いざ転職活動を開始したとき、どうしたらいいのか悩むのが応募書類のマナーではないでしょうか?社会人として経験をしていると、いつのまにかビジネスマナーを知ったつもりになっていて、自己流になっている可能性があります。転職の際に応募書類を送る前に、しっかり送付時のマナーを確認して、あなたの転職を成功させましょう。
応募書類の郵送時マナー
転職活動をする時に必要になるのが、履歴書や職務経歴書などの応募書類です。面接時に持参するケースもあれば、書類審査のある企業の場合は、郵送で送付しなければいけません。
せっかく一生懸命考えて書いた応募書類も、送付マナーを守らずに送ってしまうと、社会人としてのマナーを知らないと思われて、採用担当者にマイナスイメージを与えてしまう可能性があります。このようなことにならないために、正しい送付マナーを確認しましょう。
応募書類を郵送する際の封筒の選び方
応募書類を送付時に使う封筒は、A4サイズ(297×210mm)の書類が入る「角2」サイズ(332×240mm)を選ぶと良いでしょう。市販の履歴書を購入した場合に、赤い文字で履歴書在中と書かれている封筒が入っていますが、この封筒を利用するのはアルバイトの場合のみです。
転職活動の時は、履歴書の他に添え状や職務経歴書を合わせて送付するため折らずに入れることのできる「角2」サイズの封筒を利用します。
また、昔は「茶封筒はマナー違反」とされていましたが、今は茶封筒でもマナー違反に該当しません。しかし、茶封筒は白い封筒より破れやすいリスクや、他の郵送物に紛れてしまう可能性が高いです。そのため、応募書類を送付するための封筒はA4サイズの白い封筒がベストでしょう。
宛名の書き方
宛名の書き方は採用担当者の立場からすると、応募者に社会人としての基本的なマナーが身についているか見極めるポイントです。そのため、宛名書きのマナーをしっかり確認しましょう。封筒に宛名を書く時は、角2サイズの大きな封筒を利用するためボールペンではなく、黒いサインペンを利用しましょう。また封筒には宛名に合わせて履歴書在中と書くため、赤いサインペンも準備しましょう。
封筒のおもて面の書き方と住所の書き方
通常の手紙と同様、郵便番号と送り先の住所を書きます。応募先企業が同じ都道府県内の場合でも、住所は都道府県から書きます。また「丁目」や「番地」は1-1-1のようにハイフンを使って省略せず、「一丁目一番地一号」と書きましょう。ビル名などの建物名も省略せずに、正式名称を書きます。
企業名は、封筒の中央に書きます。この時のポイントは、住所よりも少し大きな文字で記入し、住所よりも一段下げて書き始めることです。こうすることで、バランスよく見えます。総務課などの担当者の部署名は、改行した上で企業名と高さを揃えて書くといいでしょう。「株式会社」を省略したり「(株)」とするのはマナー違反です。会社名の次の列に宛名を書きます。具体的には下記の通りです。
- 部署までしかわからない場合は「○○部(○○課)御中」
- 担当者名がわかっている場合は「○○部(○○課)○○様」
- 担当者名がわからない場合「○○部○○課 採用ご担当者様」
このように宛名を書きます。封筒の左側に赤文字で「応募書類在中」と書くことで、応募書類が他の郵送物と紛れてしまうのを防ぎます。もし、複数の企業に応募書類を送付する場合は、100円ショップなど販売している「履歴書在中」のスタンプを購入してもいいでしょう。
封筒の裏面には、左下に自分の住所と名前を書きます。自分の住所を書く場合も都道府県から記入し、丁目や番地、建物名は省略せず正式名称で書きます。また、リスク管理として、住所の上に縦書きで投函する日付を記します。このようにすることで、採用担当者が届いているのに気付かなかった場合に、早めに送付していたことの証拠になります。
封筒に封をする時にセロテープを使うのはマナー違反です。のりで封をして、〆印か割印をするのが正式マナーです。また、封筒に宛名を記入する時は、鉛筆で文字を書く範囲に「○」印を付けておくと、バランスよく書くことができます。
- 封筒に入れる書類
応募書類に入れる書類には封筒に入れる順番が決まっています。
■送り状、カバーレター(折らない)
■履歴書(真ん中で二つ折り)
■職務経歴書(折らない)
■その他の応募書類(折らない)
上記の順番で重ねて封筒に入れます。この時に直接封筒に入れるのではなく、透明のクリアファイルに入れた上で封筒に入れます。クリアファイルに入れておくことで、郵送時に雨で封筒が濡れてしまった場合でも、中の書類を守ることができます。また、封筒から応募書類を出した後の管理もしやすいため、採用担当者に好印象を与えることができます。
- 応募書類を封筒に入れる時の注意点
応募書類を封筒に入れる前に、必ずコピーをとっておきます。また、宛名を書く時に間違った場合は修正テープ等を利用せず、新しい封筒を準備して書き直します。
応募書類を送付する前のチェックリスト
- 書類に折り目をつけないような大きさの封筒を準備
- 水に濡れる可能性や見栄えを考慮し、書類はクリアファイルに入れる
- 封筒には書類を入れる時に上下や裏表が逆になっていないかを確認をする
- 誤字脱字、記入漏れがないかをチェックすること
- 個人宛は「〇〇様」、企業や部署宛は「〇〇御中」
- 住所や社名、部署名は省略せず、必ず正式名称で
- 書類の郵送期限を事前に確認し、締め切りが近い場合は速達を利用する
