内定辞退の正しい連絡方法とは?誠意が伝わるトーク例文と知っておきたいマナー

就職活動や転職活動をしていると、うれしいことに内定を数社からいただくことがあります。自分が一番行きたいと思っている会社以外のところには、内定を辞退する旨の連絡をしなければなりません。失礼のないように内定を辞退するにはどうしたらいいのでしょうか。

内定辞退する時に気を付けるべきマナー

内定辞退をする前に本当に後悔しないか考えよう

就職活動や転職活動をしている時は、内定がもらえるか不安になっていると思います。そして、努力が実って内定を何社かもらえた場合は喜びとともにどこを選ぶか悩みますよね。就職するところを決めたら、他の会社は辞退することになります。辞退連絡をする前に一度じっくり考えてみましょう。本当に断っていいのか、内定をもらった会社を色々な面から比較して自分が一番入りたいと思う会社はどこかを落ち着いて考えましょう。辞退してから後悔しても取り消せません。

内定辞退する相手のことを考えて伝えよう

企業側は採用活動をする時に、内定辞退者がいることは想定しています。しかし、企業としても早く人材を確保したいというところもありますし、内定を出した人に期待して入社するのを楽しみにしているという場合もあるでしょう。採用活動をするにはある程度のコストをかけているのです。そして、採用試験や面接の際に時間を割いて採用活動をしてくれた企業側へ失礼のないように、内定を辞退する旨は責任を持って連絡をするようにしましょう。連絡するのが面倒だから、などと連絡をしないのは失礼にあたります。

内定辞退の理由は伝えるべき?

内定を辞退する場合は理由を伝えるべきでしょうか。もしも聞かれなかった場合は理由を言う必要はありません。内定をいただいたお礼と、辞退することについての謝罪を伝えるだけに留めればいいのです。
しかし、もしも企業側から内定辞退の理由について聞かれたら正直に答えましょう。採用担当者からしたら、下手な嘘をつかれるのは不快にしか感じられません。少し突っ込まれたら分かるような嘘をつくのはやめたほうがいいです。「就職活動を続けていくうちに他の業界に興味がでてきた」など、本当の理由を伝えましょう。

内定辞退の連絡で気をつけるべきことは?

  • できるだけ早く伝える
  • 企業側は早く人材を確保したいと考えているかもしれません。辞退を伝えるときにはなるべく早く伝えるほうがいいのです。

  • 相手が不愉快にならないような言葉遣いや言い回しをする
  • 謙虚な気持ちで辞退することを相手に伝えましょう。せっかく内定をいただいたのに申し訳ないという気持ちが伝わるような言い方をしましょう。

  • 感謝と謝罪を折り込む
  • 採用担当者は面接や採用試験のために大事な時間を割いてくださっている。このことを忘れないようにしましょう。お忙しい中、面接をしてくださってありがとうございます、という気持ちとせっかくいただいた内定をお断りすることになり、申し訳ないという気持ちをしっかり伝えるようにしましょう。

内定辞退の連絡方法3パターンと伝え方例文

電話でできるだけ早く連絡する

内定を辞退するという連絡はできるだけ早く『電話で』連絡をしましょう。相手の企業へ迷惑をかけることになるのですから(あなたが内定辞退することで、また採用活動をしなければならない)それが少しでも早いほうがいいからです。それではなぜ電話での連絡方法がベストなのでしょうか。

<内定辞退を電話で伝えるメリット>
電話で連絡することのメリットは、以下の通りです。

  • 電話のほうが相手に確実に伝えられるため(メールや手紙では相手が読んだか自分では確認できない)
  • 電話で直接話すほうが誠意が伝わる(メールや手紙だと一方的になってしまう)
  • 直接話すことで相手の話が聞けてお互いに今後のためになる(相手はどういうところに気をつけて採用活動すればいいか改善することができる)

このような点から電話で内定辞退を使える方法が一番よいのです。直接話して断るのは気まずいでしょうが、これから社会へ出ていくにあたって、このような経験をすることは自分自身の成長にも繋がります。誠意をもって話しましょう。

<内定辞退を電話で伝える場合の例文>

  • 職種を理由に断る場合
  • 「御社と並行して選考が進んでいた会社から◯◯職での内定をいただきました。御社からいただいた△△職と悩んだのですが、以前からやりたいと思っていた◯◯職を選ばせていただくことを決断いたしました。このような結果になり申し訳ございません。このたびは私のためにお時間を割いていただき、本当にありがとうございました。」

  • 業種を理由に断る場合
  • 「御社と並行して選考が進んでいた会社から内定をいただきました。そちらの会社は別業種で私が以前から取り組んでみたい業種です。御社からの内定をいただき、悩んだのですが自分のやりかたったことに近い会社で働くことを決断いたしました。今回は面接などでお時間を割いていただきましたのに、このような結果になってしまい大変申し訳ございません。」

  • 自分の適性を理由に断る場合
  • 「御社と並行して選考が進んでいた会社から内定をいただきました。すごく悩んだのですが、自分の適性を考えたときに、そちらの会社の方が自分に合っていると判断いたしました。今回はお時間を割いて面接していただきましたのに、このような形になり誠に申し訳ございませんでした。」

以上は、辞退の理由を含めた内容の例を挙げてみました。面接をしていただいたことに対してお礼と辞退することに対しての謝罪を伝えるようにしましょう。

メールで連絡をして形に残す

<内定辞退をメールで伝えるメリット>
内定辞退をメールで伝える場合のメリットは、「メールで送った場合、形に残る」というところです。また、メールだと相手が忙しくない時に確認することができるので、迷惑がかからないという点もメリットの一つです。ただし、メールだけで終わらせることはせず、電話と組み合わせるのがいいでしょう。

