スタイリストになるためにはどうしたらいい?知っておきたい学校のことや現在の就職状況について

スタイリストと聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?一般的にはファッションセンスに長けている人がなれる華やかな職業のイメージですが、実際はどんなお仕事なのでしょうか。具体的な仕事内容やどうしたらスタイリストになれるのか、など細かくご紹介していきたいと思います。

スタイリストってどんなお仕事?

仕事内容は?

基本となるお仕事は洋服のリース(レンタル)です。撮影で使うアイテムのアパレルブランドに出向いてコンセプトに合った洋服や小物などを借りてきます。いくつものスタイリングのイメージを頭に描きながら、よりイメージに合ったものを選ばなくてはいけないので頭はフル回転です。リースしたアイテムが揃ったら撮影日までに具体的なコーディネートを考えます。洋服だけではなくアクセサリーやバッグなどの細かいところまで考え、編集担当の方にチェックをして貰い、OKが出たら撮影準備に入ります。
撮影当日は撮影で使う洋服や小物が揃っているかチェックをして、モデルのサイズに合わせて着せていきます。撮影が終わったらすぐに各ブランドへの返却準備にとりかかり、不足なく返却できたらひと段落です。

大まかに言うとこういったお仕事が主ですが、扱う媒体によって仕事内容にも少し違いがあるようです。

  • 雑誌のスタイリスト
  • 色々なジャンルの雑誌があるので、その雑誌の特徴をよく理解し、雑誌のコンセプトにあった流行のコーディネートを考えます。そのため常に流行には敏感でなくてはなりません。みなさんがパッと思いつくような有名雑誌などは、専属モデルや出版社が決めてきたモデルさんに対してコーディネートすることが多いですが、単発の雑誌などはスタイリストがモデルさん選びから担当する場合もあります。

  • テレビや映画など映像系のスタイリスト
  • テレビや映画に出演するタレントさんの衣装をコーディネイトするお仕事です。テレビ番組のコンセプトやドラマ・映画などの役柄によって衣装が全く異なるため、どんなイメージで出演をするのか正確に理解しておく必要があります。制作スタッフが指定した衣装を揃え、イメージを壊さないようなコーディネートが求められます。撮影当日はタレントさんと同伴をして撮影を見守り、シーンのたびに洋服を直したり衣装替えを行ったりします。

  • 広告系のスタイリスト
  • 主に企業のポスターやチラシなどの広告を作る際の洋服をコーディネートします。基本的には広告会社の指示に従って衣装を用意することが多いです。こちらも広告会社の意図をよく理解して、企業のイメージにあったものを用意します。チラシなどの場合は自社商品だけでコーディネートを依頼されることもあるので、限られたアイテムの中で各ブランドのイメージを壊さないようにコーディネートをする技術も求められます。

お給料や年収は?

スタイリストの平均年収は200万円~500万円くらいと言われていますが、中には150万円の人がいたり逆に1000万円を超える人もいるようで、人によって差が激しい職業とも言えます。フリーランスのスタイリストが多いため、レギュラーの仕事がたくさん入る人は収入が多いですが、単発の仕事をちらほらしか貰えない人は収入が低くなります。このため収入は人によって大きく違うようです。
事務所に所属している人は、最初のアシスタント時代はお小遣い程度の年収しかもらえないようですが、経験を積んで一人前になればお給料もどんどん上がっていきます。最初は事務所に所属をしていて、ある程度経験を積んだらフリーに転身する人もいるようです。

スタイリストになるには?

事務所に所属するorフリーで活動

先ほど少し触れましたが、スタイリストになるために事務所に入る方法と、フリーランスで仕事をしていく方法の2つあります。事務所に入りたい場合は、通常の企業の就職試験と同様に事務所に応募をします。
ただし、一般の求人情報サイトや情報誌には中々載っていないので、自ら事務所のHPなどを見て直接応募をした方が良さそうです。事務所では最初アシスタントとして色々な経験をさせて貰えます。アシスタントは雑務が多く大変ですが、きちんと仕事をしていれば数年でスタイリストになることができます。

フリーランスのスタイリストになりたい場合は、スタイリストさんを人から紹介して貰い、その人のアシスタントとしてスタートするという形が基本のようです。ツテがない場合は、アシスタントの募集情報を自分で探します。好きなスタイリストがいる場合は直接自分を売り込みにいくのも1つの手です。事務所と違ってずっと師匠と一緒に仕事をするので大変なこともあるかもしれませんが、名前を覚えてもらえたり人脈が広がったりとメリットもたくさんあります。
ただし、フリーのスタイリストのアシスタントになった場合は、自分が独立するまではずっと師匠の仕事のお手伝いをすることになります。ある程度年数が経って1人でできることが増えてきたら、独立する人も多いようです。その際は師匠に相談しながら、失礼のないように独立することが大事です。

アシスタントの仕事とは?

