幼稚園教諭になって子どもと一緒に成長したい!気になる年収や保育士との違いについて

子どもが好きな人なら、一度はなりたいと思ったことがあるのではないでしょうか?幼稚園教諭の仕事は、たくさんの子どもの成長を見守ることができる素敵な仕事です。今回は同じ子どもの成長を見守る保育士との違いや、幼稚園教諭のやりがいや魅力を紹介します。

目次

幼稚園教諭の仕事とは

仕事内容

幼稚園教諭は、満3歳児から小学校に入学するまでの幼児を対象に教育を行う仕事です。そのため幼稚園では、幼稚園教育要領に基づくカリキュラムに沿った保育を行います。それ以外にも保育計画の立案、行事の準備、保護者向けのお便り作成なども幼稚園教諭の大切な仕事です。

幼稚園教諭の一日のスケジュール

クラスを受け持つ担任教諭の一日のスケジュールを紹介します。

  • 出勤、環境整備
  • 出勤後は、子どもたちを迎えるための準備や、園庭など子どもたちの遊ぶ場所が安全か確認します。

  • 園児のお迎え
  • 登園してくる園児をお迎えします。

  • 各クラス活動
  • 自由保育を採用している幼稚園では、一日中、子どもたちは好きな遊びをします。また幼稚園によっては、勉強や季節ごとの遊びを実施する園もあります。

  • 昼食
  • 食事中のマナーやルールを守れるように指導します。また、後片付けから手洗い、トイレなど生活面の自立を促し、手助けをします。

  • 降園
  • 園児のお見送りをします。

  • 事務作業や行事の準備
  • 自分のクラスや学年の事務作業、行事前などは出し物の準備をして退勤します。

子どもと過ごす以外にも色々な仕事があるため、日によって夜遅くまで仕事をすることもあります。

「公立幼稚園」と「私立幼稚園」の違い

幼稚園は大きく分けると「公立」と「私立」があります。幼稚園の約4割が「公立幼稚園」です。市区町村が運営しているため、「公立幼稚園」の先生は公務員に該当します。

また、地域によって異なりますが「公立幼稚園」の場合、かなり学費が抑えられていて月に約8,000円が相場です。「公立幼稚園」は「私立幼稚園」に比べると給料や待遇が良く、定期的な昇給もあるため、退職する人が少なく長く仕事を続ける人が多いです。

「私立幼稚園」の多くは学校法人が運営しています。また宗教団体(キリスト教・仏教など)が運営しているケースもあります。そのため保育方針も、幼稚園によって変わります。例えば、受験に力を入れている幼稚園の場合は、遊びの時間よりも英語教育を行うなど、幼稚園ごとに特徴があります。

また学費も「私立幼稚園」の場合、月に3万円~4万円と高額で、有料で延長保育を行っている幼稚園も多いです。給料や待遇も幼稚園によって異なります。

幼稚園に就職する、もしくは派遣で仕事をする

保育士に比べると数は少ないですが、幼稚園教諭でも派遣で仕事をすることができます。派遣の場合、担任の先生の補助として仕事をします。派遣の仕事の探し方は、派遣会社に登録する方法の他、公的機関(ハローワークなど)でも募集があります。

派遣で仕事をしたいと考えているなら、事前に公的機関(ハローワークなど)に登録しておくといいでしょう。その際の給料ですが、相場は時給で800円~1,000円程度です。地域によってかなり差があります。

勤務時間や休日について

勤務時間はフルタイム勤務で8時間です。行事が少ない時期は、比較的時間通りに帰ることが可能です。しかし行事の準備が入ると残業が続くことがあります。出勤時間は8時頃の幼稚園が多いです。ただし、時間外保育を行っている場合は、7時頃から出勤しなければいけない幼稚園もあります。

また、通園バスの担当者になると早く出勤しなければいけません。通常、土日祝日は幼稚園が休みのため休日です。夏休みと冬休みの長期休みには出勤日が数回ありますが、その日以外は休みです。しかし、幼稚園によっては土曜日が自由登園となっているため、職員が交代で出勤しています。

気になる初任給や年収は?

