圧迫面接はこうやって論破!質問例からみる企業側の意図と面接対策マニュアル

就職活動を行うにあたって、企業側との面接は欠かせないもの。面接内容は企業によってさまざまなスタイルが取られていて、質問内容も多種多様です。その中でも、『圧迫面接』はできることなら避けて通りたい面接の一つと言われています。そんな面接を余儀なくされてしまった際にあたふたしなくてもいいよう、圧迫面接について分かりやすく解説していきたいと思います。

圧迫面接って何?企業側が考える圧迫面接に隠された意味

就職活動をしている際に『圧迫面接』という言葉を聞いたことはないでしょうか?“圧迫”という言葉を使っているだけあって、容易な面接ではないと予想できます。では、実際に圧迫面接というものはどのような面接のことを言うのか、そして、そのような面接を行う企業にはどのような意図があるのか、見ていきたいと思います。

圧迫面接とは?

圧迫面接とは、面接官が威圧的な態度を取り厳しいことを言ったり、嫌味ともとれる発言や回答に困るような意地悪な質問が繰り返され、重々しい空気の中行われる面接のことを言います。求職者は、突然そのような面接に直面するため、戸惑いや大きなストレスを感じます。どう答えたら正解なのか、いまいち掴めないのもこの面接の特徴です。

圧迫面接をする企業側の大まかな意図

実際に直面した方は、「いったいこの面接なにがしたいの?」と腹が立ってしまような面接方法ですが、圧迫面接を行う企業側には企業側なりの意図があるようです。では、圧迫面接時、起用側は求職者のどのような点をみているのでしょうか。

  • ストレスに対する耐性
  • 「最近の若者はちょっと何かあるとすぐに辞めてしまう」と言う話を良く耳にします。それが現代の若者だけに言えることなのか、いつの時代も言われてきたことなのかは定かではありませんが、企業側からしたらストレスを感じるとすぐに辞めてしまうか弱い人材より、ストレスに強く、それをばねにできるような人材の方を欲するのは当然です。

    そこで、圧迫面接を行うことによって、その人物のストレスに対する耐性をチェックしていると言われています。多少叱られたくらいでやめてしまうような耐性の低い人材ではないか。一部の顧客からの理不尽な主張や発言にも耐えられるような人材か。ストレスを受けた時に、どのような表情を見せるのか。企業側は細かくチェックしています。

  • 臨機応変な対応力
  • 威圧的な態度で来られるとついひるんでしまったり、重々しい雰囲気の中厳しい発言をされるとついパニックになってしまう人もいるはず。企業側はそういった状況下で、その人物はどう切り返してくるか、はたまたパニックになり黙り込んでしまうのか。泣いてしまうのか。そういった点をチェックしています。
    仕事を行っていく上で顧客などから厳しい指摘を受けたり、理不尽に罵声を浴びせられたする職業も少なからず存在します。そんな時、臨機応変に上手く対応できる力を持った人材を企業側は欲しているのです。

圧迫面接の質問例とその質問をする意味

では、分かりやすく質問例をあげていきたいと思います。その質問に対する企業側の意図を読み解いてみましょう。

相性を否定する質問の場合

  • 「君にはうちの会社は向いていないんじゃないかな?」
  • 「あなたが学校で学んできたようなことは、うちでは活かせませんよ」
  • 「そんな考え方じゃうちでは通用しないよ」
  • 「君みたいな性格の人は長続きしないんだよねぇ」

  • 面接時、このような言葉を言ってくる企業側の意図は以下の通りです。

  • この人材は、自分自身のことをしっかりと理解できているか。
  • この人材は、自分自身と企業とを組み合わせた考え方ができているか。
  • 事前に企業のことをしっかり調べて理解した上で面接に臨んでいるか。

やる気や理想をを否定する質問の場合

  • 「この仕事は残業が多くてきつい仕事だよ。やめておいたら?」
  • 「あなたが考えているような仕事ではありませんよ」
  • 「やる気でどうにかなったらみんな苦労はしないよね」

  • 面接時、このような言葉を言ってくる偉業側の意図は以下の通りです。

  • 思ってもいないような困難に直面した時に逃げ出さず、やり遂げる気持ちがあるか。
  • 企業の仕事内容や実情をきちんと知った上で就職を希望しているのか。
  • 面接使用の上辺だけの動機や意欲ではないか。

