秘書は上司を影ながらしっかりとサポートする!就職するときに役立つ秘書検定や仕事内容について

秘書の仕事は、企業のトップをサポートする仕事です。決して表舞台に立つ事ない影の存在です。しかし、上司が仕事に集中するためには秘書の存在が欠かせません。また、秘書の仕事は不況にあまり左右されずに一定の需要があるため、もし企業で長くキャリアを積み重ねたいと考えるなら、秘書の仕事を目指してみるのもいいでしょう。そこで今回は、秘書の仕事についてご紹介します。

秘書の仕事や役割はどうなっているの?

秘書の役割とは

秘書の役割は、担当の上司をサポートすることです。秘書には、企業の幹部をサポートする企業秘書、弁護士などの法律家をサポートする法律秘書など、サポートする上司の職種によっていくつかの種類に分けられます。上司の職種によって仕事の内容は多少異なりますが、秘書が本来果たすべき役割は同じです。

仕事内容について知りたい!

具体的な仕事内容を見ていきましょう。

  • スケジュール管理
  • 上司のスケジュールを管理します。業務量が多い上司が効率よく仕事ができるかは、秘書のスケジュール管理にかかっています。また、担当する上司が出張が多ければ、航空券やホテルの予約などの手配も秘書の大切な仕事です。

  • 来客及び、電話やメール対応
  • 来客対応や上司にかかってくる電話の取り次ぎ、各部署への電話連絡やメール対応などを行います。

  • 情報管理
  • 情報収集と情報管理を行います。情報収集は、業界の情報だけでなく、世の中に溢れる情報の中から上司の仕事に役立つものを収集して、上司に報告します。情報管理は、会議資料など必要な資料が確認できるように管理します。

  • 身の回りの環境管理
  • 上司が仕事に集中できる環境を作ります。整理整頓や空調の調整などオフィス環境を整えます。

そのほかにも、上司が集中して仕事ができるような環境を作ることは全て秘書の仕事です。

一日の仕事の流れはどんな感じ?

秘書の仕事は、基本的に上司に合わせます。そのため上司のスケジュールによって、仕事のスケジュールが変わります。基本的には上司より先に出社し、上司が帰宅した後に退社します。

朝は上司が出社する30分から1時間前に会社に到着して、オフィスの掃除やメールチェック、一日のスケジュール管理など、上司が仕事をスムーズに始めることができる準備をします。上司が出社したら当日のスケージュール確認をします。

その後は、お昼休憩を挟みながら書類作成や近日中に出張の予定があれば、それらの手配をします。また、同時に来客対応なども行います。来客が多い時は、事務作業が集中してできない時もあるため、上司の一週間のスケジュールを確認しながら、事務作業に集中する日や時間を決めて仕事を進めます。

上司が退社した後は、残った仕事や次の日の仕事の準備などをして退社します。

仕事の魅力や大変なこととは

秘書の仕事の魅力はどのようなときに感じる?

  • 幅広いビジネスに役に立つスキルが身につく
  • 秘書の業務は、担当する上司によって業務内容が多岐に渡ります。上司のスケジュール管理、会議資料の作成、電話対応、来客対応など一般的な秘書業務を行うためにはビジネスマナー、コミュニケーション能力をはじめ、交渉力、判断力、事務処理能力が必要です。

    そのため、秘書の業務を通じてこれらの能力を磨くことができるだけでなく、能力の高い上司の側で仕事をするため、常に質の高い仕事を求められ、早く成長することができます。

  • 普段出会わない人に出会うことができる
  • 秘書は、組織のトップに立って仕事する重役の側で働くことができる仕事です。そのため、一般の事務職では出会うことができないような人に出会ったり、場合によっては一緒に仕事をすることもあるでしょう。また、社内のさまざまな部署の人とも顔を合わせることが多く、自然と人脈が広がっていきます。

  • 今までの人生経験を生かすことができる
  • 秘書の仕事は、想定外のことが起こる仕事です。例えば、スケジュール管理をしている時に出張の日程が変わった場合は、事前に手配したチケットや予約をキャンセルし再手配をするなど、臨機応変な対応が必要です。また、上司が持参するお手土産選びなども、今までの人生経験が活かせる場面です。

秘書の仕事の大変なことってどんなこと?