応募書類は、採用担当者のあなたへの第一印象を決めます。実際に、社会人のための転職サイト「リクナビNEXT」が、企業の採用担当者300名に対して応募書類や封筒への印象やマナーについて聞いたアンケート結果によると、応募書類や封筒については、「基本的なビジネスマナーが押さえられているか」をチェックしているという声が多数ありました。
具体的には、下記のようなマナーができていないとマイナス評価に繋がる意見が多くみられました。
・乱筆、書類が逆さまに入れられている、封筒の汚れや折傷があるとマイナス評価です【流通・小売系 50~100人未満】
・「御中」の書き忘れ、履歴書類などの折り方など(表面が見えるように)、基本的な事項ができていないと気になる【メーカー系(電気・電子・機械系) 1,000~3,000人未満】
引用サイト:リクナビNEXT
反対にこのようなプラス評価もみられました。
履歴書だけでなく、簡単な内容でいいので「ちょっとしたあいさつ文」が添えられていると「良い人なんだろうなぁ」と思います【サービス系 100~300人未満】
引用サイト:リクナビNEXT
このように、添え状などをプラスするだけで、プラスの評価を受けることもあります。実は、応募書類や送付の仕方は、転職活動において重要な役割を果たしています。そのため、きちんとマナー確認をして準備をしましょう。
メールで送付する時のマナー
最近では、応募書類をメールで送付するケースも増えてきました。企業にとっては応募書類を管理しやすい、というメリットがあります。また、応募者側もメールで応募書類を送付することで労力を削減でき、双方にとってメリットがあります。
応募書類を企業にメールで送付する時はビジネスマナーに沿って送付します。では実際にどのようにして応募書類をメールで送付すればいいか確認していきましょう。
応募メールの書き方
- メールの件名は簡潔に
採用担当者は、毎日たくさんのメールを受信しています。そのため、メールの件名はパッと見てすぐに内容がわかるようにしましょう。特にデータを添付した場合は、添付されているデータが一目でわかるようにします。
履歴書を送付したメールの件名は、下記の通りです。
■中途採用応募の件/履歴書添付(氏名)
■履歴書等送付の件(氏名)
応募書類をメールで送付する場合は必ず応募書類のメールと応募書類に設定してパスワードを送付するメールの2通を送付します。そのため、パスワードを明記したメールの件名は、下記の通りです。
■パスワードの件(氏名)
■履歴書ファイルパスワード(氏名)
このようにメールの件名は、内容+名前の形式で簡潔に書きます。
応募メールの本文の書き方
応募メールの本文は5つの要素で構成してます。これらの5つの要素をパッと見た時にわかりやすく書くことがポイントです。メールの本文を構成する5つの要素は、
- 宛先
- 氏名
- 要件
- 結びの言葉
- 署名
宛先の書き方は企業名は正式名称で書き、改行して採用担当者名を書きます。
(例)
株式会社○○○○○○○
採用ご担当者様
はじめましてと冒頭に一言添えてフルネームを書きます。
(例)
はじめまして。
私、○○(フルネーム)と申します。
どの媒体で求人を見つけたのか、今回はどの職種に応募するのかということ、履歴書と職務経歴書を送付し旨を書きます。
(例)
△△△△で御社の求人情報を拝見し、
これまでの営業経験を新商品の販促に活かせるのではと思い、
○○○職に応募したくご連絡を差し上げました。
履歴書と職務経歴書を添付しております。
ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。
応募書類には念のためパスワードを設定しております。
後ほど、パスワードをお送りさせていただきますので、
ご確認いただけますでしょうか。
通常のビジネスマナーに沿って書いていきます。
(例)
大変ご多忙なところ恐れ入りますが、ご確認、ご検討をいただき、
一度、面接の機会をいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
最後に署名を忘れずに書きます。
(例)
———————————–
氏名(場合によってはふりがなも)
郵便番号+住所
電話番号
メールアドレス
———————————–
またパスワードを送付する場合のメールの本文は、下記の例のように書いて別途送付しましょう。
(例)
件名:【パスワード】履歴書ご送付の件/氏名
文面:
株式会社○○○○
○○○○様
先ほど応募書類を送付させていただきました○○○○です。
添付ファイルに設定したパスワードをお送りいたします。
パスワード:XXXXXXXXXX
お手数をおかけいたしますが、
ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。
———————————–
氏名(場合によってはふりがなも)
郵便番号+住所
電話番号
メールアドレス
———————————–
応募メールを送付する前のチェックリスト
応募書類を送付する時と同じように、採用担当者はメールの場合も応募者がビジネスマンとしてマナーがきちんとできているか確認します。メールで応募書類を送付する時もビジネスマナーを確認した上で送付しましょう。
応募メールを送付する前のチェックリスト
- タイプミスやデータの添付ミスはないか?
