最近は、雑貨屋などでアロマやアロマポットが売られているように、自分で好きな香りを選んで自宅で楽しむ人が増えています。しかし、市販されている香りは決まったものです。アロマセラピストは香りを調合して人の好みに合わせた香りを作り出すことができます。そんなアロマセラピストになるにはどのようにしたらいいのでしょうか。
アロマセラピストとは
アロマセラピストとは、植物や果物などの天然成分から抽出した香り成分であるエッセンシャルオイル(植物性香油)を使って、そのヒーリング効果で心身をリラックスさせたり、ストレスを解消させたりする人のことです。健康や美容に役立てる自然療法として、注目を集めています。英語読みで「アロマセラピスト」フランス読みで「アロマテラピスト」となります。
公益社団法人日本アロマ協会では、アロマセラピーの目的は以下の通りとしています。
- リラクゼーションやリフレッシュに役立てる
- 美と健康を増進する
- 身体や精神の恒常制の維持と促進を図る
- 身体や精神の不調を改善し、正常な健康を取り戻す
引用サイト:AEAJ 公益社団法人日本アロマ環境協会
気になるお給料事情と休日のことについて
- 給料
- 休日
アロマセラピストの初任給は、エステティックサロンなどの企業の社員として働く場合、資格や経験の有無によって違ってきます。平均月収は15~16万円で年収にすると200~300万円ほどで、一般企業の平均月収と比べると若干下回ります。
アロマセラピストが働くリラクゼーションサロンやエステティックサロンは、お客様相手の仕事なので土日祝日は営業しています。そのため、休みは平日になることがほとんどです。シフト制で休みを取っている店が多いので、固定の休みではない場合が多いです。
どんな人がアロマセラピストに向いているの?
- 純粋にアロマが好き
- 思いやりがある
アロマセラピストの給料は、他の一般企業事務職の人と比べたら低いことが多いため、純粋にアロマが好きでアロマテラピーをもっと知りたい!と思う人でないと続けることは難しいでしょう。
アロマテラピーで人を癒したい、元気になってほしい、喜んでもらいたいと思える人、アロマのことを知ってほしいと思っている人がアロマセラピストに向いているといえるでしょう。
アロマテラピーは香りのリラクゼーション効果で疲れを癒したり、気持ちをリフレッシュする効果があります。人に合わせて好みを知り、症状に合わせて香りの調合を行なうので、思いやりを持って施術できる人がアロマセラピストに向いています。
アロマセラピストのやりがいを感じられるとき
- 人に喜んでもらえる
- 努力が認められステップアップできる
アロマセラピストの仕事は、お客様をリラックスさせて元気になってもらうことを目的にしています。お客様がどうしてリラックスしたいのか、話を聞いて好みや体調に合ったエッセンシャルオイルを選んだり調合したりします。施術したお客様が、帰る時にスッキリした顔をされているのを見たり、喜んでくれている姿を見たりするのはやりがいを感じます。
アロマセラピストのための資格は国家資格ではありませんが、様々な資格の中で初級から上級の資格まであり、上の資格を取るほどにステップアップできるという特徴があります。初級の資格に合格すると、アロマテラピーに詳しい人という認識くらいですが、次のステップの資格を取ることで、お客様にアロマを販売したりアドバイスができるようになります。
そして、インストラクターとして人に教えられる資格、最も上級な資格を取得すれば、プロとしてお客様にアロマテラピーができる資格が取得できます。このように、段階を踏んで自分自身がステップアップし、目に見えてそれを感じられるのはやりがいにつながります。
アロマセラピストの大変さ3つ
- あまり知られていない
- 退職する人が多い
- スクールで学ばなければ取れない資格がある
世間ではエステやマッサージの認知度は高いのですが、アロマテラピーのほうは認知度が低く、日本では社会的地位がまだ確立されていません。認知度の低さからか、賃金も一般事務職と比べたら低い傾向になるのでしょう。
アロマセラピーの仕事は1日中立ちっぱなしということがほとんどで、給料に見合わないと感じて辞めてしまう人が多いのが現状です。女性ばかりの職場ということもあって、人間関係で悩む場合もあります。また若い年代の女性が働く職場なため、結婚や出産で退職する人も多いのです。
アロマセラピーの資格には独学で学んで合格できる資格と、実技の訓練ができないと合格できない資格があります。実技が必要なものは独学での合格は難しいため、スクールに通う必要があります。そのためには学費がかかりますので、就職のためにお金をかけることになるのです。
アロマセラピストになるにはどうすればいいの?