アシスタントの仕事は、最初は雑用がほとんどです。師匠のスタイリストと同伴で動く時の荷物持ちやアポを取り、リースの洋服を取りに行ったりと力仕事も多いです。衣装の管理も任されることが多く、どの衣装がいくつあっていつどこに持っていくのか、どこのお店で借りていつ返却するのか、など細かく管理しておく必要があります
。撮影が終わった後も片付けなどで遅くなることが多く、短い睡眠時間で頑張っている人が多いようです。細かい仕事が多く毎日ハードですが、師匠の近くで日々色々な経験と勉強をさせてもらうことで、一人前のスタイリストへと成長していきます。

スタイリストになるための学校はあるの?

スタイリストになるためには必ずこの学校に行かなくてはいけない、といった決まりはありませんが、現在活躍しているスタイリストは服飾系の専門学校やスタイリストの基本的な知識が身につく何らかのスクールを卒業している人が多いようです。実際働く際に現場で必要とされる知識や技術を身につけるためには、学校やスクールで学ぶのが効率的といえます。
また、学校に通っていれば業界の情報をいち早く知ることができ、就職のサポートなどもしてもらえるのでメリットはたくさんあります。就職試験の際にも、無知の状態でスタイリストになるのは非常に厳しく、学校に通って基礎知識を身につけていた方が断然有利になります。学校に通うのが難しい場合は、スタイリングなどが学べる通信講座もあります。

採用に優位!志望動機と面接対策

スタイリストの志望動機は以下のアピールをしましょう。

  • ファッションが好き!好きな理由とファッションへの熱い想いをアピール
  • 常にファッショントレンドに敏感にアンテナを貼っている
  • 協調性を大事にできる人間であること
  • 人を美しくすることによって人を喜ばせたいというホスピタリティ精神

また、スタイリストは忍耐力と体力勝負の仕事です。忍耐力と体力に自身がある人は、そこもあわせてアピールしておきましょう。

スタイリストの就職状況

現在の就職状況は?

スタイリスト(アシスタント)の募集は大きな変動はあまりなく、比較的多い状態で安定しています。アシスタントから始めて、ある程度年数が経つと独立していく人が多いことと、待遇の悪さや体力面のキツさから離職していく人も多いため、スタイリストの需要は常にあるようです。
雇用形態は様々で、事務所に所属する場合でも正社員だけでなくアルバイトでの雇用もあるので、求人情報を探す時に希望する雇用形態で就職できるように注意してみておきましょう。

スタイリストのキャリアパス

アシスタントを経て、晴れて一人前のスタイリストになった後はみんなどうしているのでしょう。
キャリアパスは人それぞれで、事務所に所属してスタイリストとして同じ事務所でずっと頑張る人もいれば、事務所やフリーのスタイリストの元で経験を積んだ後に独立して自分で事務所を構えたりフリーで活動したりする人もいます。また、特定の芸能人や有名人に気に入られ、その人の専属スタイリストとしてやっていく人もいます。

スタイリストの適性を知ろう

こんな人が向いている!適性をチェック

スタイリストと聞くと元々ファッションセンスがある人のみがなれる特別な仕事なイメージがありますが、スタイリスト全員がファッションセンスを生まれ持っている訳ではありません。ファッションセンスは磨いていけば光るものであって、大事なことはもっと他にあります。

スタイリストに欠かせない大事なこととは…

  • とにかくスタイリストになりたい!という熱い気持ち
  • 強いメンタル
  • 周りの人に対する気配り
  • 常に向上心を持って進んでいくこと
  • 簡単には倒れない体力

常に移り変わる流行に、勉強し続けてついていかなければなりません。常に学びながら前進し続けられる人の方が楽しく働くことができそうですね。

スタイリストの魅力とやりがい

スタイリストの魅力は、大好きなファッションと毎日関わりながら仕事ができるということです。自分がコーディネートしたもので人を美しくし、モデルやクライアントに喜んでもらえた時はとてもやりがいを感じることでしょう。更には自分のスタイリングが読者や視聴者からも反響があって、世の中的に流行したら夢のようですね。

もう1つは人との関わりです。スタイリストはたくさんの人と協力しながら仕事を進めていきます。みんなが同じ目標に向かってモノ作りをするため、一体感が生まれて素敵な関係性が築けます。仕事ごとに関わる人も違って、どんどん人脈も広がっていきます。

悩みやつらいこととは?

一見華やかな世界に見えますが、実は地味な仕事がとても多い仕事です。企画にあったコーディネートを考え、服や小物を選び、それらのアイテムを借りに行き、現場で仕事をこなし、アイテムを返却するまできちんと管理をする。これらの間にも地道な作業がたくさんあります。忙しくやることが多いため、アシスタント時代だけでなくスタイリストになっても勤務時間が長く、あまり睡眠時間が多くとれないことは悩みの1つのようです。

そのため、体を壊してスタイリストの道を諦める人もいます。体の悩みもつきないようなので、体調管理をしっかりしていかなければなりません。

もう1つは、クリエイティブな仕事なため、常に求められたことに応えられるだけのバリエーションと発想力を持っていなければならないことへのプレッシャーがあるようです。

スタイリストを目指している方へ

センスのある人だけがなれる華やかな世界というイメージがありましたが、実際はスタイリストになることへの熱意があって努力をすればなれる職業だということがわかりましたね。学校の卒業資格がいらないので、いくつになっても目指すことができる職業とも言えます。裏方で努力をした分だけ華やかな世界での輝きを得ることができる素敵な仕事ですね。

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