  • 仕事をコントロールできない
  • 基本は、担当の上司のスケジュールに合わせて仕事をします。企業の役員は勤務時間の範囲内で仕事をしていません。秘書は上司に合わせて仕事をしなければいけないので、上司のスケジュールが急に変更になった場合は、あなたのスケジュールも大きく変わります。

    また、朝型の上司であれば、その上司の働く時間に合わせて早めに出社する必要があります。反対に、夜型の遅くまで仕事をする上司の場合は、上司が退社後の帰宅が基本のため残業を強いられることもあるでしょう。

  • 業務の範囲が幅広い
  • 秘書の業務の範囲は、他に比べると範囲が広いです。スケジュール調整・管理、来客対応、電話やメール対応など日常的業務だけでなく、上司の代わりに買い物や会食のためのお店予約など、いわゆる雑用も業務の範囲です。

    上司がスムーズに仕事をするためにサポートをするのが秘書の仕事なので、どこまでが業務内で、どこからが業務外か線引きが難しいです。

  • 精神的なプレッシャーが大きく、気苦労が多い
  • 秘書は上司の側で仕事をするため、幅広く多くの人たちと仕事をします。その分、人間関係で気苦労することも多いでしょう。また、企業のトップの側で仕事をするため、VIPの対応など非常に丁寧な対応を求められるケースも多く、そのような時は失敗が許されないため緊張感がつきまとい精神的なプレッシャーも大きいでしょう。

秘書の働き方や年収、待遇について

秘書になるにはどうしたらいい?

特別な資格は不要です。しかし、秘書の仕事は新卒で採用されることはほとんどありません。通常、短大や大学を卒業後、一般企業に就職します。その上で、秘書としての適正があると判断され、上司との相性が合えば秘書として働くことができます。

なぜなら、秘書の仕事は会社を代表する重役の側で働く仕事のため、ある程度の社会経験とビジネスマナーなどのスキルは必須だからです。また、会社の歴史や業務内容、関係者の名前など覚えることが多々あります。そのため、秘書室や秘書課を設けているような大企業でも、新入社員を秘書課に入社後すぐに配属するケースは少なく、まず他の部署で数年間の経験を積んでから配属されるのが一般的です。

  • 正社員で働く、それとも派遣で働く
  • 秘書として働きたい場合は正社員で働くか、もしくは派遣社員として働くか、どちらかを選択することになります。正社員で働く場合は、勤めている会社で配属願いを提出するか、秘書の求人を出している会社に応募します。

    秘書として派遣社員で働くこともできます。その場合は、秘書を募集している企業に応募して3ヵ月や半年程度の期限付きで秘書として働きます。働きぶりが評価され、上司との相性が合えば契約期間が延長されることもあります。派遣社員は時給制で、その平均は1,500円~2,000円程度です。

    ボーナスは支給されないことが多いですが、残業代や休日出勤などはきちんと支払われます。派遣社員で秘書としての経験を積んだ上で正社員に転職したり、「紹介予定派遣」のように、正社員になる前提で一定期間派遣社員として働くことで正社員を狙う事も可能です。

秘書の年収や待遇はだいたいどのくらい?

秘書の仕事は専門職です。そのため、一般の事務職に比べると年収は若干高めです。実務経験にもよりますが、一般企業の社長秘書の平均年収は360~600万円くらいです。より高収入を狙いたいなら、外資系企業に勤務するといいでしょう。ちなみに、外資系企業の秘書の中には800万円クラスの秘書もいます。

正社員であれば社会保険や住宅手当など会社の規定によって支給されます。秘書は上司の勤務時間に左右されて不規則になりがちです。そのため残業代を支給する会社よりは、基本給に上乗せして支給されるケースが多いです。

持っておくと優位な資格

秘書の仕事につくために優位になる資格を紹介します。

  • 秘書検定
  • 秘書検定は財団法人実務技能検定協会認定の秘書技能検定試験の事です。国家資格ではなく民間資格です。1級、準1級、2級、3級と難易度ごとに分けられています。試験では、各レベルで秘書にとって必須のスキルである文書作成やファイリング、スケジュール管理、マナー・接遇などに関する知識が問われます。

    筆記試験と1級、準1級は面接試験が行われます。現役の秘書がキャリアアップのために受験したり、大学生や高校生が就活のために受験するなど、受験者の年齢層は幅広いです。