本人を否定する質問の場合

  • 「君って普通だよね。個性がなくて面白みがないよ」
  • 「そんなの誰でもできることですよ」
  • 「大したことのない経歴だね」

  • 面接時、このような言葉を言ってくる偉業側の意図は以下の通りです。

  • 自分に自信を持っている人材か。
  • 自分と他人との違いを把握しているか。
  • 自分のことをきちんとアピールできるか。

このように、質問だけを見ると「なんてひどい面接なんだ!」と気分を害してしまう気持ちも分かります。しかし、その裏に隠された企業側の意図を知ることで、また違った背景が見えてきます。

注意して!圧迫面接に潜むブラック企業の見分け方

圧迫面接に直面した時、気をつけなければならないのがその企業が意図をもって圧迫面接をしているのか。それとも単なるブラック企業なのか。という点です。きちんとした企業の圧迫面接と、単なるブラック企業の圧迫面接は似ている傾向にあります。その違いは、企業がしっかりとした意図を持ち、人材を見定めるための手段として、あくまでも企業のルールの範囲で行っているかどうか。この中に私情や感情、個人の損得は一切含まれていないことがポイントです。

ブラック企業にありがちな面接

ではここで、ブラック企業なのかそうでないのかを見分けるために、ブラック企業にありがちな面接をご紹介していきたいと思います。

  • 家族に関する内容の質問
  • 家族に関しての質問は、本来就職差別にあたるためしてはいけないとされています。そんな中「君のお父さんの職業は」「君のお父さんはどれくらいの年収をもらているの?」などといった、家族に関する情報提供を求められた場合、モラルが欠ける企業である可能性が高くなります。

  • 性別に対する内容の質問
  • 性別に対する内容の質問も、家族に関する質問と同じように就職差別にあたる質問とされています。「君は女性だけど、今後結婚は考えているの?」「この仕事は女性には務まらないと思うのだけど、君はどう思う?」など、こちらもモラルに欠ける企業である可能性が高い質問の一つです。

  • 面接時間が極端に短い
  • 面接時間が極端に短い企業は、『頭数が確保できれば、どんな人材でも構わない』と思っている企業の可能性があります。どんなに優秀な人事採用のプロであったとしても、きちんと人を見抜いて評価するには時間が必要だと言います。中身のない短い面接だけで、その人が持っている能力や人柄、将来の可能性などを正確に判断することは不可能なのです。また、短い面接を行った上に「OK!君採用ね!」と即採用される場合などは、さらに注意が必要です。

  • 業務内容や会社業績についての質問を曖昧にされる
  • 業務内容や会社業績についての質問に対して曖昧にするような企業は、業務内容が過酷であったり会社業績がおもわしくなかったりと、会社側が不利になる情報を隠している恐れがあります。入社してからそのことに気がついても後の祭り。質問したことに対して明確な答えをくれる会社であるかどうかは、ブラック企業かそうでないかを見極める上でとても大切なポイントです。

  • 離職率や労働条件に関する質問を嫌がる
  • 離職率や労働条件に関する質問を嫌がるのも、前に述べたことと同じように企業側が隠したいと思っている内容であるからな可能性があります。

一概には言えませんが、このような面接はブラック企業を疑うことをおすすめします。

圧迫面接で落とされやすい!マイナス評価につながりやすい行動

このように、さまざまな圧迫面接があることは分かりましたが、ただこのような面接があるということだけ知っていたのでは、実際に圧迫面接に直面した際にどう行動していいか分かりません。ではまず、圧迫面接時にマイナス評価につながりやすい行動について解説していきたいと思います。

感情的になって言い返してしまう

面接官の威圧的な態度や質問に対して、何も思わないという人はまずいないでしょう。それもそのはず。面接官はあえて相手の感情を高ぶらせるような言い方をしているのです。そういった面接時、つい感情的になって反論してしまったり言い返してしまうような人は、まんまと面接官の思うツボです。
例えばそういう人を入社させ、仕事中に同じような場面に遭遇した場合でも、感情を抑えられにず言い返してしまう人間なのだと判断されてしまいます。そういった人材は企業側の不利益になる人材だと判断されてしまうので、このような行動はマイナス評価につながりやすい行動と言えます。