平成27年の幼稚園教諭の平均月収は23万円、そこから推定される平均年収(ボーナス込)は339万円、推定時給は1,286円です。過去8年間の年収推移見てみると、330~340万円前後です。幼稚園教諭の初任給は、短大卒で18万円前後です。一般企業の初任給とさほど差はありません。

幼稚園教諭は都道府県ごとの給与差が大きく、平均年収の最も高い東京都と最も低い沖縄県では、およそ200万円もの給与差があります。また他の職種に比べると、経験年数に応じた給与の上昇率は低いです。そのため、30代・40代でも400万円代にいくことは難しく、私立幼稚園の場合にはさらに厳しくなっています。

幼稚園教諭になる方法

幼稚園教諭養成課程のある短大や4年制大学、専門学校に進学する

幼稚園教諭になるためには、幼稚園教諭免許状を取得する必要があります。そのため、幼稚園教諭養成課程のある学校に進学する必要があります。幼稚園教諭養成課程のある短大、大学、大学院などで学び、卒業することで幼稚園教諭免許状を取得できます。

資格を取得した後は、公立幼稚園の場合、各市区町村の採用試験を、私立幼稚園の場合はそれぞれの幼稚園の採用試験を受験します。試験内容は一次試験に筆記試験、二次試験に面接やピアノの演奏などの実技試験が実施されます。

幼稚園教諭養成課程で学ぶこと

学校によって学ぶことが異なり、これら以外にも折り紙や手品を学んだりすることもあります。

  • ピアノやリトミック
  • 幼稚園教諭はピアノが演奏できなくてはなりません。そのためピアノの授業が行われます。授業では簡単な童謡を弾いたり、バイエル(ピアノの基礎となる曲)を練習します。またリトミックといって、音楽に合わせて体を動かしていくリズム遊びの勉強もします。

  • 心理学を学ぶ
  • 「教育心理学」「教育原理」「発達心理学」などの子どもの心理状態や感情コントロールなどについて学ぶために心理学の勉強をします。

  • 体育をする
  • 球技や縄跳びだけでなく、子どもと一緒に楽しめる遊びやゲームの仕方を学びます。

  • 保育日誌作成の仕方
  • 保育日誌や保育計画の作成も大切な仕事です。これらの作成方法は、先輩の書類を参考にしながら勉強します。

  • 実習に行く
  • 教育実習は、幼稚園教諭・教員になるためには重要な科目です。実習内容は、一般的に観察実習、部分実習、責任実習などがあります。4年制大学の場合、1年次に観察実習、年次が上がると教育実習を実施する学校が多いです。

    観察実習では、子どもと直接関わるのではなく、子どもの様子を観察しながらメモをとります。また責任実習では担任教諭として保育計画を自分で立て、担任として保育を実施します。

卒業が取得できる資格

幼稚園教諭免許状は国家資格です。幼稚園教諭養成課程のある学校を卒業するとこで取得できます。免許には3種類あり、大学院を卒業した場合は専修、4年制大学を卒業した場合は1種、短大を卒業した場合は2種の免許を取得できます。

保育士の実務経験がある場合

保育士として一定の在職経験があれば幼稚園教員資格認定試験を受験し、合格後、都道府県教育委員会への申請を経て、幼稚園教諭の二種免許状が授与されます。あくまでも資格試験のため、実際に幼稚園で働くには、公立の場合、各自治体へ、私立の場合は各幼稚園の採用試験を受験しなければいけません。

幼稚園教員資格認定試験概要

幼稚園教員資格認定試験の受験資格は、保育士として3年以上の実務経験が必要です。一次試験では、択一式の筆記試験、二次試験は論述試験です。全科目において満点の6割以上が合格ラインです。

文部科学省ホームページはコチラ

通信講座で勉強して資格を取得する

家庭の事情や経済的事情で進学が難しい場合、大学の通信講座を利用して幼稚園教諭免許を取得することができます。ただし、全ての内容を通信で学ぶことができないため、大学が実施するスクーリングの参加が必要です。

通信講座の場合は学費を抑えることができ、働きながら学ぶことができます。しかし、実習先を自分で手配しなければならない、就職のサポートなどがない、などのデメリットがあります。

幼稚園教諭と保育士の違い

幼稚園と保育園は、管轄する役所が異なっています。幼稚園教諭は「文部科学省管轄」の免許で、小学校や中学校と同じく「学校」として位置付けられています。それに対して保育士は、「厚生労働省管轄」の国家資格です。

資格の違い

幼稚園教諭になるためには、幼稚園教諭免許が必要です。先ほどもお伝えしましたが、保育士として3年以上の実務経験を積んだ後、幼稚園教員資格認定試験を受験しなければなりません。

保育士の場合は、年2回開催される保育士試験を受験し合格する。もしくは保育士資格が取れる養成学校(大学・短大・専門学校)で、所定の単位を取得し卒業する。このどちらかの方法で保育士資格を取得しなければいけません。

働く場所が違う

幼稚園教諭は幼児のための学校である幼稚園に勤務し、子どもたちを教育するのが仕事です。保育士は、児童福祉施設に該当する保育園に勤務して、保護者の代わりに子どもたちの保育をするのが仕事です。

