできる範囲のことを明確にアピールしながらも、できないことは謙虚に努力する姿勢を伝えることが重要です。

  • 職場経験が浅く戸惑うことが多い
  • 当然ながら、初めて転職を希望する第二新卒は前職しか企業を知りません。その為、前職とは全く違う社風であったり、異業種であったりすれば当然戸惑うことは沢山あります。失敗をしてしまい落ち込むこともあるかもしれません。しかし、その都度しっかりと学び、同じ失敗を繰り返さないよう確認に努めましょう。

  • すぐに辞めてしまう人間なのではないかと警戒をされてしまう
  • 前職を1~3年で辞めていることもあって、企業側からは「すぐに辞めてしまう根気のない人間なのかもしれない」と警戒されてしまうこともあります。面接などでも、前職を辞めた理由を問われることが多い傾向にあります。
    そんな場合は、前職を辞めざるを得なかった理由を自分なりに分析し、問題点をあげて修正していく努力を伝えましょう。第二新卒として何を学んだのか。それをどう前向きに次の職で活かすのかを企業側にアピールすることが大切になってきます。

第二新卒歓迎?企業が側が第二新卒を必要とするわけ

近年では、多くの企業で第二新卒の採用を増やしている傾向にあると言われています。では、企業側はどうして第二新卒を必要としているのでしょうか。

第二新卒が採用されやすいわけ

第二新卒の採用では、一度社会に出たことがあるということが重要になってきます。新卒と比べて社会人スキルを一から教える必要がなく、企業側としては手間が省け、その分新しいことを教える時間が増えます。そうと言っても短縮できるのは少しの時間じゃないかと思われるかもしれませんが、企業側は教えることが山積みな新人を何人、何十人と抱えています。その人数が多ければ多いほど、そこに費やす時間と労力が大きくなるのです。したがって、そういった利点は、結果的に大きな時間短縮につながります。
また、第二新卒には新卒と同様の柔軟性の高さがうかがえます。前職についていた期間が短い分、中途採用などに比べて企業や業界のカラーに染まっていない傾向にあり、柔軟な適応力や発想力が期待できると考えられています。

新卒のいいところと、中途採用のいいところを兼ね備えているのが第二新卒です。企業がそこに目をつけないわけがないですよね。

第二新卒が募集されやすい期間とその理由

さぁ、いざ面接!といっても、第二新卒を募集している企業がなければ意味がありません。一年を通して採用を行っている企業もありますが、就職をより無駄なく有利に進めていくのなら、募集が多くなる適切な時期を見定めておく必要があります。
では、第二新卒が募集されやすい時期はいつ頃なのでしょうか。

第二新卒が募集されやすい期間

1月~3月

この時期は、早期離職をした新卒者の補充であったり、定年退職を迎える社員がいて欠員が出やすい時期と言われています。また、この場合、入社は4月になるため新卒者と一緒に社内研修を行うことができるのも企業側からしたら嬉しい利点です。社内研修を行えれば、より早くルールや社風に馴染ませることができるからです。
また、企業の決算期も関係してきます。多くの企業が3月末を年度末として決算期を設定しているため、1月から2月は非常に忙し時期となります。そのため、忙しさが落ち着く3月頃が最も求人が増える傾向にあるのです。つまり、第二新卒が転職を行うのに適した時期は1月から3月。中でも最も適しているのが3月になります。

7月~9月

この時期は、異動や転勤で欠員が出ることが多い時期になります。また、転職を考えている方々は6月のボーナスを受け取ってから退職しようとする傾向にあります。そのため、企業側もこの時期が第二新卒を獲得しやすい時期だと把握しているようです。さらに、企業の上半期の始まりが10月となっている場合が多く、4月入社の時と同じように社員研修を一度に行えるという企業側のメリットもあるようです。

このように、募集されやすい時期というのは上記のようなものになりますが、これ以外にも時期に関係なく募集を行っている企業は沢山あります。自分の条件に合った企業の募集が出ていないか、求人サイトなどは常にチェックすることを心がけてくださいね。

気をつけて!職務経歴書と面接で採用される第二新卒・されない第二新卒

職務経歴書の書き方

第二新卒として転職活動をする際にも欠かせないのが職務経歴書です。転職活動では、つい面接対策や筆記試験対策にばかり気を取られがちですが、まずは書類選考に通らないことには意味がありません。そのため、転職活動ではまずは職務経歴書の書き方から注意していきましょう。

ポイント

書類選考を通るためには、いかに濃密な内容で採用側に自分をアピールできるかが大前提となってきます。履歴書にいたっては、きちんと丁寧に書かれているかが採用側に見られやすいポイントになりますが、職務経歴書はよりチェックされやすいということを知っておいていただきたいと思います。
なぜかというと、企業側からしたら職務経歴書は、パソコンのスキルや自己アピール能力、プレゼン力や個性を判断する上で重要な材料になるからです。したがって、今まで経験してきた職務内容をただ羅列するだけでは採用側へそれを伝えることはできません。では、採用されやすい職務経歴書とはどう書けば良いのでしょうか?