  • 国際秘書検定
  • 社団法人日本秘書協会の「国際秘書(CBS)検定試験」です。秘書検定に比べると専門性と難易度が高く、持っておくと転職の時など企業から高評価を得る事ができます。日本語と英語の両方がビジネスの場で通じるくらい堪能である事が求められます。そのため試験ではビジネス実務に関してだけでなく、ビジネス英語も試験科目です。試験は一次試験と二次試験が行われます。

  • 英語は話せた方がいい?
  • 必ず英語を話せなければいけないわけではありません。ただし、ビジネスで通用するくらいの英語力があれば年収が高くなる可能性があります。また、英語ができれば外資系企業も転職先の候補になるため秘書の仕事ができる可能性が高くなります。

子育てしながらも続けることができる

秘書は上司をサポートする仕事のため、上司の勤務時間に合わせる必要があります。個人秘書の場合は、子育てしながら続ける事は難しいでしょう。そのため子育てしながらも仕事を続けたいと思うのであれば企業の秘書室に所属し、複数人の秘書がチームとして仕事をするグループ秘書の方がオススメです。また、勤務時間がしっかりと決まっている派遣社員として続けるのもいいでしょう。

秘書に向いてる人の特徴とは

人をサポートするのが好き

人をサポートする事が好きでないと続ける事が難しい仕事です。上司のために自分がしなくてもいいのではと思えるような雑用でも、秘書は率先して行う必要があります。

柔軟性がある

上司の仕事の状況によっては急な予定変更などもあります。そのような時にすぐに対応できる柔軟性が求められます。

几帳面な人

秘書の仕事は上司に代わり文書や書類の作成、メールの一次対応なども行います。上司の代筆を行うため、誤字脱字などのミスをするわけにはいきません。そのため秘書には几帳面さも求めれれます。

口の固い人

企業のトップの側で仕事をするため、場合によっては企業の経営に関わる重要な話を耳にすることがあります。そのため業務中に知り得た事は口に出さない口の固い人でなければ勤められません。

秘書へ転職する時の志望動機の書き方

企業の秘書室に応募する時のアピールポイント

秘書室に配属される場合はチームで重役のサポートをします。また、少人精鋭で仕事を行うため、秘書としての事務処理能力やチーム内で上手に人間関係が築けることができるかが求められます。そのため、秘書としての適正は秘書検定などの資格や、過去にチームで協力して仕事をしてきた経験はアピールポイントになります。

個人秘書に応募する時のアピールポイント

個人秘書に応募する時は、企業研究だけでなく、担当することになる社長や役員についても事前に調べておきましょう。採用担当者は応募者と上司の相性が合うかどうかも採用する際の大きな判断材料として見ています。

職務経歴書を書く時のポイント

秘書業務は、グループ秘書かもしくは個人秘書か、また企業によっても求められる能力が変わります。そのため、志望動機を作成する時は志望する企業や、担当する事になる社長や役員のリサーチを行った上で、求められ能力やスキルを想定しましょう。企業や社長の情報は会社のホームページやブログなどから収集できます。

そして、自分の経歴の中で、よりアピールできるものがあれば具体的な数字を入れてアピールしましょう。例えば、グループ秘書の経験があれば何名分のスケジュールを管理していたのか、またどのようなポジションで業務を執り行っていたのかなどを具体的に書きましょう。

また、個人秘書の場合は上司との相性が重要になるため自己啓発の意欲や特技などが担当する事になる社長や役員と同じだったり、面白いと思ってもらえた場合は、意外と採用のポイントになる可能性もあります。

プロフェッショナルを影で支える仕事

秘書の仕事は、影で企業の経営を支える重要な仕事です。決して表舞台に出てする仕事ではありませんが、あなたのサポート次第で社長や役員のパフォーマンスが変わります。また不況に左右される事なく一定の需要がある仕事のため、長く企業で働きたいと思っている女性にとってはおすすめの職業です。

現場経験を積み重ね、英語力を身につけるなどスキルアップに努めれば日本の企業だけでなく、外資系企業でも働くチャンスもあります。もっといろんな企業で活躍したいと思うなら秘書の仕事を目指すのもいいでしょう。

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