高校教師の仕事って授業をするだけじゃないの?先生になりたい人必見!知りたい1日のスケジュール

教師と名のつく仕事には、幼稚園・小学校・中学校・高校などの教師があります。教師の仕事は勉強を教えるだけではなく、たくさんの仕事があるように見えます。教師になるためにはどのような勉強が必要なのでしょうか。仕事内容と教員試験についても触れて、お話をしていきたいと思います。

高校教師の見えない部分の忙しさを知ろう!仕事内容と待遇面は?

高校教師の仕事内容を詳しく知りたい!

高校教師の仕事は、勉強を教えるだけではなく多岐に渡ります。担任を持つのと持たないのでは仕事内容が変わってきますが、ここでは担任を持っている場合の高校教師の仕事をご紹介いたします。

  • 授業と授業の組み立て
  • 中学校でも同じですが、高校教師は専門的な科目を担当します。小学校の教師は体育や音楽、家庭科などは専門の教師が教える場合もありますが、ほとんどの科目を一人の教師が子どもたちに教えます。しかし、中学校・高校では科目ごとに教師がいて、クラスをまたいで一つの科目を教えます。

    学年ごとに担当の教師がいる、という学校が多いようです。教師は新学期が始まる前に、年間の授業スケジュールを組み立てます。そして、年間のスケジュールの中には中間テストや期末テストを実施し、その合間には小テストを行なったりするので、どのタイミングで試験を行なうかのスケジュールを考えます。

  • 生徒・保護者との関わり
  • 生徒とのコミュニケーションを取ることは、教師の大切な仕事です。生徒が悩みを抱えていないか、悩みがあった場合は助言をしたり解決するためにどうしたらいいかなど、一緒に考えます。生徒の中には、クラスの中だけでなく、部活の仲間との関わりや家庭内という人間関係の中で悩みを抱えている子がいるのです。

    担任のクラスの生徒には進路相談の指導もあります。入学した1年生の頃から進路について調査をし、生徒の進学希望に合わせた勉強方法や選択科目についての指導や相談に乗ります。

    また、保護者との定期的な面談もあります。学期ごとに行なう場合が多いのですが、家庭での生徒の様子を知り、クラスでの生徒の様子を保護者の方へ伝えます。学校と家庭が連携をとり、進路の確認や生徒に悩みなどがないかを把握します。

  • 部活動の顧問
  • 高校には部活動があり、部活動には顧問の教師が必要です。練習や試合に付き添ったり、指導をしたりすることが主な仕事です。学校によっては顧問をやる先生が足りないため、経験がない部活動の顧問をやらなければならない場合もあります。

    もしも経験がない部活の顧問をやることになったら、その部活について勉強をしなければなりません。ルールや指導方法を覚えなればならないため、授業準備の他に仕事が増えて自宅で覚えなければならない場合もあります。

  • 模擬授業の準備
  • 夏休みなどに、教育委員会の人達の前で模擬授業というものをします。普段の授業をどのようにやっているのか見せるのです。そのために準備をする必要があります。授業の流れや話の仕方で、教師としての力を試されるためしっかりと準備をしなければなりません。

  • 文化祭や体育祭の準備
  • 学校の行事の中に文化祭や体育祭があります。生徒が主体になって行なう行事ですが、生徒たちを影で支えて導くのが先生の役割です。文化祭の際、火を使う出し物をやる時の管理や責任者になることもあります。

高校教師の1日のスケジュールとは

学校へ出勤したら、自分のスケジュールと授業内容を確認します。職員室で朝の職員会議をします。学校全体で確認すること、注意しなければならないことを共有します。職員会議が終わり、ホームルームの時間になったら担任を持っている教室へ行き、学校からの注意事項や共有すべき話を伝えます。欠席者がいたら確認をし、連絡がなく欠席している生徒がいた場合は自宅や保護者に電話をします。

その後、午前中の授業が始まります。昼を挟んで午後の授業を終えてから帰りのホームルームをし、放課後は顧問をしている部活があれば参加します。部活がない場合は職員室で教材を作ったり、翌日の授業の準備をしたりします。自分の仕事が終わったら帰宅するのですが、遅くなると20時頃になることもあります。

高校教師の年収はどのくらい?休日は部活動の顧問をするの?