書き方

職務経歴書を書くにあたって大切なポイントとは、『定量的活動』と『定性的活動』、それに加え『5W1H』を意識して記入することです。
定量的活動とは、簡単に言うと物事を数値化して、具体的に活動を捉えること。また、定性的活動とは、物事を事象として、抽象的に活動を捉えることです。この二つを意識した上で、さらに5W1を意識した記入をしなければなりません。5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What (なにを)、Why(なぜ) 、How(どのように)、この6つの要素をまとめた情報伝達のポイントを言います。

この3つのポイントをおさえるだけで、職務経歴書は格段に書きやすくなり、さらには、まとまりがあって分かりやすい、丁寧に書かれた職務経歴書として採用側は評価してくれるのです。

第二新卒の面接で押さえておきたい3つのポイント

書類選考が通ったら、いよいよ面接です。第二新卒の面接では、採用されるためにいくつかポイントがあります。そのポイントをしっかりおさえた上で面接に臨みましょう。では、どのようなポイントがあるのか見ていきたいと思います。

  • 前職を退職した理由を明確に
  • 第二新卒の面接の際重視されるのが、前職を退職した理由です。面接時、前職を辞めた理由を質問されることはしばしばあります。その質問に対しての答えがあまりに抽象的すぎたり、身勝手なものだったりすると、採用側はは「またすぐに辞めてしまうのではないか」と不安になります。そうなっては、印象は良いものではありません。このいった事態を防ぐためにも、退職理由は明確にしておく必要があります。

    悪い例は、前職から逃避したイメージを与える理由であったり、前職の不満ばかりを述べて、自分に視点を置いた反省が一切ない。また、退職理由がいかにも教科書のお手本通りのような、現実味のない理由。他人のせいにばかりした理由などがあげられます。このような退職理由は、採用側に「採用したくない」と思わせるような、良くない印象を与えます。また、これは当たり前のことですが、「なんとなく嫌だった」などという、子供のような理由は論外です。

  • 自分の将来像を明確に
  • もう一つのポイントは、採用側に将来像を明確に伝えることです。特に第二新卒という状況の場合、年齢はまだまだ20代半ばくらいが多いかと思いますが、そういった人材は「仕事が続かないのではないか」と企業側に判断されてしまうことがあり、それは同時に不採用につながってしまいます。そうならないためにも、先を見据えたポジティブな退職理由が面接の合否を分ける鍵になってくるのです。

    例えば、「退職した理由は、前職は自分の将来像が叶わないステージだと判断したため」というようなものなら、採用側は、先を見据えたポジティブな退職だったと捉える事ができます。将来像がぶれたままでは熱意を伝えることはできませんよね。面接を受ける前に、しっかりと自分の将来像について考えておく必要があると言えるでしょう。

  • 成功事例と失敗談を組み合わせてアピール
  • そしてもう一つは面接の歳、前職での成功事例ばかりをアピールするのではなく、失敗談も一緒に採用側に伝えるということです。成功事例ばかりをあげていると、人間味も現実味もなく採用側にきれいごとに聞こえてしまいます。成功事例に失敗談を組み合わせながら、自分をアピールしましょう。

第二新卒の失敗や経験を活かした企業選び

第二新卒の場合、一度社会に出た経験が転職での強みになります。社会のことを知らなかった新卒の時とは違い、前職での経験もプラスして転職後のミスマッチを回避することができるからです。だからこそ、長く勤める会社と出会うことがことができるチャンスなのです。

第二新卒の失敗や経験を活かせる転職活動のポイント

第二新卒の転職の場合、前回の失敗を活かし、自分の適性や適職をしっかりと考える時間を設けることが大切になってきます。自分に合ったキャリアのイメージをしっかりと掴むことで、自分に適した企業を選別することができるのです。
また、「なんとなく転職したい」といったような漠然とした理由で転職を決意しては、せっかくのチャンスが台無しになってしまいます。第二新卒の転職に焦りは禁物です。決して安易に行うのではなく、客観的に見ても妥当な転職理由であると判断できる場合に転職をする方が成功率は格段に上がります。自分の考えだけではなく、周りの意見も参考にしてみてください。その場合、人材紹介会社のような転職の知識を豊富にもったサービスを利用するのも手でしょう。

第二新卒だからこそ悔いのない転職活動を

第二新卒の転職は、思い描いていた企業に出合える最大のチャンスかもしれません。中途採用とは違いデメリットが少なく、それでいて前職での失敗を活かした冷静な判断の中での職探しが可能だからです。悔いのない転職活動にするために、このチャンスを逃さない手はないでしょう。

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