雰囲気にのまれて泣き出してしまう

圧迫面接の際にうまく対処できず、泣き出してしまう人もまれに存在するようです。そういった人はストレスに対する耐性が極端に低い人材なのだと判断されてしまいます。仕事に関することで指摘をしたり叱ったりするのにも、泣き出してしまうのではないか…と気を使う相手とは仕事をしたくありませんよね。したがって、泣き出してしまうという行動はマイナス評価につながります。

対処できずに沈黙してしまう

圧迫面接時の厳しい質問に対して、どう対処していいか分からずパニックになってしまった結果、言葉が出てこず沈黙してしまう。こういった行動は、臨機応変な対応力に欠けている人材としてマイナス評価を受けてしまう傾向にあります。

圧迫面接に受かるために!圧迫面接の対処法

で見たような行動をしないためにも。また、圧迫面接に見事受かるためにも、どのような対処法があるのでしょうか。

面接官も仕事で仕方なくしているのだと割り切る

厳しい質問や指摘をされると、「この面接官に対する自分の印象が悪いのではないか」「なぜか分からないけどこの面接官に嫌われているのではないか」と自分自身に至らない点を探したり、ネガティブな発想に陥りがちです。結果、自信を喪失してしまい、面接官の前で上手く自分をアピールすることができなくなってしまったり、パニックになってしまったりします。
圧迫面接を受ける際は、まずこのような考えを改めなくてはなりません。面接官は、あくまでも面接官としての“仕事”として圧迫面接を行っています。本当はものすごく優しい人で心の中では「こんなこと言いたくないな」と思いながら、仕方なく仕事を全うしているのかもしれません。圧迫面接を受ける時には、「この人も大変なんだなぁ…」くらいの気持ちでいると冷静に状況を受け入れられるようになります。

苛立ちは顔に出さず、冷静に

圧迫面接特有の厳しい質問や否定的な質問ばかりをされてしまうと、だんだんと苛立ってきてしまう人もいるでしょう。ネガティブな言葉がネガティブな感情を生むのは当然なことだと思います。しかしそのような時、苛立ちを顔に出してしまっては企業側の思うツボです。マイナス評価を受けてしまいます。
圧迫面接時は、自分が女優や俳優になったつもりで、口元に笑みを浮かべながら余裕な表情を崩さないように心がけましょう。また、そこまでできなくとも、常に冷静な姿勢で臨みましょう。言い返したり、声を荒げたりするのはもっての外です。

面接官の厳しい指摘を否定せずに一度受け入れる

面接官に否定的な発言をされた場合、「それは違います」「そんなことはありません」などすぐに否定してしまうのはやめましょう。「なぜそう思うのですか?」と返されてしまった場合、それに対する回答のハードルが上がってしまいますし、客観的意見に耳を貸さない、視野の狭い人間の印象を与えてしまいます。
こういう場合は、まず否定的な言葉で入るのではなく「ご指摘の通りです」「おっしゃる通りです。」と一度面接官の意見を肯定してから、「ご指摘の通りです。私自身不甲斐なさを感じております。しかし…」といったように、その後に経験を経た考察や自分なりの意見を述べるように心がけましょう。

面接官の「なぜ?」攻撃への事前準備

圧迫面接にありがちな、「なぜ?」攻撃。「なぜこの会社を選んだの?」「なぜこんなに転職回数が多いの?」次々に質問されます。こういった攻撃に対処するためには事前準備が欠かせません。学歴や志望動機、自己PRや職務経歴などを確認し、面接側が深堀してきそうな場所を徹底的に洗い出し、それに対する回答をしっかりイメージトレーニングをしておきましょう。友人などに、「なぜ?」攻撃を想定した面接練習に付き合ってもらうのも手かもしれません。さまざまな「なぜ?」を繰り出してもらいましょう。

圧迫面接は綿密な心の準備で乗り切ろう


このように、圧迫面接は心にダメージを受ける面接です。しかし、だからこそ心の準備をすれば乗り越えられる面接だとも言えます。圧迫面接に隠された意味をしっかりと理解し、冷静な気持ちで臨むことが圧迫面接を乗り越える一番の方法だと言えるでしょう。

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