- 応募書類はPDFファイルか?
- 添付ファイルのデータ容量は2MBくらいまでに抑えられているか?
- 応募書類はZIPファイルで圧縮し、パスワードを設定したか?
- 応募書類のメールの後すぐにパスワードに関するメールを送付したか?
応募書類は個人情報に該当します。外部への流出を防ぐために最大限注意をする必要があります。そのため、しっかりとセキュリティ対策をしてメールを送付することで採用担当者に好印象を与えることができます。
持参する時のマナー
面接の時に応募書類を持参する時のマナーについて確認していきましょう。
履歴書を持参する時に封筒は必要?
持参する場合、封筒は必要ないように思いますが、マナーとしては郵送と同じように封筒に入れて持参します。この時にカバンに入れて曲がったり、雨で濡れてしまわないように透明のクリアファイルに入れましょう。
郵送と異なり、添え状は必要ありません。履歴書だけでなく、職務経歴書やその他資料、ポートフォリオなどの提出を求められた場合は、履歴書を一番上にします。続いて職務経歴書、資料やポートフォリオの順で重ねて入れます。
持参する前に必ずしておくこと
提出後の二次面接や三次面接で、履歴書に記載した内容について質問されるかもしれません。必ず、履歴書や職務経歴書のコピーをしておきましょう。また、履歴書の書く日付は、持参した日にちを記入します。
面接官に渡す時のポイント
面接官に応募書類を渡すタイミングは、面接の最初に採用担当者から履歴書の提出を求められた時です。そのため、採用担当者からそのようなことを言われたら、封筒から履歴書を取り出します。
そして、採用担当者が読める方向にして封筒の上に応募書類を置き、両手で持って渡しましょう。クリアファイルに入れている時は、クリアファイルから出さずにそのまま提出します。
今さら聞けない、応募書類の郵送に関するQ&A
Q.履歴書は普通郵便、それとも速達?
A.履歴書の送付は通常は普通郵便で問題ありません。ただし締め切りまで3日を切ったというように締め切りが迫っていてる場合などは速達を利用した方がいいでしょう。
Q.履歴書がきちんと届いているか確認する方法は?
A.普通郵便を使って郵送した場合、履歴書が届かないということは滅多にありません。しかし、それでも心配の場合は、簡易書留を利用するのがオススメです。
Q.履歴書郵送時に連絡は必要?
A.基本的には郵送時の連絡は不要です。
Q.メール便や宅配便を使っていい?
A.履歴書などの応募書類を送付する場合は、メール便や宅配便を使用せず、普通郵便を使用します。
Q.料金不足だった場合どうなる?
A.応募書類の場合は、応募者の住所がしっかり書かれているため「料金不足」と書かれた紙が張り付けられて、あなたの元に戻ってきます。締め切りが近い場合など、致命的なミスになってしまいます。このようなことにならないようにするためには、自分で切手を貼ってポストに投函せずに、郵便局の窓口に直接持ち込みましょう。
応募書類は企業への最初のアプローチ
転職活動おいて応募書類の送付は企業への最初のアプローチです。転職の場合は社会人の経験が数年あるため、知っているつもりでも自己流になってしまっている可能性があります。そのため、応募書類を送付する時や応募企業へメールを送信するような時は新入社員の時を思い出して、基本のビジナスマナーを確認しておきましょう。