幼稚園教諭と保育士両方の資格を持つメリット

幼保一元化という考えから、認定こども園が増えつつあります。認定こども園では、幼稚園教諭と保育士資格の両方を持っている人が「保育教諭」して働くことが望ましいとされています。そのため両方の資格を持っていると、就職や転職の時に選択肢が増えるメリットがあります。

今後、認定こども園が増えていくと考えると、両方の資格を持っておいた方がいいでしょう。

幼稚園教諭のやりがい

子どもの成長を間近で感じることができる

子どもの成長はあっという間です。入園したばかりの時は自分でできることが少なかった子が、だんだん自分の身の回りのことができるようになったり、お友達と楽しく遊べていたりと、子どもたちの成長を間近で見ることができます。

子どもの成長過程を家族以外で、間近に感じることができるのは幼稚園教諭です。そのため、子どもたちの成長が日々仕事のやる気へ繋がっている先生が多いです。また、子どもたちの成長をサポートする過程で、気づいたら自分自身も成長していたと感じる先生も多いようです。

年間を通して色々なイベントを体験することができる

幼稚園では、年間を通して色々なイベントを開催しています。例えば運動会やお遊戯会、さつまいも掘り、遠足など、準備の真っ最中は忙しくて大変ですが、終わった後の充実感や達成感はなにものにも変えられない経験になります。

成長した子どもが会いに来てくれる

幼稚園を卒業した後に成長した姿で会いに来てくれたり、中には結婚式に呼ばれることも。また「先生に憧れて幼稚園の先生になったよ」という報告を受けた時などは、この仕事を続けてよかったと強く感じる瞬間です。

幼稚園教諭に向いてる人

子どもが好き

子どもが好きなことが大前提です。子どもが嫌い、苦手だと仕事を続けていくことは難しいでしょう。幼稚園教諭の仕事は子どもの成長を見守り、教育を行う立場です。決して楽な仕事ではありませんし、お給料も高いというわけではありません。そのため、子どもが好きという気持ちがないと続けていくことは難しいでしょう。

どんな時でも笑顔でいられる

勤務中は常に子どもたちから見られています。先生が疲れた顔をしていたら、子どもたちはどう思うでしょうか?そのため、イベントの準備で残業が続き疲れている時でも、常に笑顔で元気でいることが求められます。

子どもから大人まで幅広い年代とコミュニケーションがとれる

幼稚園教諭が接するのは子どもたちだけではありません。保護者や幼稚園のある地域の方と、幅広く接する機会があります。特に、保護者対応も幼稚園教諭の大切な仕事です。保護者の立場からすると、信頼できる先生に自分の子どもを預けたいと思いますよね。保護者との関係を良好に保つためにも、コミュニケーション能力は必須です。

幼稚園教諭に必要なスキル

幼稚園教諭の求められるスキルには、子どもたちを「教育」するためと「保育」するための2種類のスキルが必要です。

ピアノやオルガンの演奏

幼稚園教諭は、ピアノを演奏が必須です。先生がピアノを弾きながら子どもたちと一緒に歌を歌うことは、コミュニケーションを取る手段として大切にされています。子どもたちが好きな童謡の演奏しながら、一緒に歌うことができるくらいに練習しておく必要があります。

イラストや工作のスキル

子どもたちと一緒にお絵かきや工作をすることが多いため、教えることができるスキルは必要です。また教室内の掲示物を作成するのも大事な仕事です。

表現力

紙芝居や読みきかせをする時、表現力は欠かせません。色々な登場人物に合わせて声や話し方を変えたりすることで、子ども達はより夢中になってお話を聴いてくれるでしょう。

危機管理能力

子どもたちが安全に過ごすためにも、園内や教室内に危ないところがないか確認するのも大切な仕事です。大人目線ではなく、子ども目線で危ないところがないか確認していく必要があります。

応急処置

子どもたちは大人が予期しない行動をすることがあります。そのため、子どもたちがケガをした時に適切な応急処置ができる必要があります。

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子どもと自分の成長を楽しもう

子どもと一緒に成長できるのが、幼稚園教諭の一番の醍醐味ではないでしょうか?幼児期の多感な時期に子どもたちと一緒に過ごすことは、大変なこともたくさんあるかもしれませんが、それ以上に子どもたちとたくさんの時間を過ごし、思い出を作ることができます。

今後、認定こども園が増えていき、ますます幼稚園教諭の需要が高まっていきます。子どもが好きでこの仕事に興味があるのなら、自分のキャリアの選択肢に加えてみてください。

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