<内定辞退をメールでする場合の注意点>

  • メールアドレスはモラルあるもので送る
  • 人は意外にメールアドレスを見ているものです。マンガの主人公の名前をつけたアドレスだったり、ふざけたようなアドレスは避けましょう。大学で発行されているアドレスでもいいし、就活用にgmailなどを作ってもいいでしょう。

  • 件名はシンプルでわかりやすく
  • 企業は一日にたくさんのメールを受信します。採用担当者は特に膨大なメールを受け取りますので、件名に「内定辞退のお願い」などと、一目で中身が分かるものにしましょう。

  • 最後に署名をつける
  • メールを送るマナーとして、最後に署名を入れることを忘れないようにしましょう。

<内定辞退をメールで伝える場合の例文>

株式会社◯◯
人事部△△様

◯◯大学◯◯学部の佐藤太郎です。
このたびは採用内定をいただき、ありがとうございました。
このような嬉しいお知らせをいただきながら、誠に恐縮なのですが今回は内定を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。
就職活動を進めていく上で、自分の適性をよく考えた結果、他の会社とのご縁を感じまして大変心苦しいことではありますが、貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。
私の面接では貴重なお時間を割いていただきましたこと、ありがとうございました。
本来でしたら、直接お伺いしてお詫び申し上げるべきではありますが、このような形でのご連絡となりますことをご了承いただきたく存じます。
最後になりますが、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

◯◯大学◯◯学部◯◯学科4年
佐藤 太郎
〒123-4567
神奈川県横浜市西区123-456
090-1234-5678
mail : tarou.sato@☓☓.jp

手紙で伝える

<内定辞退を手紙で伝えるメリット>
内定辞退の連絡はなるべく早く電話でするのが鉄則です。そして電話で連絡をした後に手紙を出すことでより誠意を伝えることができます。また、手紙は形に残るので電話したしない、などのトラブル防止にもなります。誠実さを伝えられるのは、電話をして手紙を出すことです。手紙を出す場合の注意点は、必ず手書きで縦書きで書くことと修正液は使わないことです。間違えてしまったら書き直しましょう。

<内定辞退を手紙で伝える場合の例文>

拝啓

貴社、益々のご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はお忙しい中、お電話を差し上げ失礼いたしました。
せっかく採用内定をいただきましたが、自身の適性と希望色をを鑑みた結果、他の会社とのご縁を感じました。誠に勝手ではございますが、貴社の内定を辞退させていただきたく存じます。
貴重なお時間を割いて面接をしていただいたにも関わらず、このように辞退させていただくことを心苦しい限りですが、何卒ご容赦ください。
このたびは、大変お世話になりました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。

敬具

平成◯◯年◯月◯日
◯◯大学◯◯学部◯◯学科4年
佐藤 太郎

絶対にやってはいけないNG行動

内定辞退の連絡をしない

相手の企業は内定を出して、来てもらえると思っているでしょう。連絡をしなかったら人材を確保できたと思って、採用活動をやめてしまうかもしれません。応募者の面接をしたり、採用試験を行うということは、普段の業務の他に手間を取らせることなのです。採用活動に合わせたスケジュールを組んで業務を行っている会社もあるでしょう。採用する側は真剣に取り組んでいるのです。その想いに真摯に向き合うのがマナーというものです。

内定辞退する会社のことを悪く言わない

辞退連絡をする場合、会社のことを悪く言うようなことは絶対にやめましょう。「面接官の質問の仕方が感じが悪かった。」「御社はネットでの評判が悪いから。」などと余計なことを言わなくてもいいのです。わざわざ相手を不快にさせるようなことは言わず、理由を聞かれたら他の会社のほうが自分の適性に合っていると感じた、などと前向きな理由を述べましょう。

内定辞退をする時に知っておきたい疑問

内定辞退の連絡をしたら呼び出された。会うべき?

電話で内定辞退の連絡をした際に、会って話がしたいと言われた場合はどうしたらいいのでしょうか。その場合は基本的に会社へ出向いて、直接会って辞退の旨を伝えるのが礼儀です。

内定承諾書にサインした後に辞退できる?

内定をもらった際に、企業によっては「内定承諾書」というものを書く場合があります。これは内定辞退を防ぐためのものなのですが、サインをした後でも辞退することはできます。この「内定承諾書」は、「4月1日から始まる労働契約であるが、双方が解約権を持つもの(企業・内定者どちらからも解約できる)」なのです。

内定辞退はいつまでにすればいい?

内定承諾書にサインした後だったとしても、労働開始の2週間前まででしたら辞退をしても大丈夫です。民法627条1項に、契約期間の定めのない労働契約では、労働者は2週間の予告期間を置けば、特段の理由を必要とせずに労働契約を一方的に解除できる、とあります。

新卒で内定辞退した会社に転職したい

もしも就職活動をしていた頃に一度内定辞退をした会社に転職したい、と思った場合はエントリーしてもいいのでしょうか。一度辞退したから再度応募できない、という法律はありません。
応募することは可能ですが、以前どうして辞退したのかを自分自身でよく考えてみましょう。今の会社がつまらないから、などの理由でしたら再度応募しないほうがいいのではないでしょうか。本当にその会社に入りたい、と思うのでしたら応募は可能です。しかし、前回内定をもらえたからといって、採用してもらえるとは限らないということを念頭に置いておきましょう。

内定辞退は誠意をもって伝えよう

内定辞退の連絡は気まずいですし、どう伝えたらいいのか悩むことでしょう。しかし、これから社会に出ていくと何かを断らなければならない、辞退しなければならないことは何度も経験するでしょう。相手の気持ちに立って、失礼がないように言葉を選び断るという行為は社会人として必要なマナーであり、スキルです。うやむやにせず、早い段階できちんと連絡をするようにしましょう。

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