  • 高校教師の給料
  • 高校の教師の給料は私立か公立かで異なりますが、公立の場合は公務員なので自治体のホームページなどで確認できます。公立の高校教師の月給の平均は約45万円ほどです。高校教師は経験を積むほど、給料が上がっていく傾向にありますので、長く教師をやっていればそれなりに月給が上がっていきます。高校教師は、賞与、福利厚生などは充実しています。

  • 高校教師の休日
  • 高校自体は土日祝日が休みなので、授業はありません。しかし、部活動の顧問をやっている教師は出勤することも多く、ほとんど休みがないという先生もいるようです。

高校教師の異動は何年?

公立高校の教師は異動があります。何年で異動するかなどの決まりはありません。高校は専門種目の教師になるため、他の学校との兼ね合いもあります。また、水産や農業のような実業系の学校の教師で、専門的な科目を教えている教師は他に教えられる先生がいないと、長く同じ学校にいるという場合もあります。私立の場合は学校自体が先生を採用するため、異動はありません。

高校教師になりたいけれどなれない?免許の種類と採用倍率

大学・短大で教育課程を取る

教員免許を取得するためには、教育課程という必要な単位を受講しなければなりません。卒業のために必要な単位以外に、教職過程に必要な単位をプラスして取得します。また、教員になるための学部だと、最初から卒業のための単位に教育課程の単位が組み込まれている場合が多いので、その中から自分に必要な授業を受ける方法で教育課程を取得します。

教員試験免許を取得する

教員免許状を取得するには、教育課程のある大学や短大で法令で決められた科目及び単位を取得して卒業し、各都道府県教育委員会に、教員免許状の授与申請を行わなければなりません。学校によっては、卒業時に教職課程を修了した生徒の分をまとめて申請してくれるところもあります。

高校教師の採用試験を受ける

高校教師の採用試験を受け、合格したら高校教師になれます。試験は1次試験、2次試験とあり最終的に合格できるまで多くの努力が必要です。採用倍率は7.2倍と高い倍率です。

採用試験に落ちてしまったら

採用試験で合格しなくても、教員免許を持っていれば臨時職員に登録することができます。そうすることで教師に空きが出た場合、期間限定で教員になることができます。登録方法や登録出来る期間は自治体によって異なるので、確認が必要です。

大学で取得できる1種免許状と大学院で取得できる専修免許状の違い

1種免許状とは、大学で必要な教育課程を修了した場合に取得できる免許状のことです。専修免許状とは、一種免許状を基礎として大学院で定められた単位を取得し、修了することで取得できる免許状のことです。

高校教師のほとんどは1種免許状があれが採用試験が受けられますが、高校を中心に専門的な知識が必要な教科があり、専修免許状を取得した人が活躍する場が増えてきています。一種免許状を取得し、更に高度な知識を得ることでその知識を教壇で活かすことができるのです。

私立の進学校では、教師の募集要項に「専修免許所有者」であることが条件という場合があります。

高校教師の適性とやりがい・苦労する点

高校教師に向いている人ってどんな人柄?

  • 強い精神力の持ち主
  • 教師とは、仕事自体が目に見える結果が出るものではありません。勉強を教えることで全員の試験点数がよくなるわけでもなく、自分のやっていることは正しいのかと葛藤を抱えながら仕事することもあるでしょう。

    生徒同士のいざこざへの対処、時には保護者からのクレームが入ることもあり、その対応に追われて精神的に参ってしまうこともあります。色々なことに対応できる対応力や耐えられる精神力が必要となります。

  • 生徒を大事に思える人
  • 教師の仕事は、人間を相手にする仕事です。ただ授業だけをこなしていればいいのだ、という人は教師には向いていないのではないでしょうか。熱血教師になれというのではなく、思いやりを持って向き合える人ではないと、親身になって生徒の気持ちに寄り添うことができません。

    学校は一人の人間が成長できる場所です。その大事な場所で生徒たちが素直に成長できるように寄り添っていける人が、教師に向いていると言えるのではないでしょうか。

高校教師のやりがいを感じるときはいつ?