資格認定のスクールで学ぶ
アロマセラピーの資格は民間のものだけです。そして、その資格を主宰している法人がスクールをやっている場合がほとんどです。アロマセラピーとして、どこでどのように働きたいのか、そのためにはどの資格を取ったらいいのかなど、調べて通うスクールを決めることが必要です。
専門学校で資格取得をする
アロマセラピーとして働くためにはオイルの調合だけでなく、お客様の肌や体に触れて施術を行うことが必要となります。そのための技術や知識は専門学校で学び、エステティシャンとアロマセラピストの療法の資格を取得しておくことで就職の際に有利になる場合があります。
通信講座で楽しく学ぶ
通信講座で学べるものは、初級の資格を目指す内容です。実は、初級の資格は独学で勉強しても合格できる可能性が高いと言われています。独学でも学べますが、通信講座で学ぶことのメリットは「楽しく勉強できる」という点です。
通信講座の中には、申し込むとアロマポットとアロマグッズがテキストと一緒についてきて、自分だけのアロマを作ることができるというものがあります。アロマセラピーの資格で上級のものを目指す場合、通信講座ではフォローが難しいため、スクールで学ぶことをおすすめします。
アロマセラピストになるために持っておきたい資格
アロマセラピストになるために資格は必要?
アロマセラピストに持っていないといけない資格はありません。しかし、人の心身に影響を与える仕事ですので、しっかりした知識を身につけておくべきです。国家資格はありませんが民間の資格が存在するので、その資格を持っていることで「知識を持っている」証明となります。
民間資格を持つことができる「アロマテラピー検定」
アロマテラピーの資格には、初級から上級まであります。代表的なものは環境大臣の許可を受けている、公益社団法人日本アロマ環境協会の「アロマテラピー検定」です。これが初級の資格で、上級にあがると「アロマテラピーアドバイザー」「アロマテラピーインストラクター」「アロマセラピスト」となります。
アロマセラピストの求人と就職先は幅広い?
アルバイトや派遣で働ける?
- アルバイト
- 派遣社員
アロマセラピストの仕事は、お客様の好みや体調に合わせてエッセンシャルオイルを選んで調合し、マッサージやトリートメントを施します。勤務するところは、エステティックサロンやリラクゼーションサロン、アロマグッズの販売店などです。
アルバイトとして働くとアロマの調合はせず、受付やアロマグッズの販売をする仕事をすることが多いため、アロマセラピストとして働きたい人にはやりがいを感じることができないでしょう。給料は時給制のところが多いです。
アロマセラピストとして働く場合は、派遣社員の雇用がほとんどありません。しかし、派遣社員がアロマセラピストとして活躍できる場所はあります。それはホテルや旅館でのサービス、高齢者介護施設やホスピス、産婦人科などへ社員を派遣している会社があるので、派遣社員で働きたい場合はこのような派遣会社に登録することをおすすめします。
働く場所の種類はどのくらいあるの?
- リラクゼーションサロンやアロマサロンで働く
- アロマグッズ販売店
- 講師・インストラクター
- 医療機関・高齢者関連施設
アロマセラピストが働く場所の代表的なところが、リラクゼーションサロンです。他に、エステティックサロンやリフレクソロジーサロンなどがあります。サロンにはチェーン展開の店、個人経営、ホテルや旅館内、独立した店など色々なタイプの店があります。派遣社員として一時的にリゾートホテルで働く、という方法もあります。
アロマテラピーに必要なエッセンシャルオイルやポットなどのグッズを販売する店でも、アロマセラピストは活躍しています。お客様へエッセンシャルオイルの選び方や使い方をアドバイスします。自分の知識を生かしてお客様へアロマテラピーをおすすめし、広めるという仕事です。
専門学校やスクールで、講師やインストラクターとして働くという人もいます。専門学校では、リラクゼーション系の専科がある学校があります。また、スクールの講師で幅広い年齢層の人達に講師として接することがあるため、コミュニケーション能力が求められます。
最近は、医療の方でもアロマテラピーを取り入れているところがあります。産婦人科や高齢者関連施設では、リラックスや快適な生活を送るためにアロマテラピーを活用しています。企業に雇用され、施設内のリラクゼーションルームで働いたり、施設を巡回している人もいます。
開業も目指せる
アロマセラピストの中には、自分で店を持つのを目標にしている人もいます。ただ、独立したからといって高収入になるのはそう簡単なことではないのです。職員として働いている時は年収200~300万円ほどですが、フリーランスになると300~400万円です。独立するためには初期費用として、マッサージベッドやエッセンシャルオイルを一通り揃えたりする資金が必要です。
開業を考えている場合は、コツコツ蓄えをしておく必要があります。固定のお客様がついて軌道に乗れば、やりがいを感じられるはずです。自分の店で自分の技術で、リラックスする人が増える喜びはとても大きいものです。