  • 生徒の将来を決定する手助けができる
  • 高校を卒業したらどうするのか、生徒にとって高校を卒業してからの人生はある意味、その子自身の将来の方向性が決まる決断になります。大学に進学して勉強したいことがある、将来なりたいものが決まっているのでそのために専門学校へ進学するなど、高校生活を送る中で卒業後の進路を決めなければなりません。

    その相談に乗ったり、アドバイスをするのが高校教師の役割でもあります。生徒の明るい未来に向けて手助けができるということは、素晴らしいことではないでしょうか。

  • 生徒の成長を見ることができる
  • 高校生は大人へ向かっていく年代の子たちです。考え方もしっかりしてきて、入学した頃に比べると卒業する頃には見違えるほど成長していることも多いのです。部活でもはじめのうちはレギュラーになれなかった生徒が、日々の努力で卒業する頃にはチームを引っ張るキャプテンになっていたりと、そんな成長を見ることできるのは高校教師のやりがいなのではないでしょうか。

高校教師の大変さってどんなとき?

  • 生徒への対応
  • 生徒の中には授業に真面目に取り組まない生徒や、いじめや問題を起こす生徒もいます。その生徒に向き合って問題を解決しなければならない時、難しさを感じるでしょう。一人ずつ性格が違うので、対応も千差万別です。

  • 保護者への対応
  • 世に言うモンスターペアレントの対応も骨を折る仕事です。自分の子どものことになると、自分勝手な理不尽な理由で学校へ文句を言ってくる人もいます。しかし、教師は毅然とした態度で対応しなければなりません。教師になりたての年だと、自分の親ほどの年齢の保護者への対応をしなければならない時もあります。人間対人間だからこそ難しいということもあるのです。

高校教師への疑問あれこれ

有給休暇はある?

高校教師は有給休暇はあります。しかし、担任を持っている場合はほとんど使うことはないでしょう。担任を持っていなくても担当授業がある場合は、自分が休んだことで生徒の授業の進み具合が遅れてしまいます。教師は有給休暇を取ることが難しい職業です。

高校教師に残業はある?

教師の仕事は終わったら帰るという事が多いようです。授業が終わっても部活の顧問をしたりと教師は忙しく、部活が終わってから翌日の授業の準備や試験に向けてのテスト作成など、やることは山積みです。夜遅くまで学校で作業する場合もありますし、自宅に持ち帰って作業する場合もあります。

高校教師にお盆休みなどはある?

昔は教師も生徒と同じように夏休みをとっていましたが、最近では教師の夏休みはとても忙しいのです。新学期の準備や受験をする生徒に向けての夏期講習、教育機関が開催する会議などへの出席、模擬授業の準備などで夏休みを過ごします。

高校教師になるための実習はどんなことをする?

高校の教育実習は2週間で、授業の組み立て方・実際に授業をするところまでを勉強します。教育実習の最初の頃は先生の授業を見学し、授業の進め方を勉強します。何クラスか受け持つ場合は、授業の進め方を同じにしないといけません。また、授業がつまらないと生徒はついてきてくれません。どのように授業を進めれば生徒が真面目に授業を受けるかのポイントをつかむのも大切です。

少子化に向けて高校教師に影響はある?

高校教師の採用倍率は毎年高く、簡単に教師になれるものではありません。少子化に伴って私立の高校の経営が厳しくなってきているということもあるほど、高校にも少子化は影響を及ぼしています。高校教師は生徒が減ってくれば、教師の人数を増やす必要がなくなり、ますます採用人数が減っていくことが考えられます。高校教師を目指す場合は、採用試験に合格するようかなりの努力が必要となるでしょう。

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